41. 芙蓉鎮
文化大革命の実態を垣間見ることができるだけでも面白い。 長いが、「歴史を語る」という点において、叙事詩的な大作感を出すのに一躍かっている。 しかし、美人後家さんをモノにした、あの男がうらやましい! あの環境なら、誰でもおとせそうな気がする。 つまり役得だ。 まあ、その後は悲惨だが、美人後家さんを慰めものにした罰だろう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-12-22 01:13:35) |
42. 台北に舞う雪
《ネタバレ》 おもいっきりベタな展開の恋愛映画だが、ストーリーよりも、映像の美しさ、風景描写の素晴らしさ、色使いの美しさに目を奪われた。 台湾特有の、街中を線路が突き抜けるロケーション。 その近くに建つ、おんぼろの家。 これらが美しい映像によって映し出されている時点で、ストーリーがむしろオマケにも思えてしまう。 主演の男女二人は、特別、美男・美女とも思えないが、かえって親近感をおぼえた。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-01 18:41:39) |
43. 活きる
《ネタバレ》 1940年代から60年代を舞台に、中国のある家族の一代記を描いた作品。 博打で屋敷を手放し、戦争では死の淵を彷徨い、二人の子供は死んでしまう。 それでもなお人間は生き続けなければならない。 人間は弱くもあるが、時間を経るにつれ、辛い出来事を乗り越え逞しくまた生きていく。 その躍動感に満ちた人生を『活きる』と題し、描いて終わるのだが、どうも単調だし、尺も長いのがひっかかる。 チャン・イーモウはこの手の人情劇を撮らせると抜群に良い味を出せる監督だが、本作は変にスケールを大きくしてしまったせいで、初期の作品群に感じられた素朴な味わいが消えてしまっているように感じた。 後のワイヤーアクション大作で、それまでのファンを置き去りにしたチャン・イーモウが、その片鱗を見せた作品だと感じる。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-28 09:15:32) |
44. 秋菊の物語
《ネタバレ》 人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。 夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。 本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。 人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。 組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:01:54) |
45. 小さな赤い花
《ネタバレ》 チャン・ユアン監督の作品ということで鑑賞したが、これまでの作品とは趣がまったく異なり、子供たちが主人公という内容。 全寮制の幼稚園が舞台で、そこに入園した問題児がどうなるかの過程を描いた内容だ。 これが全くつまらない。 起伏がない。 そして、主人公の男のコが、これまた憎たらしい。 ラストにもひねりがない。 ある監督が好きだからと言って、その監督の作品を選ばずに観ると、残念な結果になってしまうという典型になってしまった。 [DVD(字幕)] 3点(2011-07-27 20:16:22) |
46. 紅夢
中国製作映画としては、チェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』に匹敵する濃度を持った作品。 チャン・イーモウは、この頃、素晴らしい作品を撮った。 現在に関しては、敢えて語らず。 抜群の才能が、出世的野心と金によって摘まれることの損失の大きさ、本作を観てこれを感じずにはいられない。 主演のコン・リーは、完璧なまでの大陸美人。 チャイナ服をとっかえひっかえ着こなす。 そして、巨大なのに閉塞感たっぷりの大邸宅。 妾4人とは羨ましくもあるが、現代日本の感覚からすると、むしろ寂しい印象の方が勝るかも。 とにかく、あのお城の様な邸宅は冷たい感じがする。 大体、気味の悪い小屋が屋上にある時点で頂けない。 だが、中国ならではの文化、もちろん中国の中でも特殊な世界での文化だろうが、我々日本人からしたら、カルチャーショックの何物でもない。 同じアジア圏の私から見てもショックを受けたくらいなので、欧米人が本作を観たらどんな感想を持つんだろうか。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-05 01:52:59) |
47. 哀戀花火
