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コメント数 1963
性別 男性

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541.  にごりえ 《ネタバレ》 
樋口一葉原作による三つのお話からなるオムニバス作品で、一つ一つの話には関係がなければ繋がりもない。しかし、どの三つにもこの時代の厳しさ、男性社会の中で生きていく女性の厳しい現実、貧しい時代の中で生きることの難しさ、大切さが上手く描かれている。特に最後の話は三つの中でも際立っている。何よりもまずは俳優陣が皆、素晴らしい。淡島千景に宮口精二、そして、名脇役杉村春子のここでも凄さを感じずにはいられない。主人公のお力を演じている淡島千景の女としての色気もさることながら女が生きていく為には人からどんな眼で見られようが、何と言われようが例え「鬼」扱いされようが、そんなことは関係ない。生きる為の手段として男を客として迎え入れる。ただそれだけのこと!そんな女の為に家族を捨て身を滅ぼす駄目男ぶりを見事に演じて見せた宮口精二も男の哀れさ、駄目な部分をあの表情と家族との別れの場面での背中から感じることが出来る。奥さん(杉村春子)と息子を捨ててまで一人の女のためにとボロボロになっていく姿は本当に男のだらしない部分がしっかりと描かれていて考えさせらる。そして、この作品に出てくる男のだらしなさ、駄目ぷりと女の強さは成瀬巳喜男監督若しくは川島雄三監督の映画の中によく出てくる人物像に近いものを感じるのは、何故かと思っていたら何と脚本を書いている二人、水木洋子は成瀬巳喜男監督作品を幾つも書いてるし、また井手敏郎という名前はあの川島雄三監督の個人的ベストワン「洲崎パラダイス赤信号」の脚本家でもある。お力の性格、駄目な男をどうしても愛せずにはいられない。別れたくても別れられない哀しさなどは正しく「洲崎パラダイス赤信号」の蔦枝とダブって見える。女は生活の為に身を張ってまで強く生きて行こうとするのに男はだらしない。この作品は男のだらしなさと、女の強さ、そして、哀しさとを同時に描いた人間ドラマとして見応えたっぷり!あの生活感溢れる長屋のセット、重苦しい雰囲気など正に昭和の雰囲気を十二分に感じることが出来る。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-04-29 11:52:14)(良:2票)
542.  暗黒街の対決
岡本喜八監督らしいと言えば確かにその通りなんだろうけど、アクションシーンの切れ味の良さなど見所もあるし、つまらなくもない。ただ、何か物足りなさが残る。三船敏郎に絡む鶴田浩二が刑事もののアクションものなのに、まるで任侠映画の時とほとんど変わらないのが気になって仕方ない。岡本喜八監督の作品の常連さんがここでも見られるのは嬉しいが、岡本喜八作品としてはごく普通の感じにしか思えない。司葉子のあのママ役もちょっと違和感が残る。所々、笑えるものの、あと、一押し足りない。けして、つまらなくはないのでこの点数ですが、岡本喜八作品としてはやはり普通の感じがする。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-04-28 15:57:14)
543.  宗方姉妹
小津作品に高峰秀子というのはそれほどないと思われる中でのこの作品での高峰秀子の演技を見て思うのは、確かにあの口調、男しゃべりは愛嬌たっぷりで楽しめる。その一方で、全く正反対の性格である田中絹代の姉への引き立て役のようにも思えてしまって、いまひとつ感情移入出来ずに終わってしまったのが残念でならない。二人に惹かれる男を演じている上原謙ともう一人、何とも嫌な奴ぶりの山村聡、小津映画でまさかのピンタの応酬が観てても辛い部分がある。あそこは出来ることならもっと違う方法で二人、山村聡と田中絹代の互いの気持ちというものを表して欲しかった。厳しさの中にもほっと出来る。そんな笑いというものが私の考える小津作品と思う。そういう意味で考えると高峰秀子の口調ぶりは確かに面白いかもしれない。けど、私の小津作品に求めている笑いというものとは何かが違う。高峰秀子の持ち味はもっと別のところにあるはずだと、それは放浪紳士チャーリーさんが書かれているように成瀬、木下作品での彼女を見ていると思えてならない。小津監督らしい人生を見つめる。人生に対する厳しさ、確かに上手く描かれているけど、私の好きな小津作品とはどこか違う。上手く言えないのだが、高峰秀子の存在があまりにも輝きすきでいて、他の俳優陣の輝きというものが少し薄い気がしてならない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-04-27 14:48:23)(良:1票)
