41. Avalon アヴァロン
《ネタバレ》 映像演出だけでも観る価値あり。 『こんなFPSやってみてぇ!!』と思うのですが作ってくれませんね。 映像は凄くリアルなのに所々入るアナログゲーム的演出(爆炎が2D、死亡時はドット的にバラバラ崩壊等)が面白く且つ『同じ戦闘シーンでも戦争映画のような登場人物が生死を掛けた戦いではなくゲームでしかない』と言う印象をもたせることにもなっている。 他にも『映像にフィルターを掛け虚実感を増す』『窓を開けると壁』等隅々まで手が込んでおり、またマトリックスが本作にも影響受けているのが分かり、それだけでも個人的には嬉しい。 話に関しては、押井さんが好きな『現実と虚像の融合』的演出が他作品と比べて一番分かりやすかった。 『ゲーム世界でのクセで拳銃を抜こうとする』『旧友の下品な飯の食い方(リアルな生活観)を見て嫌悪感を抱く』等ゲーム世界への依存度が強まり境界線が無くなりかけている主人公の心境を上手く表現できていると思った。シチューに関しては現実世界でも『楽しい事(料理や食事)』を見つけたかったと言う事なのでしょうか? そして後半に出てくる『クラス・リアル』、この世界に来た時にフィルターを外し、また長々と電車やコーラスのシーンを入れ『リアルな面倒臭さ』みたいのを演出し、ここが実はリアル世界なのではと視聴者に錯覚されるようになっており、これこそ『アニメじゃなく実写であるからこそ出来る演出』だと感じた(これまたマトリックスでもフィルター演出で世界の変化を演出してる)。 ところが結局『クラス・リアル』も現実世界ではないのだが、『劇中冒頭の現実世界も、犬が突然いなくなったり、映像を繰り返したり等意図的におかしな演出があり、『じゃあどっちが現実なの?』と言う何とも煩わ心地良い刺激が残る。 まぁ結局オチもあやふやだし、『映画世界の話なので現実なんてありませんよ』と言うニュアンスにも取れるので、そこは視聴者任せと言う事なんでしょうか。 そう言った演出は嫌いではないですし、ゲーム好きに対する『こんな難しいゲームをクリアしてもまだ満足しないの?だったら超難しい『現実世界』をプレイしよう!現実だからレベルも1だよ!』的な皮肉が効いてて面白い。 ただ相当独創的な作品なので人を選ぶのは間違いないですね。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-18 18:07:20)(良:1票) |
42. コクリコ坂から
《ネタバレ》 『トゲが無くなった耳をすませば』若しくは『無難な青春映画』。 話の主軸は学生恋愛と溜まり場の建物が取り壊されると言う二つだが、両方パンチ不足。 恋愛は中盤までは悪くなく、ヒロインの想い人は昔経済的理由で養子に出された兄と言う展開も、『それでも好きです』と言い切ったヒロインの潔さと、『アニメ等が色々大変』なこのご時世にあのジブリが軽度ながら近親モノをやってくれた男義に惚れ・・・と思ったら告白した夜に『実は血は繋がっていない』と全てをぶち壊し、そして『コレまでの演出良かったでしょ?兄妹と言う部分に引っかかっていた人もコレで安心だね♪』と言う八方美人な演出にガックリ。 隠れ家騒動もボロいから壊す→綺麗にします→でもダメby校長→じゃあ理事長に直談判→取り壊しは止めましょうby理事長と面白味無。どうせなら理事長が来る間学生達と先生+業者が7日間戦争的戦いをした方がアクションも入り良かったと思う。 結局隠れ家事件は感動すら無い無味無臭な決着、恋愛もウヤムヤ終了と締め悪過ぎ。 作画に関しては及第だが相変わらずクセも面白味も無い。確かにガン萌え作画よりは一般受けするし、だからこそ監督の才能(脚本や演出)で勝負できる。だが正直シャフトや京都アニメ等が気合入れて作ったシーンと比較した場合差はほとんど無い(むしろ勝ってる)ので、中身スカスカな今回は裏目(吾朗には荷重)。 『ゲド』があまりにアレだったので『将来を託す監督が2作連続コケはまずい』と言う気持ちは理解できるが、それにしたって天下のジブリ様がこんなメッセージ性も目新しい設定も無いものを作って世間にお伺いを立てようとする姿勢が気に入らない。 