タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
口コミ数 1701
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。
※2024.2.28ニックネーム変更「ぽこた(ぺいぺい)」→「タコ太(ぺいぺい)」

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1.  いずれあなたが知る話 ネタバレ 
一見、娘だけが生き甲斐で必死に暮らしているように見える母親。その実、娘のために疲れた体に鞭打って働き続ける暮らしには辟易している。そこに現れた見ず知らずの老女二人。娘に関わろうとする二人が鼻持ちならない。けれども、よく考えてみればあの二人に預けてしまえば娘は自分と居るより幸せに違いない。そっと覗き見ると娘は幸せそうだ。訳アリ風な老女たちも幸せそうだ。自分だって幸せだ。これでいいんじゃない?  追い詰められたシングルマザー。料金が支払えず電気を止められてしまうほどの生活困窮。ついには風俗で働くことに。夫が居た頃、それはそれで心理的DVで自分が何者か判らないような暮らしだった。一体私は何者なのか?そして突然訪れた救いの手。老女が娘を救ってくれる。そして、娘のいなくなったアパートは自分だけの空間。ろくに出来なかった掃除だって楽しい家事。風俗も指名してもらえるようになった。これで今までの暮らしからは脱出出来たんだ。  でも、世の中甘くはないですね。騙されてAVの道へ。アパートの隣人はいつの間にやら自分のストーカー。今や楽しみは老女と暮らす愛娘の幸せな姿を覗き見ることだけ。  しかし伏兵ストーカーも追い詰められていた。仕事をする気も起きず、実家に帰ることも出来ず、自分だって幸せな家族の暮らしをしたいのに恋しい靖子は彼女を食い物にする男に奪われ、可愛い綾ちゃんは老女に奪われ。そして決断してしまう。  オープニングに現実の出来事とは関係ないとのメッセージが表示されますが、娘の奪還シーンはともかく他は如何にもありそうなお話。都会の片隅に生きる追い詰められた孤独な人間のお話。幸せになりたいのに追えば追う程幸せは逃げて行ってしまう。決して奇抜な展開はないものの、それがかえって物語に引き込んでくれます。  ただ、ラストはどうなんでしょう?娘を取り戻すこと自体は実行犯も含めて概ね予想通りだったのですが、ちょっともみ合ってあっけなくお亡くなりとは…。そこの演出ってどうにかならないもんだったか?カメラアングルとか時折「お!」と思わせてくれるカットはあったのですが、ラストの頓死的な死に様はどうにも安直に思えて只管残念でした。最後の最後に興覚めしてしまった。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-05-14 00:32:35)★《新規》★
2.  夢の丘 ネタバレ 
丘に潜む魔物を描くのかと思いきや、実は人間の本性というか魔性というか恐ろしさを描いている作品かなと。  かなり短い尺ながら全編を覆う不穏な空気は、画面そのものは決して暗過ぎず(雨の降る曇天ではあるものの時間帯は昼間)、窓の外の墓地も決しておどろおどろしく描かれてなどいない中、かえって重苦しいものになっていますね。  毒殺の理由は想像するしかないし、それに繋がるのであろう夫婦関係、夫と義姉の関係も想像するしかない。本来、丘のエピソードと並行して主軸であるべき毒殺エピソードがイマイチ薄い。だからこその煙に巻かれた印象。  テーマそのものを追うよりも、この短い尺の中で醸し出されている恐さを楽しむべき作品かな?と思えました。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-05-10 13:54:30)《新規》
3.  怪獣ヤロウ! ネタバレ 
