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すぺるまさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  アナザー Another(2011) 《ネタバレ》 
前半にある主人公が南瓜が嫌いであるという食卓のシーン。 テーブルに用意されている食事はふたつ。 誰もが、何故ふたつしか用意されていないのだろうかと思うはずだ。 ここが完全なる伏線になっている。 中盤あたりからこの映画は死者探しへと物語を移行させるわけだが、 ああ、成る程、だからなのかと思う。 勿論、ここで死者が誰であるかということは誰にでも確信できるわけだが、 そこは問題ではない。 これは橋本愛のための映画だからだ。 あの眼帯を外す瞬間こそが、この映画の最高の見せ場であり、 そのためのライティングが成され、そのためのクロースアップで撮られている。 女優はスタッフにそうさせようと思わせる存在でなければならないが ただそれに甘んじてもいけない。 それはとても贅沢なことなのだから。 この映画での橋本愛が演じる鳴という存在の描き方。 その存在が一体なんであるのかが明らかになるシーンでの衣裳。 今までの制服から一転、私服になり人形に紛れる。 そしてラストシーンに至るまでの彼女の衣裳の変化だ。 徐々に徐々に明るい色へと変化していく彼女の私服は 彼女の感情の変化に他ならないはずだ。 これが演出というものだろう。 この映画は例えばルチオ・フルチのようなイタリアホラー的な要素が 詰め込まれていてそういう面でも楽しめるわけだが、 別にそんなことどうでもよく、結局は橋本愛だろう。 蛇足として、この映画には黒沢清『叫』の小西真奈美のシーンと 同じような解釈を施しているシーンがある。 勿論それは加藤あいが合宿の写真を見つけるシーンだ。 大胆というか、辻褄はまったく無視されているというか、 あのシーンの意味がね、まったくわからん。 あの絵のこととかを考えると、 実はさらりと感情的に深いとこをえぐっていたというとこなのだろうか。
[映画館(邦画)] 6点(2012-08-10 00:30:15)(良:1票)
2.  アンダルシア 女神の報復 《ネタバレ》 
やはり悪くない。寧ろ前作より良くなっている。視線でのやりとりを描くことが前作より更に意味を増しているし、重要なアクセントとして機能している。 冒頭近辺での織田の登場シーンは秀逸だろう。一番初めの登場は視線云々とは無関係だが、背景に何気なく溶け込んでいるという登場のさせ方も良い。そして何より2度目。黒木と伊藤の視線で描き出す黒田という役の神出鬼没ぶりが上手く描かれている。 この映画の上手さというのは実は列挙に暇ない。黒木の証拠隠滅シーンのモンタージュ、織田から壁に掛かった地図へパンしての空間処理の仕方、織田とバイクをワンショットに収めることでのその後の省略、どれも映画として実に素直であり上手い。 風や窓、ラジオからの曲などという効果も上手く散りばめられている。特に、ラストへの伏線としての窓の開け閉めの描き方は非常に良いカタルシスをもたらす。 黒木が脚を引き摺りながら逃げる横移動の美しさ、そしてバックからのロングショットに銃声を被せた突入の処理の仕方も好感が持てる。 そして何よりも言いたい。ダウンジャケットの羽。織田と黒木のジャケットから羽が出るという共通項であり、これは完全にミスリードを誘っている。上手い。 ただしかしながら、やはりラスト近辺での織田再登場時の説明過多なインサートシーンの数々は頂けないし「アンダルシア」の良い部分を台無しにしている。思考停止し脳内補完できないと観客を馬鹿にした作り方をしてはいけない。
[映画館(邦画)] 7点(2011-07-01 18:19:46)(良:1票)
3.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
