481. 伊豆の踊子(1963)
《ネタバレ》 百恵版との比較になってしまいますが、こちらの吉永・高橋・大坂・浪花というキャスティングは、妙にみんな人物的安定感が出てしまい、百恵版の作品中に漂っていた先行き不安な何かが危ういようなニュアンスが消えていますね。ただ、監督が同じであるせいか、演出のポイントには共通点が多々あり、こちらでやり残したことを百恵版でやり尽くした、ということになるのかもしれません。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-07-12 11:02:11) |
482. なにはなくとも全員集合!!
《ネタバレ》 てっきり、ドリフが暴走してひたすら笑わせてくれる作品かと思って待ちかまえていたのですが、実は三木のり平が完全に主役であって、ドリフのメンバーは標準的な脇役だったのですね。笑わせ方もオーソドックスで大人しくて、消化不良ぎみではあるのですが、若かりし頃のメンバーの動く姿が鑑賞できるという点では、価値があります。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-11 00:13:20) |
483. Laundry ランドリー
《ネタバレ》 小雪が逮捕される前後の心理の交錯とか、優れた描写の部分もあるんですよ。だけど、全体的には、「こんな感じでファンタジックに染めておけばそれっぽいかな」という雰囲気が漂っていて、やっぱり作為的なのです(ラストはその象徴)。それと、この内容ならば、尺は100分くらいで十分ではないか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-05-15 02:15:11) |
484. うた魂♪
《ネタバレ》 全体的に無機質でプラスチックで官僚的で、そもそも合唱シーン以外のところで、肝心の「歌う喜び」が映画としては全然表現されていないような気がするのですが・・・。出発点として、「顔が変だと言われて心が折れる」というような単純で煩悩的な問題を正面に据えた点は斬新で評価できるが、それを支える主人公の日常生活人格まで作り込まれていないので、物語が始まるに始まれず、無理矢理レールの上を走らされている。もっとも、妙にセンスの良い部分もところどころには見え隠れして、それに救われている。例えば、防波堤のシーンで突然左右に揺れてハミングを入れ出す後ろのメンバーとか。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-05-12 01:52:46) |
485. レオニー
せっかくこの貴重な題材に着目し、また巧者の役者陣を揃えていながら、結局まとめきれなかったという感じ。日本人組は、英語の台詞を覚えるので手一杯だったのか、一部を除いて演技らしい演技ができていない。また、エミリー・モーティマーも、主人公の何を表現するのかというテーマが与えられなかったため、本領を発揮しているとは言い難い。名手ヤン・A・P・カチュマレクの音楽に相当助けられていると思う。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-08 00:41:19) |
486. 青い山脈(1963)
《ネタバレ》 純朴な学校ものかと思って見ていたのですが、途中からクラスメートはほっとかれて延々と闘争一色になってくるのにはびっくり。そんな話だったんだ?吉永小百合は、どうしてこういうコメディエンヌの道を歩まなかったのかと、しみじみ思う。ボケとツッコミの1つ1つに、結構なセンスの良さがある。あと、芦川いづみの凛とした女教師のはまりっぷりは素晴らしい。彼女に+2点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-04-20 02:42:08) |
487. 危険な女たち
《ネタバレ》 いかにもな人たちが吸い寄せられるように別荘に集まってきて、いかにもな雰囲気の中で事件が起き、それらしい手がかりが撒かれたところまでは良かったんですよ。説明台詞とか、ちょっと安っぽい雰囲気には目をつぶって。ところが、みんなが別荘を去ってからは、出方が脇役っぽかった和由布子や夏八木勲はまだしも、結構なキーパーソン的な感じで出ていた藤真利子も三田村邦彦も出てこない!せっかくあれだけ「どの人でも犯人になれるし動機も想定できる(子供でさえ)」という環境を作っておいて、何でそれを自分でぶち壊すような真似をするの?この落差にはびっくりでした。 [DVD(邦画)] 5点(2013-04-01 03:15:05) |
488. 必殺仕掛人 梅安蟻地獄
《ネタバレ》 緒形拳は、こういう適当でええ加減な役も意外にいいですね。佐藤慶は、やっぱり悪役のときの方が楽しそうである。梅安の針の駆使をもう少し見たかったのと、全般に殺陣の迫力が今ひとつなのが難点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-02-09 13:36:34) |
489. 神様のくれた赤ん坊
《ネタバレ》 筋立ては単調なのだが、桃井かおりの珍しく誇張のない演技と、意外にこういうええ加減な役が似合っている渡瀬恒彦の巧い立ち回りによって、展開力をつなぐことに成功している。このラストに持っていくのだったら、道中での子供とのやりとりはもう少し欲しかったところだが。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-02-05 02:52:51) |
490. 抱かれた花嫁
《ネタバレ》 まったくどうということのないホームドラマなのだが、台詞の1つ1つがまさに「肝っ玉母ちゃん」そのものである望月優子の存在感が、作品に1つの筋を通している。日光での女性2人のバトル(?)も、きゃんきゃんしてる割には可愛らしくて面白いね。ところで、このタイトルは何を意味しているのでしょう。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-13 00:17:46) |