怪獣映画愛、特撮映画愛に溢れた作品ですね。個人的にはピンポイントでハマりました。  冒頭から思いっきりベタな雰囲気ですし、主人公にしても市長にしても主なキャラ設定も思いっきりベタ。それでも惹かれたのは思いのほか丁寧な作り故か。観始めて少しの間は頓挫しかけたりもしましたが、少しずつ惹き込まれていきました。  ズラリと並んだ特撮小道具大道具。ノスタルジックな気分に浸らせてくれました。押し入れから引っ張り出した中学校時代のVHSのラベルが浮いているところなんかアルアルでイイ感じ。微に入り細に入りコダワリを感じますね。  着ぐるみがダメになって秘書と主人公が生身で怪獣を演じるなんて唖然です。特に主人公演じる怪獣はイイですね~。正直なところ芸人としてのぐんぴぃさんは全く知りませんでした。が、本作のキャラにはピシッとハマって実にいい味出してますね。  クライマックスあたりでは不覚にも感動さえしてしまった作品。かなり贔屓目の評価です。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-10 13:38:37)《新規》
4.  スイート・マイホーム ネタバレ 
原作未読。原作は名のある賞を受賞した作品。映画化にあたっては、かなりの味付けを施したのでしょう。  そう、言い方を変えればかなりの部分で粗が目立つと言うかツッコミし放題と言うかの作品ですね。ホラーだホラーだとミスリードしておいて、結局はホラーじゃなくて人間の狂気をベースにしたサスペンス。敢えてベースとしたのはテーマ性は弱いかな?と感じたからです。  少なくとも本作を観る限り、主人公のトラウマになっている実家における過去の出来事と、おそらくはそれに起因する兄の現状は、主人公のマイホームに纏わるストーカー的事件とは関係なく思えるから。兄が何かに怯えているからといって、主人公の家にまで類が及んでいる訳じゃ全然ないでしょう。あるとすれば、あくまでも主人公の内なる世界のお話じゃないかと。でも、だったら一連の犯人は主人公でした、みたいな展開があっても良さそうだし。  子どもの頃、弟を庇い父親に虐待を受け続けていた兄。見かねて父を殺してしまった弟。同じく夫に苦しんでいた母親は、子どもたち(自分自身も?)を守るべく遺体を処理して犯行を隠してしまった。弟の凶行と母親の隠蔽行為は兄にとってあまりに重過ぎた。だから、得体の知れない脅威を想像し引き籠ってしまった。  主人公はあまりの心理的ショックに自らの行った行為の記憶を封印してしまう。閉所で錯乱するのは封じた記憶が解き放たれるのを妨げるためでは?百歩譲れば不倫行為もその延長上にあるのかも。十分に幸せなのに更なる幸せを欲張ってしまったとか?  いずれにせよ、幸せの絶頂から奈落へと突き落とされたことで狂気に陥ってしまった設計士(原作では更に別エピソードもあるようですね)の犯行は、部分的・間接的には主人公の不貞行為に起因するものかも知れませんが、あくまでも彼女の世界を守らんがための凶行に思えてならないです。同僚殺しも主人公の元愛人の自殺も主人公の兄殺しも。とりわけ兄はある意味純粋な被害者。とばっちりに近いのでは?  全編を覆う不穏な空気感。登場人物の謎めいた雰囲気。途中でそこそこ見えてしまうにしても、適度に意外性を伴う真犯人とその人物像等々、惹き付けられる部分は少なからずあります。しかし、総じて見れば今一つ纏まりに欠けるように思えてしまうところ。数多ある「?」とか「んな訳ないだろ!」的ツッコミどころをもう少し丁寧に描きつつ、実家の事件と現在の事件の整合性を見せていただければ、もっともっと楽しめたかも知れません。エンディングも残酷さ・理不尽さに走ってしまった感があり、かなり残念な作品。赤ちゃん受難エピソードが胸糞だったことはかなりの減点要素です。甘めの4点を献上します。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-05-05 00:09:21)
5.  教誨師 ネタバレ 
