21. BLOOD THE LAST VAMPIRE
もともと実験的というか演習目的から生まれた作品らしいので、尺の短さからどうしてもストーリーの軽薄さは目立っているようだ。ただシーンごとのクオリティはとても高く、どろどろとした怪しい空気感の表現も見事だったと思う。小夜の動きや血飛沫の演出などが、「キル・ビル」に挿入されるアニメーションやGOGO夕張のキャラクターと被る。「キル・ビル」のアニメ制作がProduction IGなので当然だと言えば当然だが、絶対にタランティーノはこれを観たに違いない。 6点(2004-11-14 16:22:49) |
22. 古畑任三郎スペシャル すべて閣下の仕業 <TVM>
ネタ的には確かに過去の秀作のような見事なヒネリはないかもしれないが、久々の古畑ワールドを楽しめるだけのクオリティはあったと思う。やはり松本幸四郎の存在感が質を高めている。今泉の不在や、ラストの同シリーズには珍しいローテンションな顛末など、今までの古畑作品とは一線を画す番外編的なテイストも良かったと思う。まあガルベスくんが田中要次ではネタはバレバレだけども…。 [地上波(字幕)] 6点(2004-01-12 00:18:22) |
23. 古畑任三郎スペシャル 黒岩博士の恐怖<TVM>
これは映画ではないと思いますけどね…。犯人役の緒方拳が飄々とした監察医を演じていて印象的だった。ただ、やはり三谷幸喜作品は舞台が狭まるほど面白い。古畑シリーズでもそのことは顕著で、今作のように場所が転々とするとどうも他の作品に比べてクオリティが散漫とする。 6点(2003-12-18 16:50:08) |
24. 古畑任三郎vsSMAP<TVM>
三谷幸喜の脚本作品は、密室劇(あるいはある限定された空間)の時特にその面白さを爆発させる。古畑シリーズでもそれは顕著で、密室劇風のエピソードの時のクオリティが格別に高いと思う。このSMAP編もその様式であったことがまず良かったと思う。ただ別の方も言っているように、まあ半ば仕方ないことではあるけれど、古畑よりもSMAPの方が重視されていることは否めない。そーいえば、今度の正月にスペシャル版で復活するそうで、犯人はなんと松本幸四郎!今泉が出ないのは消沈モノだけれど、楽しみです。 6点(2003-11-25 13:57:44) |
25. ファンシイダンス
周防監督独特のどこか気の抜けたぬるい雰囲気が相変わらず作風として際立っていて面白い。本木雅弘、竹中直人と「しこふんじゃった」に通じるキャスト陣なので、抱き合わせで見ても楽しいかも。 6点(2003-10-20 21:06:05) |
26. 古畑任三郎ファイナル ラスト・ダンス<TVM>
なんとなく「巧いトリック」という雰囲気は醸し出しているが、よくよく見ると“粗”が多すぎるストーリーだったと思う。 節々で「安易」だったり、「粗末」だったりする印象は否めない。 松嶋奈々子が好きな人ならば、それだけで充分に見応えがあるのかもしれないが、全然そうでないものにとっては、なんとも腑に落ちない“幕切れ”だった。 [地上波(邦画)] 5点(2006-10-02 23:57:24) |
27. フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
特撮映画好き界隈では必ず名前が上がるカルト的人気の高い作品をようやく鑑賞することができた。 個人的にずっと前から観たかった作品だったので、期待値が高まりすぎていたのかもしれないが、何というか、思ったよりも“トンチキ”な映画だった。 まず怪獣そのものの出自についての説明があまりにも曖昧でいい加減だった。 この映画の前に「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」という作品があり、その続編なのかと思いきや、設定や描写が若干異なっており、正確には平行世界を描いた“姉妹作品”という位置づけらしい。 だから、劇中で水野久美演じる博士が語る“サンダ”の出生秘話も取ってつけたような描写になっており、結局どういう経緯でこの怪獣が生まれたのか全く不明である。 故に観客は人間側の一人として、どういうスタンスでこの怪獣を捉えていいものか戸惑ってしまう。 当然ながら、“サンダ”の細胞から派生した兄弟怪獣“ガイラ”に対しても同様で、いきなり登場してきて人間を食い散らかされても、恐ろしさは感じるもののただそれだけで、怪獣としてのキャラクター性があまりにも希薄だった。 そういった肝心の怪獣たちの存在感が薄いことに対して、逆に目を向けざるを得なかったのは、人間たちのエゴイズムに対する嫌悪感だった。 一応の主人公的立ち位置の研究者側も、怪獣の脅威に対応する自衛隊(政府)側も、「飼育すべし!」「抹殺すべし!」と、双方がそれぞれに人間のエゴイズムに溢れた主張を繰り返す。 この映画における“メインマッチ”は、悲しき兄弟怪獣の対決などではなく、人間の“エゴ対エゴ”だった。 そして、化粧の濃い水野久美のめくるめく衣装チェンジを目の当たりにする映画でもある。 想像していたものとだいぶ違って残念だったが、当時の東京という街の風俗描写はなかなか味わい深く、色々な意味で「時代」を感じられるという点では、鑑賞の価値はあったと思う。 [インターネット(邦画)] 4点(2019-12-22 00:45:32) |
28. フラッド