一昔前の中国映画の典型を見るような作品。 とにかく変に真面目っぽく、それでいて陰湿。 封建社会の内実はよく描けているとは思うが、恋愛がらみがどうも回りくどい。 出演陣の演技には熱がこもっており、見応えがあるのは救いだった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2010-11-23 23:43:44) |
48. ウォ・アイ・ニー
《ネタバレ》 「愛してる(ウォ・アイ・ニー)」という作品名から想起するに、ピュアなラブストーリーと思いきや、とんでもなく濃厚な人間ドラマだった。「愛してる」とお互いの気持ちを確かめ合い、幸せの絶頂で結婚した二人の男女。晴れて夫婦になったはいいが、結婚してからは喧嘩ばかり。あれほど愛し合っていたのに、何故これほどまでに喧嘩ばかりするのか。しかも救いようのないほどに激しい衝突の毎日。喧嘩のたびに仲直りするとかいうレベルではなく、喧嘩ばかりで毎日がギスギスしている。当然、こんな状況が毎日続けば、夫婦生活は危機に瀕してくる。夫と妻とどちらが悪いか、判断は非常に難しい内容だ。男性と女性によっても見解は分かれるだろう。男は結婚して同居したはいいが、ロクに妻と会話もせず、パソコンに向かってばかり。要するに、独身気分のまま自分勝手に行動している。そこにからむ妻。もっとしっかり夫婦の会話をもちたいとしつこく夫に迫る。なんか、どこの夫婦にもありそうな衝突なのに、この映画で描かれる夫婦の衝突は激しいものがある。それは何故かと考えれば、夫婦がお互いに一歩も譲らないからだ。どこにでもある夫婦間の衝突であっても、相手の気持ちを考えずに、自分の主張ばかりをしていると確かに喧嘩ばかりになるだろう。非常にリアリティのある内容で、私の様な妻帯者にはホラー映画にさえ感じた。この映画から学んだことは、夫婦のどちらが悪いとかを考えるより、相手を思いやる気持ちを持って夫婦生活を送るということだ。でもそれは容易なことではない。相手を思いやりながら、ずっと夫婦生活続けていくためには、それこそいつまでも「愛してる」という気持ちを持ち続けていくしかない。「恋愛と結婚は違う」とか言う御仁がいるが、それは間違っていると私は思う。恋愛を更に成熟させて、相手のことをより深く愛し続けることで、結果、結婚生活もうまくいくのだ。そういう意味では、「ウォ・アイ・ニー」という言葉を安易に発するべきではない。特に、結婚を意識しながら付き合っている男女ならば、結婚してからのことも含めて「愛してる」と言うべきかもしれない、、、いや、ぶっちゃけそこまで私も重くは考えていないのだが(笑)、恋愛から結婚へのつながりを考えた場合に、本作は「愛してる」という言葉の重さ、責任を、観る者に容赦なく突きつけているように思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-29 20:18:35) |
49. 五月の恋
ストレートな青春ラブストーリーという点において、満足できた。 妙ちくりんな設定がなく、ただ二人の出会いと離別、そして再会を主題に置いているのが良い。 途中、おじいさんのエピソードが入るが、あれは完全に不要。 あれがなければ90分程度のキレのある純粋なラブストーリーになったはず。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-25 23:38:53) |
50. 長江哀歌
三峡ダム建設は、世界的なニュースとして有名だが、日本人からすれば、それは単なる海外で起きているニュースにしかすぎず、当然、それに関して特別な感傷を持ち得ない。 それが、本作を観て、心を揺さぶられなかった最大の要因だ。 当然、三峡ダム建設によって住まいを奪われた人がこの作品を観たら、生涯忘れられない作品になるだろう。 映画祭常連のジャ・ジャンクー監督が、数々の受賞歴の中でも一際輝くヴェネチア映画祭グランプリを獲得した本作ではあるが、彼のフィルモグラフィの中では決して上位にくる作品ではないだろう。 万人受けする作品より、もっとジャ・ジャンクー色が出た作品を撮ってほしい。 決して、チェン・カイコーやチャン・イーモウの二の舞になって欲しくはない。 ただ、それを祈るのみである。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-02-16 00:54:09) |
51. 初恋の想い出
《ネタバレ》 ラストシーン。 二人は記念撮影を行う。 この時の、ヴィッキー・チャオの涙顔は、さすが女優!と言わざるを得ない素晴らしさ。 その後の微笑みも、また格別。 寂しげな表情でカメラに向う二人のシーンは、ラストに相応しい余韻を残す。 ただ、親同士のしがらみによって、その子供同士の恋愛が成就しないという筋は、理解し難いものがある。 父親が末期ガンになって、ようやく娘のことを思い、二人を結びつけようとするが、それもいささか無理を感じた。 死に際にいきなり信念を曲げるというのも、私の人生観に合わない。 それなら、最初から娘のために結婚を容認すればよかっただろうに・・・ 脚本もまどろっこしく、時間が長く感じた。 ラストシーンは素晴らしかったが、それまでのほとんどが凡庸なだけに、満足とは言い難い。 [DVD(字幕)] 4点(2010-02-02 00:42:58) |