人の生と死。自然な生と死もあれば、社会が生み出すある意味不自然な生と死もあります。その具体が悪としての殺人であり、その結果として行われる正義としての死刑でしょう。  基本的に本作のテーマは「命」なのだと思います。死刑制度の是非に触れる部分もあるので、それもまたテーマに含まれるのでしょう。家畜とイルカの命について触れる部分では、社会制度としての死刑と人間が食料を得るために行う屠殺との対比にも触れています。ただ、作り手は明確な考え方を示してはいないように思えました。これは作品全体で終始一貫しているように思えます。  テーマに限らず、死刑囚一人ひとりは勿論のこと、教誨師も含めた登場人物に関するエピソードは断片的にしか示されません。あとは観る者が想像するだけ。この作り方が作品世界に感情移入し没入するにあたって大変有効だったと思います。勿論、出演者の優れた演技によるところも大きいとは思いますが、冒頭から完全に惹き込まれました。  実際の事件を連想させる死刑囚も登場するし、その一人には死刑が執行されます。これは相当な批判を受けることを覚悟で製作されたのでは?と作り手の本作品製作にあたっての強い意志を感じました。  ちなみに、誰に死刑が執行されるのか?という場面でのミスリード的演出、サイコなストーカーが見る被害者の幻影、教誨師の見る兄の幻影と突然倒れる卓上カレンダー等、淡々と語られる物語にエンタメ性も添えているところには好感が持てました。  ラストのグラビアの紙片に拙い文字で書き綴られた聖書の一節。心を打たれ、長く余韻に浸れる結末でした。  公式サイトにある「大杉漣、最初のプロデュース作にして最後の主演作」という言葉は感慨深いところです。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-03 11:33:50)
6.  架空OL日記 ネタバレ 
何とも居心地の良い作品。連作コントを観ているような小気味良さ。大笑いする場面はそれほど多くはないのだけれど、気付けばニヤニヤ笑い顔で観てしまっている。納得させられている自分がそこに居る感じ。流石のセンスです。  この手のホンワカした雰囲気で纏め上げた作品でも、大抵の場合(特に劇場版製作にあたって)は何かしら大きなアクシデント的なものが盛り込まれていてそこがクライマックスになっているものですが、本作の場合はそれがない。強いてあげればラストのウェディングシーンがクライマックスですが、それさえもサラリとしていて二人の「私」の出逢いのためのキッカケに過ぎないといった感じですね。エンドロールの使い方も好感。  果たして、クライマックスにおける偶発的な?出逢いは夢オチと理解するべきなのでしょうか?それともマルチバース的概念として理解すべきでしょうか?個人的には後者かなぁ。「私」が夢を見ていたとするには、イマイチ物語上の必然性に欠けているような気がしたりもします。  と言っても、まぁそんなことはあまり気にしない方が良さそうですね。散りばめられた一つひとつのエピソード。そこに込められた人間味のある空気間がたまらなく心地良い。コントを始めとする他のバカリズム作品とも共通する面白さ(興味深さ)をじっくり楽しむのが正解だと思います。あぁ面白かった。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-05-01 23:57:08)
7.  新幹線大爆破(2025) ネタバレ 
元ネタ(「原作」ってなってるけどこの場合「原作」と言うのかなぁ?)は大昔に観たっきりなのでディテールはほぼ覚えていません。が、当時的にはかなり興奮して鑑賞した記憶があります。洋画でも名作・大作パニックorデザスター作品が目白押しだった70年代。邦画も負けていないぞ!という感銘を受けた記憶があります。  そして本作。ツカミは良いですね。JRさんの協力を得ているだけあって臨場感が素晴らしい。VFXも見事です。キャスティングも良いのでは?リブ-ト作とされていますが、シリーズ化向きではないにせよ普通に続編ですね。  ただ、その続編的な作りが皮肉にもアダになっている気がしないでもなし。なにしろ物語の根幹をなす部分が、直接的及び間接的に過去作のエピソードに起因するリベンジもの的に仕立てている訳ですから。  リベンジを図った爆弾犯が父親によって女子高生の悲しくも歪められた感情を利用して事件を画策したというのはどうなんでしょうか?現実的に出来るものだろうか?しかも、女子高生は以前の事件後随分経ってから生まれていて何か時系列に不自然だったりもして。