21. コント55号と水前寺清子の神様の恋人
理屈抜きでたいへんおもしろい。私が子どもの頃人気があった欽ちゃん、二郎ちゃんのコント55号のコンビに、チータこと水前寺清子が加わっての大爆笑コメディ。益田喜頓、伴淳三郎を初めとする脇役陣もコメディアンが多数だ。そうそう、ザ・タイガースの人気もすごかった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-11-24 08:25:48) |
22. ゴジラ(1954)
怪獣映画と日本の特撮技術の原点となる映画で、歴史に残る貴重なものであろう。だから評価が高くなるのは当然だが、私にすればいくら何でも点数が高すぎるのではなかろうかと思う。 ゴジラの出現は水爆実験に起因していて、自然災害とは異なり、人間が生み出した恐怖の象徴として描かれていたはずだ。いわば人間の愚かさに対する警鐘である。それが次々と続編や類字映画が出現するにつれ、子ども向けの怪獣映画、こわかった、おそろしかった、でもやっつけてよかったという娯楽映画になってしまった。 私が言いたいのは、その誤った方向へ導く要素が、この映画にすでにあったのではないだろうかということである。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-24 07:43:47) |
23. 五番町夕霧楼(1963)
《ネタバレ》 映画館で見たのは松坂慶子主演であったが、その後でオリジナルの佐久間良子のビデオを探し鑑賞した。時代が違うこの二つの映画を比較するのは難しいことかもしれないが、松坂版に較べて佐久間良子の夕霧楼はやや平坦。木暮実千代を初めとする脇役らが皆善人過ぎて、悲壮感が伝わって来にくい。だから極端に言えば、「どうして放火したの?」「なぜ死ぬの?」と疑問が残ってくる。 しかし、故郷の百日紅の花の美しさ、悲しさをかき立てる音楽は素晴らしいと思う。 [ビデオ(邦画)] 6点(2011-05-09 22:19:28) |
24. こころ(1955)
《ネタバレ》 「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」と三部に分かれる長編小説を、よくぞ映画にしたと感心せざるを得ない。小説でもいろいろなことが起きて変化に富んだ物語であれば映画化は容易だろうが、途中をずいぶん端折って読んだ私にはこれが映画化されているとは思わなかった。映画を見て、なるほどこういう流れだったのかとわかりもしたが、改めて小説を読み直して、逆に映画だけで理解できるのだろうかとも思った。 先生はなぜ一人で友人の墓参りをするのだろうかとか、どうして隠遁生活みたいなものを送っているのだろうかなどの疑問は映画を見ているうちわかってくる。しかし自分の秘密をどうして打ち明ける気になったのかは今ひとつピンとこない。そして一番気になったのは森雅之、先生役は良いが回想シーンで書生になるのはどうしても無理に思える。 [DVD(邦画)] 5点(2012-09-02 11:05:49) |
25. 獄門島(1977)
同年に制作された「悪魔の手毬唄」と比べるとずいぶん見劣りがすると思う。「獄門島」も「悪魔の手毬唄」も同じ横溝正史、監督も金田一耕助も同じ、しかも「見立て殺人」ということも。 一方が俳句、他方が手毬歌という違いなのだが、手毬歌が映画の中に自然と馴染んでいたのに対し、俳句の方は何かとってつけたような感じでぎくしゃくしている。そして最大の問題は犯人を変えてしまったこと。映画は映画の作りがあるから、変えてはいけないとは言わないが、変更した良さもわからず、最後までどうも不自然だらけだった。 ところで全くの余談だが、三木のり平と坂口良子の親子、のり平の清十郎が「お夏清十郎」であれば娘のお七は「八百屋お七」とは何と芝居じみていることか。もちろん映画の中に出てくる「娘道成寺」も [映画館(邦画)] 5点(2011-09-19 07:55:36) |
26. 高校三年生
歌は大ヒットだったのだけど、映画のできは良いとは言えない。舟木一夫は映画初出演だから仕方ないとしても、主演の倉石功が足を引っ張っているし、ストーリーもたいしておもしろくない。姿美千子ばかりが力んでみても、吉永小百合や倍賞千恵子にはかなわないし、青春映画で大映が日活や松竹に及ばないわけだ。大人びた高田美和だけが魅力的。 [映画館(邦画)] 4点(2013-02-06 17:52:23) |