それに実際そこまで関与していないだろうが、やはりあのビッグネームがスタッフロールに入ると『父親の補助有で何とかこの出来』と言う印象を受ける。 王道モノで言えば、ストーリーは『トイ』や『空家』、アクション演出なら『車達』、設定で言えば『を探せ』と今やピクサーのお家芸なので、『豚』や『天空』クラスは無理でもそれ相応のものを持ってこないと勝負にすらならない。 てか確かジブリって駿監督の作品を作るためだけに設立したスタジオなんですから、年齢的に引退もありえそうだし、こんなの作って『ジブリ』の質落としてる暇あったら、『ジブリ』自体は綺麗に終わらせてスタッフは身の振り方考えた方が良くない? [映画館(邦画)] 4点(2011-07-17 02:41:53)(良:2票) |
43. 人狼 JIN-ROH
《ネタバレ》 ケルベロスシリーズは『犬狼伝説』を読んだ位です。 昔VHSで見た時は内容が全然わからなかったが、それでも記憶に残っていた一作。 今巷で溢れている萌え萌えキュンキュンメロメロハッピーなアニメ(いや、これら全てが駄目とは言いませんよ)とは真逆な作品。 話、登場人物、作画、設定等全てが重い。だがそれらが織りなすハードボイルド的雰囲気がたまりません。 話も各組織間の派閥や牽制、行き過ぎた実力行使や馬鹿し合い等良く出来ており、正に大人向けのアニメと言った印象。 『近づいてきたヒロインがスパイ』等構成的にもベタな所はあるが、それに童話『赤ずきん』のエッセンスを加えることで非常に濃密で魅力的な内容になっている。 ラスト、ようやくおばあちゃん(心を許せる相手=主人公)に会えた赤ずきん(ヒロイン)であったが、実はそれは狼(ヒロインの裏に存在する組織をおびき出す為に騙されたふりをしていた)であった、と言うところまでは純粋な現代版へのアレンジだがそこから、赤ずきんと自分をダブらせたヒロインが『どうしておばあちゃんの目は、どうしておばあちゃんの耳はどうして・・・・』と叫ぶシーン。この時点では主人公はおばあちゃんにも狼にもなることができたはず(主人公も『それはお前が良く見える用にだよ』的なごまかしをせず沈黙し続けるのがその証拠かな?)、でも結局は狼であることを選んでしまった・・・・その後猟師は出ず、結局赤ずきんは食べられて終わり・・・ここのくだりがズシンときました。 [ブルーレイ(邦画)] 9点(2011-07-09 15:12:05)(良:1票) |
44. さや侍
《ネタバレ》 過去2作品と比較すると一番分かりやすいが、同時に一番『無難』な作品と言う印象を受けました。 今までの作品はシュールと言うか、『ごっつ』で言う所の『産卵』に近い印象を受けたが、今回は『AHO AHO MAN』や『ゴレンジャイ』の様なストレートな内容だったが・・・・じゃあ今挙げたコント並みに笑えたかと言うとそうでもない。 たぶん主演の野見がやって面白いネタにしたのだろうが、正直私はこのおっさんが出ていた番組を見ていないので何故そこまでプッシュするのか分からない。コレまでみたいに監督自身が主演をしていれば直球ながらもっと高品質のネタで勝負できた気がする。 子役の娘もそんなに上手くないなぁ。演技自体はまぁ我慢できるが、声の出し方が全体的に大きめな気がして、小学生が学芸会なんかで張り切って大声で台詞を呼んでいる感じを受けた。とりあえずメインキャストで一番上手かったのは板尾でした。 序盤は面白く中盤は若干ダレ終盤は良くもないが悪くもない・・・無難だった。 たぶんコメディアンとしてプライドが高い方だとは思うが、個人的な意見としてはもうそろそろ『笑い』抜きの映画を一本取ってみて欲しい。てか駅でポスター見た時『刀を取り上げられた侍が知略や笑い、そこらの石ころ等で戦うアクション』みたいのを想像していたのでちょっとガッカリ。 [映画館(邦画)] 5点(2011-06-13 00:49:07)(笑:1票) (良:1票) |
45. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 内容は3点だが、後述する理由により大減点。 予告見た時点で『ボーンみたいだな』と感じていたがまんまボーン。 変更点としては主人公の所属が『CIA』から『暗殺集団の幹部』に変わっただけ。 他にも謎の究明に尺がかなり割かれており主人公が記憶ごと『暗殺技術』を忘れているためアクションは少なめ。確かに演出や謎の明かし方は『中盤』までは悪くないが、それでも『パクリ』作品に好印象は受けない。 ボーンと比較しない場合でも終盤が駄目。折角徐々に謎が分かりかけてきたのに突然『イレギュラー排除』の名目で登場した組織の幹部がベラベラと喋って雰囲気台無し。組織の存在も、紹介された探偵が元諜報部員で『風の噂』程度に組織の存在を知っていたと酷過ぎるご都合展開。 妻役だった暗殺者も『暗殺失敗のため爆弾を回収しに行ったら時間切れで爆死』ともはやコント。『偽りの記憶をリアルに感じてしまっている主人公が妻を目の前にどのような行動を取るのか』と言う最大の山場を丸投げってどんだけアホだよ。 監督の狙いとしては『主人公は本当に頭がおかしくなったのでは?』と言う結末を客にも予想してもらいたかったと思うが、それなら序盤の夫婦でいるシーンをガッツリやらず断片的にしたりする等の演出をしなければ駄目。そうじゃないと『確実に妻とは面識があるのにとぼけている=陰謀』と言う結末しか思いつかない・・・・てか、ソレくらい分かれ。 そもそも主人公の記憶喪失が『暗殺対象に近付くため科学者になる練習をしていたら事故のショックで演技の記憶を本物の記憶と間違える』と、だからそれコントだって。 最後に主人公は途中知合った女性と逃避行するがここがここが最悪。ボーンに関しては国のためや暗殺対象が基本悪人と同情の余地はあるが、こいつの場合『金で雇われた暗殺者』であり、凄腕と言うのだからコレまで何人もの罪無き人を殺してきたはず。だったら『俺の手は血に塗れている』的理由で女性とは別れるべきで、『何のうのうと旅を楽しんでんだよ!?』呆れました。 総評としては『中盤まで良かったがラストの出来が悪い』で『3点』。ストーリーが『おまけ』的な作品の場合は良いとして、本作の様にメインとなる部分が最早パクリレベルで、こんな作品作れるスタッフの面の皮の厚さに嫌悪感を示し1点とします。 [映画館(字幕)] 1点(2011-05-08 00:13:31)(良:3票) |
46. 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち
《ネタバレ》 リルルの急激な心境の変化はしずかちゃんとの絡みを増やし人の『優しさ』に気付き、ほぼ戦闘要員だった男子陣はピッポと最初険悪な関係から徐々に『友情』を結ぶ事で、旧で気になっていた演出を見直しつつオリキャラ2人を差別化させていて素晴らしい。また、二人が親友と言う設定も、敵である自分達に優しくする理由に対するのび太達の台詞を、昔壊れたピッポを治したリルルとの会話と同じにすることで人とロボットは同じである事に気付く。本当にここの演出が丁寧で、二人の行動(人間を守る)に説得力を持たせ感情移入ができる。 作画演出も日常、ギャグ、戦闘どれも及第点以上。世論的にカットされそうだったリルルの『治療、尋問』も描かれていた。 特に『尋問』はより過激になり、頑なに逆らうリルルのけなげさと敵の残虐性が強く印象付けられる結果になっている。世論的には問題になりそうだが、暗にふせいない方が物語のシリアス性が増すと感じる。 『戦闘の尺減』『ミクロス早々退場』『リルルが最初から良い人のため救出後の葛藤する印象が弱かった』等あるが、代わりに加えられた要素が十二分にそれらを補填している。 ただリルル達の優しさに関しては、ロボットが温かい心を『持たない』旧作から『忘れた』事に変更してあるので説得力はあり、人間とロボットをより紙一重の存在にすることで理由付けしつつメッセージ性も強める事に成功している。 他にも『決戦時泣くスネ夫を慰めるジャイアン達の遠くから姿を現す鉄人兵団が旧作以上に絶望を感じさせる』『ラストのリルルに影を落とすことで神秘的な魅力を引き出している』等々見所満載。 