爆弾犯よりちょっと年下ぐらいの方が自然でしたね。あ、それだと上手く騙さないか?まぁそれは兎も角として、いずれにしても犯行動機や犯行手段がかなり無理筋の力技感があります。この時点で、正直かなり興覚めしてしまいました。  パニック大作は、かなりの部分で非現実的なのが常道ではあります。なので、本作についても微に入り細に入り「ここが変だ」「ここがおかしい」とか言うのは野暮だとは思います。兎に角スリリングで面白ければ良い!という考え方もありだと思いますし自分でもそう思います。けれども、動機とか手段とかもう少し現実的に仕立てていただいていれば、感情移入も出来ただろうし終演時には感動も出来ただろうと思うのです。  と言う訳で、面白いには面白い、けれどイマイチ素直に楽しめなかったので6点献上に留めます。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-30 12:21:50)(良:1票)
8.  ナニカの断片 ネタバレ 
「サングラス」「炊飯器」「カゼルがパインツ」の3編からなるショートムービー。そうじゃなくても8分弱の短い尺なのに更にそこに3話とは。  各エピソードの印象としては殆どショートコント。シュールと言うか不条理と言うかナンセンスと言うか、大笑いするようなネタではなくクスっとさせるネタの連続。3つ目が一番気に入ったかな?一番コント的ですが。着想は面白いと思います。  日常見逃してしまっているものの、注意深く見ていると結構アルアルな対象をそこそこデフォルメして表現している感じですね。この3話に共通している具体的なナニカがあるわけではないように思えます。てか、ないと言って良いと思います。抽象的というか概念的と言うか漠然としたナニカが共通している。じゃ、そのナニカって何?と聞かれてもそもそも共通項がないのだから答えられない。ナニカというのは、そんなモヤっとした存在であって決して生きて行く上で具体的に必要なもんじゃないような。  3つのエピソードが多いのか少ないのか?多いわけはないですね。じゃ、少ないのかどうか。もう少しあっても良かったかな?という感じです。ただ、増やせば増やすほどに更に焦点がボヤけて行ってしまうかも。そのあたりに疑問が残ると言うか、課題があると言うか、現状では未完の作品?と言った印象の残る1本でした。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-04-29 13:39:34)
9.  市子 ネタバレ 
重い空気に包まれたヒューマンドラマ(ラブストーリー)。無戸籍であることは社会においては存在しないに等しくなってしまいかねない。限られた条件で生きる中で、本当の幸せに辿り着くことは出来ないのか?  いろいろと考えさせられる作品でした。少なくとも出生の時点では母親に最大の原因と言うか責任があったでしょう。きちんと法に則って、DV夫と対峙する強い決意を持ってあらゆる社会資源を活用して対応すれば、市子に無用な重荷を背負わせなくても済んだかもしれない。勿論、それは殆ど机上の空論で実際には難しいでしょうけれど。  子どもだった市子には主体的に困難を乗り越えることは無理だったことは間違いないでしょう。大人たちの中で流れに身を任せて生きざるを得なかった。悲し過ぎます。殆ど意味も解らず月子としても生きること。それは成長するにつれ想像を絶する苦悩を呼び起こしたに違いありません。そして、自我も確立し周囲の流れに逆らえる力が付き始めた時、月子の命を奪うという歪んだ決断をしてしまう。しかも母親はそこに迎合してしまう。ここでも母親の自分ありきの論理が市子の進むべき道を閉ざしてしまった。  家庭が無いに等しい市子は恋人に拠り所を求めようともするけれど自ら崩れて行ってしまう。更には、状況は全く異なってはいるものの再び人の命に手をかけてしまう。そして、幾度もの挫折や失望の末にやっと辿り着いた長谷川という安住の地。その3年間は、いつ失ってしまうか分からないという不安を伴いつつも人生最上の日々だったことでしょう。しかし、幸福の絶頂は即ち最悪の失望となってしまう。  