21. 緋牡丹博徒 二代目襲名
藤純子演じる緋牡丹のお龍の任侠劇を描いた人気作第4弾。4作目になり、さすがにストーリーの鈍さは隠せないが、相変わらずのお龍節には惚れ惚れさせられる。3回目となる高倉健との絡みも手伝って独特の任侠アクション&ドラマに熱くなる。それにしても、ズッコケ役の長門裕之がサザンの桑田圭祐に見えて仕方なかった。 [DVD(邦画)] 6点(2004-08-01 17:48:37) |
22. ヒーローマニア -生活-
原作は福満しげゆきの数少ないストーリー漫画の一つ「生活」。 さすがにそのままのタイトルでは、プロモーションにおいての危惧があったのだろうけれど、“ヒーローマニア”という合っているようで実は本質を履き違えたタイトル改変をしてしまっていることが、この映画化のマイナス要因の大部分を占めているように思う。 原作が漫画にしろ、小説にしろ、映画化に際しての改変はつきものだけれど、数多くの映画化作品と同様に、今作についても改変箇所の多くは、尽く失敗していると言わざるをえない。 ただし、映画の製作側が改変をしたくなる気持ちも、今作の場合は理解できる。 僕自身原作の大ファンだけれども、それでもこの原作のストーリーテリングが“雑”であることは否定出来ない。 勿論、その独特の雑さによる荒涼感と無気力感こそが、福満しげゆきの漫画の魅力なわけだが、結構な豪華キャストを揃えた商業映画として製作する以上は、諸々の設定やストーリーを補正することは避けられなかったのだろうと思う。(それが成功しているか否かは別にして) キャスティングは、ほぼ完璧だった。 キャラクター各々の適性的にも、ヒーロー映画としての見栄え的にも、商業映画としての集客力的にも、極めてバランスは良く、原作ファンとしても満足に足るものだった。 特に良かったのは、原作者自身を投影したキャラクターでもある“土志田”役の窪田正孝と、ヒロイン役の小松菜奈。 両者とも、原作に通じる小市民の内に秘めた怒りと闇をキャラクターとして表現できていたと思う。 小松菜奈のキャラクター設定は、原作とは大いに乖離していたけれど、相変わらず“悪魔的”にカワイイので許すほかない。 一方で、このストーリーのキモとなるべき“アクション描写”も、あまりにも稚拙だった。 せめてアクションシーンに、この漫画らしい馬鹿馬鹿しさとフレッシュさを再現できていれば、ストーリー展開のお粗末さは充分にカバーできていたと思う。 原作漫画を数年前に初めて読んだ瞬間から、映画化を夢想したファンとしては、トータル的には不満足な映画に仕上がっていた。 けれども、だ。 この映画化の企画そのものに対しての感謝は尽きない。そして、予想外に豪華で的確なキャスティングからも、失敗しているとはいえ明確な意図をもった改変からも、真剣にこの映画を作ろうという気概だけは感じることができた。 原作漫画のキャラクターが登場するエンドロールを見せられては、一方的に怒るわけにはいかなかった。 [映画館(邦画)] 5点(2016-05-16 23:06:17) |
23. ピラニア リターンズ
《ネタバレ》 馬鹿馬鹿しいほどに悪趣味なB級モンスター映画であることは明らかなのに、想定外のクオリティーを見せ、世の好事家たちを興奮のるつぼに叩き込んだ前作はサイコーだった。 続編の製作が早々に決まったということで期待はあるにはあったが、前作とは監督が変わってしまった時点で、この続編がB級以下の映画に成り下がってしまうことはある程度予想できた。 そもそもが“お下劣上等!”のスタンスで臨んでいる映画なのだから、間違っても真っ当な娯楽映画的なクオリティーを求めるべきではないのだ。 そうやってハードルを十二分に下げ切って、ある意味開き直って鑑賞に至れれば、まだまだ楽しめる映画だとは思う。 前作に対してピラニアの恐ろしさも、被害の規模も明らかに縮小してしまっているが、その分というかなんというか、エロさと、ナンセンスなユーモアは、過剰な程に増幅している。 前作よりもユーモアとしての程度は遥かに低く、映画としての良さには全く繋がっていないが、馬鹿馬鹿しさと悪趣味さは、より突っ切っている。 「ナイトライダー」のデヴィッド・ハッセルホフが本人役の自虐的キャラクターとして登場するくだりや、彼と絡む“坊や”の顛末などは、無意味さと悪趣味さが脇目も振らずに突っ走っているようで、それに対して悪態をつく方が馬鹿らしく思え、逆に印象深い。 “悪役”と言えるキャラクターが二人登場するが、両者とも“ピラニア”に襲われるのではないのに誰よりも痛々しい死に方をするのが、この映画世界のブラック性を象徴しているようで良かった。 間違いなくクソ映画だけれど、鼻糞でもほじりながら無意味に馬鹿馬鹿しいというか、はっきり「バカ」な展開と、“おっぱい”を楽しめば、それで充分だろう。 個人的には、前作に続きクリストファー・ロイドの健在ぶりを確認出来ただけで良し。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-09 00:50:23) |
24. 美女と液体人間
