1. 赤頭巾ちゃん気をつけて
原作の雰囲気をそのまま映像化している。自分が生まれる前の作品なので、当時の空気感が伝わってきて興味深かったです。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-02-20 09:32:28) |
2. アウトレイジ 最終章
《ネタバレ》 タイトル通り、まさに「最終章」と言える作品 その後の事務所云々の騒動が大友の生き様とリンクしていて、いろいろな意味でこの作品は北野武監督なりのケジメの付け方だったのかと思わせる内容でした。 [DVD(邦画)] 9点(2018-10-07 01:33:11) |
3. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 前作よりも更にパワーアップして面白くなっています。とにかく、なんらかの組織に属している方であれば、見ていて「あるある」と頷いたり、登場人物を知り合いにあてはめたりして楽しめる作品です。 これは単なるヤクザ映画ではなく、日本社会そのものをヤクザ社会に投影して描いた映画ですね。とにかく、北野監督の冷徹なまでの人間観察力、虚無感、ユーモア等々が全てマックスレベルで投入されています。 そして、「本当の敵は誰なのか」を明確にしたラストの素晴らしさ。まさに満点の映画でした。 [DVD(邦画)] 10点(2018-10-07 00:48:45) |
4. 旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ
《ネタバレ》 旭山動物園の歴史を知るには良い作品です。ただ、豪華すぎるキャストの個性が強すぎるのが逆効果だと思いましたね。まるで「元極道たちが動物園に就職?」みたいな感じで・・・・。 [地上波(邦画)] 5点(2017-08-21 23:38:40) |
5. 明日への遺言
《ネタバレ》 「米軍では、非人道的なことに対する報復が軍法で明確に容認されている。」この事実こそが、この作品を理解する大きな鍵となっています。 公正であるべき裁判が、当事者である戦勝国が敗戦国に対して行う矛盾。そしてその戦勝国では「非人道的」(人道的な戦争というものがあれば教えて欲しい)なことに対する報復が容認されている事実。しかも、戦勝国側の戦争犯罪については裁かれることはない理不尽・・・・・。 日本の戦争中の行為を肯定するつもりは毛頭ありませんが、この「正義の面を被った復讐行為」についても疑問を感じます。 そのような中で、岡田中将やフェザーストン弁護士のような「公正」さを求めた人物が日米両国に存在したことは非常に感銘深いですね。 [地上波(邦画)] 7点(2015-05-03 14:03:31) |
6. あしたのジョー(2010)
《ネタバレ》 残念ながら「あしたのジョー」の世界観を完全に実写化することはできていませんが、このような実現不可能と思われることに敢然と立ち向かう製作陣、キャスト陣のストイックな姿勢こそが「あしたのジョー」が伝えたかった精神そのものなのかもしれません。ドヤ街を初めとする昭和40年代の日本の雰囲気の再現や、キャスト陣の役への入れ込み具合(丹下段平はちょっとやりすぎてコントになってしまってますが)等々かなり頑張っています。 そして、この映画の一番大きな意義は、今の若い人たちに「あしたのジョー」という不朽の名作を提示できたことだと思います。 [地上波(邦画)] 7点(2014-12-30 00:25:13) |
7. 網走番外地 南国の対決
《ネタバレ》 返還前の沖縄の、異国情緒溢れる光景が非常に印象的でした。内容的には、非常にオーソドックスなヤクザ映画に人情劇を散りばめた感じでした。 [地上波(邦画)] 6点(2014-09-06 00:35:37) |
8. 愛情物語(1984)
《ネタバレ》 日本映画の情緒とアメリカンな雰囲気が混ざり合っているようで全然混ざり合ってなくて、正直とても「ダサい」んですが、この「真剣なダサさ」がとても懐かしく愛おしいです。 とても、ダンサー向きとは思えない原田知世 が、想像以上に頑張っていて、なおかつとても楽しそうなのが印象的でした。 まあ、玉手箱のようにいろんな要素を入れようとして、無駄なシーンが多い気もしましたがそれもまた「角川映画」のエンターテインメントということで楽しめました。 ただ、どうしても引っかかったのが、なぜ実の親の墓参りをしなかったのか・・・・ということでした。 [地上波(邦画)] 6点(2014-09-02 00:40:35) |
9. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 間違いなく、北野武の最高傑作といえる作品。ヤクザの世界が舞台になっていますが、人間の持つ本能の愚かさ、哀しさ、そしておかしさをドライでスタイリッシュに描ききった快作です。 非常に陰惨な物語を、コントのような間や表現を利用し、ドロドロとした心理描写を極限まで削り、観客に受け入れやすくしてしまうテクニックは、さすが日本のお笑いのトップを走ってきた北野監督ならではと感じましたね。観賞後、爽快感さえ感じさせてしまう技量は本当に危険ですね(褒め言葉です)。 ヤクザ映画だと思って敬遠すると損をする映画ですね。これは21世紀の「しとやかな獣」です。 [DVD(邦画)] 9点(2013-10-26 18:29:26)(良:2票) |
10. アッシイたちの街
《ネタバレ》 日本の高度成長を支えたのは、生活のために安い賃金で真面目に寝食を惜しんで働き続けた中小企業・労働者たちであったことが良くわかる作品でした。大企業とそこから搾取され苦しむ下請企業の構図は今もまだ存在しますが、大企業であっても将来どうなるかわからない現在よりも当時はまだ情が入り込む余地があるような印象を受けました。非常にシビアで厳しい環境の中でも皆で支えあって乗り越えていこうとする登場人物たちの姿を見て、これこそが日本の強みであるとも感じましたね。 しかしまあ、キャスト陣が非常に豪華でさすが巨匠 山本薩夫監督ですね。 ZIGZAGの三木ヒロシが歌う主題歌も、まさに当時の日本ロックという感じで懐かしかったですね。 [ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-05 23:43:21) |
11. 網走番外地 北海篇
《ネタバレ》 「網走番外地」と銘打ってはいるが、ドラマの舞台はトラックの中と北海道の大地。高倉健の魅力を引き出す要素が満載です。荒唐無稽な点も多いですが、そこがまたいいですね。嵐寛寿郎 の鬼寅親分の貫禄はさすがでしたね。 まあ、敵役が揃いも揃って情けない連中ばかりだったのがちょっと物足りなかったですね(痛快ではありますが)。 [地上波(邦画)] 5点(2013-03-31 13:41:12) |
12. アジアの純真
《ネタバレ》 はっきり言って、内容的には荒削りだし、とても傑作とはいえない映画です(無差別テロはどんな理由があろうとも絶対に許されるものではないですし)。ただ、この作品からは若松孝二や足立正生や長谷川和彦といった監督たちが築き上げてきた「闘う日本映画」の魂がギチギチに詰まっていますので評価はできませんが嫌いではありません。 「こんなクソみたいな世の中どうやって変えればいいんだよ!」という少女の叫びこそが、この映画の根幹をなしており、その他の要素はこの叫びを観客に効果的に伝えるための手段に過ぎないように感じましたね。 個人的には、話の展開は日本国内だけに限定すべきだとは思いますが、若松孝二監督の弟子ですからやむを得ない部分もあるのかもしれませんね(唐突にワファ・イドリスの名前が出てきたときは「らしいな・・・」と思いました)。 映像の美しさ、特に鹿行地域の風景が印象的でした。 [DVD(邦画)] 6点(2013-02-02 10:06:25) |
13. 愛と誠(2012)
《ネタバレ》 原作が大好きで何度も読み返したので期待して観賞しました。梶原一騎の世界観と三池監督の作風が非常に合うことは良くわかりました。主要キャストのセレクトもほぼ完璧(高原由紀役はちょっと違うかなという感じでしたが)で、「愛と誠」のあの世界観を、ミュージカルという形をとることにより、21世紀の今でも受け入れやすい仕上がりにしていて素晴らしいと重いました。 ただ、あの壮大な物語をこの1本にまとめようとしたのであれば、結論的には失敗作だと思います(続編を考えているなら別ですが)。緋桜団も砂土谷峻も出てこないし、高原由紀と座王権太の扱いが薄いし、ブルジョアだった早乙女家が没落していき運命に翻弄されていくところも出てこないし・・・・・。何と言っても、個人的に日本の漫画史上最高に美しいと個人的に思っているあのエンディングが無いところが非常に残念です。 できれば、続編を作成してもらいたいなと期待しています。 [DVD(邦画)] 6点(2012-11-23 11:06:41) |
14. 愛のゆくえ(仮)
