Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  源氏九郎颯爽記 白狐二刀流
違う国・違う時代で「かっこいい」とされている姿を、映画では目の当たりに見ることが出来、「世界は時空を超えて分かりあえるんだ」と感動することもあるが、同じ国のちょっと前の映画でも、「分からない」と頭を悩ますこともある。この錦ちゃん、分からない。どうやら「颯爽」がモチーフらしく、白ずくめで二刀流構えた姿はなんとなく「かっこいい」をやってるんだな、とは思えるが、その前に笑ってしまう。ごめん。60年ごろに「かっこいい」の断層があるんだろうか、役柄の問題だろうか。こういうヒーローはもう現代では無理だろう。とりわけ武器商人の娘の西洋レディと一緒の場になると、日本の時代劇ヒーローの演歌歌手的たたずまいの奇妙さが突出する。ま、彼女のほうもフラメンコ踊って映画のリズムを狂わせてて、どっちもどっちなんだけど。そう言えば、こういうリズムが狂う感じって加藤作品ではけっこう出会う。熊虎親分が馬車を走らせるシーンが唐突に西部劇だったのは『花札勝負』だったっけ? 傑作と言える作品でも、どこかにサインのようにリズムの狂いを感じさせる場を残す監督ではあった。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-02-07 09:55:47)(良:1票)
2.  外科室
なんか安手の印象が残るのは、千円興行という試みのせいか、50分という長さの問題か。いえいえそうではありません、加藤雅也君のせいです。いえね、どっちかっていうと見る前は吉永小百合のほうを危惧してたの。実在感がありすぎて反鏡花的でしょ。その点加藤君はまだイロに染まってないぶん、面白い味が出るかもしれないと思った。でもやっぱ駄目だったなあ、その点吉永女史はちゃんとやってた。つつじの道での出会いのハッと、ト胸をつかれる感じ。おそらく本編のヤマは、池をはさんで向かい合うところだろうが、実にゆっくりと堂々と吉永さんがほとりにまで足を運んでいって、盛り上がる。なのに切り返しで出てくる加藤君の表情が、もうテレビのトレンディドラマの思いつめてる青年の顔であって、ここは魂を抜かれた非緊張的表情であってほしいところじゃないかなあ。玉三郎監督の指示なのか、それとも彼の演技力の限界なのか。違うんだ。
[映画館(邦画)] 5点(2012-10-18 10:03:59)
3.  ゲゲゲの女房
ヒロインのむっつり顔は、人がお化け屋敷を歩いているときの顔だろう。どういう人間かよく分からずに結婚し、たちまち東京での暮らし、周囲が未知の妖怪変化のようなもので埋まってしまう。ビクビクしながら手探りで歩いているときの顔だ。頼りとすべき夫は、腰砕け気味の笑いを「ハッハッハッ」と片腕の体から不意に発する。豪快な笑いに似合わない貧相な体つきで。これこそ妖怪である。いや一番妖怪みたいなのは気がつくとそこらにうずくまっている姑か(エンディングタイトルまで誰が演じているのか分からなかった)。しばしば画面に平気で妖怪が映り込んでくるが、それら周囲の人間との差別がない。嫁にいくとは、こういうお化け屋敷に入っていくことなんだ。まだ「内助の功」なんて言葉が生まれる以前の、ビクビクもんの新妻を描いて新鮮で面白かった。マンガが動き出す白黒のアニメも、そのザラッとした貸本タッチがいい。ロケはまた深谷市か。ここでロケした映画はたいてい悪くない。昭和の空気を残しているっていうよりも(実際わざと巨大マンションを画面に入れたりしてる。現在の「東京駅」とか狙いはよく分からないが、妖怪が映り込むのと似た効果か)、ここ深谷には何か空間の広がり具合に映画を豊かにしているものがあるようなのだ、具体的にうまく指摘できないのが残念。
