1. 千年の恋 ひかる源氏物語
この映画のなにがダメって、全部ダメ。風俗描写(衣装、建物、内装、入浴、出産、婚姻等々)は嘘だらけだし、ストーリーは源氏物語からも紫式部日記からも逸脱している。映画を見た時は、私と友人(大学で平安朝の文化史を専攻した私と、大学院で源氏物語を研究する友人が2人連れで映画館に行った)が、なまじっか平安朝の研究をしていたために、専門知識が邪魔をして、この映画の面白さを理解できなかっただけなのかと悩んだが、皆さんの評価を見ると「やはりこれは駄作であった!」と決めつけて良さそうで、いやぁ安心した。天海祐希さんの所作はさすがに美しく、その点だけでも評価したいのだが、その他の内容がひどすぎて、どう頑張っても1点も出せません。 0点(2004-02-25 22:53:31)(笑:2票) |
2. 陰陽師
同じ平安朝を描いた作品「千年の恋―ひかる源氏物語」の千倍良かった。野村萬斎さんの演技は最高だった。それだけで5点です。欲を言えば、もっと原作の持つ"おどろおどろ"した雰囲気が出ていればなぁ。 5点(2004-02-25 22:11:21) |
3. 愛を乞うひと
近年の日本映画の佳作。暴力的なシーンに弱い私には辛かったが、見終わった後、無理やり映画館に引っ張っていってくれた友人に感謝した。原田美枝子の2役には、最後の最後までちぃぃぃっとも気がつかなかった(^_^;映画を見た後、慌てて原作を読んだが、珍しく「これは映画のほうが良く出来ていたかも…」と思ったことだった。原作では、母ちゃんが父ちゃんを愛していたという設定が希薄なのだが、それじゃあんまり母ちゃんが救われないと思うので。 8点(2004-02-25 21:54:40) |
4. 風の谷のナウシカ
生まれて初めて何かにハマったのがこの映画(原作含む)。子供の少ない小遣いをはたいて原作漫画を買い、サントラ盤を買い、イメージアルバムを買い、映画の音声が収録されたレコード盤を買い(信じられないことに、当時そういうものがあった。更に信じられないことに、当時我が家にはビデオが無かった)、絵コンテ集を買い、イラスト集を買い、1年間くらいナウシカ漬けになっていた。これだけ好きだったわりには、私はナウシカは大して好きではなく、クシャナの大ファンだった。ヒロインに感情移入できなくてもこれだけハマれるとは、なんとも奥が深い映画だ。 10点(2004-02-25 21:38:31) |
5. ラスト サムライ
風俗考証がなってないとか、史実と違うとか、細かいところは「これは日本で製作された映画ではない。ハリウッド映画だ」ということで潔く諦める。が、それにしてもこの映画はちょっと…。片一方がサムライで、片一方が官賊というのはストーリー製作上のご都合主義でしかないし、そんな勧善懲悪でサムライを語られても説得力がない。サムライとサムライのぶつかり合い、これならば映画化する価値があったと思う。明治政府の中心人物にもスポットを当て、そのサムライ魂を描いていたら、もう少し点数高くできたのだが…。もちろん、政府高官になるにしたがって卑属に落ち、自分の権力を守ることに汲々とした人物はいた。だが、新国家建設に燃えていた明治初期、官側にもサムライ魂を持った人々がいた事実を忘れてはならない。また、当時の歴史背景に目を向ければ、日本政府は列強の食い物にされぬよう、富国強兵策に必死だった。もし内戦続きだったら、日本はそれこそアメリカあたりの植民地になっていたかもしれず、それを無視した勝元は狂信的な国粋主義者にしか見えない。民間人による近代的な軍隊の創設を目指した日本政府が、武士階級にのみ与えられる特権(武器を持たせる)を認められなかったのもムリはなかったのでは?勝元は、武士の力だけで列強諸国から日本を守りとおせると思ったのだろうか?更に、官軍側悪役の名前が「大村」という名前だった。大村といえば私は素直に大村益次郎を連想するし、映画の大村の人物設定は明らかに大村益次郎を意識している。大村益次郎は、日本の軍隊に近代化に貢献し、狂信的な国粋主義者達に暗殺されてしまう人物であるが、戊辰戦争のとき、江戸の町が戦禍に巻き込まれないように充分に気を遣って作戦を練ったというほどの知略の人。映画の大村とは似ても似つかない。架空の物語だと言うのであれば、特定の人物を連想させる名前は使わないで欲しかった。ストーリーは悪かったが、渡辺謙の演技はホントに良かった。セリフは少ないけど存在感たっぷりの真田広之も良かった。小雪も(役の設定に問題はあったが)良かった。トム・クルーズも頑張っていた。というわけで、役者さん達の熱演にこの点数。 5点(2004-02-24 00:30:56)(良:3票) |
6. 八甲田山
春の八甲田山のフラッシュバック、子供の頃のあり得ない回想シーン、雪山の仮死体安置所なのに加賀まりこがきちんと喪服を着ている点など、今見ると70年代日本映画の演出過剰が鼻につくが、雪山の映像は迫力満点。真夏に見ると体感温度が3度は下がる。真冬には見てはいけない。 5点(2004-02-23 21:56:20) |
7. 突入せよ! あさま山荘事件
原作を先に読んでおり、警察官僚の視点からしか語られないのは解っていたので、まぁこんなものかな?という予想の範囲内の出来だった。やっぱあさま山荘事件はドキュメントとして読むなり、見るなりしないと辛いのかもしれない。映画として致命的なのは、セリフが聞き取りづらいこと。DVDの字幕を見てやっとなにを言っているのか解ったシーンが多数あった。 3点(2004-02-23 21:06:38) |