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にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3272
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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421.  銀座二十四帖 《ネタバレ》 
題名通り、銀座の町並みが沢山出てきて、それだけでも十分楽しめる。 開発中の有楽町駅前の映像には特にビックリ! 私がつい最近までごやっかいになっていたビルの敷地が更地ではないか! しかも、当時更地ということは、今存在するビルの一つ前のビルが建築されている最中という、非常に興味の湧く貴重な映像を観ることができた。  出演陣でインパクトがあったのが北原三枝と安部徹。 北原三枝は、相変わらずの日本人離れした抜群のプロポーションを惜しげもなく披露。 露出度の高い服に、たわわな胸を強調した服を着ており、思わずスクリーンに目が釘付けになってしまった。 脚、特にふくらはぎが綺麗だし、この頃の北原三枝にはオーラがかった若さと勢いを感じる。  それと安部徹。 オカマっぽい画家を演じているが、これがなかなかの熱演! すっかりオカマキャラをモノにしているところが凄い。 役者魂炸裂!といったところだろうか。  しかし個人的にやや苦手な三橋達也が主演をはっている点はマイナス。 それに河津清三郎は相変わらずの棒読み口調。  それと月丘夢路が劇中で「美人、美人」とはやしたてられていたが、そこまで強調する程の美人とは思えない。 少なくとも、劇中のセリフである「男なら誰でも魅力を感じる女性」というのには疑問符が残る。  しかし、本作のバッドエンドはなかなかの後味! あそこで都合良く結ばれないのは、かえってスッキリとしていて、私にとっては好印象を残した。
[映画館(邦画)] 7点(2008-11-15 01:37:43)(良:1票)
422.  津軽じょんがら節
津軽の寒々しさと暗さがビシビシと伝わってくる。 全面ロケならではの臨場感があった。  西村晃が漁師役を演じているが、これがまた味があって良かった。 西村晃って、あまりカッコいいイメージなかったけど、本作ではその良さが十分出ていた気がする。  土着な香りのする作品なので、あまり好みではなかったが、それでも最後まで楽しむことができた。  それにしても、江波杏子って昔から老けてたのね・・・ 
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-25 16:59:04)
423.  陸軍中野学校
大映作品らしい重厚さとモノクロの美しさを併せもった作品で、完成度は高い。 しかし、どうにも加東大介がミスキャストだ。 陸軍中野学校を率いる教官として、人間的厳しさが要求される役どころだが、加東大介にそれを演じさせるには無理がありすぎる。 加東大介は大好きな俳優だが、この役柄を演じるには相応しくない。 ユーモアと人情味あふれる役を演じさせてこそ味の出る俳優なのだから。  小川真由美だが、本作から10年後に作られた『実録三億円事件 時効成立』で観た、「疲れ果てた中年女」のイメージが強く、若い頃はこんなにも美しかったのか、、と衝撃というか、ショックを受けた。 美しさを奪う時の経過というものは、ほんとに残酷なものと痛感した。  全体として緊張感がみなぎり、まとめ方もうまく引き締まった穴のない作品だが、ミスキャスティングが響き、傑作とまではいかない気がする。  しかし、主演の市川雷蔵はさすがの渋さとクールさ。 やはり時代劇の雷蔵より、現代劇でこその雷蔵だ。 雷蔵出演の現代劇は全て観てみたい。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-10-21 23:02:05)
424.  赤坂の姉妹 夜の肌 《ネタバレ》 
作品の冒頭、古き日の赤坂の俯瞰図と、実写による遠景が出てくる。 今となっては決してみることのできない赤坂の風景。 国会議事堂がそびえ立ち、赤坂の街を見下ろしている。 その向こうには東京タワー。 赤坂がいかに面白く、混沌とした街だったかを偲ぶことができる貴重なワンシーンだ。  赤坂が政治家たちの夜遊びの社交場として栄え、そこには他の地域には決して見られない独自の風俗が息づいている。 平成の世となっては、その面影は残すものの、ビルが乱立するばかりで、麻布などと同様、この作品で見ることのできる風情や風景は絶滅してしまっているのだ。 そういった当時の貴重な東京風俗をフィルムに残したという点において、同じく川島雄三監督の『洲崎パラダイス 赤信号』と並び、極めて貴重な作品と言える。 本作は、東京で生まれ育ち、且つ都心部のこういった地域風俗に興味がある人が観ることによって、その魅力を初めて感じ取れる作品なのかもしれない。  ところが、私は淡島千景という女優に、女としての魅力を全く感じないので、淡島千景に翻弄される政治家たちの心情というものに全く共感できなかった。  川島雄三監督作品ならではの、個性あふれるオープニングクレジットは本作でも健在で楽しむことができた。 特に、最後の最後で、でかでかと「フランキー堺」の文字。 この演出にはしびれたし、フランキー堺がさぞかし活躍するのでは?という期待も高まった。 しかし、フランキー堺はそれほどの見せ場もなくブラジルに行ってしまった。 これにはとても不満を感じた。 もっとフランキー堺を暴れまわらせてほしかったのに・・・
