21. 夜の流れ
《ネタバレ》 最初の興味は、私の好きな監督である成瀬巳喜男と川島雄三が共同監督である作品だということだった。 しかし、その興味は司葉子のまばゆいばかりの美しさの前にあっという間に消し去られてしまった。 司葉子の美しさは、撮る監督によって大きく上下に振れる。 その中にあって、成瀬巳喜男がその遺作である『乱れ雲』で、司葉子の美しさを完膚なきまでに映し出した様に、やはり成瀬巳喜男が司葉子の美しさを最もうまく引き出すことのできる監督だと思われる。 司葉子の美白、特に首元から鎖骨にかけて、そしてスカートから伸びるほっそりとしたふらくはぎ。 もう、これは観ているだけでため息のでる芸術品。 その芸術品を観ることができるだけでも本作は十分な価値があった。 話としては、男女の醜いまでの惚れた腫れたを、しつこいくらいに描いている。 無理心中をはかる情けない中年(北村和夫)、金で芸者をものにしようとするが、無理と分かった途端、情け容赦なく金で一切の関係を清算する初老の男(志村喬)、戦争の傷を言い訳にして年上の女を翻弄した挙句に面倒になって逃げる去る板前(三橋達也)、その板前に逃げられ包丁で男を刺し殺そうと狂う中年女(山田五十鈴)、芸者たちに酒を飲ませ車で乱暴をはたらこうとするボンボン学生達、男にふられて自殺未遂を何度も起こす女(市原悦子)、などなど、まるで「男女泥沼の群像大河メロドラマ」の様相だ。 そのしつこさとジメジメとしたストーリー展開は、決して心地の良い類いのものではなく、観た後の気分は鬱々としたものになった。 そういう意味では決して好みの作品ではないが、男女の泥沼的で汚らしい愛憎劇を徹底的に描ききった部分は評価したいし、何より司葉子が最も美しく撮られた作品の一つとしては高く評価したい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-24 21:22:10)(良:1票) |
22. 四畳半襖の裏張り
《ネタバレ》 セックス・シーンがほとんどで、いかにも日活ロマンポルノといった感じの作品。 内容は非常に乏しく、当時の日活の低落ぶりを実感できる。 出てくる女優も魅力に欠ける。 そんな中、唯一楽しめたのが、部分に挿入される文字の数々。 なかなか含蓄のある面白い言葉が多かった。 [ビデオ(邦画)] 3点(2008-08-08 01:21:41) |
23. 夜のピクニック
《ネタバレ》 80kmをひたすら歩くロード・ムーヴィ。 前半は話が掴みづらく、やや難儀したが、後半がなかなか良い。 そして音楽がいいせいか、観終えた後の気分が意外と良い。 地味な作品だが、スピンオフ作品『ピクニックの準備』も観てみたい、と思わせる魅力があった。 そして本作のテーマとなっている「歩行祭」。 これって良いなぁ。 こんな高校祭が、自分が高校生の時にあったら、しんどいけど、さぞかし楽しいだろう。 一生の想い出もできそうだしね! [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-03 22:39:28)(良:1票) |
24. 夜の女たち
溝口作品の鑑賞31作品目! 残すはあと4本! しかし・・・ これは大したことのない作品ですね。 田中絹代がパンすけ役を演じきれていないのです。 全く様になっていません。 無理に頑張っているのが伝わってきてしまっています。 戦後の世相を反映しているという点においては、見所はあると思いますし、成瀬作品バリに風景描写がリアルに描かれていて良かっただけに、何だかもったいない。 それにしても、溝口作品は大傑作も多いが、失敗作がそれ以上に多い! 未見の溝口作品4本も、あまり期待できない感じです・・・ [DVD(邦画)] 4点(2008-04-04 23:33:59) |
25. 四つの恋の物語(1965)
吉永小百合より断然、芦川いづみ! 芦川いづみの美しさが何より際立っていた。 最後も晴れやかな幕切れで気分爽快。 難しいことを考えずに、女優たちの美しさと楽しさを満喫すべき作品である。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-11-21 00:34:10) |
26. 夜ごとの夢(1933)
全体的にダルい作品でした。 最後も強引に終わらせすぎです。 DVD化されていない理由が分かった気がしました。 [ビデオ(邦画)] 4点(2007-10-08 14:04:00) |