[DVD(邦画)] 7点(2011-11-09 09:49:39)
4.  ケンタとジュンとカヨちゃんの国
全編に漂う「恨みがましさ」に、若干辟易させられた。たしかに個人の踏ん張りではどうしようもない生まれながらの格差はこの国にあり、それもより深く広がりつつあるけれど、それに対する苛立ちがただ「恨みがましさ」だけに収斂していってしまっている。「連帯」とか「革命」とかの言葉はもう輝きを失っているが、それに代わるものを模索する努力を放棄し、ただ「恨みがましさ」に寄りかかってしまっている。映画はその若者を批判的に見ているようでもなく、けっきょく「出口なし」の状況の悲劇性に陶酔してしまったのではないか。ただ「辟易」の度合いを「若干」としたのは、こちらに今の若者の閉塞状況を分かってないかもという弱みがあるからで、もうここまで追い詰められている可能性もときに感じられるからだ。網走に行けばなにか次が見えるかも、という出たとこ勝負のロードムービーという設定に、いまの若者の切羽詰ったとこが反映されていたのかも知れない。なにも若者に限ることでもあるまい。原発労働者の境遇は黒木和雄の『原子力戦争』のころとまったく変わっていないことに(さらに使い捨てシステムが合理的に進化しているか)最近驚かされたばかりである。映画の流れとしては、カヨちゃんとの再会の場や、先輩との対決にもうちょっと段取りがほしい。期待した安藤サクラの怪演も、ふわふわと登場するシーンではワクワクさせられたが、あとはまあ無難な演技といった線。
[DVD(邦画)] 5点(2011-08-11 12:27:35)
5.  元禄忠臣蔵 後編
これは原作の真山青果のせいなんだろうけど、まったく大石中心の話なわけね。群像ものではないし、吉良のほうもほとんど描かれない。第一討ち入りシーンがないんだもん。原作がそうなんだけど、これって当時の国策映画が兵隊さんの苦労話だけ描いて、敵が出てこない、ってことと似ている。大石のやったことがいかに善か、ということより、彼の内心の苦衷に共感しようとするほうが大事なんだ。だからあえて悪玉を描く必要がない。あえて中国侵略を正当化するアジテーションを必要としなかったこととパラレル。そういう意味では間違いなく本作もあの時代の国策映画であったわけだ。美しいとこと言ったら、まず冒頭、能舞台の裏手からクレーンで下降してきて大セットを収めていき、そのまま殿様のほうに寄っていく大移動。屋敷の中で吉良を見かけた翫右衛門が、すがりつく妹を引きずりながら奥へ向っていくシーン。長回しで廊下を回り歩いた果てにこれがくるのでいっそう効果があった。ただラストの高峰三枝子のエピソードは退屈だったな。もう疲れてたし。
[映画館(邦画)] 7点(2011-06-09 10:22:56)
6.  元禄忠臣蔵 前篇
2カット目で刃傷になる空前絶後の松の廊下。まずセットのすごさを見せて、ついで柱越しに捉えてゆるゆる移動するカメラ、吉良が浅野の悪口を言ってて、こちらに歩いてくるとその後ろのほうで座ってた内匠頭が立ち上がってこちらに走ってきて切り付ける。この緊迫感、文句ないですなあ。知らせを受ける浅野家での部屋を越えていく横移動、あるいは裁きへの不服を訴えるナントカのあとを追いかけていくカメラ、いずれも新鮮。構図美では屏風囲いの中での内匠頭を俯瞰で捉えたカット、障子ごとに座っている侍たちがアクセントになって実に美しい。切腹シーンは俯瞰で始まりゆるゆると下降していきながら、内匠頭が何かにハッとしてカメラが地上に降り立ったときに、家来が画面に入ってくる。内匠頭が中に入ると同時にまたカメラが上昇して、中の儀式と外の家来の嗚咽を同時に収める寸法。あるいは城受け渡しのときや、山科閑居の母と娘が去っていくときの駕篭を追うカメラ、など移動撮影の美の極致を見せてくれる。構図がどんどん変化していくことのサスペンス。俯瞰は権力志向だと言われるけど、クレーンで下降してくると、観客の視線が登場人物の高さに下りてくる、って感じもある。本作は溝口の映像テクニックを堪能するだけのためなら、一番ふさわしい映画。