残念なのが、のび太がリルルを撃てるのに撃てなかったことを証明する『手錠』部分がカットされていた。救出演出は良いので、加えて敵のミサイルを全機撃墜するみたいなシーンが欲しかった。 アニヲタ的にも雰囲気を壊さずニヤリとできるネタがあったのも良かった。 ラスト、自身の運命を知りながらアムとイムをプログラミングするリルルと、祖国を裏切り絶望的な状況の中『ありがとう』と微笑み鉄人兵団に戦いを挑み、ボロボロになり、それでものび太達を守ろうとするピッポ、そして全てが終わり消えていく二人に嗚咽漏らして大号泣。 旧作で感じた欠点を見事に補完し、さらに『ロボットと人の絆と心』と言うドラマ性を強めたこれぞ文句無しのリメイク。もう劇場版スタッフはこれで固定してくれ。 [映画館(邦画)] 10点(2011-03-05 11:45:07)(良:4票) |
47. 宇宙ショーへようこそ
《ネタバレ》 押井監督が『どんなに長くても作品は120分以内に収めないと駄目』と言っていたが、本作を見て凄く納得できた。 中盤までの月や宇宙を旅するシーンはオリジナリティや視覚効果も良く作画も綺麗で楽しめたが、後半のシリアス展開がてんで駄目。 『主人公サイドの宇宙犬と袂を分かった友人との因縁』『その友人が見つけた隠された伝説の遺跡』等が唐突過ぎで全然掘り下げられていない。折角序盤で1時間近く旅行してるんだから伏線張れよ。 しかもその友との確執も『超科学を持つ者』の正義観やらそれを悪だと否定するがどうだのどっちにも共感できず気持ち悪い。てかじゃあその正義観に従い作ったのは後述するザコモンスターって全然ストーリーに絡まない。 メンドイので箇条書き『敵側が女の子をさらった『目的』はわかったがその『目的』を行おうとする『理由』が不鮮明』『宇宙(真空=超低温)で生きれる強い生物を作ったはずなのに『放水攻撃による低体温症』でやられるって・・・・(笑)』『敵(友)のやられ方がアッサリし過ぎ、てか気付いてたらやられてた』『超新星って星の誕生じゃなくて死だから『ハッピーバースデー♪』は変じゃ・・・』『結局ワサビをなんで必要だったのかわからない』『宇宙人は全員バリバリの声優起用だが人間は子役(しかも俳優)。まぁ結果は悪い意味で裏切られませんでした』等々・・・・・はっは(笑)。 とにかくシリアス部分の出来が悪過ぎる。これなら敵側に変に壮大な目的を持たせず『宇宙生物学的にめっちゃ珍しいワサビを奪おうとするお馬鹿小悪党から逃げながら宇宙を旅する』とか簡単な内容にした方が、尺もかなり短くなって良かったんじゃないかなぁ。ちなみに個人的にこの内容の作品でベストと思う尺は100分。30分オーバーは許容範囲外。 たぶん監督さんは序盤の旅行部分を描きたかっただけで、他は予定調和で作ったんだろう・・・と思わないとやってられない程酷い(『酷い』連呼してすみません)。 [DVD(邦画)] 4点(2011-02-11 18:37:17) |
48. TO(トゥー)-楕円軌道-<OVA>
《ネタバレ》 ベクシルに懲りずにまたCGアニメ作りやがって、しかも全然進歩してない。 元ネタがあるかどうかは知りませんが『冷凍睡眠を繰り返した結果母親が年下に』と言う演出は悪くなかった。 ただ相変わらずスピード感がゼロ。ステーション外での撃ち合いなんて目も当てられない出来。 脚本もや設定も昔のSFやらアクション映画やらの一部を切ったり張ったりしたような内容なので相変わらずのパッチワーク仕様。 宇宙ステーションを乗っ取ったテロリストが全員『何で?』と思うような行動や『どうして?』と考えてしまう考えばっかりする。要はお馬鹿さん。 しかも登場人物全員が自分の役に『酔いしれている』ような台詞を吐きまくるから本当喜劇。 全2巻らしいがもういいや。 次回作はやっと自分の居場所を思い出して実写監督に戻るみたいですし楽しみです。 [DVD(邦画)] 1点(2011-02-09 12:18:57) |
49. もっともあぶない刑事