純粋な災害パニック映画を想像していたが、焦点は洪水という環境の中でのクリスチャン・スレーターと悪漢どもとの対決となっており、全体的に中途半端な仕上がりになってしまっている。洪水に襲われた街の作りもセット感が拭えず、とても完成度が高いとは言えないものだった。 4点(2003-11-12 12:23:17) |
29. プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー
武田鉄矢演じる織金のキャラクターは、面白みがあり、それにスポ根的要素がバランスよく噛み合っていたのがパート1の痛快さであった。シリーズ3作目となる今作もそういった痛快さがないわけではないが、もはや二番煎じ、三番煎じもいいとこで、同じことの繰り返しという印象しかもてない。 [地上波(邦画)] 3点(2003-10-28 00:59:35) |
30. プラチナデータ
《ネタバレ》 「駄目」と言える要因は山ほどあるが、先ず一番のマイナス要素は、主演のアイドル俳優の画的な見栄えの悪さだ。 二宮和也のルックスや雰囲気は主人公のキャラクターに合っていたとは思うが、いかんせん小さ過ぎる。相手役が豊川悦司なもんだから、そのチビさが殊更に際立つ。 役柄的にガタイが良い必要はないのかもしれないが、主人公の背格好のみすぼらしさは、それだけでこの映画を馬鹿にしたくなる要因になる。 と、言ってしまうと、まるで“ニノ”一人がこの映画の戦犯のように思われるかもしれないが、勿論そんなことはない。 万が一主演がレオナルド・ディカプリオだったとしても、この映画が駄作であることは揺るがないだろう。(まあディカプリオが主演ならば、自ら製作を担って、スコセッシ監督を呼んで傑作にしてしまうだろうが……) 東野圭吾の原作は未読だが、ストーリーそのものが決して褒められたものではない。 映画のストーリー展開が原作通りなのならば、流行作家の神通力もいよいよ落ち目なのだろうか。 主題であるDNAによる犯罪捜査と、この物語の“真相”は、衝撃的には見えるが、あまりに食い合わせが悪く、サスペンスとしてアンフェだと言わざるを得ない。 物語としての整合性が伴わないまま、科学を超えた人間のドラマなどを謳われても、正直シラケてしまうばかりだった。 文体ではもう少し情感的に表現が出来ているのだろうが、この“シラケる感じ”は、過去の東野作品の中でも幾度か見受けられたものなので、原作自体の出来もたかが知れているのだろう。 と、言ってしまうと、原作そのものが悪かったことがこの映画が駄作である理由と一括りにされそうだが、決してそういうわけでもない。 DNA操作、遺伝子論、精神医学、アナログとデジタルの対峙、これくらいの要素が揃っていれば、“オチ”のマズさはあったとしても、面白い映画的展開は出来たろうにと思う。 主人公の上長の刑事がロリポップを舐めながら登場する。何らかの特徴を持たせたキャラ設定をしたかったのだろうが、あまりに稚拙で失笑してしまった。 それは映画全体にとっては極めて些細なことだけれど、そういう稚拙さがすべての演出に垣間見えることは否めない。 誰か一人が悪いわけではなく、それぞれが少しずつ確実に見せてしまった稚拙さが、映画全体を覆ってしまっているような、そんな残念さに溢れている。 [地上波(邦画)] 2点(2014-04-16 22:52:51) |
31. プリンセス トヨトミ
決して高くはない期待を大きく下回る想定外に“滑稽”な映画だった。 原作は未読だが、人気作家の話題作の映画であるから、映画自体のの善し悪しの前に物語自体の面白さはある程度堪能出来るのだろうと思っていた。 しかし、残念ながら紡ぎ出されるストーリー自体があまりに下らなかった。 突飛な設定をまかり通す物語の説得力と整合性は皆無で、堤真一、中井貴一ら日本を代表する俳優たちの“真面目”な演技が妙に滑稽に映ってしまう程だった。 これが原作通りならば、これほど了見の狭い稚拙な小説がなぜ売れるのだろうと疑問が膨れ上がるところだったが、どうやら例によって、大いに原作の伝える世界観を無視した映画になってしまっているようだ。 そもそも面白い小説の映画化はハードルが高いものなのに、その世界観をただ踏襲することも出来ず、好き勝手に無駄な要素を付け加えて、“別物”に作り替えてしまうことに対する美意識の無さが、いつものことながら理解出来ない。 どうやら映画を観ていて感じた「大阪」という舞台設定におけるあらゆる稚拙さが、原作小説には無い要素であり、逆に舞台となった土地への造詣が深い作者ならではの濃い世界観が原作では繰り広げられているらしい。 原作自体は前々から気になっていたので、読んでみたいとも思うが、この映画を観た後では当面読む気にはなれない。 ただし、憎悪さえ生まれてもおかしくない駄作ぶりにも関わらず、どうしても憎めない自分がいる。 その唯一の要因は、綾瀬はるか嬢の“たわわ”な小走りシーンが、冒頭とクライマックスの二度に渡って映し出されるからに他ならない……。 [DVD(邦画)] 2点(2011-11-30 22:18:36)(良:1票) |
32. フードファイトスペシャル 香港死闘篇<TVM>
テレビドラマはまったく観ていなかったのに、このスペシャル版だけなぜか観てしまった。特急列車内で次々と表れる大食いの猛者どもを相手にしていくという展開は「男塾」的な漫画ぽっさがあってバカバカしくて好きだった。しかし主役の草薙の食べる様にまったく説得力がなく盛り上がることは微塵もなかった。 1点(2003-12-01 15:22:55) |