21. 三匹の侍
農民側対役人側というように最初は敵味方に分かれていた3人が、最後は一緒に正義のために尽くすお決まりパターンのテレビの三匹の侍は、長門勇の泥臭さとユーモアもあり結構おもしろかったが、これはまったくおもしろくない。むやみやたらに人が斬り殺され残酷で血生臭い。茶の間と劇場公開でこうも違うものか。ちなみに映画の後のテレビシリーズでは、丹波哲郎に変わって加藤剛が出て人情味が増していた。 [映画館(邦画)] 3点(2012-01-26 09:08:51) |
22. サンダカン八番娼館 望郷
《ネタバレ》 山崎朋子さんのノンフィクション小説「サンダカン八番娼館」の映画化であり、栗原小巻さん演じるルポライター三谷圭子さんは、まさに山崎さんその人であろう。彼女は女性史研究の第一人者であり、この小説によって「からゆきさん」を広く紹介した。 戦前の日本の恥部とまで言われ海外で働くことになった娼婦たち。映画は田中絹代、高橋洋子の二人のおサキさんによって、つらく悲しく物語られる。そこには私たちが目を背けてはならない「からゆきさん」の実態がある。 しかし、この映画はそれだけではない、人間が何を信じどう生きるかを教えてくれているようにも思う。 映画の最初の方で、田中絹代さんが栗原さんのことを息子の嫁と紹介するが、映画が進むにつれ、なぜ嫁と言ったのかわかってくる。そして圧巻なのがラスト近くの栗原さんが明日帰ると田中さんに告げた場面だろう。「私の素性を聞こうともしなかった」「人には都合というものがあるじゃろう。」このあたりになると私は何度見ても涙が止まらない。 誰かが言った、「役者は演じるのではなく、その役になりきることだ」と。 [映画館(邦画)] 9点(2011-07-01 23:52:08) |
23. 最高殊勲夫人
「青空娘」に続いての鑑賞。原作監督主演が同じメンバーでの映画だが、サラリーマンということで、いくらかは源氏鶏太らしくなっている。同じシチュエーションが2度も起こった。ならば3度目はあるのかということが注目の的になるが、途中までで結論が見えてくる。2度あることは3度あるのだと・・・。 あとはどのようにまとめるのかということだが、これも無難に落ち着いた。 [DVD(邦画)] 6点(2011-07-01 13:13:10) |
24. サザエさん(1956)
《ネタバレ》 私は子どもの頃(50年以上も前)「ジャンケン娘」と「サザエさん」を見たことがある。「ジャンケン娘」は元祖三人娘(美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ)、サザエさんでは江利チエミが主役を務めた。 大人っぽい歌を歌う美空ひばり、西洋のハイカラな歌を歌う雪村いづみと違って、彼女は明るく庶民的で、まさにサザエさんそのものだった。 ところが私の記憶にしっかりと残っているのはテレビのサザエさんシリーズ、サザエさんはもちろん江利チエミが演じたが、マスオさんは小泉博ではなく川崎敬三だった。 映画のサザエさんは確か二人が結婚するまでの映画だったと思う。おもしろい映画だったことはよく覚えているが、小泉博の顔がどうしても思い出せず、すぐ川崎敬三になってしまう。 江利チエミは明るくお転婆なサザエさんを演じているが、実生活は大変苦労をした人である。大きな不幸を抱えながらもおくびにも出さず、強く生き抜いた人でもあった。早すぎた死(美空ひばりよりもなお早い)に哀悼の意を献げたい。 [映画館(邦画)] 6点(2011-04-19 08:27:22)(良:1票) |
25. 秋刀魚の味(1962)
《ネタバレ》 嫁にやりそびれて嘆き、嫁にやってしまって悲しむ・・・。 小津監督の映画の中で、唯一映画館で見ることのできた映画。少年の頃見た思い出は、他の映画と違って淡々とした感じで、花嫁さんが大変きれいだったということくらいで、監督の名はもちろん、俳優さんや女優さんの名前すら知らなかった。 後にテレビやDVDで2度3度と見ているうち、なるほどこれが「オズワールド」というものかと、次第に映画の良さに引き込まれていった。 軍艦マーチに乗って敬礼をするシーン、同窓生が集まり酒を酌み交わすシーン、瓢箪先生の何とも言えぬ酔っぱらいシーンなどなど・・・、すべてが絵になる映画だと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2011-04-10 11:09:41) |
26. さとうきび畑の唄〈TVM〉
テレビで見て、DVDを探して見て、さらに思い出してまた見た。何度見ても、涙が止まることがない、素晴らしいドラマだと思います。 戦争は、どこの国が勝ったか負けたかではない。どっちの国が悪いのかでもない。戦争そのものが悪いのだ。国際紛争は戦争によって解決されるものではない。戦争はすべての人を不幸にするものだということを、痛感せざるをえない。 60年以上も昔に何があったのか、すべての人に考えてほしいし、実際の沖縄の地上戦や集団自決は、テレビで表せないほどのむごたらしいものであったことを忘れないでほしい。 [地上波(邦画)] 8点(2011-02-25 19:12:46) |
27. サマータイムマシン・ブルース
実におもしろい。つじつまが合わないようなところを合わせるところが、なんと言っても良い。 めがねの女の子は、真木よう子さんだとはわからなかった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-01-25 20:17:38) |