1. 大魔神
《ネタバレ》 おどろおどろしさ満点。 大魔神が暴れだすまでが長いが演出のつたなさか悔しさ怒りの集約が少々足りないような物足りなさを感じた。 それにしても大魔神。 守り神なのか悪霊なのか。 魔神を封じ込めるための守り神の埴輪像が怒りだすのだからあれは大魔神じゃないんじゃないか。 いったん切れたら止まらない大魔神。 磔にされた城主の遺児を助けるかと思いきや投げ飛ばす。 さらに怒りにまかせて無関係の百姓まで殺そうとしたのには驚いた。 [DVD(邦画)] 5点(2007-12-17 16:18:44) |
2. 大魔神怒る
《ネタバレ》 「大魔神」って1966年の作品だけどなんと同じ年に大魔神映画を3本も撮っていたんですね。 この「大魔神怒る」はその2作目。 前作よりも洗練されて(比較したらってこと)、ストーリーも見ごたえが増し、特撮もスケールアップ。 湖から登場するシーンなんてまるで十戒のモーゼ。 基本は前作とまったく同じだが、完成度は前作より高い。 でも前作のようなシュールさはやや減退しているのは惜しい。 映画の中ではあくまでも神様と呼ばれて魔神という言葉は一度も出なかったし、あくまで悪者退治をするだけで前作のように怒りが収まらずに暴走したりはしない。 それはそれでよいのだが、でもそのままだと水戸黄門みたいだ。 もうちょっとエキセントリックな演出も欲しかった気がする。 [DVD(邦画)] 6点(2007-12-17 16:12:47) |
3. ただ、君を愛してる
《ネタバレ》 主演の男優は大学一年生にしてはひねすぎている。 もちろん役だから実年齢から離れていてもいいんだけど、まったく初心な学生に見えないから話に入っていきにくい。 くどい演出と編集。 海釣りのシーンなどあまりの白々しさに鼻で笑ってしまったが、これもやはり最初にこっちの気持ちをぐっとつかんでくれなかったことが尾を引いている。 みんな良い人過ぎだし、話の展開に無理がある。 映画だから無理やりな展開でも全然いいのだが、うまく映画に入っていけない状態で鑑賞しているとどうしても細かいことが気になってくるのはいたしかたない。 宮崎あおいは確かに演技はすばらしいのだがそのうまさがちょっと鼻につく感じ。 とは言えやはり宮崎あおいは確かにすごい。 彼女が始めてめがねを取ったときのかわいらしさと言ったら。 それまでの演技がここで効いている。 脇役の女性、黒木メイサがとてもよかった。彼女の美しさ、話はどうでも良くなって見とれてしまう。 最後にあの写真が出てくるであろうことは予想できたが、そこで終わりにしないでさらにだらだらと話を続けてしまう。 盛り上げたいという思いが空回り。 宮崎、黒木は良いけど映画としての完成度には疑問。 ここ数年この手の純愛物が乱造されている。 さすがに粗製とは言わないが、同じようなストーリー(必ず片方が病気やら事故やらで亡くなる)が多すぎる。 [DVD(邦画)] 5点(2007-12-05 10:37:57)(良:2票) |
4. 大日本帝国
3時間だれることなく鑑賞できたのは軸になる何人かの登場人物が最後まで知りきれトンボにならずに描かれていたからか。 しかし観終わって何か心に残るかというと、ちょっと苦しい。 個人の立場、国の立場が違うというそのアプローチは悪くない(最前線と指導部の両面を見たらそうなるのは自然といえる)。 映画として右寄り左寄りどちらかはっきりしないような曖昧さはあっても良いと思う。 しかしどうも中途半端なのだ。 とにかく戦場の悲惨さが伝わってこないのが残念。 南方最前線の兵士がみな丸々として実に健康的。 それに情けない特撮。 悲惨なエピソードの連続なのだけどなにか白々しい感じになってしまう。 日中戦争の辺りは端折っているが昭和16年から敗戦、戦後の報復裁判までの一連を一作品で描ききったのは評価できるが、それが逆に散漫さにつながったのも確か。 それにしてもなぜ五木ひろしなのか。 なぜあの歌なのか。 あれがさらにこの映画を中途半端にしたように思う。 東条英機を演じた丹波哲郎は抑えた演技で良かった。 [DVD(邦画)] 5点(2007-08-13 15:56:01) |
5. 立喰師列伝
なんだこりゃって言う映画。 押井守監督のファンなら彼が立ち食い師なるものに異常なこだわりを持っていることは知っているだろう。 うる星やつらのアニメで何度も登場しているし。 ぐだぐだと御託を並べただらだらの台詞やナレーションも昔からのもの。 この映画は正に全編ぐだぐだ、だらだら。 特撮はミニパトで使った手法。 戦後の混乱期云々も昔からよく登場する。 結局何一つ新しいものはないのだが、ずーっとこだわってきたものの集大成といえないこともない。 それにしても、やっぱりわけわからない。 部分的に笑えるんだけど。 あるいは音楽担当の川井憲次とか製作に関わってる人たちが立ち食い師として登場したりするのは面白いけど、しかし学芸会乗り、楽屋落ちって言ってしまえばそれまでのこと。 とにかく同じことにこれだけこだわれるというのには感心する。 何十年も同じねたで引っ張るなんてすごいよ。 芸能/芸術の世界ってみんなそうなのかな。 ハンバーガーのゲームでスペルがCOMPLETEじゃなくてCOMPLEATとなっていたのはわざとなのだろうか。 はたまた単なるミスか。 やたら細かいことに深い意味があったりする監督なのでこれにも意味があるのかどうか考えてしまった。 [DVD(邦画)] 2点(2007-07-24 13:52:59) |