544.  越後つついし親不知 《ネタバレ》 
水上勉という作家は人間の業、悲しさ、刹那さを描かせたらこの人の右に出る者はいないのではないかと思うぐらい本当上手い。人間として生まれてきた以上、男と女である者のそれぞれの悲しさ、刹那さを上手く描くものだとこの原作者の小説を読む度にいつも思う。そんな原作の持つやりきれない部分、気持ちというものをこの映画はストレートに描いている。何と言っても佐久間良子の美しさと小沢昭一の演技、更に三國連太郎、この三人がいずれも素晴らしい。人間の心にある欲望、悲しさが画面をそして、演技を通してどんどんと迫ってきます。好きでもない男(三國連太郎演じる権助)に無理やり倒された挙句に子供まで身ごもったおしん(佐久間良子)の女としての悲しさにまた、友達とばかり思っていた権助に騙され続けた留吉(小沢昭一)の何とも哀しいことと言ったらない。心の底から愛し、結婚したおしんの産まれてくる子が自分の子だと信じきっていたのに、自分の子ではなく、親友、権助の子であると知った留吉がおしんを泥だらけの田んぼの中に顔を押し込み、殺してしまうという悲劇、泥だらけのおしんを抱いて一人、去っていく場面で通りかかる子供達の楽しそうな歌声とは反対にあまりにも悲しくて涙が出る。自らの手でおしんを殺してしまった留吉がおしんの身体を拭く場面、服を脱がし、裸にしたおしんの胸に顔を埋めて泣く留吉の姿、小沢昭一の演技に、佐久間良子のおしんの美しい。いや、美しいなんてもんではない。美しすぎる死に顔にも涙が止まらない。何て惨酷なこの物語に観ていてやるせない気持ちにさせられる。この何ともやるせない気持ちになるものこそこの話の原作者である水上勉という作家の持ち味があるような気がしてならない。ラスト、自分を騙し続けた権助に対し、復讐しようと崖の上から落とそうとして二人揃って落ちていく場面を見て同じ水上勉原作で内田吐夢監督、そして、この作品にも出ている三國連太郎主演の「飢餓海峡」を思い浮かべずにはいられない。あちら(飢餓海峡は犯罪映画であり、社会派映画でもあり)、こっちは勿論、社会派の映画でもあるが、恋愛映画の色合いが強くて色合いは違うものの、作風は似ている。いずれにしても何ともやりきれないそんな切ない感じが映像からも伝わる力作という意味においては変わらないと思いました。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-04-26 15:07:23)(良:1票)
545.  小早川家の秋 《ネタバレ》 
うわぁ~これは何たる豪華な顔ぶれだ!小津映画に森繁久彌ってのがまずは何より考えてもみなかった。加東大介と二人でバーにいる場面を見て、何だか小津映画であることをすっかり忘れてしまいそうになる。「社長」シリーズでも観ているようです。小林桂樹も出ているし、また司葉子もこれまた「社長」シリーズを思わずにはいられない。その他小津作品の常連さん達が大勢出てくる。しかしながら小津映画でもあるようで、何だか成瀬作品を観ているようでもあり、山茶花究に団令子が出てきて、川島作品を観ているようにも思える。それでもやはり作品の内容はどこをどう観ても小津作品である。中村雁治郎の頑固な父親と娘、新珠三千代のやりとり、原節子に対して賭けに勝って「はい」と手を出して100円請求する司葉子、この二人のやりとりが面白い。そうそう、かくれんぼの場面での中村雁治郎も笑える。浪花千栄子の京都弁の美しい言葉使いもこれまた一度、聞いただけでいつまでも耳に残りそうなぐらい上手い。そんな色んな意味で笑えたり、味わい深かったりと小津作品らしいなあと感じることが出来て良い。ただ、ラストの恐いあのカラスと不気味な音楽はどうにかならなかったのかなあ?まあ、何だかんだ言いながらもよくぞこれだけのキャストを集めていながらも誰一人として疎かに描いてない小津監督はやはり凄い監督さんだと改めて思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-24 20:45:27)(良:1票)
546.  また逢う日まで