《ネタバレ》 地下鉄サリン事件に関わった逃走犯という興味深いテーマをエサにして、未来のない中年の退屈でやり場のない閉塞感をこれでもかとぶつけてくる挑戦的な作品でした。 昭和的な作風が、内容にマッチしてましたね。 [映画館(邦画)] 6点(2012-11-11 00:44:20) |
15. あらかじめ失われた恋人たちよ
《ネタバレ》 ゴダール作品のような印象を受けましたね。観念的で挑発的で若き名優たちのエネルギーを濃縮して爆発させたような作品でした。しかしながら、とにかく時間が長かったです。正直、途中からは退屈でした。内容的には中々興味深かったんですけどね。 [DVD(邦画)] 4点(2012-04-08 22:56:43) |
16. 圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録
《ネタバレ》 非常に地味で華々しさは全くありませんが、権力というか当時の「大人の世界」の論理に対して戦いを挑む若者の姿にはいろいろと考えさせられました。彼らもまだ20前後で頭でっかちな部分もあるけれども、おかしいと思ったことに対しおかしいと声を上げる姿勢は間違ってはいないと思います。 彼らは闘争では何も変えることはできなかったかもしれませんが、このように映像記録として残り多くの人間に影響を与えたという意味では非常に大きな戦果を得たといえるのではないでしょうか。 [映画館(邦画)] 7点(2012-02-07 23:35:16) |
17. 悪人
《ネタバレ》 なんと言うか、淡々とした展開なんですが、じわじわと胸の奥からいろいろな感情がこみ上げてきましたね。まあ、人間誰しも悪人であり善人であり普通の人であることを痛感します。 この作品に出てくる人間たちはわかりあっているようでも、誰一人わかりあっていないし、皆探りあいながら他人にレッテルを貼って識別しその共通認識で連帯しようとしているような孤独な人たちなんですよね。 このどうにもならない孤独感を、妻夫木聡や深津絵里が演じ切れていたかというと正直微妙ではありますが、まあメジャー作品なのでそれは仕方ないところでしょうね(二人の演技はとても良かったですが綺麗すぎるんですよね)。これで、どこにでもいるような冴えないあんちゃん、ねえちゃんをキャスティングしていたら多分号泣していたと思います。 しかし、李相日という人は本当にヒリヒリするような映画作りをするのが上手いですね。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-31 00:43:33)(良:2票) |
18. ANPO
《ネタバレ》 戦後の日本が、実質的にはアメリカの支配下にあり、日米安保による米軍庇護の下で高度成長を成し遂げていったことが良くわかるドキュメンタリーでした。 何というか、闘うアートの数々がその複雑な事実を我々に訴えかけてくるようで非常に興味深かったです。 アーティストの一人が「日本は戦争責任の追求を連合国に任せてしまい、日本人自身が行わなかった」と語っていましたが、このような複雑な状況に陥った一端は確かにこういうことなのかなと感じましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-25 23:02:46) |
19. ある朝スウプは
《ネタバレ》 非常にリアルで緊張感の漂う作風で、家族であろうと恋人であろうと、他人は他人でしかなくその間には深い溝が横たわっていることを冷徹に提示している作品です。ただ、その「他人は所詮他人でしかない」ことを認識し理解するところから真の人間関係はスタートしていくことにも気付かされました。 並木愛枝が徐々に献身的になっていくのも、恋人が他人ではなく自分の一部だと認識しているからで、その自分の一部を失うのが怖いからなんだと思います。だから、最後のセリフは考えようによっては今後の彼女の人生に希望を感じさせるものなのかもしれません。 こういう人間の弱い部分を抉り取る作品は見ていて辛い面もありますが、いろいろと考えさせられます。 [DVD(邦画)] 8点(2010-11-23 15:41:13) |
20. あんにょん由美香
《ネタバレ》 もしかしたら狙っているのかもしれませんが・・・・それほど林由美香という人間に対し思い入れがあるとはどうしても思えないのにも関わらず、まるで彼女に強い思い入れがあるかのように成りすましている松江哲明の姿に非常に違和感を感じました。 韓国の作品への出演を追っていく展開も全く面白みが無く「だから何だ」と言いたくなるようなものでしたし・・・・。 [DVD(邦画)] 2点(2010-05-11 01:23:11) |