[映画館(邦画)] 8点(2011-06-08 12:16:01)
7.  現代人 《ネタバレ》 
これ山田五十鈴の特集で観たせいか、『浪花悲歌』との類似に思いがいった。転落することによる告発。社会派映画の得意とした型だ。どこかで主人公は割り切って、世の中へタカを括ったはずなのに、ラスト近くで「俺は甘かった」とモノローグしなければならなくなる。この「甘い」ってとこ、その弱さに、渋谷はずっとこだわっていると思う。人間の、徹底できないとこが好きなんだな。純粋な悪も描かないかわりに、健全な庶民も描かない。池部の実家、寿司を買ってくるとみながもそもそと起きてきて、ガード下で電灯は揺れ、寿司の取り合いがあり、ほっぽり出された赤ん坊は泣いている。これだけの描写で主人公の悪への転換を納得させてしまうんだけど、この実家アカホンを売ってるわけで、マットウな庶民と胸を張れるほどのものではない。ここらへんの弱点の配置がうまいし面白い。動きとしての面白さは、この実家の場をはじめ、酔って五十鈴のバーに入り込んでいき、しゃがんで椅子がわりになり五十鈴が酒を取り出すあたり、手切れ金の小切手を池部の顔にペタンと突き返すとこ、池部と多々良が屋上へ出て喧嘩しかけてやめるとこ、などなど。とにかく昭和20年代末の東京、おもに銀座がたっぷりと出てくるのが嬉しい。屋上で食事してたのはどこなんだろう。
[映画館(邦画)] 7点(2009-12-07 12:04:04)
8.  化粧雪
この監督はほんの数本しか見てなくて、代表作と言われるものもまだ残ってるんだけど、見た中では『夜の鳩』っていうのとこれが気に入っている。『夜の鳩』は酉の市の飲み屋が舞台だったが、こっちは節分の寄席。どちらも寒い季節のさびれた場所。物語よりも、そのさびれた雰囲気の味わいが絶品なの。成瀬が撮るはずだったのが、回ってきたのだそうだ。ラジオからエンタツ・アチャコの「早慶戦」が流れている。寂しい寄席。新しいものに押されている古いもの。大阪弁に押されている江戸ことば。息も白い。全体に何かうずくまっているイメージがある。新しいものに抵抗するというより、しのいでいる感じ。ヒロインを支えているのは、意地と孝行。とにかくおとっつぁんが生きてるうちは寄席を閉じたくない。それは空しいことかも知れないが、でも元いいなずけの手切れ金をピシッと断わり、さっさっと場内を斜めに横切っていく山田五十鈴はやはり美しいわけで、ピンと張りつめた快感がある。時代の流れに反抗はしないが、うちひしがれもしない。金をせびる兄、鋳物工場で働いている弟なども絡む。俯瞰の構図がしばしば現われ、それは見下ろされている惨めさにも通じるが、肩を寄せ合っているニュアンスにもなる。下足番の藤原釜足との図、ライティングもいいのかも知れない、そこだけ明るく隅が暗くなってて。舞台に残る豆の描写など的確。もっとたくさんこの監督の映画を見てみたいのだが、なかなか機会がなくて。
[映画館(邦画)] 7点(2009-04-02 12:11:10)
9.  結婚のすべて 《ネタバレ》 
この監督らしいと思ったところは、歩行シーンに合わせてラジオの時報のポ・ポ・ポが重なり、次のポーンでラジオのある茶の間のシーンにブリッジするとこ。まったく無意味なおかしさ。あるいは団令子が鉄工場のリズムに合わせてお尻ふりふり帰ってくるカット。ああデビュー作からして、こういう無意味なリズム合わせの好きな監督だったのだ。虫の音と炭坑節が対比されたり。ただドラマとしての決着は、同時期で似たタッチの崑の鋭さと比べるとかなり保守的で、旧世代の新世代めぐりを経、最後は旧世代に寄った視点が確保されている。脚本は白坂依志夫、白坂はこの年『巨人と玩具』の脚色も手がけてるんだけど。若水ヤエ子がいい。
