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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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581.  農家の嫁 三十五歳、スカートの風 《ネタバレ》 
「ラブ&エロス シネマ・コレクション」というシリーズの一つである(R15+)。  題名の印象が強いので見たが、「農家の嫁」という割には舅も姑もおらず、また子がいないという条件まで揃ったことでこういうおバカ紀行が可能になっているわけで、その辺はストーリーの都合優先の設定になっている。  主人公の動機に関しては、自分のことを考えてみれば確かにこの歳になって“なかったこと”の埋め合わせくらいはしている(今どき切ない青春映画を見て泣く、など)が、それが“あったかもしれない”などという妄想まではさすがに持っていない。しかしまあ年齢性別が違うということもあるので、やれるうちに存分にやればいいのではないか、と他人事ながら微笑ましく見られなくもない。  またストーリー展開について、主人公が本当に東京まで行ってしまったのは少し驚いたが、その過程で男どもが出て来ては消えていき、それぞれが主人公を前に押す方向に作用するので多段式ロケットのような印象がある。ほかスクールの友人も、当初の裏工作に協力したうえ最後のソフトランディングまで準備していたので、有人宇宙飛行よろしく地上スタッフの支援があって初めて実現できたことのように見えている。最後のオチも気が利いていて、けっこう爽快感のある終幕になっていた。  そういうことで、個人的には特に共感できる映画というわけでもないがなかなかの佳作とは思われる。主演女優はこれまで好きでもなかったが、これで好感度が若干上がった。ちなみに登場人物の広島弁がきついため何を言っているかわからないところがあるが、それはまあ許容範囲である。
[DVD(邦画)] 5点(2014-10-25 19:57:39)
582.  ももドラ m o m o + d r a 《ネタバレ》 
この人々が出るものを見たのは2つ目だが、依然としてファンでも何でもないことから、部外者としての冷めた目で見たところを書かせていただく。  ep.1(黄)浅間大神は怒ると爆発するので怖いと思うが、女の子に親切なのはいいことだ。最後がなかなかいい顔。  ep.2(桃)女の子の心情はよくわからないが、とりあえず甘ったれ感が微笑ましい。お姉さんも優しげな人。  ep.3(緑)少し怖くて少し感動した。演者のおかげもあって佳作。  ep.4(紫)途中でほとんどオチが見えた気がしたが、最終的にその推定が間違っていなかったことがわかると改めて嬉しい。  ep.5(赤)最後に大感動編が用意されているかと思ったらラストで気が抜ける。彼氏がユニーク。  以上、ファンでも何でもないといいながら、自発的に見ようとする程度には好意的であるから見て損した感じはせず、特に個人的に気になる人(緑)はこれでまた評価が上がった(そもそもこれを見たのは、DVDケースの写真でこの人が咎めるような目でこちらを見ているのを無視できない気がしたからである)。気分的には少しいい点を付けたくなるが、ファンではないという引け目があるので標準程度にとどめておく。 なおepisode.3で出る中岡俊哉氏の著書は懐かしい。
[DVD(邦画)] 5点(2014-08-23 08:54:35)
583.  ジョーカーゲーム(2012) 《ネタバレ》 
劇中の設定に従えば、最も犠牲者が少なくなるのはグループなしで個々に戦った場合であり、それなら毎回1人が敗北するだけで済む。従って本来は委託側には積極的な動機がないことになるが、一方で受託側には具体的な利益が提示されている。多くの人間を口車に乗せておいて賭けに出るのを奨励するのは起業家育成を目的としたものらしく、“次世代のリーダー”というのもその意味かと思うが、しかし大言壮語して結果を見せればいいのだろうと嘯く連中ばかりになりそうで、そういう風潮を戒めた物語と取れなくもない。 ゲームについては要は単なるババ抜きだが、運だけの勝負にはならないよう、劇中人物独自の試みという形で無理やり駆け引きの要素を加えたのは悪くない。信じるか信じないかを問いかけておいて結局は騙すためのものだったわけだが、それでも最後はちゃんと“信じること”というテーマにつながっていたように見える。ラストの並走は、疑心暗鬼で相対するような局面ではなく、同じ心をもって同じ方向へ進んでこそ相互信頼が効果を生むことの映像的な表現と思えなくもない。 そのほかキャストに関しては、すでに20代の出演者もいる中で、長身でクールで大人びた感じの大野役だけは当時まだ中学生だったらしい。この人がほとんど主役のように見える一方、本来の主人公は終盤だけ本気の顔になるものの、本編の大部分を通じてとぼけた感じに見え過ぎである。アイドル映画なのだろうから、この人を知らない観客でも好きになれるようにしてもらいたい。個人的には美奈子役の方に目を奪われてしまったが、そのほか委員長役(伊倉愛美、元ももいろクローバー)のギラついたような顔もなかなかいい感じだった。途中で目障りな男子がほとんど一掃されたのも望ましい展開だったといえる。