《ネタバレ》 小学生時代の夏休み中、毎日お昼で再放送していて当時は見事にハマりました。なのでバリバリ思い出補正入ってます。 すっごい久しぶりに視聴。柴田さん若い!舘さんも若い!!てかみんな若い!!!そして木の実ななさん変ってない!!!!そしてエロい!!!!! 『射撃時仁王立ちする敵』『狙撃に使用する銃がサブマシンガン』『モーターボートに走って追いつくユージ』『問答無用で撃ちまくる警官達』『なんか北斗の拳に出てきそうなヒットマン』等々、矛盾や突っ込みどころはもう満載。でもそれを全く不快に思わない程カメラワークやBGMと言った演出が素晴らしく、その結果『古い』や『ありきたり』な演出も『懐かしい』モノに変わると言う相乗効果を生み出している。 ストーリーもチョイご都合主義だが、無駄に重いテーマを入れたり現実的にするより、これ位『軽い』方がアクション映画として活きると思います。 所々入るお寒いギャグや臭い決め台詞もこの二人が言うと格好良く見えるから流石。 細かい事を考えず、純粋にアクションを楽しみたい作品としてはかなり完成度は高いと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2011-02-04 22:57:59)(良:1票) |
50. 北斗の拳(1995)
《ネタバレ》 『パンチ1発で人間をコナゴナにする男の話』程度の知識しかなかった当時は、『へぇ、北斗の拳ってこう言う話だったんだ』的な感じで見てた記憶が・・・。 まだ映画の『え』の字も知らず、純粋無垢な少年だった当事は意外と楽しかったです・・・・まぁ今思い起こせば文句無しの0点。 ただ『あんな出来』の作品にも全力で演技していた神谷さん達声優陣の熱意に敬意を込めプラス1点。 [ビデオ(吹替)] 1点(2011-01-28 12:05:31) |
51. 機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要部分以外は忘れていました。 パッと見た感じまとまってるように見えるが、キリマンジェロはもちろん、本作の中でも個人的にかなりの魅せ場であるダカールの演説を丸々カットしたのは残念すぎる。 作画の新旧入り混じり具合も悪く、ラスト部分くらいは全部新規にして欲しかった。 そして何より、無印ガンダムやグレンラガンの劇場版みたく多少のズレはあっても結果がほぼ同じであったり、憶測ですが某新劇場版や某男の世界劇場みたく時間軸が一緒で非パラレルワールド的な設定なら構わないが、既に世に出ているその後の物語(ZZ)を『無かったことにする』的演出が個人的に大嫌い。 いかに本人がその作品に嫌悪感を抱こうが、既に世に出ており、それを見てガンダムを好きになり育った人もいると言うのに、それを平気で塗りつぶそうとするなんて大人の考える事かよ。 もし今自分自身が伝えたいことがあるんなら新作出せば良いだけの話だし、大人の事情でそれが出来ないなら頑張るべきで、今回の様な手段を取るべきではないと考える。 仲間や敵も含め大勢の人間が死に、それを悲しむことも無く事態の中心にいる、そんな過酷な状況に置かれた人間の末路を、『ニュータイプ』と『少年』と言う設定で描いた。だからこそTV版のラストは感動に近い悲壮感を覚えると同時に、殺し合いの醜さを感じることができ、また今回は悪い方向には垂らしてしまったが、逆説的に『他人を理解できるからこそ優しくすることもできるはず』と言うニュータイプの可能性も感じれた。 つくづく思うが、作品に込めていあるメッセージ性的なものは、視聴者がその作品を見て、考えて初めて心に残るのであって、最近の、特に日本の作品(実写アニメ問わず)に多い、誇張され過ぎた『メッセージの押し付け』演出はよろしくないと感じる。 残念ながら本作の結末の場合も、TV版にあったそれらのメッセージ性がストレートに伝わり過ぎてしまい視聴者に『考えさせる』と言う行動を放棄させてしまってる。さらに改変された結末では、『結局主人公は何やっても無敵(ハッピーエンド)』と言う洋画程度の出来に落ちてしまっている。 [DVD(邦画)] 2点(2011-01-16 11:26:54) |