以前、CS放送でやった時のを録画してあるという知り合いに借りてきて見ましたが、これもまた同じ今井正監督の「青い山脈」に通じるものを感じる作りになっている。終戦の真っ最中の若い二人の青春、恋愛映画で、主演の二人が何とも爽やか、清々しい。その一方でちょっと反戦がテーマというのが色濃く出ていて、青春映画にしてはちょっと痛い。痛々しい感じがするのが欠点と言えば欠点のようであり、「青い山脈」ほどの爽快感はここにはない。この当時の時代背景の映し方、画き方は今井正監督、上手く描かれているのは感心させられた。それにしても久我美子のこの作品の中での可愛いことといったらない。本当に久我美子が可愛い。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-18 21:54:15)
547.  座頭市喧嘩太鼓 《ネタバレ》 
大映としてはこれが最後の「座頭市」作品となるシリーズ第19作!相変わらず勝新の座頭市にはオーラが漂う。殺陣のスピード、切れ味とも申し分なし、映像的にも美しくて良い。しかし、残念にことに市の命を狙うべくアウトロー、一匹狼的な男、佐藤允といい、西村晃といい、この画き方は何なんだ?特に西村晃の画き方、使い方など勿体無い。佐藤允のラストの決闘、一騎打ちにしてもあのうるさい音楽が邪魔で緊張感がいまひとつ伝わってこない。最後に今まで観てきたこのシリーズの中にあって、今作のヒロイン、三田佳子はシリーズ史上最大の大物女優だと言えよう!そんなヒロインを最後置き去りにして去っていく市には、えっ?何か違うやろ!と感じがしてならない。市と共に行動する藤岡拓也の役が一番儲け役の気がする。けして、つまらなくはないし、見所十分なのに全体的に納得出来ない部分が多すぎて引っ掛る。
[DVD(邦画)] 6点(2008-04-13 13:06:02)
548.  四つの恋の物語(1947)
「四つの恋の物語」とタイトル通り四つの恋の物語をオムニバス形式で描いた作品!四つの物語のうち、断然、最初の話が良い。池部良と久我美子のやりとりが何とも微笑ましくて良い気分にさせられる。久我美子の初々しさ、可愛さといい絶品の作品!それに比べると残りの三つはやや落ちる。いまひとつの感じがする。そんな中で第二話の成瀬監督の撮った話の中の木暮実千代の色っぽさ、あの口元、上目使いの目付きが色っぽくてたまりません。続く第三話のミュージカル風喜劇と四話のサーカスの話はあんまり面白くない。しかしながら第三話における若山セツ子の可愛さは絶品です。全体的に印象としてはバランスが悪い感じがしてならないが、女優陣の可愛さ、美しさを十分堪能出来たので良かったとは思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-13 10:14:37)
549.  細雪(1983) 《ネタバレ》 
美しい。この映画を一言で表すなら「美しい」これに尽きる。市川崑監督の描き出す世界は本当に美しい。四人の姉妹、岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川佑子のそれぞれの画き方から何から何まで本当に美しく撮られている。そんな四人の姉妹のそれぞれの物語り、心の中の苦しみや悩みを美しい映像美に合わせるようして撮られている。本当に見ていてどの場面も日本ならではの美しさを感じる。四人の姉妹の話をすると、やはり岸恵子が抜群に上手い。「うち、京都より東へ出たことあらへん」てあの言葉の響きが忘れられなくなりそうです。一番上の姉としての苦しみ、母親変わりに妹達の面倒を見なくてはならない苦しみを素晴らしい演技力で見せてくれている。また一つ下の妹、佐久間良子もこれまた上手い。その一方で三女を演じている吉永小百合が私はどうにも苦手だ!この役、吉永小百合よりももっと違う人がいないのかな?若尾文子がもっと若ければ、山本富士子でも良い。いや、むしろ若尾文子よりも山本富士子が一番合ってる気がする。二人共もう少し若ければなあ!一番下の妹、古手川佑子に関しては役柄が役柄だけにまあ、こんなものでしょう!阿部豊監督の撮った「細雪」の中の高峰秀子と比較してしまえば、分が悪いとは思うものの、思ったほど悪くはないし、まずまずの演技をしていると思う。作品としての完成度、美しさでは明らかにこの市川崑監督の「細雪」の方が上だと思うものの、同じ点数にしてしまうのは、やはり三女、吉永小百合の存在とどう見ても他の三人は関西人に見えるのに吉永小百合だけは関西人には見えないのが痛い。痛すぎる。私の大の苦手、吉永小百合の存在、演技力にしても上手いとは思えず、よって完成度は高い作品とは思うもののこれ以上の点数は付けられない。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-12 09:15:10)
550.  美女と液体人間 《ネタバレ》 