[DVD(邦画)] 5点(2014-08-12 19:24:58)
584.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
いきなり序盤の悪ふざけを見て機嫌が悪くなり、それが結構後まで尾を引く。主人公を含めた女子高生が揃いも揃って全く可愛気がないのも感心する(関口香織を除く)。自分としては主演女優が今でも好きになれないのだが、それは恐らくこの映画を見たせいだと思われる(関口香織役には好意的)。 ところで自分はこの手の方言が分布する地域の生まれではないが、近隣出身者としての感想を書かせてもらうと、劇中の方言が最もそれっぽく聞こえたのは意外にもフォークデュオの2人だった(兄役が地元出身とのこと)。このあたりからようやく機嫌を直して笑えるようになり、最後のステージ場面まで行けば制作側の意図にも素直に乗れるようになるので、最終的には挽回していたと言えなくもない。会場になだれ込んだ女子高生が鼻を赤くしていたのは何気にリアルで可笑しく、またネズミの御守りというのも悪くない。 ほかストーリーとしては、ご都合主義もいい加減なのも適当なのもそれ自体はそれほど気にならない。出演者が陰でまともに楽器の練習をして、劇中でも面白そうにやっている(関口香織役を含む)のでまあいいのではないかという気になるが、それより自分としては本仮屋ユイカという人の存在を知ったというのがこの映画最大の意義だった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-29 19:51:48)(良:1票)
585.  クリスマスドラマ 天使とジャンプ<TVM> 《ネタバレ》 
これを見た多くの人とは異なるだろうが、自分としての動機は「ゆずりん」役の人である。この人物は実在の“あかりん”に相当しているらしく、周囲より少し長身なのは実物同様と思われるが(飛鳥凛166cm、早見あかり165cm)、年齢的には少しおねえさんで一人だけ大人っぽく見えている。ファンからすれば明らかに異物なのだろうが、自分としてはこの人がももクロのメンバーに何気に混じっているのが微妙に可笑しい。序盤で去ってしまってもう出なかったのは残念だが予想通りである。  ところで「ももいろクローバーZ」は初めて見たので事情がよくわかっていないところもあるが、突然のメンバー脱退など実在のグループの軌跡をイメージ化した感じのドラマになっていると思われる。最後はライブでいきなり終わってしまうが、ラストを盛り上げるだけが目的ということでもなく、ここを起点として飛躍する未来を期待させる形になっており、ファンにとっては感動的なドラマだったのだろうと想像する。「翼」を歌詞に織り込んだライブの曲も、ドラマの内容に即して聞けば結構心にしみるものがある。 またこれを見ていて変に感心したのは、グループ解散後に市井の庶民に戻った各人が、本当にその辺にいるただの女の子のようにしか見えなかったことである。そもそも見るからに美少女というのが一人もいないようだが(失礼)、しかし見ているとそれぞれ個性的で面白そうな連中であり、またライブで見せたパフォーマンスの躍動感も印象的だった。結果として、ももクロというものに目を向けてこなかったこれまでの人生を反省し、常にその存在を心に留めながら今後を生きて行こう、と思わせる内容だったと感じられる。 なおこのドラマを見る限り、個人的には特に緑に心惹かれるものがあった。事務所に推されなくても自分としてはこの人を応援したい。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-24 20:25:03)(良:1票)
586.  仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ 《ネタバレ》 
仮面ライダーWの劇場版は「ビギンズナイト」に続いて2つ目だが、話の内容としては特別面白いというわけでもなく普通に見える。劇中世界が破滅に瀕していたようだが、そもそも一都市限定の話なのでスケール感はあまりない。さすがにアクションは派手でけっこう力が入っているように見えるが、これで現代の標準ということなのかも知れない。 また登場人物について、TV版は見ていないので劇中の照井竜と鳴海亜樹子が親密になる過程は自分的には飛んでいるが、これを見る限りほのぼのと幸せそうで結構なことである。またラストでの主人公2人のやり取りなど聞いていても、何より主要人物がみな愛すべきキャラクターだということがこのシリーズの魅力だったろうと想像する。ほか今回は敵方のオネエキャラの存在が光っていた。  ところで今回も個人的には園咲若菜という人物が目当てで見ていたわけだが、前作よりは画面に出る時間が少し長いものの、終始同じ撮影現場で変化がないので面白くない。微妙に表情をつけたりもしている(ちっ、というのもあった)が、ストーリー展開には寄与していないように見えるのは残念だった。 なお映画そのものとは無関係だが、この若菜姫のラジオ番組「園咲若菜のヒーリングプリンセス」は、現時点でもインターネットラジオのサイトが存続しており、聞けば非常に心癒されるものがある。4年も前のものということになるが、これが現在もなおこの番組のファン拡大に寄与し続けているのかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-24 20:24:58)
