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1.  ラスト サムライ
屋上屋を架すようですが、私も一言。良くできてるなあ、さすがハリウッド映画。顧客満足度はしっかり満たした作りは、お見事です。日本の歴史的事象を背景としたファンタジーとしておもしろく見られました。日本の役者陣が、絵葉書的ジャパニズムから少しでもリアリズムに(と言っても、自分だって明治に生きてるわけじゃないからリアルがなんだか言えたものではないが)引き戻そうと健闘されていた跡が感じ取れました。けれど、いつもながら国家観、戦争観が、エンターテイメントの衣装を着せられて、スペクタクルにされているのは、個人的に、違和感はぬぐえません。特に今は。虐殺のトラウマから飲んだくれていた「キャプテン」も、結局殺戮に駆り立てられていくわけで、ここではいかなる意味づけもむなしい。実際、この映画の中では見事に破綻しています。戦い終わった惨状を見せつけて、やっぱり非人道的ですって、サイン送れば免罪されるものでも無いと思う。人間って(とあえて大上段に振りかぶりますが)どこまで戦争シーン(もしくは戦争そのもの)が好きなんだろう。
7点(2004-05-16 13:26:34)
2.  ホテル・ハイビスカス
素晴らしい。これはDVDなどで繰り返し見るタイプの映画だと思う。1回だけだと、なんだこりゃ?って感じでこの作品の魅力をすくい取れないまま終わってしまうかもしれない。ヒット作の次ということで、難しい部分もあったかもしれないし、原作が短編漫画ということで、全体を貫く大きなストーリー展開というものに欠けている点で、大衆的な評価が得にくい部分もあったかも知れない。けれど、この作品を貫く中江氏の沖縄への熱ーい思いが、詩情豊かに、美しい絵として、繰り返し見返すたびに伝わってきた。登場人物のキャラも、前作以上にぴんぴんに立っていて素晴らしいし。特に、美恵子ととうちゃんの演技は特筆モノで、とりわけ照屋政雄は良かった。前作のセイグァは(今作もだが・・・)、演技というより巧まざる天然の味わいで見せてくれたけれど、照屋氏は役者として役を演じ切り、全体を引き締めている。ウチナンチュはどう見るのか知らないけど、ヤマトンチュの俺としては、沖縄のここが好きってところをふんだんに見せてもらって、ますます沖縄病が高じてしまいそうである。マブイグミって、ああやるんだとか、お盆の習俗とか、知的好奇心も満足させられた。沖縄に関心のある向きは、必見。
8点(2004-04-29 22:29:12)
3.  ナビィの恋 《ネタバレ》 
DVD買ってみました。編集上のキズ(多分・・)と思えるおかしな間が散見されたり、監督が「ヨーイ、スタート」って声を掛けて、カメラが回って、止まっていた役者が演技を始めましたって、いかにもそう見えてしまう感じの所があったりで、編集でもっと詰められなかったのかなあと思える部分が完成度の低さを感じさせてしまうところもあるけど、これが「テーゲー」ってやつなのさ、って許せてしまうくらい好きな映画です。嘉手苅さん(本家)のところへナナコとナビイとオジイが挨拶に行くと、嘉手苅親子と大城さんが玄関で三人揃って三線弾きながらお出迎え、このシーンが大好きです。何度見ても笑ってしまいます。嘉手苅さんが歌い、それをセー小(ぐわ)が泡盛飲みながら聴いている、凄いシーンを撮ってくれたなって思います。永久保存版ですね。でもナナコがどうしてフクタロウじゃなかったフクノスケに惚れたのかが、明確に伝わってこなかった点は、ドラマとしてはマイナスでしたね。 ケンジーはお下劣でデリカシーがないけど、フクノスケはイケメンでチョット控えめ、どっち取るかって言われたらそりゃフクノスケだろうけどね。だからオバアを見送った後のナナコとフクノスケの抱擁も底の浅いものに見えてしまいました。残念。
7点(2003-12-28 19:12:10)
4.  突入せよ! あさま山荘事件
テレビ放映で無料で見ておいて、こう言うのもなんですが、後味の悪い映画でした。主人公の佐々以外はみんなアホ、という平面的な描き方が、群像劇を平板にしてしまっていたからだと思う。ともかく見ている最中、原作者の自慢げな顔が役所氏の向こう側にちらついて仕方がなかった。トンデモ自分ヨイショ本を取り上げたこともどうかと思うが、さらにスタッフがどう読んだのかが問われる。危機管理を問うているのかも知れないが、たしかに俺以外はみんなアホだと思っている指揮官じゃ、危ない。
3点(2003-12-28 18:41:35)
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