液体人間がどの様な過程で誕生したか?その理由が水爆実験によるものというのは同じ監督のゴジラと一緒であり、この映画のテーマは核実験による恐怖、例え火により一度は消滅させることが出来たとしても、それは一時的なものである。また何かのきっかけで再び誕生するかもしれないという恐さと同じことを繰り返してはならないという警告である。あのドロドロした緑色の液体の不気味さ、始まってなかなか姿を見せない事により、更に恐怖を備え付けることに成功している。液体人間が何故、殺人が実行するか?その過程が今ひとつ分かりづらいのが減点ではあるけど、一本の映画としてはよく出来ている。それにしてもあの蛙の実験シーンでの蛙の姿の変化の不気味さといい、一度観たらずっと頭に残りそうな程、恐かった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-04-06 18:02:02)
551.  娘・妻・母 《ネタバレ》 
いや~何と言うべきか?成瀬映画の常連さん勢揃いの上に観ていて何だか成瀬作品を観ているようで、小津映画、黒澤映画、またまた川島雄三に岡本喜八といった作品でも観ているような何か不思議な錯覚に陥りそうなほどのメンバー達、相変わらずお金の問題やら家族の問題など鋭く描く成瀬作品ではあるものの、成瀬作品にしては物足りない。平凡な感じがする。成瀬作品の最大の持ち味であるドロドロした中にある希望のようなもの、または人生に対する惨酷さ、皮肉のようなものがあるにはあるが、少し欠けている気がして、他にも原節子と高峰秀子の競演は十八年ぶりとなるらしいが、原節子に比べて高峰秀子が影が薄い。どうも扱いが中途半端な感じがするのが不満です。それと原節子と仲代達矢の二人だけのシーンもちょっとダラダラとしている感じがしてならない。そんな中にあって相変わらず愚痴、不満たらたらな杉村春子は上手い。そんな杉村春子のことを「お母さんたら、私が夜中に水飲みに起きて戸を開けるとギョロットした顔で私を睨むのよ。お母さんたら、夜中も寝ないで起きているのよ、きっと」なんて言い放つ草笛光子には大爆笑!いやあ、本当にずっと寝ないで起きてそうです。
[DVD(邦画)] 6点(2008-03-30 11:12:53)(笑:1票)
552.  煙突の見える場所
成瀬作品でもなく、木下作品でもない高峰秀子、更には田中絹代に上原謙、この三人を見ているとあのお化け煙突同様に懐かしい昔の人達、現代の仕事、仕事と忙しくて自分のことしか考えられないようなそういう人間にはない、なんて言うか、もう、これぞ人間的な魅力に満ち溢れていて癒される。この映画に出てくるお化け煙突を見ていると、まだ自分がガキだった頃の懐かしい風景、どろだらけになって遊びまくっていた子供の頃を思い出す。田舎で生まれ、田舎でずっと生活してきた私には、出てくる街並み、風景と田舎らしいこれぞ本物の田舎らしい描写にただただ、気持ち良く癒されてストーリーよりもそういう部分でこの映画、気に入りました。それにしても高峰秀子も田中絹代も、更に上原謙も上手いなあ!昔の田舎の人の優しい感じが顔つきから何から滲み出ていて、良いです。同じ田舎町、東京の下町を描いた映画でやたら好評のあの映画よりも何十倍も良いです。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-03-29 09:03:33)(良:1票)
553.  細雪(1950) 《ネタバレ》 
「細雪」ていうと市川崑監督のものがやはり一番有名らしいし、見ている人も多いのかな?そんな中で三度映画化されているというこの「細雪」一番最初のがこの作品だそうで、まず何よりもキャストが凄い。四姉妹の中でも一際目立つのが高峰秀子です。一つ上の姉のお見合いの心配をする一方で自分はというと、これまた全くもってタイプの違う二人の男に愛され、悩みながらも最初に付きあい結婚まで約束している男でなく、命の恩人である男への恩返しかどうかは別として、後から現れた男を選ぶもその男は死んでしまう。その後の高峰秀子が何と恐ろしい。あんなけばいかっこして、タバコまでぷかぷかふかしている高峰秀子など想像もしなかったぐらいの凄さです。美しい四季の香りと風景、そして音楽の美しさも心に残る。姉妹それぞれの悩み、問題などを鋭く描ききっているところなど凄さは感じるものの、やはり高峰秀子一人が他の姉妹とは違って見えるのが良いのか悪いのか?見る人によって考え方が違うと思う。それにしても田中晴男が哀れというか、惨めというか、こういう役柄が本当によく似合う俳優だなあと思うのと市川崑監督の「細雪」も観て二つの作品を比べてみたいと思います。個人的意見からしたらキャスティングは絶対にこの方が市川崑監督の「細雪」より良いような気がするが、果たして如何に?