587.  輪廻(2005) 《ネタバレ》 
まず映画のセットと過去/現在のホテルを重ねて見せるのはいい工夫と思われる。 しかし基本設定が支離滅裂に見えるのは困ったことであり、前世の魂らしきものが転生した人間と関係なしにその辺を勝手に動くのでは輪廻になっていない。こういう恒例のオバケじみたものを出さずに済まないのなら、逆に輪廻というアイデアを使うこと自体に無理があると思われる。 またストーリーの面でも、昔と比べてまともなお話を作っているように見えるがトリッキーなだけで、それ自体が感心できるものにはなっていない。11人が死んだのが35年前とすれば転生者もみな35歳以下だったのだろうが、しかし死後それほど間をおかずに次の人生を始めることができ、かつ前世とは全く違う人間として問題なく暮らしているのなら、あえて前世の思いを今生に持ち越す動機が全くわからない。劇中の転生者は最後にどうなったのかわからないが、この機会にまた自分が死んで見せてまで前世の思いを遂げようとしたとすれば馬鹿げており、そんなことなら劇中の大学教官のように合理化して、もう忘れてしまえと言った方がいいだろう。最後に一人ほくそ笑んでいた老婆だけは満足だったようだが、こういう世代の恨み事に現代の若い連中がそろって付き合わされたように見えるのも気分が悪い。 あるいは、ここで死んだ連中はすぐ次の人生が始まるからかえって希望があり、生き延びて苦しむ人間こそが最も悲惨と言いたいのか。それなら常識を覆す発想とも言えなくもないが、そのような考えがわれわれの人生を豊かにすることは全くなく、かえって“つらいなら死んでしまえ”的なメッセージになってしまうのはほとんど反社会的である。   そういうことで面白くない映画であり、見どころといえば主演女優の顔だけである。顔自体がかわいいのは当然として、それより主に表情とかが見どころなわけだが、顔自体がかわいいのも見どころであり、また当然ながら顔だけでなく全体的に見てもいい。とにかく主演女優の印象が圧倒的に強く、この点では大変結構な映画でした。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-22 23:57:54)(良:1票)
588.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
[2018/9/11修正] このシリーズ必須の家にまつわる呪いは出て来ないようだが、その呪われた家ができるまでの話だと思われる。 登場人物としては少女の叔母のすらりとした姿が印象に残る。当初は繊細そうで脆弱なようにも見えたが、その後に覚悟を決めてからの表情は少し差が出ていたようである。階段の手前でこの人物の足元を映していたのは境界線のようなものの存在を暗示していたということか。そのほか富士の見える屋上風景や、その後に母子が落下する際に、高架の道路を普通に車が走っているのと対比されていたのも印象深い。 ちなみに少女の叔母が驚愕の表情を見せた直後に、のほほんとした看護師の顔を大写しにしたところは笑った。  物語としては少女~母親~叔母が本筋で、そこに看護師/隣部屋のバカ/少女の父親のエピソードが付随する形に見えるが、その関係がよくわからないのは困る。特になぜか看護師が危険な人物だと匂わせる場面があり、これは何か裏があるのではという気にさせられる(例:初めから水子の霊がついていたなど)。また父親のエピソードは枝葉のようでもあるが、実はこの男にも隠れた問題があったと考えられなくもない(例:初めから水子の霊がついていたなど)。そもそも「黒い少女」とは何なのかを突っ込んで考えれば意外な真相が見えて来そうでもあり、また本筋部分でも実は母親と叔母の思い込みがとんでもなく間違っていたということもありえなくはないが、どうも深読みを強いられているようで面倒くさい。 制作側の思惑はともかく見る側としての問題は、この手の映画は真面目に考えても解答が得られる保証がなく、単に時間の無駄になる恐れがあることである。ここに書くのは筋違いかも知れないが、現代ホラーにつきものの理不尽さや不条理というのと、ストーリーとしての整合性不足というのは話が違うので、きちんと辻褄の合った話にするのは最低限のことである。そういう面で観客が制作側に全幅の信頼を置き、安心して見られる映画にしてもらいたいものだが、まあそういうことをこのシリーズに期待する方が間違いか。