“液体人間”という「怪奇」、その恐怖と対称として「美女」を配置する構図は、映画史におけるゴシックホラーの典型であり、オドロオドロしいタイトルも含めて、“ベタ”というよりは「王道」と言いたい。 決して手放しで「面白い!」とは言えず、ストーリーも特撮も稚拙と言わざるを得ないけれど、映画としての“味わい”は確実に存在していたと思う。 “液体人間”が現れて、美女が「キャーー!」と叫ぶ。極端に言えばそれの繰り返しの映画だが、そのシンプルな内容で一つの映画世界を貫き通す潔さみたいなものが、当時の映画界のパワーであるようにも思う。 そして全編通してチープな怪奇に彩られてはいるが、そもそもの根底にあるものは、やはり「核」への危機意識であろう。 プロットには、当時実際に起きた事件や事故なども彷彿とさせるものがあり、そういった意味でも「時代」を映している映画だとも言える。 [DVD(邦画)] 4点(2011-04-01 16:40:39) |
25. Pink みずドロボウあめドロボウ
ありましたね~コレ。単純なストーリーなんだけど、そこが鳥山明らしいといえばらしいところで楽しめる。鳥山明の短編の映画化というノリですね。 [ビデオ(字幕)] 4点(2004-03-08 14:57:12) |
26. ひまわり(2000)
今や売れっ子正統派監督となった行定勲のデビュー作である。ところどころ彼らしい秀逸な映画世界は垣間見えるが、大筋のストーリーに対して展開のテンションがチグハグでまとまりに欠ける感じがする。もっとローテンションな雰囲気で押し通してよかったと思う。 [ビデオ(邦画)] 4点(2003-12-13 19:57:57) |
27. ヒーローインタビュー
ラブ・ストーリーとしてもスポーツ映画としても褒められた出来ではないけど、個人的には、スポーツ映画好き&スワローズファンなので少し楽しめた。ふと考えてみると、たくさんのスポーツ映画はあるけど、最高に良く出来た作品というのはない気がする。どこか盛り上がりに欠けたり、素人臭さが滲み出るものばかりではないか。やはり映画では、本物のスポーツ並の迫力と感動を描き出すことは無理なのだろうか。 4点(2003-10-30 16:36:52) |
28. 東のエデン 劇場版 I The King of Eden
《ネタバレ》 TSUTAYAのアニメコーナーで、このテレビアニメのDVDのパッケージを一目見るなり、気になった。キャラクターデザインが、「ハチミツとクローバー」、「3月のライオン」の羽海野チカだったから。 ストーリーの概要を読んで、新鮮味のあるプロットに尚更興味を持ったが、テレビアニメはほとんど観ないので、二の足を踏んでいた。 そうこうしていたところに、この劇場版公開の報。それならばと、テレビアニメ版のDVDを続けてレンタルし、劇場版鑑賞に至る。 結論としての正直な感想としては、映画作品としての説得力と深みが、ストーリー展開に備わっていない。 深夜のテレビ放送枠としては許容範囲だった基本設定の稚拙さが、一つの映画となることで露呈しまっている。 謎の携帯電話を通じた陰謀の中で、記憶を無くした青年が繰り広げる破壊と救済。そのコンセプトは、非常に興味深い。 不安定な国の世情、インターネット、ニートと現代的な要素を絡ませた謎に満ちたストーリー展開も、ミステリアスとエンターテイメントに溢れている。 ただそこに、本質的な深みがない。興味をひく要素を並び立てたまでは良かったが、最も重要なテーマ性があまりに希薄だ。 荒れる社会情勢の中で膨れ上がった“ニート”という存在がこの作品では重要な要素として描かれるが、それを正当化し、安直に活躍させる様が、あまりに稚拙で説得力がないように感じる。現実的な世情を、表面的に面白がって、空想と妄想でくくり上げただけのように思ってしまった。 そしてこの劇場版を二部作に分ける必要はないと思う。まだ第二部は観ていないけど、第一部を観る限りでは、この程度の内容を区切って、わざわざ二部作にしたことは、劇場に足を運んだ人の反感を買うだけだと思う。 ここまで観てきたので、劇場版ⅡもDVDが出れば観るだろう。が、現時点の評としては、あと一歩も二歩も及第点には及ばず、羽海野チカのキャラクター造形に救われている作品だ。 [DVD(邦画)] 3点(2010-04-18 09:10:02) |
29. BEAT
少し昔の沖縄の熱っぽい青春群像を描いた映画で、混乱の中をたくましく生きる内田有紀の存在が印象的だった。しかし映画としての完成度は低く、感動するほどのドラマ性はなかったように思う。 3点(2003-12-28 02:33:28) |
30. ピストルオペラ
予告編で江角マキコの「ちゅうちゅうたこかいな」に強烈に引きつけられ、その特異な映像世界に浸透されて観に行ったが、映画としてはどうしようもない退屈に終始されたものだった。本編に予告編以上の内容が無かったのは当然ながら致命的だ。主人公を刺客が次々と殺しにくるというストーリーの単純さはそれでいいと思うけど、下手に難解っぽくしたことで面白さがなくなってしまった気がする。ビジュアル的にはやはり素晴らしかっただけに惜しいと思う。 1点(2003-12-21 17:59:17) |