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-19 21:57:29)
554.  “エロ事師たち”より 人類学入門
今村昌平という監督は真面目な人間、普通の人間にはあまり興味がないらしい。誰からも偏見的な眼で見られ、変人扱いされているような人間を描くことに力を入れているように思える。この映画など正にそれです。明らかに師匠である川島雄三監督の影響を強く受けていることが見ていても解る。小沢昭一のズブやんは確かに普通ではない。しかし、そこには人間が食べていく為に選んだ道がただ普通の人とは違うというだけのことで、食べるために、生きて行くために働かなければならないというそれこそこの監督がこの映画の中で問い掛けている問題だと思います。真面目な人間とそうでない人間との対比という意味からしたらここで描かれている人間像は不真面目に見えるかもしれないが、坂本スミ子の春との関係はけして、不真面目ではなく、それこそ人間らしい愚かな一面を描きつつもきちんとした愛情を見せている。作品全体の空気がやたらとドロドロしているのはこの監督らしいと言えばそうであり、師匠である川島雄三監督の描く可笑しな人間、不真面目な人間、変わっている人間を描く喜劇のような軽快さがまるでないのはいまひとつ好みではないものの、人間の持っているいやらしい部分を描くことに関してはこの監督さんはやはり上手い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-16 11:58:10)
555.  帰ってきたドラえもん 《ネタバレ》 
ドラえもんの力に頼る事なく、ボコボコにされてもジャイアンに食らい付くのび太が格好良い。のび太の一番格好良い姿が見る事が出来るのはこの作品です。他にもこの作品が素晴らしいのは嘘は良くないけど、こんな嘘なら許せるし、許すと感じさせてくれる所です。
[DVD(邦画)] 9点(2008-03-12 22:56:50)
556.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 
これは本当に物凄いドロドロした兄と妹のドラマであるなあ!妹の京マチ子のことを思えば思うほどその妹への愛情が裏返しとなって妹に子供をはらませた男(船越英二)への暴力となっていく兄、森雅之のなんとも頑固で意地っ張りですぐにかぁっとなる所、そんな兄と妹の喧嘩の凄まじいことといったらない。演技てよりも本物の喧嘩でも見ているようである。そんなとにかく何もかもドロドロしている中で浦辺粂子の母と父との全く対照的な感じがこれまたいかにも昭和の家族って雰囲気を表している。また京マチ子の妹の久我美子の清潔感溢れる優しさも良い。そんな久我美子のことを「さんちゃん」「さんちゃん」て言う人達の呼び方もこれまた良い意味で作品を和らげている感じがして良い。これだけのドロドロした内容にも苦にすることなく見れたのは成瀬巳喜男監督の相変わらずの上手さであって、川で遊んでいる子供達、流れる川の美しさ、こういう何気ない描写がこの監督らしい持ち味をここでも発揮しているところが凄い監督さんだと改めて思ったと共にこの監督の映し出す世界には人間の持っている身勝手さと優しさとがどちらもきちんと描かれているところも流石だと感じました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-03-09 09:55:03)(良:1票)
557.  待って居た男