黒塗りの車が幾台も通り過ぎていく。少し間隔を空けて2台の黒塗りの車がやってくる。カメラは徐々にバンクしながらクレーンダウンして行き、丁度車がカメラに対しての真俯瞰の位置に来た時、流れていた映像がストップモーションとなり、北野映画初となったシネマスコープサイズのスクリーンいっぱいが車一台で埋め尽くされ、タイトル「OUTRAGE」が刻み込まれる。そして映像は再び流れ出し、2台の車が走り抜けて行く後姿を映す。その背景には、樹々が生い茂っているのだが、更にその奥には都心部のビル群が建ち並んでいる。この映画でこれから起こる抗争の舞台となる「都会」だ。このワンショットを観ればこの映画が傑作であり、これが北野映画の上手さだと誰もが直ぐにわかる。  この映画の畳み掛ける台詞と暴力の応酬は、物語など殆ど宙吊りにし、途轍もない速さで映画を展開していく。しかし物語を忘れているわけではなく、物語は物語として成立している。つまり物語を引っ張っていく映像なのだ。映像が物語を形成するという、映画として最も正しい形をこの映画は導き出す。  そして顔だ。常に笑みを浮かび続ける椎名桔平、それと対照的に色眼鏡を掛け笑みを見せない加瀬亮、北村総一朗にひっ叩かれたとき絶妙の表情をみせる三浦友和、そしていかにもずるさが滲み出ている北村総一朗と國村隼、喜劇役者と化した石橋蓮司、成功を夢見るも決して成功を得られそうにない杉本哲太、また真逆に成功を得るために生きていくかのような小日向文世、など主要キャストのみならず映画に登場するすべての役者、彼らの顔がクロースアップのワンショットとして幾度となく繰り返されるが、そのどの顔もすべて完璧であり、彼らはその為に最高の芝居をしている。  北野武久々のやくざ映画「アウトレイジ」は、北野映画が日本映画の中でも間違いなく最高峰であり、そして賢く、そして何より上手く、更には無駄な意味など持たせずともただ単純に面白い映画を作れるのだという証明である。  「会長、オレには?」「バカヤロウ」ストップモーション、最高の終幕である。
[映画館(邦画)] 9点(2010-06-14 00:47:52)(良:4票)
4.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
木村大作はこれを見て「劔岳」が失敗であることに気付くべきだ。アマルフィが美しかろうがオールイタリアロケだろうが、その風景に物語が引き摺られては駄目だ。イタリアが舞台でもイタリアを撮りに行ったわけではない。そんな「劔岳」のような失敗をこの映画は見事に回避している。 正直言ってそんなに悪くないのだ。織田裕二演じる黒田の人間性や天海祐希演じる母親の心情もそつがなく描かれている。だからか、織田裕二の眉間に皺を寄せた顔も、木偶の坊みたいで映えない天海祐希も許せる。登場人物の出し入れもそつがない。戸田恵梨香演じる安達の登場のタイミング、出過ぎは邪魔臭いイタリア人刑事と他の日本人は程よく出す、このようなところは弁えられている。 物語は、ありきたり、説得力に欠ける、阿呆らしいと言ってしまえばそれまでだ。しかしながら、その脚本がこの映画ではそつがなく演出され、そつがなく出来上がっているのが良い。だからこその125分。名所の実景ばかり挿んで間延びして140分近くになったら目もあてられない。 そして映画はそつがなく進んでいくが、ある時、一気に破綻する。黒田が刑事に銃を突きつける。これを悪いとは思わない。そんなアメリカ映画などいくらでもある。それが銃社会かどうかということで、日本だと成立しないのだが、イタリアが舞台だからいいじゃんとも思える。ただそこから破綻し続けないから駄目だ。破綻することで物語は加速度を増すのだから、強引でも納得できちゃえばそれでいい。映画なんて所詮嘘っぱちだ。 巻頭とラストの大使館でのミーティングのシーンが同構図のショットの同じ繋りで出来ていること、つまり事件を挟んでも大使館の日常は続くという表象、こういうこともそつがなくやれている。 ただ残念なことがある。映画の必然性として、黒田はやはり本当の父親になるべきだ。映画はそれを許す。そしてそうならなければ成立しないショットがふたつある。佐藤浩市演じる藤井は最後に黒田を呼び止める。クロースアップ。無言で何かを伝える。黒田のクロースアップ。わかったと頷く。藤井は黒田に会う度に言う「紗江子さんを宜しくお願いします」「紗江子さんを最後まで支えてやって下さい」と。つまり藤井の無言のクロースアップはそういうことだ。そして黒田はそれに頷いた。だから彼は日本に帰らなければいけない。続編を作ろうなんてフジテレビは考えてはいけないのだ。
[映画館(邦画)] 6点(2009-07-30 00:28:01)(良:2票)
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