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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  ゆれる 《ネタバレ》 
ブラックコメディ「蛇イチゴ」のにおける素晴らしい馬鹿馬鹿しさと比べると、この映画は狙い済ましたかのように「ゆれる」映画である。 カメラそのものまで大袈裟に「ゆれる」。複数の人間の視点で観客の心も「ゆれる」。何が真実で何が嘘なのか。あるいわ・・・。 超極端に言えば、西川美和は観客を「騙まし討ち」にする事を予告している。その騙まし討ちを楽しめるか楽しめないか。 俺はその騙まし討ちを楽しんでしまった者として、この映画の感想を書いていきたいと思う。  細部のこだわり(照明や心理描写など)に思わず眼がいってしまう。 台所の流しに注がれる水、酒の一滴、ビールを注ぐ、ペットボトルの水、ホース、シャワーの、吊り橋の下の激流の“音”。 猛は女と接吻をして家を出て行くが、彼女もまた猛のフレームに映される“仕事仲間”の一人に過ぎない。  年代物の車を走らせて寄るガソリンスタンド。そこで出会った女と意味あり気に視線を交え、サイドミラーに写される女の表情を確認して男は去っていく。そこで観客は二人の関係を何となく察する。  葬式に普段どおりの格好で現れ、父親は詰り、猛もまた父親を詰る。それを止める兄の稔。稔はいつも耐えて耐えて耐えている。家族のために。  猛と女は再会してすぐに性交できるほどの“仲”。 ベッドで弟が情事を楽しむ間、兄は黙々とトラックにオイルを注ぐ。まるで弟あるいわ女に嫉妬するようにその場面を挿入してくる。トラックが微妙に上下している様子も気になる。  男が去った後、独りで男の煙草の匂いを嗅ぐ。残されたトマトが暗示する食事を食べたか食べなかったのか、そして二人の関係。  渓谷へのピクニック気分。 バックミラーに光る男女の顔。嫉妬、本音。 普段はヘコヘコ、その鬱憤を大自然で開放する稔。あるいわフリをしているのか。   渓谷にかかる吊り橋の上。その上にいるだけでサスペンスは起きる。閉鎖的空間の息詰まる雰囲気。ボロボロの橋、激流、幼い子供のように服を掴む挙動、怒声。  目撃者は独りだけ。しかもファインダーでなく肉眼だけ。その男の視点すら直後には明かされない。ただ橋の上に残った者に対する対応だけが描かれる。真実を語るのは手の傷だけ。 写真家は見ていたにも関わらずだんまりを決め込もうとする。 静かに励ます男、流れてくる靴、庇い過ぎる者への疑念、シャワーで亡き者を思い出し、汗と涙を洗い流す。封筒の報酬は前払い。  死に追いやった疑いのある人間を憎むどころか、むしろ殺されるような人だったの?という疑問つぶやいてしまうような母親。 弁護人同士の舌戦も、二人にはどうでもいい事なのだろう。 スーツの正装は初めて自分を出すために。  過去を物語るのは8mmフィルムだけ、それを見て今まで冷淡だった者が、過剰なまでに感情を揺さぶられて泣くのである。ここまできて観客の心を揺さぶるのか! 後悔し、全力で車を走らせる者の表情の出る“本音”、それに笑顔で応える者の表情は本音だったのか、それとも・・・。最後の最後まで謎を残す。そこに俺は惹かれる。
[DVD(邦画)] 9点(2015-06-08 19:26:19)
2.  憂国 《ネタバレ》 
仲間の決起に呼ばれず、今度はその仲間たちを敵として討たねばならない。殺すくらいなら死んだ方がマシだ・・・。 そう思い死ぬ道を選んだ男たちの話。それを仲間想いの志士と見るか、死に逃げたと見るかは観客に委ねられる。 小林正樹の「切腹」が言葉と“見せない”事によって語る映画ならば、この映画はその瞬間を徹底的に見せる事を選ぶ。ただただありのままを描く、セミドキュメンタリーのような描写。  漆黒の画面、巻物を広げる軍服の腕、「憂國」と英語のクレジット。  サイレン映画の体裁で、この映画は一切セリフを吐かない。うめき声一つあげず、ただ男が切腹をするまでの過程を描いていく。  「至誠」の掛け軸、着物姿の女、折り紙、筆、亡霊のようにまとわりつく男の手、両手が女をなぞる。女の記憶の中に刻まれた夫の姿。 鶴岡淑子が演じる妻は、三島由紀夫が演じる男を心から愛している。神棚に祈るように。  廊下で帰った夫を出迎える妻。 二人の男女の会話は徹底的に省かれ、思いつめた男の様子と事情を飲み込んだ女の表情だけがすべてを語る。 肩を引き寄せ、女の耳元に何かを話し、腹を斬る真似をする右手、その手を女は掴み自分の喉元に寄せる。女が振り返るのは、男に笑顔で応える瞬間。男女二人は最期の接吻を、最期の交わりを始める。 抜かれかけた刃で女は時が迫る事を理解する。 見詰め合う二人、何度も交錯する視線、抱き合う二人、死ぬ前の生きる喜び、死への恐怖とそれを味わってみたいという欲求。 髪をたくしあげ、女の表情をなぞり、男の肉体をなぞる手、指、喉、仰向けになる頭、脈打つ肉体。 女の乳房や肢体はほとんど映されない。生きている筈の肉体は性交で真の快楽を得ないのだろうか。一体何が楽しくて死の間際の快楽を求めなければならないのだろう。それは本当に死ぬ人間にしか解らない痛みだからだろうか。そうじゃない人間がそれを解るワケがない。  帽子によって影が落ちた男の顔。ハラは決まった。 