もはやここまでという決意だったのか、ネット上で見つけた自殺願望の女性を呼び寄せた市子。果たして自らの死を選んだのか?それともリセットの手段として利用したのか?長谷川の愛は及ばなかったことは確か。  ひとりの人間の​アイデンティティとは何?社会のルールのおける存在意義と、本質的・普遍的な意味での存在意義。それらを対比しつつ人の生き方を問うようなテーマ性を感じた佳作でした。  ただ、本作の基本テーマのスタート地点と言える市子の幼少期から高校時代までの設定が少々雑なのは何とかならなかったものか?決してダークファンタジーでもエンタメ色の強いスリラーでもない作品と思えますので、市子が月子になりすまして就学するというトンデモ設定はいただけなかった。月子が公的支援を受けているのが決定的。100%なりすまし不可能です。ここは現実的な設定を工夫して欲しかったところです。  それと、ラストにオープニングのカットを繰り返したことはどうでしょう?冒頭見ていて何故市子がびしょ濡れなのか判りませんでした。でも、クルマが岸壁から落ちて2人死亡というニュースで観客は判るはず。物語の余韻を残すためのリピートなのか?でも少々説明的になり過ぎているように思え残念でした。  そんな不満は抱きつつも、硬派で重厚な人間ドラマとして見ごたえのある1本ではありました。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-25 11:06:31)
10.  電エースQ(OV) ネタバレ 
怪獣映画愛、特撮映画愛、昭和レトロ愛に溢れた作品ですね。それ以上でもそれ以下でもない。だから、ストーリーがどうだとか、演技がどうだとかを言ってしまうと無粋になってしまうかなと。  とは言え、ストーリーといい出演者といい相当微妙な作品であることは言わざるを得ないところです。好きな人は徹底的に好きかも。一方、嫌いな人や興味のない人は触れない方が良い世界ですね。嫌いな人や興味のない人は、多分電エースQの変身場面で耐えられなくなってしまうでしょう。  かく言う私は、歌手としてのタブレット純さんのファンとして観賞しました。変身シーンは流石に引きかけてしまいましたが、彼のMVだと思えば問題なし。そう、何らかの割り切りなしには相当厳しい鑑賞ハードルです。河崎監督作品やタブレット純さんの歌に興味のない人は、この結界を破るのは難しいことでしょう。コアなファンのみに贈られたものであろう作品でした。
[インターネット(邦画)] 3点(2025-04-24 17:45:51)
11.  MASK ネタバレ 
なんだか恐い。ホラーってわけじゃないのに恐い。ヤリ口が陰湿だなぁ。  ファミレスとかファストフード店のアルバイトが気に入らない客のオーダーに悪さする、みたいな話は真偽は別として昔からあるけれど、コロナ禍のタイミングでコレって恐いなぁ。  人間の浅ましさは日常の誰にでも手を出せる手段でいとも簡単に表出するということが、かなり現実味を持って表現されている作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-24 17:34:04)
12.  ランチボックス ネタバレ 
ほのぼのとしたラブストーリー。  がんちゃんはハルが届けてくれる弁当が本当は大好きだし朝食抜きの生活にとってなくてはならないもの。でも、仕事が見つからない中で自分のために毎日弁当を作っては届けてくれる彼女に対して、もっと彼女自身のために時間を大切にして欲しいという気持ちもある。だから、つい「もう弁当はいらない」などと言ってしまう。言ってしまって後悔している始末。  ハルはがんちゃんに「もう弁当はいらない」と言われちょっと悲しくなる。けれども、がんちゃんが自分のことを大切に思っているからこその言葉というのも解る。翌日の弁当は白飯おにぎり2個という意地悪をしつつ、直接届けることには気が引けてしまい彼の後輩に託してしまう始末。  一念発起したのかハードルを下げたのかハルは翌日すぐに仕事を見つける。がんちゃんの気持ちにすぐに応えたかった。そして、見つけた仕事は弁当作り。