52. 機動戦士ZガンダムII 恋人たち
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要部分以外は結構忘れてる。 時系列的に分かんない部分はⅢ部の感想に書きます。 正直三部作の中では一番分かりにくく、総集編と割り切って見てもちょっと辛い。なので一見さんはお断り状態。 フォウに関してはカミーユとの関係もしっかり描かれており、旧作に比べると地味ながらしっかり結末まで描いてくれていた。 しかし、ロザミアに関しては原作の1割程度しか消化できていない上、ギャプランから脱出した時点でフェードアウト。第三部でMk-Ⅱ話やるかと思ったらいつの間にか死んでいたりとかなり可哀そう。 サラとベルトーチカに関してはまぁ可もなく不可も無く。 作画のギャップに関してはⅠ部より酷い。アッシマー戦みたいな完全新規は無、フォウとのやり取り部分なんて新旧作画が入り乱れ二人とも別人レベル、新規なら新規、旧版なら旧版しっかり分けてほしい。 また、フォウとあれだけガッツリ分かり合おうとしたのに、宇宙に上がった途端(少なくても劇場版ではそう見えた)ファとキスしようとするカミーユに軽薄感を感じた。 折角初登場のZガンダムも、カミーユ初搭乗&初出撃でいきなり大苦戦、その後もヤザンブラビにやられたりとMk-Ⅱ乗ってた時より弱く感じた。なのでZ一番の見せ場はアポリーが乗ってた時と寂しすぎ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-01-16 10:34:56) |
53. 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者
《ネタバレ》 TV版は再放送で視聴しましたが、重要なポイント以外は結構忘れちゃいました。 この一作だけ見れば最低限重要な所はしっかり押さえている、てか三部作の中で一番面白い。 それでもZを全く知らない人には辛いかも。それと作画を完全新規にしなかった理由をどこかで監督が述べていましたが、その意見に賛同するかは別としても、やはり視覚的キャラクター描写に関しては相当違和感を覚えた(新規部分が綺麗過ぎる)。それなら新規部分はMS戦闘や宇宙空間でのやり取りだけと区別してもらえると嬉しかった。 噂の完全新規アッシマー戦に関しては一見の価値あり、毎回思うが富野さんは戦闘シーン描くのが凄く上手いです。 [DVD(邦画)] 6点(2011-01-16 10:18:55) |
54. べクシル 2077 日本鎖国
《ネタバレ》 日本が鎖国状態に入り、輸出品や不法に外国にやってくる『日本人』からも内部事情が一切分からない。そしてついに主人公の所属するチームは情報が一切不明な日本への潜入を試みる。 ・・・・・・・と、ざっと書いたあらすじだけ見るとそこそこ面白そうだが、残念ながら本編が全くその期待に応えられる出来ではなかった噛ませ犬作品。 CGに関しては確かに綺麗だが、スピード感が皆無。個人的にフルCGは、実写やアニメ以上に躍動感や迫力を表現するのが難しいジャンルと考えており、そしてその壁を見事に超えられずにいる。そう考えるとピクサー作品って本当に凄いと思う。 ストーリーも侵入→発見される→レジスタンスと共闘→危険な作戦を決行→成功→ボスと色々→終了と教科書に載ってるようなテンプレ。 レジスタンスの子供が死んだり、ヒロインの葛藤とか所々シリアス(笑)なシーンもあるが、スタッフが『ここできっと客は感動するだろう!!』と言う思惑が画面からにじみ出てきて気持ち悪かった。百歩譲って出来が良ければ気にならないが、これまたパッチワークのように挿入した感がバリバリ&お粗末脚本のためNG。 設定も『新薬を打たれ、しばらくすると敵の意思に忠実に動く人形になる』『変なお巨大芋虫形ロボットがいる』『東京(?)以外の土地は資源取り尽くされ砂漠化(山すらない)』等、キラリと光りそうなものもあるが、使い方が下手だったりそもそも面白くない物だったりと残念な出来。特に最後のやつに関しては松本零士氏の『ワダチ』ともろカブりな上あっちの方が面白い。 正直金だけ無駄に掛けた素人映画と言っても過言ではない。確かこの監督『俺の才能が世界に認められるには、海外で浸透しているアニメの方が相応しい』とか言っていたが・・・・・・実写に戻りな。 [映画館(邦画)] 2点(2010-12-29 13:27:16) |
