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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  リパブリック Z 《ネタバレ》 
シベリアにある「サハ共和国」(旧・ヤクート自治共和国)を舞台にした映画である。監督・脚本家と劇中人物はほとんどヤクート人で、台詞もほとんどヤクート語らしい。言語の系統としてはトルコ語に近いのだそうだが、人種としてはまるきり「平たい顔族」であって、兵隊姿の女性などは場面によって上戸彩を思わせるといえなくもないが、男連中は渥美清か阿部サダヲかとも見える。邦画というよりは、どちらかというとモンゴルの映画とか昔の韓国映画の風情だった。 ロードムービーとのことで、いかにも人がいなさそうな平地や川や森林や町村が見えている。どこからどこへ行ったのかは不明瞭だったが、南部にある第二の都市ネリュングリへ行こうとして、レナ川を渡って首都ヤクーツクを通りすぎて森林に入って終わったようなので、どちらかというと北から南へ移動してきたのかも知れない。ちなみに冒頭で旅客機が墜落していた場所は、ヤクーツク市街地南部にあるサイサリ湖Озеро Сайсарыだった。市街地の北にある空港を離陸してすぐ落ちたらしい。  映画の分類としてはゾンビ映画だろうが特に怖いところはない。設定上は「先史時代の人間の腕」の発掘が発端になってゾンビが蔓延したとされていたが、現実世界でも2016年にシベリアの別の場所で土中から出た炭疽菌に感染した事例があり、また最近は永久凍土層から新種のウイルスが続々と発見されたりしていて、温暖化による永久凍土層の融解は「感染症の時限爆弾」だとの指摘も出ている。それは今風にいえば脱炭素向けのネタなわけだが、この映画ではよりオーソドックスに、現地で行われてきた鉱物資源の採掘が自然破壊につながったのだと主張していた。ちなみに映画と関係ないが、現在のサハ共和国では永久凍土が融けてきたことでマンモスの発掘が産業化しているとのことで(ハンコ用の象牙)、これも危ない感じを出しているといえる。 原因はともかくとして、土中から出た病原体により冬は休眠して春~秋に活動するゾンビが発生したというのは、この場所の特性を生かしたユニークな発想と思われる。劇中人物はアメリカに難癖つけていたが実はここが真の発生地であって、その解決策もセットで提供した形のご当地ゾンビ映画になっていた。  ドラマの面では、終末世界ながらそれほどの悲壮感もなく、どことなく抜けた感じの緩さがある。青春ロードムービーのようでもあり、また最終的には英雄物語でもあったらしい。個別の場面としては、遊牧民の長老のような顔をした爺の「…誰でもが希望を持つべきだ…」という素朴で率直な発言が心に染みた。こういうことを言って死にたいものだ。 残念だったのは終盤の展開がかなりいい加減で、唐突に最後を切り上げたようで何だこれはと思わされることである。何か事情か考えがあったのか、あるいは単に制作側の姿勢がいい加減だったのも知れないが、珍しいヤクート映画なのでまあいいことにしておく。監督には今後も頑張ってヤクート映画を作ってもらいたい。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-22 13:01:03)
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