[映画館(邦画)] 7点(2008-10-19 23:09:36)
425.  放浪記(1962)
高峰秀子演ずる女性の男性遍歴を綴った一代記モノ。  一代記モノは、抑揚もなく冗長になりがちなので、あまり好みではないのだが、本作は男性遍歴がいくつものエピソードとして面白く描かれており、意外と楽しめた。  高峰秀子に近寄る男は、どれも二枚目で、最初は妙に親切だが、ものにした途端に横暴で自分勝手な振る舞いをする。 女ったらしの男たちを的確に描き、そして又、その女ったらしに一度惚れてしまった女の弱みというものを、見事に描いている。  男運が悪いといえばそれまでだが、そういう男に騙される女も女なわけで、しょうもない女と男の行く様を滑稽なまでに徹底的に描いている。  そんな中、加東大介だけは異色の存在で、脇役でなく、かなりメインに近い存在として、物語の最初から最後まで顔を出す。 加東大介の本来の魅力が出ていたかといえばそうではないが、脇役が多い加東大介にしては、桧舞台に上がったかのようである。  小林桂樹は、唯一、心配りのきく男性像として描かれ、高峰秀子の最終的な夫となり、彼女の作家としての成功後の人生を共にすることになる。  つまり、二枚目で女ったらしは女の運を引き下げ、人間味のある温かい心を持った男こそが、女の才能を開花させ、幸せにするといった具合だ。  このように、本作には様々なタイプの男性像を持った男達が出てくる。 そういう意味で、博物館的な面白さを秘めた作品だともいえる。  傑作とは思わないが、なかなか味わいのある力作である。 「成瀬映画にハズレなし」 これは本作でも証明された。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-10-16 01:03:10)
426.  接吻泥棒
ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。 宝田明のモテっぷりも凄いけど、確かにカッコいい。 草笛光子が意外と色っぽかった、、のには不覚! 熟した女の色気と甘ったるさがタップリ出ていた。 団令子は少しぽっちゃりすぎかなぁ。。頭でっかいとか、アンパンのへそとか、劇中で色々言われまくってたけど、なんかものすごく同感だった。  ラストのボクシングシーンはとても迫力を感じた。 宝田明は、若い頃、マジで喧嘩強かったんだろうなぁ。 ボクシングをする姿がほんとっぽく、様になっていた。 ボクシングシーンにかなりの演出を施したに違いない。 リアルなボクシングシーンに川島雄三監督のこだわりを見た!
[映画館(邦画)] 7点(2008-10-08 22:15:26)
427.  女の歴史 《ネタバレ》 
池袋・新文芸坐にて鑑賞。 成瀬作品にしては比較的珍しい2時間超の大作。 高峰秀子が演ずる女性の生涯を描いた伝記作品である。  宝田明は相変わらずシャープでカッコよい。 しかしあっさり死んでしまう。 山崎努にしてもアッサリと死ぬ。  男は勝手なことばかりをして女を残し先立つ。 女は残されるが、したたかに強く生きていく。 そして女は最初はいがみあっているが、最後は女同士で手を組合い、生きていくのだ。  男は自由奔放でだらしなく、浮気をする。 女はそれに耐え、不平をいい、時には恋敵の女性同士でいがみあったりするが、最後は助け合い生きていく。 こういった流れで2時間が過ぎる。 とても見応えのある作品で、男と女のそれぞれの特徴をとてもよく捉えている作品だ。 最後の終わり方もまた良い。
[映画館(邦画)] 7点(2008-10-07 21:11:21)
428.  青空娘
若尾文子の肉感的でいて健康的な美しさを堪能できる作品。 話としては決して好みではないが、元気に溌剌な空気、そして青空が画面いっぱいに広がっており、すがすがしい気分になれるのが良い。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-10-06 00:07:45)
429.  東京マダムと大阪夫人