55. ルパン三世 1$マネーウォーズ<TVM>
《ネタバレ》 ゲストヒロインが敵側のラスボスと言う珍しい設定、しかも結構魅力的。 極悪冷血かつ優秀な守銭奴、そんな孤高の彼女の前に現れた初めて『対等』の存在になりうる可能性を秘めたルパンはさぞかし魅力的だったのでしょう。そう言う意味では後半の軽率な行動も、正に『悪い男に騙された』典型ながら納得できるしそのギャップがまた可愛い。 彼女以外に敵側に『小物』しか配置しなかったのも、彼女がいかに孤独な存在であるかを引き立たせる効果になっているので結果オーライ。 そして同時に、ここまで女性に対して無慈悲に徹底的に突き落とす(まぁ戦争で儲けようとしてる女ですから自業自得)ルパンもハードボイルド全開で非常に格好良し(シリーズの前か後で女性を殺してしまう回もあったが、ルパンの心情(アニメ設定ですが)である『女性不殺』を理解してない馬鹿作品なので無効)。ラストの、無一文になった彼女に最後のチャンスを与えながら容赦無く負かすあたりまたシビれる。 ちょっとだけ出るゲストヒロイン2の存在も、『あの女もこうだったらルパンに惚れてもらえたのに』的な比較対象として十分役割は果たしてると思います。 あとキャラデザ(目の描き方)も気に入りました。電話で必死に抗議するとっつぁん可愛い。 [地上波(邦画)] 7点(2010-12-23 23:46:11) |
56. ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM>
《ネタバレ》 ゲストキャラである少女の中盤からの登場具合は若干強引過ぎる気もしなくはないが、それでも出来としては良いと思う。 ルパンが世界中(しかも結構有名な観光スポット)を飛び回ってお宝を返す過程もテンポや緩急のつけ方も良く、所々入るアクションも結構頑張っていました。 何気に次元や五右衛門が敵に捕まったり深手を負わされる話も珍しくて○。 特にラストの『お宝』は今まで見たルパンの中でも特に『良かったなぁ』と思いちょっと感動。ここでもアクションも中々良質。 21世紀ルパンの中ではオススメ出来る分類に入ると思います。 [地上波(邦画)] 6点(2010-12-23 22:03:08) |
57. ONE PIECE FILM STRONG WORLD
《ネタバレ》 原作は誌上でのみ購読中、でもそこまで面白いとは思わない。アニメは見ておらず、劇場版も半分以上は見ているがコンプはしていない。と言う者の感想です。 製作総指揮に原作者がいるせいか、コレまでの劇場版に比べて作画はかなり綺麗でした。 ただそれだけで、内容的には『無難』以上にはなれなかった。 面倒なので箇条書き。 『冒頭に『冒険』要素を入れたのは良いが、多すぎる仲間を全員描写しようとしたことも相まって尺取りすぎ』 『そのせいでクライマックスの見せ場がルフィのみ、サンジやゾロにも敵はいたがシリーズ屈指のかませ、てか金獅子って伝説の海賊(20年準備してた)のクセに仲間の層が薄すぎ』 『殴り込みやウソッチョの活躍シーンにヤクザや戦国っぽい要素を取り入れたのは良いが、フランキー&ロビンに至ってはここが最大の見せ場で敵すらいない』 『金獅子に最初負けるシーンも無理矢理負けてる気がする。奇襲だったとはいえあんなにあっさり負けるかねぇ』 『なにより金獅子に魅力ゼロ。ワンピの敵って変に頭使うから『姑息』に見えちゃうんですよね。ビジュアルや技のショボさもあり、どうしても同じ系列ボスのクウラやブロリーに比べると印象薄い』等々 まぁ話が破たんしてるわけでもなく、後半のバトルは確かに格好良かった。