491. 衝動殺人 息子よ
《ネタバレ》 この主人公の目的は、「国による犯罪被害者補償制度を実現すること」である。国は、国民に対して安全な生活を提供する義務があることの一環として、犯罪の発生を阻止・抑止する義務がある(その反面として、刑罰権や捜査権を有している)。したがって、発生してしまった犯罪は国家の保護不十分の結果であるとはいえるから、その延長として、国に対して補償制度を求めることは、ロジックとしては正しい。かつ、金銭的側面とはいえ、当該被害者に現実的な回復をもたらすこともできる。ところが、その後の犯罪被害者保護運動は、刑事手続そのものに関与することを要求し始め、さらには、公的手続内で被告人と直接接することをも要求してしまった。彼らは、被害者保護運動をどこに対して向けていこうとしているのだろうか?裁判手続への関与や、それに基づく刑の執行によって、被害者の何が、どのように回復したのかということについて、どこかで検証はなされているのだろうか?●映画的には、情緒的描写に流れている部分が多々見受けられ、逆に主人公の被害者訪問部分はあっさり流されているのが残念。あれだけのキャストを用意したのだったら、そここそ、個々の被害者の受け取り方はどのように違っていて、どのような人たちが存在するのか、ということを明確にすべきだった。ただし、高峰秀子の存在と演技は、作品を冷静の領域にとどめることに貢献している。彼女にとっては、女優引退作でもある。 [DVD(邦画)] 5点(2013-01-06 03:20:01) |
492. 駅 STATION
《ネタバレ》 これほどの目が眩むような豪華キャストを、こんなに見せ場のない無駄な使い方をするなんて・・・。健さんが主役なんだから、健さんだけ追っかけていればいいだろう、という程度の意識で作ってしまったのが敗因。それと、この構造で行くんだったら、最初は、主人公が離婚に至った経緯と背景を描写しないと、物語にならないんじゃない? [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-02 02:40:39) |
493. 八甲田山
《ネタバレ》 ただでさえとんでもない作戦なのですから、どこでどういう考えがあってそれに挑んだのか、その状勢的背景はどのようなものであったのか、当事者たちはそれに臨むにあたってどのような思考や葛藤があったのか、というところを十分に下地として築いていないと説得力がなくなるのですが、何と、将校の一言であっさりと実施が決定し、登場人物もさしたる逡巡もなくあっという間に決行に至っています。それが第一の難点。また、せっかくの豪華キャストを投入していながら、演技や表情がほとんど見えません(脚本自体、表現でどうなるものでもありませんが)。それが第二の難点。手間がかかったであろう撮影の苦労がもったいない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-19 23:02:12) |
494. ミスター・ミセス・ミス・ロンリー
内容的には何が何だか分からなかったのだが、22歳にしてこれほど自我の表現をとめどなくあふれ出させている原田美枝子は、やはり凄い。宇崎竜童や原田芳雄ですら、いつしか組み伏せられている。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 02:27:38) |
495. 東京キッド
内容的にはどうということもないのだが、とにかくひばりちゃんのオーラを鑑賞するための作品。特に、常にピシッと伸びた背筋の力が凄い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-02 22:45:46) |
496. お嬢さん乾杯
《ネタバレ》 日本にもこの頃からラブコメという表現が存在したことを示すという意味において貴重な作品。ラストの一言をヒロインに言わせたいための脚本ですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-09-25 02:28:00) |
497. 王将(1948)
《ネタバレ》 前半は何が描きたいのかよく分からない感じで、主人公のキャラクターに寄りかかっているだけではないかという気がしていたのですが、関根との決戦以降はきちんと物語になっていました。本当は、将棋そのもののディテールも踏まえてほしかったのですが、さすがにそれは無理でしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-23 00:39:18) |
498. うみ・そら・さんごのいいつたえ
どうです沖縄の綺麗な景色でしょお~~そこにいる人たちもいい人たちばかりでしょお~~~という入れ込み方が作為的すぎて、かえって作品としてのテーマが抜け落ちる結果となっている。それによって何を表現したいのかということが大事なのに・・・。紺野美沙子の出番が少なかったのも残念。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-21 00:17:20) |
499. 東京五人男
《ネタバレ》 笑わせようとする部分はそうでもないのだが、それよりも、焼野原でのバラック生活とか、配給やヤミ物資のやりとりなど、生活描写の1つ1つがいちいち生々しいのです。そこで変な事件やアクシデントに走っていないところが、かえってある種の熱気をそのまま伝えています。終戦後半年でここまでの作品を作っていたというのも驚き。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-06 03:02:59) |
500. ウォーターボーイズ
《ネタバレ》 見栄えの良いのはもちろんシンクロ完成シーンなのだが、それまでの間、さしたる楽しみも目的もない暗ーい地味な高校生生活をきちんと踏まえているのが良い。見て楽しむのは後半。思わず共鳴してしまうのは前半。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-06-21 00:30:08) |