神保町シアターにて鑑賞。 川島雄三監督作品、自身23本目の鑑賞。  これがなかなかの愉快作! しかも、とても良くまとまっている。 女優陣も、芦川いづみに北原三枝と、綺麗どころが出演しており、華もあってよい。  うるさいマダム連を、ガァガァとわめくアヒルにダブらせるユーモアは最高! 又、サラリーマン族の暮らしぶりを、暖かい目線で喜劇調に描いており、安心して楽しむことができた。
[映画館(邦画)] 7点(2008-10-05 00:27:40)
430.  山の音 《ネタバレ》 
これは成瀬作品としては比較的、異端の部類に入るのではないか。 最後は「離婚」という形で終わる。 これが珍しい。 なんやかんや言って、夫婦や男女というものは、おとなしく納まるっていうのが、成瀬作品の大半を占めている中で、これは珍しい。 しかも、未来に希望をつなぐ形、つまりは発展的な意味合いで離婚というものをラストに持ってきている。  本作には、それほど魅力的な登場人物が出てこない。 しかし、逆に言えば、人間臭い矛盾と弱さに充ちた登場人物たちばかりなのだ。 現実の世の中は綺麗ごとばかりじゃないし、裏と表の顔を、人間なら誰しも持っている。 そういった意味では、人間の本質を鋭く捉えた作品だといえよう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-29 00:48:44)
431.  にっぽん泥棒物語 《ネタバレ》 
これ、法廷モノの傑作じゃないでしょうか。 三國連太郎の凄みが十二分に発揮されています。  ラストの法廷シーン。 ここにおける三國連太郎のパフォーマンスは、凄いの一言です。 三國連太郎という人物の持つ存在感、俳優としての実力を目の当たりにすることができます。 「三國連太郎は凄い俳優だ」。 本作を観終えて感じたことは、まさにその一言に尽きます。  一般的に評価の高い法廷モノの洋画『情婦』とかと比べても決して劣らないどころか、本作の方が上じゃないでしょうか。 本作は、法廷における臨場感あふれるユーモアも交えた心理戦、そして法廷劇の面白さを体感することができます。  この法廷喜劇の傑作を、もっと沢山の人に観てほしい。 もっと他の人にも観てもらって、レビューを書いてほしい。 そんな気持ちがふつふつと湧いてきました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-28 15:57:00)
432.  血煙高田の馬場(1937)
なんという疾走感! バンツマの眼の動き、立ち回り、言葉の発し方、全てがカッコいい! ラストシーンの音楽も素晴らしい。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-23 22:17:10)
433.  私は二歳
当時の一般家庭の雰囲気、家庭的な雰囲気が出ていて、とてもよい。 最後まで飽きずに楽しむことができた。  しかしながら、子供は苦手だし、山本富士子のようなやかましいタイプの女性が苦手なので、観ている時、多少イライラもしたが。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-23 20:17:34)
434.  東京オリンピック
記録映画の精度としてみるとレニ・リーフェンシュタールよりもオリンピックの全体像が克明に描写されている。 かたや、芸術としての映像という視点でみると、レニより劣るのではないだろうか。  ところで私は映画好き以上のマラソン観戦好きなので、ラストで感動を呼ぶべきマラソンについては不満を感じた。 マラソン観戦は、やはりスタートの瞬間からゴールまでをずっと観られてこそ魅力を感じる。 しかし、ドキュメンタリーならではの、リタイアした選手の様子とかが映されていて、それは楽しめた。  又、熱狂に沸き返る当時の日本、いや東京を映像として観られたことは、非常に貴重な体験となった。  記録映画としての存在価値は、今もなお失われてないのではないだろうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-21 16:58:12)
435.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 
これでハッピーエンドなら評価をもっと下げるところだが、あのバッドエンドはサイコー。  それより最高なのは、本作のお目当て佐藤友美! 白いブラウスに、タイトなグレーのスカート。 スチューワデス姿の佐藤友美を堪能できるのだ。 私が吉田輝雄の立場だったら、二人で逃げるフリをして、岩場で乱暴を…なんて。  それにしても、前半の飛行機内における、人間模様が面白い! メインのSFホラーな部分より、前半の心理劇の方がよほど面白かった。 会社社長に政治家に精神科医に学者、と何だか知らないが社会的地位の高いエリートメンバーが勢ぞろい。 これらの登場人物たちが、極限の状況でエゴをむき出しにし、互いを罵り合う。 この人間模様が面白い。 吸血鬼のゴケミドロなんかどうでもいいから、いっそのこと、機内密室心理劇として最後まで通して欲しかった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-09 22:29:39)(良:1票)