だが、いかんせん『大人も見て楽しめる』レベルには達せず、『大人の視聴にも耐えられる』止まりな印象。良くも悪くも『原作』を本当に動画にしただけで『動画ならではの演出』や『コレまでのワンピースとは毛色の違った』的な『冒険』はなかった。 原作好きには楽しめると思うが、そうでない映画好きにとってはコレと言った残るもののない作品でした。 伏線みたいのもあったみたいだが、良く分かんないし興味も無いので評価への影響はゼロ。 ただポニー(で良いのかな?)+眼鏡着用のロビンの可愛さが『凶器』だったため+1点。 [地上波(邦画)] 5点(2010-12-23 14:43:37) |
58. 名探偵コナン 漆黒の追跡者
《ネタバレ》 個人的コナン映画ランキングで上位にいる『天国へのカウントダウン』に近いと聞いていたが、ただ黒の組織が出てるだけで内容や雰囲気は全然違いました。 謎解きも視聴者へのヒントの出し方が適当で、トリックがわかっても『なるほど!』と素直に感心できなかった。少年探偵団や服部の出番が少ない(尺的な意味で、活躍はするんですがね・・・)のもちょっと残念。 ただクライマックス部分のアクションは凄かった。もはや探偵映画ではないが、こういった魔法やSF的演出の無い(コナングッズはまぁギリギリセーフ)アクションは結構新鮮だった。 特に我らが蘭ねぇちゃん。コレまでも『ナイフを持った犯人に臆することなく襲いかかる』『高層ビルの窓ガラスを蹴破る』『空中に放り投げたタオルを手刀で切り裂く』等、冷静に考えるととてつもないスペックを魅せつけているが、今回は遂に『数m先から撃たれた弾丸を避ける』『バリッバリの暗殺のプロと素手で互角の戦いを繰り広げる』ともはや『県大会優勝』では説明できない域にまで到達してしまいました。コナン君もその後頑張るが、彼女の美しき雄姿を見た後はどうしても薄れちゃいました。 そんなワケで『探偵映画』でなく『アクション映画』と見ればそこそこ面白かったから [DVD(邦画)] 6点(2010-12-11 08:21:13) |
59. 秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~
《ネタバレ》 初めて鷹の爪を劇場で観賞。相変わらず最高であんだけ劇場内に笑い声が聞こえたのは初めてでした。 コレまでに比べると、世界情勢パロはありながら全体的にアクションやアドベンチャー的展開多が多く、ある意味一番エンタメっぽかったです。 でも最高、2では触れなかったフィリップの幽霊ネタをここでブチ込んでくるとは。 ただ新キャラのジュリエットを演じた声優さんの演技がイマイチ。それとちょくちょく出てくる芸人はいらなかったな、面白くも無いし。 内容としては前2作と変わらないクォリティーでしたが、もう中学生が生理的に大嫌いなので毎回そのシーンに不快感を感じてしまうので-1点。 どこの馬鹿が命令したかは知りませんが、鷹の爪はそんな最近のブーム(芸人やアイドル起用)に乗らず我が道を突き進んでください、何処までもついてきますから!! 一日でも早くの『5』公開を楽しみにしています。 [映画館(邦画)] 9点(2010-12-04 18:45:55) |
60. 秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~
《ネタバレ》 レンタルで我慢できずDVD買っちゃいましたNo2。 我らが鷹の爪団今度はネット世界へ。パロディや軽快なトークなど、コレまでの魅力はそのまま、チラチラと日本の現状を真面目に演出しており、前作とは良い意味で違った面白さがありました。でも結局面白おかしくなっちゃうので後味の悪さは皆無。 全体的には確かに前作ほどのインパクトは受けなかったが、総統の最後の一言『お前も幸せになれ』にもうシビれまくり!!普段頼りないのに決める所は決める、だから最高なんだよあんたは!! 相も変わらず終始ニヤニヤしながら楽しめました。 ここでも続編期待度No1。 [DVD(邦画)] 9点(2010-12-04 18:36:31) |