待って居た男!とは私のことか?えっ?どういう意味かはこの映画を見ること、この映画の放送を待って居たということでして、それはそうと、流石だ!マキノ節がここでも見られる。とにかくテンポの良さと役者達の演技合戦、いかにもマキノ映画らしい華やかさが展開されていく。主演の二人、長谷川一夫と山田五十鈴の息の合った演技が醸し出す面白さ、そして、中盤から出てくる榎本健一の面白さ、この榎本健一のトボケタ味わいがミステリーな内容の中にあって、陽気な感じで緊張感を維持しつつも笑わせる。こういう登場人物が出てくるあたりがいかにもマキノ映画ならではです。そして、そして、更にこの映画も高峰秀子ですよ。本当に可愛い。俳優陣の好演は勿論、話の面白さも忘れることは出来ない。とにかくこれもまたマキノ映画らしい面白さを感じることが出来るそんな映画!マキノ正博(雅弘)生誕百年の今年、頼むからこの映画も含めてあの大傑作「鴛鴦歌合戦」をはじめとするマキノ映画を全てDVDとして全国のレンタル屋さんに並べることを願う。日本映画史にマキノ正博(雅弘)という凄い監督がいたということを一人でも多くの方に教えたいと共に知って欲しい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-03-02 09:41:19)
558.  稲妻草紙
拝啓、木暮実千代様!あぁぁ~あたしゃ、もう貴方様に完敗(乾杯)でございます。阪妻を見つめる時のあの目付き、姿といいもう参りました。なんて眼をしているんだ?あんな風に見つめられたらと思うと、あぁぁぁ~!阪妻が木暮実千代と進藤英太郎を眼の前にして太鼓を打つ真似をするシーンが1番良い。監督があの「無法松の一生」と同じ稲垣浩監督てだけあって、あの場面は「無法松の一生」を思い出す。思わせずにはいられない。それを楽しそうに下からそっと顔を上げて阪妻を見る木暮実千代があぁぁぁぁ~あのシーン、あれだけで木暮実千代の持っている魅力が全て現れている。話そのものは特別凄い面白いとは感じない。しかし、阪妻の「無法松の一生」での富島松五郎を思わせる優しさ、そして、何と言っても背中で全てを語っているような男の哀しさがここでも健在だし、チャンバラシーンもきちんと用意しているし、他にも田中絹代、三國連太郎の好演も忘れることは出来ない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-01 10:30:08)
559.  楢山節考(1983) 《ネタバレ》 
木下恵介監督の撮った「楢山節考」との違い、二つの作品を比べてみたいと思って借りてきました。う~ん?相変わらず今村昌平監督の撮る映画は生々しい。まずはこの映画を観て今村昌平監督はやはり人間とはいかに愚かであるかというものを蛇だの、蛙だの、蛾だのと色々、昆虫を使って見せる。同じような作風に「にっぽん昆虫記」というものがある。あの映画でも左幸子演じる主人公である女性を生々しく描きながらもリアルに描いている。ただこの作品の場合はその生々しさが良い方に行ってるとは思えないのである。姨捨山でのこの勇ましい事件を描くであるならば、何も態々、昆虫の性行為など描かなくても出来るはずだと私は思う。今村昌平監督らしいリアルな映像美、そして、力強さはここでも健在ではあるが、今村昌平監督ほどの腕のある監督、才能の持ち主なら、それは師匠である川島雄三監督の幾つもの作品のシナリオを書くほどの才能を持つのであればこそ、私がこの監督に求めているものとは少し違って見える。もっともっと面白くて誰も真似の出来ない凄い脚本を書けるばすのこの監督、何も別の監督の撮っているものをこのような形で再現しようとしなくても良いのではないだろうか?凄い作品であるということは認める。しかし、違う。私の好きな今村昌平作品とはどこか違う。よって凄い映画であることは認めるが高い点数を付けることはためらってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-26 20:55:11)
560.  ニッポン無責任時代
この映画は疲れた一般サラリーマンへの励まし!毎日、毎日、朝早くから働くサラリーマン達への植木等演じる「平均」と書いてたいらひとしからの応援歌!つまり解り易く言うと「人間賛歌」そういう映画!少なくともこの映画を観て救われる。疲れが吹っ飛ぶ。気分が楽になる。そう思う男達、平社員が私も含めてこの世に大勢、いると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-25 21:15:42)
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