52. 一瞬の夢
定職を持たずスリで生計を立て、女性に対しても奥手で、それでいて言動はツッパッている。 コンプレックスを抱え、人生の目標や明確な生き甲斐を見出せていない迷える若者像(外見は若者っぽくないが)が、本作の主人公ウーである。 器用に生きてきた人間には決して共感はできないだろう。 ウーは、長い目で人生をみることができていない。 それでいて、どこかで刺激を求めているし、カラオケバーで出会った女性には、一応恋心みたいなものを持ちはする。 しかし、そんなフラフラした男に、女性は魅力を感じるはずもなく、それは“一瞬の夢”と終り、失恋することになる。 自分の20代の頃の苦しみを思い出すようで、観ていると辛いが、その分、強烈に感情移入できた。 何かが満ち足りていないからこそ、女性にのめりこむが、満ち足りていないプラプラ人間だから、相手にされず、逃げられる。 それで余計にふさぎこむ・・・ このような負のスパイラル、苦悩の青春の日々に立たされているウーを、本作は淡々と冷淡に客観的にカメラに捉えているが、物語の最後も何も救済は行われず、突き放した形で、本作は幕を閉じる。 作品としては救いがないが、アメリカ映画のように短絡的なハッピーエンドやバッドエンドにするよりは、数段マシである。 青春の一時期を切り取ったような作品だから、そんな短時間で結論めいたものは出なくて当然で、むしろその方が自然でリアリティがある。 ところで、カラオケバーのシーンで、室内の照明の影響で画面が赤くなる。 本作の監督ジャ・ジャンクーを、“キタノブルー”の北野武が見出したわけだが、このカラオケバーのシーンは、まさに“ジャジャンクーレッド”とでも命名したい様な映像で、北野武とジャ・ジャンクーという二人の監督の接点を見た気がした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-30 22:24:15) |
53. ふたりの人魚
ロッテルダム国際映画祭でグランプリ、そして東京フィルメックスでもグランプリを受賞した、アジア色が色濃く香るロマンスムービー。 まるでウォン・カーウァイ作品の様に、夢とも現実ともつかない映像の連続。 澄みきった映像美というより、温かみのあるムーディな映像美だ。 話としては特別大したことはないのだが、ムードと映像美で十分魅せる作品である。 日本だと、こういう作品は創れないだろうなぁ。 蘇州は行ったことがあるので、更に楽しむことができた。 金髪のカツラをかぶった人魚は、神秘的なまでに美しく、それを追いかけ続けた男は、夢遊病にかかったかのように心虚ろだ。 ただ、本作がウォン・カーウァイ作品に一歩及ばないところは、音楽の使い方だろう。 ムードを盛り立てる音楽が効果的に使われていたならば、アジアを代表する、心に残る傑作となったに違いない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-05 00:38:18) |
54. 東宮西宮
《ネタバレ》 ゲイの少年を変態として拘置した警官。 警官は当直で暇との理由から、ゲイの少年の独白に耳を傾ける。 最初は真っ向から批判した態度だったが、じょじょに少年の話に引きこまれていき、やがては・・・ という流れではあるが、警官にそのケがない限り、いくらゲイと二人きりで誘惑されたところで、キスをしたりはしないと思うのだが。 その辺り強引さは感じられたものの、人間、自分が正しいと思っていても、ある種の閉鎖的空間に置かれた場合、自分がどうなっていくかの保証はない。 そういったことをテーマにした内容としては、主題が良く伝わってくる力作だと思う。 しかし、ゲイに女装させ、そこからキスへと移るくだり、怪しい気色の悪さを放っていた。 好みではない作品だが、チャン・ユアン監督の、何でも撮れるぞ!的な懐の広さは本作でも感じた。 撮るたびに趣きの異なる作品を放ち続けるチャン・ユアンという監督。 その器用さという点において傑出したものを感じる。 今後もチャン・ユアン監督の作品から目を離せない。 そして、次はどんな作品を撮ってくるんだろう、と期待させてくれる監督である。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-12-20 02:35:55) |
55. ルアンの歌
ストーリーに深みもなく、面白味も足りない。 青年目線で描いた、大人の世界といった内容だが、ただそれだけを淡々と見せられても、あくびが出るだけだ。 中国映画の凡作を発掘してしまった気がする。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-01 22:24:18) |