それにしても今回は、スルーしかねる程度に思わせぶりにしておいて、やはりわけがわからないという中途半端な感覚の映画だった。  なお劇中の少女役は松本花奈(まつもとはな)という人で、芸歴が長いようだが昔からこういう変な役をやっていたらしい。一見美少女のようで実は微妙な顔で不気味さを出しているが、現在は普通に美形に見えるので問題ない。役者だけでなく映画も撮ったりしている多才な人である。 ちなみに最近(2018年)になってこの人のヘソがネット上で話題になっていたようだが、その元になったのはこの映画でのヘソ出し場面である。そこはただ寝ているだけだが、ほかに目だけの演技というのもあったようである。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-07 21:46:44)
589.  呪怨<OV>(2000) 《ネタバレ》 
最近になって初めて見たが、これ以外に和製ホラーの様式が普及して以降の映画はけっこう見ているため、改めて見てもごく普通というしかなく、どこをほめればいいのか正直わからなくなっている。とりあえず終盤のゴミ集積所で背後を通行人が知らぬげに歩いて行ったのは、こういったことが日常のどこかで起きている可能性を表現しているようで面白かった。また古いタイプの人間からすれば、怪異が昼間に起こるなど常識外のことだったわけだが、この映画ではわざわざ晴天の日中に周囲を真っ暗闇にまでして事を起こしており、これで逃げ場のない怖さを出していたといえる。  一方、登場人物が自分で墓穴を掘るような展開が見られるのは現代ホラーの悪習であり、特にどれだけ状況が切迫していても電話に出なければならないと思うアホがいるのは閉口する(2も含め)。またネタの独創性という面でも評価できるとは限らず、まずページに目いっぱい字が書かれているのは、自分の知る限り「座敷女」(1993年連載、同年単行本化)の例があるので特に目新しくはない。また階段を這い降りて来るのは貞子のようでもあるが、それより個人的には目が「蛇女の脅怖」(1966年英)を思わせて懐かしかった。それから胎児の取扱いは殷の紂王(BC11C?)の故事に倣っているのだろうが、こういうのを真似すると日本人の品性が疑われるのでやめた方がいい。  最後に登場人物としては、柑菜が元気だった頃の小生意気な態度は笑える。また瑞穂役の栗山千明は当時中学生くらいで制服姿が可愛らしいが、しかしこの女優のその後のイメージのせいで、この子が怖い目に遭っても特にかわいそうとか思わない自分が無情に感じられる。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-07 21:46:29)(良:2票)
590.  PIECE ~記憶の欠片~ 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、仮面ライダー・戦隊シリーズにヒーロー役で出た役者を活かすためのプロジェクト“TOEI HERO NEXT”というシリーズの第1弾である。この映画では「仮面ライダーオーズ」の2人がダブル主役で出ており、ほか自分の知っている範囲では「仮面ライダーW」の園咲若菜役も出演している。ちなみに現時点で第4弾まで出ているようである。 内容としては、変身ヒーローがおらずアクションもほとんどない東映特撮といったものだが、子ども向けというより若干シビアな感じになっている。「オーズ」のTVシリーズは見ていないので、主役2人が当時とキャラクターを変えているかはわからないが、少なくとも「零」役は5つの人格を瞬時に演じ分けるということをやっているので、これはなかなか頑張っているのではないかと思われる。特に「綾さん」を熱演しているのは非常に面白い(惚れてしまいそうだ)。本来の鑑賞動機は元カノ役を見ることだったが、そのほかイマカノ役もなかなか愛嬌のあるキャラクターを演じており、最終的には主役を含めて主要人物の皆に愛着がわいて来る作りになっている。 なお最後は明らかに謎を残して終わるので、このままでは続編がなくては済まない状態になっているが、現時点でこれの続編は出ていないようである。別に続編を期待するわけでもないが、その後がどうなったのかは気にならなくもない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-06-09 20:33:17)
591.  ひぐらしのなく頃に 誓 《ネタバレ》 
ゲームもマンガもアニメも知らないまま、前作に引続いて見た。前作では主人公の周囲がほとんど敵対勢力に見えていたので、この映画の中盤で主人公が唐突に仲間意識を語り出しても茶番としか思われなかったが、しかし最後まで見てみると、今回はどうやら本気で「仲間を信じること」をテーマにしていたらしい。劇中の人間関係は完全に初期化されていたように見えるが、一方で前作から継承された部分もあり、頬の傷や注射器といった前回の疑問点を一応解消した上で今回のテーマに結びつけた形になっている。 今回も数ある並行世界の一つのような感じらしいが、何度も繰り返すうちにやがて円環を抜けられるときが来るのかも知れず、この映画でもそういったことが窺える内容にはなっている。前作に引続き、こんな悲劇的な結末を何とか避けられないのか、という登場人物の悲痛な願いが切なく感じられたといえなくもない。  ところで登場人物としては、前作ではバカにしか見えなかった主人公が今回は結構凛々しくなっていたので少し感心した。「おまえを一人ぼっちにさせたくない」との台詞を聞けば、登場人物としても男になったなと思わせるものがある。そのほか今回のメインである竜宮レナ役はかなりハードに頑張っていたが、園崎魅音役も出番が多く、今回は悪役的な性格がないので普通にかわいい。2作にわたって見ていて次第にみんなが好きになって来たのだが、続編はなしで終わりになったようである。毎年続編を出して登場人物が次第に成長していくというのも面白かったろうが。 今回は屋根の上の対決が印象的だったので前作+1点としておく。
[DVD(邦画)] 5点(2014-06-09 20:33:13)(良:1票)
592.  くらげとあの娘 《ネタバレ》 
生真面目な映画である。自分が見る限り微妙に可笑しいところが2箇所あるが、ほかに笑える場面は全くない。あまり起伏もなしに物語が進み、見る側としては何が起こっているのかわからないまま気が抜けずに疲れるが、しかし子役が出る場面だけは普通に心なごむものがある。 主人公の男もどうやら子ども好きではあったらしいが、しかしこの主人公のダメ男ぶりには本当に呆れた。自分としても思い当たることがないわけではないが、これほどバカで優柔不断では観客としても全く応援する気にならない。最低限、知能程度が疑われるような行動はなしにしてもらえなかったかと思う。  それはそれとして物語を真面目に見るとすれば、自分で求めなければ得られない、というような基本的事項はもちろん、相手のサインをどう受け取るかというような点でも、非リア充系男子の婚活に役立ちそうな映画に見える(婚活イベントで上映すればいいのではないか)。理屈をいえば婚姻率の向上や晩婚化の回避、ひいては少子高齢化の抑制にも役立つ有意義な映画といえなくもない。 しかしラストは何が起こったのか正直よくわからなかった。最後のわずかな希望だけは逃すまいと絶望的な努力をする、という表現だったら評価しなくもなかったが、監督の説明を聞けば非常に安直な結末だったようで、結局は好意的に捉えようとする気が薄れてしまった。娯楽面だけでなく意味的な面でも不足した感があるのは非常に残念である。  そのほか個別の苦情をいわせてもらうと、まず実在の公共施設内で不健全な行為に及ぶ人物を出すのはやめてもらいたい。業界人は何でこういうのを当たり前のように思うのか。また自分がラストの意味を取りかねた理由は「一年後」という表示をその直前の場面からと理解したからで、序盤の細かい出来事をきっちり思い出さない限り誤解しかねないというのは一般の観客にとっては厳しい。数字を出したためにかえって12カ月>十月十日という方に意識が向いてしまったこともあり、どうもこれはミスリーディングだったのではないかと思われる。 なお余談として、ヒロインがアシカの真似をして吠える場面は「非・バランス」(2001)で派谷恵美さんが演じた少女を思わせるものがあった。こういうのは意識してやっていたのか。
[映画館(邦画)] 5点(2014-05-18 01:23:35)
593.  パセリ 《ネタバレ》 
情けない男が成仏できない霊につきまとわれる話である。いかにも低予算でTVドラマのような印象だが、少し笑わせて少し泣かせるストーリーにはなっている。 劇中のゆうれいはすらりとした長身で清潔感があり、ぎょろっとした大きな目で覗き込まれると怖いかもしれないが、甘ったれたような声は愛らしい。日記の中で主人公への思いが募っていく様子は少し心を打つものがあり、また終盤では拗ねたように笑ったり泣いたりの表情が変転するのが愛おしく思われる。 形式上の主人公はともかくとして実際このゆうれいが最大の見どころだが、ほか終盤では主人公の恋人が後の方で何気に場を盛り上げていたのがいい感じで、また途中から入って来たミュージシャンの男も変なキャラクターだが面白くないこともない。映画としてどうかということはあるだろうが個人的には嫌いでないお話だった。 ちなみに、ゆうれいが部屋に上がるときはちゃんと靴を脱いでいたようで、また部屋が暗ければ電気をつけるというのも固定観念にとらわれない態度で好印象だった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-05-18 01:23:27)
594.  魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 《ネタバレ》 
TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」シリーズの劇場版である。この映画はTVシリーズ第1期(2004年、全13話)の劇場版だが、これに続いて第2期(2005年)の劇場版が2012年に出ている。 TVは当然見ていなかったが、この劇場版を見る限り、まずは主に絵柄のせいで好きになれる登場人物がほとんどいない。また人名が変に格好つけた感じで大人気ないのが多く、口に出して言うのが恥ずかしい。さらに、劇中に世間の指弾を受けそうな映像(変身場面の着替え)が入っているのは非常に問題だが、しかし思えば魔法少女というのはかなり前からそういうものだった気もして、自分の世代もそれに加担していただろうから偉そうなことはいえないかと思わなくもない。  ストーリーに関しては、母親(ただし偽)に依存しながらも虐待されて捨てられた娘が、友情の力で自立して生きる決心をした、ということのようで、それ自体は大変結構なお話ではあるが、ただしそういった自立の物語を9歳の子どもにやらせるのは年齢的に無理がある。またこのアニメのターゲット層に母と娘の話がふさわしいとも思われず、魔法少女アニメとしての性質からそのストーリーが必然的に導かれるわけでもない。要は魔法少女というものを介して小学生女児とターゲット層(それなりの年齢の独身男)を結びつけようとするのがこのアニメの本質であって、一見シリアスなストーリーは取ってつけたように見えるということである。虐待なしで普通の友情物語くらいにしておけばそれほど違和感はなかっただろうと思うが。  以上、文句ばかり書いたが、よかった点としては後半の「うんうんうん」という台詞と、ラストで携帯に電話が来たのが笑えることだった。また爆笑したのは「ごめんなさい、命令無視は、あとでちゃんと謝ります」という台詞がまるきり子どもの発想だったことで、これには“ごめんで済めば警察はいらない”と言ってやらなければならない。そのほかアニメファンなら映像面などで評価すべき点も多いのだろうと思われる。 自分としては大好きなアニメとはとても言えないが、DVDをただでもらったので点数は少し甘くする。見たくてもらったわけでもないが、続編もただでもらえれば見てやっていい。
[DVD(邦画)] 5点(2014-04-21 21:55:30)
595.  哀憑歌 ~GUN-KYU~<OV> 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第3作である。 全部見たところで書いておくと、まず3作どれも特に怖くはないのでホラーというより”怪奇譚”といった感じのものになっている。宣伝文ではこのシリーズを「チェイン・ストーリー&キャスト」と称しており、キャストに関しては3作それぞれの主人公(木下あゆ美、田畑智子など)が他の2作にも端役で出ているほか、共通の脇役(吉野紗香など)も数人いるが、制作上の都合以外でこれにどういう利点があるのか不明である。またストーリーがつながっているかというとそうでもなく、3作それぞれの最初の方で若干の場面を共有しているだけで時間的な前後はほとんどない。 この状態を言いかえると、人間関係としては結構狭い範囲で3つの異常事態が同時進行していることになる。しかしそのことで、例えば虐げられた生物が人間に対して一斉に牙をむいた、というような効果を出しているわけではなく、特に今作だけは少し毛色の変わった趣向のため全体的な統一感はない。ただ前記のような女優目当ての場合には、結局全部見なければ済まないことになるという効果を生じており、そのために自分としても限られた時間を浪費させられてしまった気がする。 また全部見るとさすがに愛着を覚え、哀調を帯びたテーマ曲やオープニングの背景画もそれなりの雰囲気を出していると感じられるようになる。展開が論理性に欠けるのも共通だが、それは雰囲気でカバーということで納得する気になって来た。  ところでこの第3作については、ローマ字の副題が音読みのため意味がよくわからず、とにかく鳩の絵が出ているので“群鳩”かと思ったがそうではなかった。「軍鳩」という一般に知られていないものに焦点を当てたことは評価できるが、靖国神社に出入りする人々の間では案外よく知られていることなのかも知れない。佐藤允氏が出演しているのは昔の戦争映画との関連かとも思われる。 今回の映像表現で面白かったのは犬神佐清ではなく再生可能目玉でもなく糞の絨毯爆撃であり、これはかなり斬新なのでもっと徹底してやればよかっただろう。また主人公の先生が、街中にあるハトという言葉に引っかかってめまいがしたのは別に呪いのせいではないのだろうから、ここは笑うところだと思われる。ふくよかな感じの先生で大変結構でした。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:20)
596.  哀憑歌 ~CHI-MANAKO~ 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第1作である。 今回の主人公(田畑智子)は店のNo.1ホステスで、どう見ても申し分のない美女である(けっこう好きだ)。他人への態度が極めて悪く観客としても好きになれない人物のはずだが、自分としてはこの女優が嫌いでないため(かなり好意的)主人公が悲惨な状況になってもザマ見ろとも思わず、かえって“この女優はこんな仕事をして嫌ではないのだろうか”という方へ意識が向いてしまい、後半ではもうやめてくれという感じになって、結果的に主人公が破滅していくのが非常に痛々しく感じられた。その間に何が起こっていたのか論理的に解釈するのは困難だが、雰囲気だけは結構納得させられるものがある。 また中心テーマである動物実験の告発(※)に関しては、画面にも出ているような組織的な背景があったようだが、その主張自体は明快で万人に理解が可能である…というかわかって当たり前なのだが、そもそも何が言いたいのかもわからない後続作とは明らかな違いがあり、さすが第1作は比較的まともに作られていたのだと感心した。 ※特定の企業を名指ししていた感じもあったが、その企業は現時点で既に動物実験を廃止しているらしい。  なお終盤で、第2作にも登場する可愛らしい女性研究員(吉野紗香)が出ていたが、この人が訪ねた化粧品店は映画のテーマに沿った良心的な店だったらしく、やはり心正しい人は行いも正しいことがわかって安心した。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:16)
597.  哀憑歌 ~NU-MERI~<OV> 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第2作である。 そもそもの鑑賞動機がこれの主演女優(木下あゆ美)を見ることだったため、当方としては初めから好意的に見ようとしていたわけだが、それでも中身を見ると筋が通らないところだらけで非常に落胆させられる。鯛のお頭攻撃もキラーアワビもそれ自体としては別に構わないが、ストーリーの背景に論理的な一貫性がなく、最初から最後まで意味不明の出来事がばらばらに起きているように見えている。また結論としては天然モノを食うのが正しいと言いたかったようだが、そのためにクローンはともかく養殖漁業まで否定したように見えるのはさすがに変である。あるいは主人公の父親の人間像を称揚したかったのかも知れないが、それにしても説明不足に感じられる。  一方で登場人物としては、主演の木下あゆ美が活発そうな魚屋の娘で、仕事の手伝いや神社のお参り、大学の講義中の様子が普通に可愛いのでしばらく見入ってしまった(彼氏が出るまでは)。終盤の海産物の襲撃場面では、きれいな身体にひどい傷がついただろうと心配していたが、直後に水槽で洗うと左腕以外の傷が消えていた(理由不明)ので安心した。 また主人公以外で注目されたのは研究所の女性研究員が変に可愛らしい人だったことで、この人がしゃべると台詞の中身と関係なく無駄にかわいいので笑ってしまう。白衣を着ていると清楚だが、上だけ水着(下はウェットスーツ)の場面もあったのは若干の男子向けサービスと思われる。邪悪な研究所の中でもこの女性研究員だけは心正しい人だったらしく、最後は死ななくて済んだらしいのも当然だが、その後はどうしたのか出て来なかったのは残念だった。 なお予定としてはこの第2作だけ見て終わりにするはずだったが、実際見ると主演女優も女性研究員(吉野紗香)も他の2作に出ていることがわかったため、結局は全部見なければ済まないことになってしまった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:09)
598.  魔女の宅急便(2014) 《ネタバレ》 
[2018-01-19再視聴による改訂] 初見時は7点だったが、改めて見るととてもそんな点をつける気にならず、アニメ版との差が1点などということもありえない。劇場で見たことで若干印象がよくなったのと、公開中だったため遠慮があったのかと思われる。 とりあえず最初に書いたことのうちそれほど間違っていないと思うことを書くと、まず原作からわざわざアニメ版とは違うエピソードを選んで構成したようだが、空を飛ぶ場面や黒ネコの様子など、意外にアニメ版のイメージを踏襲しようとした感じもある。また主人公が元気で可愛らしく実写版なりの存在感を出していて、このキャスティングは大成功だったと思われる。 初見時に気になった点として、中盤でいかにも胡散臭い顔で登場した邪悪な人物は映画オリジナルではなく原作の2巻に由来しているが、この人物が主人公に深刻な心理的動揺をもたらしたにもかかわらず、最後は簡単に反省して終わりだったのがどうも拍子抜けだった。“ほんとはいい人”パターンが個人的に嫌いだからということもあるが、この人物が人間の心の悪を代表していたのなら、かえって街の人々の中に紛れた形にして再登場しなくともよかった気がした。ただしこの人物がエンディングの場面でわざわざまた黒い封筒を使っていたのは、どうやら当初段階に遡って呪いではなかったことを証明しようとしたらしく、このあたりは少し細かい作り込みのようである。  また今回再視聴時の感想としては、主人公が直面する悪意に関して観客が許容できるのは主人公と同年配までである。動物園で結構な年齢の男がガキのように駄々をこねていたのは非常に腹立たしく、“ほんとはいい人”パターンを適用するなどありえない馬鹿で不快な人物だった。その上こういう面相の役者がやるのでは洒落にならず、これは一体どういう思惑でこういうキャスティングになったのかと疑う。そのほかネコやカバの作り物感などにはいちいち突っ込まないとしても、物語的に最後の「この町に来てほんとに良かった」という台詞が素直に受け入れられる作りにはなっていない。 それでもこの映画を全否定できないのは結局、主人公/主演女優の存在のおかげということである。そういうわけで小芝風花さんの今後の活躍に期待します。