死に装束をまとう女、ふんどし一丁に帽子を被り、軍服という“装束”をまとっていく男。 互いに遺書をしたため、神棚に祈り、視線を交え、別れの、最期の挨拶。  小太刀を抜き、紙を巻き、上着のボタンを外し、腹を出し、太ももの根元に先を刺して痛みを確認、腹にあてがった指の間から刃を腹に入れていく。 口元だけが激しく表す苦悶の表情。うめき声が聞こえんばかりの、震えながら刃を左から右に引いていく。 女の口元も振るえ、汗を、涙を流す。血潮が白い着物に跳ね、女は見届ける事しかできない、苦痛を変わってられない苦しみ。 肉体はうめき、腸が飛び出て、口から泡をふき、喉元に太刀を突き刺す。女は介錯でもするように男を引っ張り見届ける。  女は外の部屋に消えていく。 女を見届けるように自動で閉会する襖、照明、鏡を見て白粉をつけ、紅をさす。男が死ぬ間際も軍服で飾ったように、女も死ぬ間際に自分を飾って果てていく。  夫の血の上を歩き、帽子を先に逝った者にのせ、顔を袖で拭って綺麗にして弔う。 懐刀を抜き、切っ先を舐め、喉に突きさし果てる。文様が刻まれた砂の上。
[DVD(邦画)] 9点(2015-06-07 21:23:01)(良:1票)
3.  遊☆戯☆王 《ネタバレ》 
TV版とは別格の神作画、神デザイン。 何より原作の雰囲気をここまで出したアニメは未だこれが最高だと思っている。 枯れたキャベツ(社長)のコートが神ってます。 たった30分で荒木伸吾と姫野美智の作画・・・贅沢すぎる。 この贅沢なメニューで「渇いた叫び」&「明日もし君が壊れても」だろ!? たまらんわ・・・DVDはよ。  原作イメージのブラック・マジシャンもカッコイイし、ブルーアイズの唸りも凄い。ブラック・メテオ・ドラオンを拝めるのが凄い。  ちなみに当時の遊戯王カード(98・99年初頭当時)で発売された「青眼の白竜3体連結」は「邪悪なる鎖」とセットで8回連続攻撃できるというチート。攻撃力・守備力は「青眼の究極龍」と同じ。
[ビデオ(邦画)] 9点(2014-12-31 22:02:41)
4.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
凄まじい。恐らく邦画史上最も凄まじい部類に入るドキュメンタリーになるだろう。 過去の旧日本軍内で実際に起きた事件の真相を探っていく流れが本当に凄い。鉄拳飛び交う情報収集、行き着く先に待つ答えがいやはや。 本当に全力で右に進む映画だ。突き抜けすぎて逆に笑いがこみ上げてくるくるくらい馬鹿な“何か”がこの映画にはある。 日本人なりに「戦争とは何か」を考え抜いた一つの答えがこの作品に刻まれているのだろう。この映画は99%奥崎謙三で出来ています(嘘)
[DVD(邦画)] 9点(2014-08-26 22:32:51)
5.  雪国(1957)
川端康成の原作を忠実かつ最高に美しく描いた作品。 豊田四郎は原作の雰囲気を映像で再現してしまう反面、原作で問題視された個所(たとえば医術の間違った知識など)もそのまま再現してしまうためしばしば批判の対象にされてきた。  この「雪国」もラストの衝撃的な結末をありのままに再現してしまった。  しかし、川端康成が描いた幻想的な雪原の美しさをここまで映像化した監督は豊田四郎だけだろう。 白黒の映像だからこそ映える白と黒の濃淡。  原作から引き継がれた難解さは何度見てもよく解らない。 原作でも言明されなかった「それ」は未だに謎だ。 だからこそ様々な解釈が出来るワケだし、それを映像で堪能できるのなら映画にする意味があると思う。 感じ方は人それぞれだ。  恋心に悶える岸恵子の演技が素晴らしかった。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-21 23:59:56)
6.  雪夫人絵図 《ネタバレ》 
これは隠れた傑作でした。 テンポも良いし展開もぐるぐる切り替わる密度。当時これほどの傑作が評価されなかったのが不思議でならない。 これだけの完成度、しかも木暮実千代と久我美子ですよ?  最高に私好みの作品じゃないですか・・・(「新・平家物語」のおっぱいもたまりませ(ry)  確かに溝口作品にしては斬新とも言える内容ではある。ただ、この作品から感じられる官能的で優美さのある見事さ。 木暮実千代が色っぽい。最高に。 直接的な描写がなくともここまで艶を感じさせる演技、そして溝口の演出。  旧華族制度の崩壊、二人の男の間で揺れる煮え切らない女心・・・全てに絶望したラスト・・・後の「山椒大夫」のようなキレイな映像でした。   風呂場のお湯と白いタイルのように希望に満ちていた彼女は、度重なる不幸を目の辺りにしていく。彼女は深い水の底での安らぎを選んだのかも知れません。  まるで兄の身を案じて湖に身を投げた「山椒大夫」のあの妹のように・・・ただ後の彼女には微かな希望がありました。「私が死ねば兄は楽になる」と。そんな希望すら雪には無かった。 うら若き乙女を死に追いやる溝口の残酷さ、ただそこには若さゆえの儚さ、美しさがある。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-20 13:04:47)
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