56. ただいま
《ネタバレ》 ちょっとした過ちが、殺人につながり、そしてそれが一人の女性の人生を奪ってしまった。 何とも哀しい話だ。 哀しい話だけで終わってしまうところが、この作品の最大の難点。 悲劇があったとして、悔い改めてこれからの生活を前向きにいこうとか、何らかの希望や、温かい何かがあっていいはずなのに、それがまったく見えてこない。 単なる悲劇で終わっている。 ただ哀しい話で終わらせず、そこへのプラスアルファ、つまりは、何か観ていて得られるものが欲しかった。 テーマとしては、深くて重みがあっただけにもったいない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-11-21 20:37:47) |
57. 緑茶
DVDジャケットの雰囲気や、撮影をクリストファー・ドイルが担当しているところなど、期待は大きすぎるほどに膨らんだ。 期待を十分に満たしてくれたとは言い難いものの、それでも並の作品ではなかった。 実に余韻を残すストーリーで、ドイルの映像と相まって、鮮烈な印象を残した。 この監督の他の作品も是非観てみたくなったほどだ。 主演女優のヴィッキー・チャオは、それほど好みの顔立ちではないが、実に画的に映える女優だ。 ドイルの映像とのコラボレーションは、それになり成功していたのではないだろうか。 又、特筆すべきなのが、その音楽。 ラストで流れるアップテンポな音楽には、何か胸躍るものを感じた。 終り方の余韻もなかなかで、幾度かの鑑賞にも耐え得るレベルの作品だと思われる。 ストーリーは、ロマンス色よりもミステリー色の方が強く出ている為、謎かけ話が好きな人にとってはそれなり楽しめる内容だが、ムーディなロマンス劇を期待すると、少し物足りないかもしれない。 いずれにしても、本作がアジア映画ならではの魅力を放っていることは間違いないし、自分の好みど真ん中ではなかったにしても、並の作品からは決して感じられぬ空気感を、感じ取ることができた作品であった。 又、日本だとこういう作品は創れないだろうなぁ、とも思うわけで、アジア映画の良さを満喫できたという点については、十分満足のいく作品であった。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-07 00:30:53) |
58. 藍色愛情 A Love of Blueness
映像の美しさは、まあそこそこ。 恋愛の映画としては、決してベタに寄り過ぎず、かといって妙ちくりんな設定を設けたりせず、バランスは取れている。 ただ、満足のレベルまではいかなかった。 主演の男はそんなにかっこよくはない。 だけど、そこそこ印象に残る。 主演の女は、それほど美人ではないし、スレンダーではあるが、少しだけ姿勢というか体のラインがよろしくない。 主演二人のレベルと、カリスマ的魅力が十分なら、もう少し感動できたかもしれない。 後半は少し話が分かりづらくなるのがネックだった。 変に話を膨らめ過ぎず、主演二人の男女間における恋愛心理的な動きをもっと丁寧に深く描いた方が良かったかも。 ラストシーンはイマイチかなぁ。 話を締めくくり、余韻を残すという点においては、少し足りない感のあるラストだった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-04 19:10:02) |
59. 變臉~この櫂に手をそえて~
《ネタバレ》 こりゃ、いかん、安っぽいヒューマニズム臭が漂い過ぎだ。 大体、あの老人は気色が悪い。 老人と少女との心温まるヒューマンドラマといったところだろうが、陳腐な作りで感動に至らない。 大体、少女が落下して、タイミング良く受け取るシーンなんて、まさに臭すぎ。 都合良すぎる。 全てにおいて胡散臭く、そしてあざとい演出が癇に障った。 [ビデオ(字幕)] 2点(2009-09-07 02:08:39) |
60. 世界
ジャ・ジャンクーの作品を何本か観ることによって、やっとこの監督の魅力が分かってきたよう気がする。 ストーリー展開はあまりないが、美しい映像とアジア的音楽で流れるように進行していく。 これが何とも心地良い。 日本映画やアメリカ映画、そしてフランス、イタリア、ドイツ、イギリス映画とも全く異なった、アジア映画ならではの魅力が感じられる作品である。 舞台ショーのシーンが何度か映されるが、実に色鮮やか。 “スーパーアジアンショー”的で楽しめた。 ところで、本作で音楽を担当したリン・チャンという人物だが、実に魅力的で躍動感溢れる映画音楽を作る人だ。 調べてみたら、『憂鬱な楽園』や『ミレニアム・マンボ』といった音楽が印象的なホウ・シャオシェン監督作品でも音楽を担当しているようだ。 今後、注目したい音楽ディレクターである。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-04 03:40:06) |