[映画館(邦画)] 7点(2008-11-08 12:11:20)
10.  KT
アタマのほうの北朝鮮がらみのとこや女性がらみの部分を刈り込めば、もっと締まって面白くなっただろう。一個の機械と割り切って仕事を進めていくKCIAと、積極的にそのチリチリとした「戦争」の充実感を求めて加わっていく自衛隊員との対比だけで十分面白くなれたはず。匿名の町のたたずまいがいい、どことははっきりしないが、何かが進行しつつある町。スリルとしては、最初のホテルの場が一番上出来だったのでは。常に移動するカメラ。主人公は「狼は生きろ、豚は死ね」だが、原田芳雄は「豚は生きろ、狼は死ね」と言う。原田芳雄が言うと、何か深そうに聞こえる。
[映画館(邦画)] 6点(2008-06-30 12:11:59)
11.  結婚行進曲(1951) 《ネタバレ》 
登場人物たちの早口に、なにか必死なものが感じられる。しゃべり続けることでギリギリ自分を内側から支えているような、黙ってしまうと途端に自分の輪郭がぼやかされてしまう不安に追い立てられているような。ただ一人、おっとりしゃべる浦辺粂子を置くことで、さらにそのスピードが強調される。もちろんコメディとしての演出の一手段ではあるが、このスピードの不安は以後の崑作品で次第にクローズアップされていくわけだ。上原謙が中原謙という役で出てて、杉葉子と映画を見る場面で「(さも侮蔑するように)あの役者なんて言うんだ」「上原謙ですわ」というギャグがあった。戦後の上原謙は、かつての二枚目を自嘲し、ひっくり返すような役どころを好んで演じる(『晩菊』がその代表的傑作だろう)。“二枚目だが大根”と言われ続けて、けっこう傷ついてたんじゃないか。私は戦後の自虐的な上原謙がかなり好き。
[映画館(邦画)] 7点(2008-04-22 12:17:33)(良:1票)
12.  ゲゲゲの鬼太郎(2007)
そう熱心なファンだったわけでもないが、ねずみ男は好きだった。卑怯と愛嬌が混ざった独特のキャラクター。と言ってそれが釣り合って安定してるわけでもなく、ときに大きく傾き、鬼太郎へのねたみが噴出したりして事件を引き起こす。一番人間臭い妖怪だ。この映画の大泉洋は好演だったんだろうが、でも三次元の俳優が実写で動くと、二次元のマンガより薄っぺらになってしまうのはなぜなんだろう。どうしても愛嬌のほうが出てしまい、裁判で鬼太郎を告発するとこなんか、周囲をもっと唖然とさせるほどのドス黒さが欲しい。まあそう真剣に見る映画じゃないんだけどね。キャスティングに払った労力の何パーセントかをシナリオづくりに回してもらいたかった。大したことやってないんだけど西田敏行のボヤキ系の語りがおかしく、踊る猫娘・田中麗奈がかわいい。
[DVD(邦画)] 5点(2008-04-14 09:18:08)
13.  憲兵とバラバラ死美人
基本は江戸時代でもかまわないような筋立てだが、昭和12年に設定したことで、それなりの味わいはある。憲兵隊の拷問は江戸時代の拷問よりまだ身近であっただろうし、殺人者に後腐れのない満洲という逃げ場があるのも時代ゆえ。陸軍病院やその霊安室の暗さも、やはり近代日本ならではの暗さだ。憲兵と警察、中央と地方の確執も入れてある(舞台は仙台)。ただその時代色をどっぷりと味わう、というところまでは至っていなかった。犯行再現シーンにサイレント映画的な味あり。
[映画館(邦画)] 5点(2007-12-03 12:17:00)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS