1. ドグラ・マグラ(1988)
原作は全く知らずに見に行ったと思います。その後映画が興味深かったので、上下巻一気に読みました。原作の方は、スケールが大きく、一言では言い表せない程。オドロオドロしくとても魅力のある、時間の感覚が崩れてしまうような不思議な内容なので「よくぞ映画にしました!」と感じです。確かに細かい所までは難しいのでしょうが、その雰囲気をよく表現できていて、遜色なし! 何か本の感想文になってしまいましたね。このお話の始めあたりで時計が鳴っているのですが、その鳴り終わりが話の終わりギリギリに鳴らしている時計の音になるのでは? そんな事をアレコレ考えていると夢野久作氏の罠にはまってしまったようで....。実は映画館で私の隣の彼は船を漕いで寝ていました。人によって好き嫌いあるかな。 8点(2003-08-18 21:21:19) |
2. あの夏、いちばん静かな海。
とても素朴でたんたんとした内容。なんの変哲もないような静かな流れ方。海沿いを走るクルマを映した時のシンプルな上にとても繊細な美しい情景を今でもありありと思い出すことができます。同じ風景を見て同じ様に笑いあえる。離れている時でさえどこか通じ合っている。ホントに彼らが羨ましいナと思いました。微笑ましくも、切なくて、胸が締め付けられるような美しさを兼ね備えた恋愛映画です。私が唯一北野監督の作品の中で素直に観ることのできた映画です。 9点(2003-08-06 21:53:20) |
3. バトル・ロワイアル
《ネタバレ》 原作は全く知りませんが、この話しは現実では、こうは見えないが実はこんなことがある、こんなむごいこともあるという事がこのゲームと称する一連の内容を通して表現されている。好きな人を奪い取ることも、相手を裏切る行為ですら相手を殺す行為に匹敵する。本当に強い人とは自分のことを省みず相手の為に死守できる人。逃亡する二人は真剣な恋愛を表現したもの。主人公に好意を寄せる彼女らを惹きつけるものは彼自身の辛く、苦しい体験からくる強さや優しさである。等など.....。他にも沢山、解る方には見えてくるはずなのでしょう。私は愛、友情、恋愛、競争などをそのような形で原作に忠実に映像化したとしても、ある年を重ねた方や、そういう経験をいろいろしてきた人なら、達観しうるが、ましてや中学生、高校生が見てもそのアクション等にしか目がいかないのは間違いないし解る人はたぶん少ない。本を熟読された方はそうではないと思うが.....。しかし、監督は「どーだ、お前たちにこれがわかるのか?」という挑戦的な作り方なのでしょう。中高生の方は映画より本を読まれた方がより作品の良さが理解しうるようですが、あえて監督の挑戦を受けて見ても良いかもしれませんね。 6点(2003-08-05 21:14:04) |
4. HANA-BI
卵やひよこの様にか弱い、今にも命が消えてなくなりそうな奥さんのことを傍目には狂気とも思われるような行動を盾に最後まで守り抜いた男の大きな優しさを表現した映画。少しは解るんだけども、ちょっと馴染めないかなぁ。 6点(2003-08-04 22:50:33) |