彼女の意地が見え隠れする。それに対して、がんちゃんはもう自分に弁当は届かないと解りつつも彼女の就職を祝う。そして翌日からは後輩同様にランチはコンビニで買う生活に。  弁当を食べながらの後輩との会話、コンビニのおにぎりを食べながらのがんちゃんとハルの会話、ちょっと気まずくなった前と後での二人の寝起き、そしてラストの後輩とのやりとり。細かな演出に二人の心の機微が映し出されていて、観終わってほっこりとした気分になれる作品でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-04-21 00:32:00)
13.  樹の海 ネタバレ 
富士の樹海を舞台にして、自殺を物語の中心に据えていることから、終始重苦しい空気の中で語られていくのかなと思いきや、各エピソードの入り口には破滅や絶望があるものの、登場人物たちの心情が解きほぐされていくうちに希望の光が見えてくるような構成と展開。感涙に咽ぶという作品と言うよりも、後からじんわりと温められて行くような感覚でした。  死と生を対極的に描くことなく、ひとりの人間が常に併せ持つものとして寧ろ一体的にと言うか、当たり前に描かれているように感じられ、それは数多ある死、とりわけ自殺をテーマにした作品の中でも新鮮な感動を覚えるものでした。  どの登場人物(死んでしまった者、生き残った者、直接・間接に関わった者)にも、それぞれの境遇や立ち位置から生と死についての気付きが描かれていて、正直なところ個人的に感情移入することは難しいのですが、現実問題として捉えるに大いに感慨深いものがありました。  強いて言わせていただくならば、冒頭のバスのシーンや黄色いビラ等、ひとつ間違えば無理筋になりかねないような人生の交差点的設定は無くても成立したような。各エピソードを演出的に交錯させるまでもなく、観る者の心の中で織り交ぜて考えさせてくれる作品でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-04-19 10:50:19)
14.  Love Will Tear Us Apart(2023) ネタバレ 
予備知識がなかったので、冒頭のDVや激しいイジメから察するに、いじめられっ子が豹変していじめっ子への復讐に走り、更には自分に優しくしてくれた女の子を苦しめる暴力父をも成敗する、みたいな展開を予想していたら、いきなり推しバンドと女子高生とのツアーという展開。  だいたいからして、バンドメンバーと未成年の女の子のプライベートキャンプという設定には大いに引いてしまいましたが、当然の如くバンドメンバーの頭上には死亡フラグが林立し、お約束通りに血祭りにあげられていきます。更に、それに飽き足らず惨劇は続く訳ですが、その段階で真犯人は推測可能になりますね。  ただし、途中参加の遺族かつ刑事の逆恨みというのが無理やり感はあるもののドンデン返しとして用意されてます。このエピソードがないとかなり平板なストーリーだったかも。  グロシーンはそこそこありあますが、(あえて?それとも予算的に?)チープな、と言うか見ようによってコミカルな演出なので、キモさやグロさは殆ど感じないです。(あくまでも個人の感覚です)  「歪んだ愛」「究極の愛」がテーマなのでしょうか?いじめられっ子の思いは「愛」と言えば「愛」なのかも知れません。が、偏執的になればなるほど当然の如く「愛」も変質してしまう訳で、愛される方が愛する方に同期してしまったエンディングは、歪んだハッピーエンドとも言えるのかと。ただ、現実的に考えれば、彼は出血多量で死亡、彼女は途方に暮れて逮捕されるというバッドエンドでしょう。  大上段に構えているかの如きタイトルに「?」となりつつ、ヒロインの心の内側(小学校以来、しかも最悪の状況での再会にも関わらずいじめられっ子に同期していく心情)をもう少し丁寧に描いてくれればな、という残念さも感じての評価です。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-04-19 10:12:19)
15.  隙魔(OV) ネタバレ 