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-14 19:55:28)
599.  遺体 明日への十日間 《ネタバレ》 
被災の直接描写は省略されているが、どうせもう見たくないので結構だ。死んではならない多くの人々が死んで、自分などが生きているのが情けない。劇中では若い女性がそのようなことを言っていたが、この人物にこの台詞は似合わない。  ところで原作の登場人物のうち、映画では民生委員の人物を主人公とすることで“人間の尊厳”に焦点を当てようとしていたらしく、これは題名との関係でも妥当と思われる。ただし原作では、被災地で働いた全ての人々がそれぞれの職務を果たそうと苦闘したことを伝えているのに対し、映画ではいちいち大げさに嘆いてみせる饒舌なこの主人公が特別の存在感を発揮していたのは正直なところ違和感を覚えた。 また原作は現地の実態を淡々と伝えようとしたかに見えているが、映画では明らかに独自のお話を作っているのがどうも気になる。現実には肉親のことを後回しにしても職務を優先した人々が多くいたはずだが、映画では友人と連絡が取れないという理由で部屋の隅に隠れてしまうような人物をわざわざ出してきて、こんな男の成長物語など見たくもないという気にさせられる。 そのほか原作から台詞だけを借りて来て周辺事情を伝えていないため、登場人物の真意がわからず苛立たしいだけの場面もある。こういう題材を扱ったものを低評価にすると人格を疑われるかも知れないが、残念ながらこの映画にはあまりいい点を付ける気にならない。  なお個別の場面としては、女性職員が小学生の遺体を見て泣き出したのは唐突で不自然だったが、ただし取り乱してしまってわけのわからない行動になっている様子自体は迫真の演技とも取れる。また目の前で娘を亡くした女性が他人を罵りながらも、実は言っていることが全て自分自身に向けられているのを全身で表現していたのは鬼気迫るものがあった。ほかにも女性の嗚咽は聞いていてつらいものが多かった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-14 19:55:15)
600.  手紙(2006) 《ネタバレ》 
たまたま原作を先に読んでしまったので、映画だけ見た場合にどう感じるかがわからなくなってしまった。そもそも原作の内容がすっきり頭に入っていないので何ともいえないところがあるが、原作の骨格はきちんと残す一方で、兄弟や家族の情愛に重点を置いたように見えるのは映画的には正しいのかも知れない。 ただ物語の前提になる加害者家族への悪影響について、住居への落書きやネットの書込みといった即物的で単純な悪意として表現していたのは安易に感じられる。また勤め先の会長の発言も、全部を台詞にはできないにしても説明不足になっており、理不尽なことをただ甘んじて受入れろと言っているかのようで素直に受け取れない。劇中では、世間の人々が犯罪者から距離を置こうとする原因として、「自己防衛本能」という言葉とともに親の心情(元彼女の父親と主人公本人)の例が挙げられていたが、それ以外にも悪意によらない排除の作用が働くことを観客がちゃんと納得できたらよかったがと思う。  ところで主人公の妻になった人物について、当初は主人公がこれほどの超絶美形女子に全く見向きもせず、別人に気を取られていたのは非常に不自然に思われる。他の映画でも似たようなことがあったので、やはりこの女優が出ると否応なしにそうなってしまうのかも知れないが、まあそれでも男連中が地味に見える分、この人がこの映画の華になっていたのは間違いない。個人的にはそもそも沢尻エリカ目当てだったこともあり、原作既読の立場としても、この人がいなければあえて映画を見る必要はなかったという気までする。 ほかに原作との関連で非常に落胆したのはバンドのはずが漫才になっていたことだった。映画化に当たって各種事情もあったのだろうが、いくら何でも漫才ではちょっと格好がつかないではないか...とは思ったが、しかし終盤でこの設定が最大限に活かされていたことは認めなければならない。これは完全にやられた。ラストで見事に泣き笑いさせられてしまった点についてだけは間違いなく原作を超えていたといえるかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-02-17 22:53:15)(良:2票)
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