436.  秋津温泉
桑田佳祐、、いや違った、長門裕之がこの役にマッチしているかは別にして、男女の愛のもつれ、腐れ縁を美しく叙情的に描いている。  内容的には「雪国」とそっくりだが、「雪国」のモノクロ映像と比較してしまうと、どうも不満が残る。 映像は綺麗ではあるが、もう一つ雰囲気に欠ける。 ただカラー映像で映しているだけと、私は感じた。  そしてメロドラマといえば音楽。 確かにメロドラマっぽい音楽なのだが、どうも音楽が一人歩きしていて、映像にマッチしていないように感じた。 「乱れ雲」の様に、もう少しストーリーに華を添え、音楽と映像とストーリーの相乗効果をもたらすような音楽がほしかった。  だが、ストーリー的にはメロドラマの王道をいくもので、卒がない。 なかなか濃密で、満足はできた。  話の内容はいいだけに、演出面でもう少しプラスがほしかった。  ただし、それとは別に、主演ふたりの演技は素晴らしくうまかった。 
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 22:10:42)
437.  血槍富士
日本時代劇映画屈指のシーンといわれるラスト。 そういったフレコミを知らずに観たので、余計にラストには衝撃をおぼえた。 鬼気迫る片岡千恵蔵の演技。 これに尽きる。 話としては特別面白くはないが、ラストの衝撃が強く印象に残る、時代劇映画の傑作!
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-07 07:11:10)
438.  用心棒
相変わらずヒューマン臭が強く、うまくまとめすぎ感のあるストーリーは、私の黒澤作品に対する苦手意識を払拭するには至らなかったが、娯楽作品としてまずまず楽しめた。  それにしても、司葉子が3番クレジットにしては、出番が少なすぎる! 黒澤映画は、男を優先し過ぎ!!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-05 00:21:32)
439.  虎の尾を踏む男達
黒澤映画としては、『羅生門』に次いで好きな作品です。 アクション過ぎる『七人の侍』や、ヒューマン臭が過ぎる『生きる』『赤ひげ』などの世間的評価の高い黒澤作品よりも、本作の方が好きです。 尺も短く、緊迫感が最後まで持続し、見事な出来栄えです。 大河内傳次郎の、迫真の演技も特筆すべき素晴らしさでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-03 23:40:27)
440.  夜の流れ 《ネタバレ》 
最初の興味は、私の好きな監督である成瀬巳喜男と川島雄三が共同監督である作品だということだった。  しかし、その興味は司葉子のまばゆいばかりの美しさの前にあっという間に消し去られてしまった。 司葉子の美しさは、撮る監督によって大きく上下に振れる。 その中にあって、成瀬巳喜男がその遺作である『乱れ雲』で、司葉子の美しさを完膚なきまでに映し出した様に、やはり成瀬巳喜男が司葉子の美しさを最もうまく引き出すことのできる監督だと思われる。  司葉子の美白、特に首元から鎖骨にかけて、そしてスカートから伸びるほっそりとしたふらくはぎ。 もう、これは観ているだけでため息のでる芸術品。 その芸術品を観ることができるだけでも本作は十分な価値があった。  話としては、男女の醜いまでの惚れた腫れたを、しつこいくらいに描いている。 無理心中をはかる情けない中年(北村和夫)、金で芸者をものにしようとするが、無理と分かった途端、情け容赦なく金で一切の関係を清算する初老の男(志村喬)、戦争の傷を言い訳にして年上の女を翻弄した挙句に面倒になって逃げる去る板前(三橋達也)、その板前に逃げられ包丁で男を刺し殺そうと狂う中年女(山田五十鈴)、芸者たちに酒を飲ませ車で乱暴をはたらこうとするボンボン学生達、男にふられて自殺未遂を何度も起こす女(市原悦子)、などなど、まるで「男女泥沼の群像大河メロドラマ」の様相だ。  そのしつこさとジメジメとしたストーリー展開は、決して心地の良い類いのものではなく、観た後の気分は鬱々としたものになった。 そういう意味では決して好みの作品ではないが、男女の泥沼的で汚らしい愛憎劇を徹底的に描ききった部分は評価したいし、何より司葉子が最も美しく撮られた作品の一つとしては高く評価したい。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-24 21:18:56)(良:1票)
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