ありがちな都市伝説にひと工夫加えた物語。幽霊の正体見たら自分でした、という「実は死んでました系」の作りかな?と思えなくもないのですが、実際にヒロインは日々生活しているように見えるところから、ヒロインは幽霊というよりも死後の世界で追体験しているという理解も成り立つのかなと。  B級ホラーと言ってしまえば確かにそうなのかもしれませんが、要所要所が大きく破綻しているような雑さは感じられず、いろいろと考えを巡らせる楽しさもありました。長編ではなくショートフィルムで纏めてくれればもう少し高評価かな?と思われるちょっと惜しい作品ですね。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-04-19 09:57:36)
16.  侍タイムスリッパー ネタバレ 
ひさびさに笑って泣ける邦画で魅せてもらいました。  タイムスリップから始まるライトなコメディ。宿敵の登場あたりから深まって行く落涙のヒューマンドラマ。小ネタ大ネタが全編に散りばめられていてバランスが素晴らしい。  思えばタイムスリップそのものはツカミと言うか作品世界への入り口と言うか、勿論ストーリーそのものにとってなくてはならない位置付けではあるものの、それ自体は実は本作を左右するような存在ではないように思えます。それ故、詳細な物理の法則やら理論やらを持ち出して説明する必要もないし、観ている方だって同時に時空の狭間に転落した3人が別の時代に飛ばされて尚且つ同じ時間軸の上に乗っているなんてことはスルーして良いのですね。これはこういうもの。シチュエーションを楽しめばよいのです。  そして、物語の本筋としては、武士道をひとつの例として時代や社会の変遷とそこに生きる人間の在り方と生き様を描いたドラマ。武士の心を持って生きることの生き辛さ、武士の心を持たない者の目に映る武士の生き様、留まることなく残酷にも流れ続ける時間。観終わってから、余韻に浸りつつも遠い時代と今の時代を考えさせられる作品でした。  そして忘れてならない全編を包み込む溢れんばかりの映画愛。随分と欲張りましたね。でも、全然嫌味じゃないし、それどころかだからこその好印象です。繰り返し観たくなる1本でした。
[インターネット(邦画)] 9点(2025-04-18 00:17:19)(良:1票)
17.  それも恋 ネタバレ 
製作後10年近く経てから鑑賞したこともあり、些か時代背景は変化してはいるものの、ここに語られるある種の「恋」は永遠普遍のモノと言えないこともないかと。それが証拠に、エンディングに登場する類の事件は後を絶たない訳で、積み上げられた条件がカチッと嵌まってしまうと逃れられない心情になり得るのでしょう。勿論全く肯定はしませんが。  本作の場合は、本人の責任が全くないことはないまでも、良恵の置かれた境遇は日々彼女を追い立て続け、いつの間にやら素直に自分らしく生きる術を見失ってしまった訳ですね。それが最愛の母の死、それもジワリジワリと迫って来た末の死、という衝撃が引き金となって一気にタガが外れてしまったということでしょう。そして、外れること自体は彼女にとって即ち悪ということでもないのに、偶さかそこに中国人青年がいたものだからあらぬ方向になびいてしまった。それは不幸です。彼女だって気付いていただろうに抗えなかった。  中国人青年の方も、細かな背景が説明されていないので俄かに批判は出来ないものの、止むに止まれぬ事情で追い詰められた上で結果的に最近で言うところのロマンス詐欺、昔ながらの結婚詐欺を働いてしまった。  良恵が一方的に中国人青年に騙された訳でもなく、勿論中国人青年が良恵にイイ様に扱われた訳でもない。自然にどちらからということもなく惹かれて行ったと言って良い様に思えます。これ即ち「恋」なのでしょう。殺したいほどの「恋」が芽生えてしまったのですね。  姉に言い寄った男が偶然にも妹の裏バイトの客だったなどという狭すぎる世界には少々引いてしまいましたが、どうにも地味で魅力のない良恵が、「恋」によって彼の前では可愛らしく変化していく様は非常に丁寧に描かれていて好感が持てました。オチは決して意表を突くようなものではありませんが、寧ろ決して珍しくないオチによって鑑賞後の印象は深まったように思えました。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-15 16:24:08)(良:1票)
18.  わたしのゆくえ ネタバレ 
どう考えても探偵業を生き甲斐にはしていない様子のヒロイン。調査対象のチャラ男は地味な彼女とはまるで接点がなさそうだけれど、どうやら既知の間柄のよう。彼女の前職は塾の講師のようですね。さしずめ彼は教え子か?  個人的に尾行して偶然の出会いを演出してまでしてチャラ男と接触しようとする彼女。それはシンプルに温めていた好意によるものなのか?それとも偶然調査対象になった知人への警告なのか?或いは、変化を求めるあまりの暴走なのか?結局彼女は話しかけて社交辞令的に飲みに誘う程度のアクションをするに留まり、再び日常に戻って行く。  タイトルは、将来の展望もなく日々を消費するだけの生活に疲れたひとりの人間が、人生の舵を切ろうとしたものの結局は元の進路に戻って行くという虚無感のようなものを表しているのでしょうか?  ショートフィルムならではの謎かけ的展開とエンディング。絶望とまではいかないまでも、ある意味現実路線と言うか、あまり明るい未来を彼女に感じることの出来ない物語でした。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-04-14 00:06:48)
19.  予定は未定 ネタバレ 
アラフォー女性の日常を切り取ったショートフィルムですが、今どきは結婚年齢も遅くなっているし未婚率も高まっているし、そもそも結婚していないことを言うだけでセクハラだし等々、描かれている日常にはそこそこ時代錯誤感があります。  ただ、それは作り手が逆手に取っている部分と言うか、敢えてそこを突くことで社会に対してのシニカルなスタンスを示している感じでしょうか。  ヒロインが日々受け続けているプレッシャー。過去の敗北を引きずり続けているうちに若さをうしないつつある現状。生きることに不器用なことは寧ろ魅力にもなり得るのに。  ラスト、疾走する彼女の口元に浮かぶ微笑みは、何かが吹っ切れた、何かが剥がれ落ちた証しであることを望みます。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-13 23:34:28)
20.  HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス ネタバレ 
ある意味正しき続編ですね。前作を全体的にキチンと拾い上げて踏襲しています。2作目の難しさってのはあると思いますが、見事パワーアップ、バージョンアップしていて、2作目だからこそ陥る失敗みたいなものは少ないんじゃないかと。  兎にも角にも主演の鈴木さんの鍛え抜かれた肉体、わざとらしいまでの朴訥とした演技、ムロさん、柳楽さん、安田さんなどなどの弾けた演技が、如何にも楽しんで制作した感を醸し出してる。コメディって作り手の楽しさが観客に伝わってこそコメディになると常々思っていますが、本作はまさにそんな感じの空気に満たされていて心地良い限り。強いてちょっとだけ残念だった点があるとすれば、終盤に少々流れが停滞したと言うかちょっと尺が長過ぎたのかも。  観る者を大いに選ぶ作品であることは間違いないです。前作同様、たまたま私はピンポイントでハマリました。なので前作同様の評価です。ここに描かれているのは清く正しく美しい正統派の変態。変態の類型にもいろいろあるとは思いますが、これぞ正しき変態。  次作もあるのでしょうか?「シティハンター」の鈴木さんも良かったですけれど、やはり変態仮面としての鈴木さんを是非今一度観てみたいところです。すっかり大人になった変態仮面の姿を。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-04-13 00:09:58)(良:2票)
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