1. 魍魎の匣
《ネタバレ》 映画と原作は別物と分かってはいても、これはダメ。ミステリとして最も大切な部分を切り捨ててしまった。 犯人が凶行に及んだ理由は実際に「あれ」を見たからであり、「あの文章」が創作でなく事実だと分かった時の驚きがこの物語のミステリとしての根幹をなすはず。 それを抜き取って犯人の表面的な犯行だけを再現しても、ただの異常者に成り下がってしまった。 脚本家は、ミステリの何たるかを理解していなかったのか。衝撃場面だけ見せればよしと思ったのか。 原作のミステリとしての完成度が高かっただけに、非常に悔やまれる。 [DVD(邦画)] 2点(2024-03-31 12:13:56) |
2. 機動警察パトレイバー
今から15年も前に、80年代に、すでにコンピュータ・ウィルスの脅威をテーマにこのような物語が描かれていた、というのが驚きです。当シリーズのキャラクターや設定を何も知らずに見ましたが、序盤から物語に引きずり込まれました。巨大ロボットのアクションを前面に出すのではなく、刑事たちの捜査や主人公たちの現場の緊迫感を、時に静かに、時ににぎやかに描き分けていき、最後はさわやかに終わる。実に素晴らしかった。 10点(2004-12-28 17:15:12) |
3. ドラえもん のび太と鉄人兵団
《ネタバレ》 皆で協力して困難に立ち向かうドラちゃん映画の共通のテーマと、各作品ごとの個別のテーマが、このシリーズの特徴ですよね。今回はしずかちゃんが主演の物語と言っても良いかな。永遠の別れでの号泣シーンが強く心に響きました。忘れられない映画になるでしょう。 10点(2004-08-22 18:37:27) |
4. 魔女の宅急便(1989)
さわやかな物語だなぁと思って見ていたのに、いよいよクライマックスという時に魔法の箒でドタバタ喜劇のようになってしまいました。そのほうが「わはは、箒が暴れてらぁ」と観客が喜ぶと思ったのでしょうか? 私には理解できませんでした。もっとスマートに物語を盛り上げて欲しかったです。 6点(2004-07-27 22:14:22) |
5. 天空の城ラピュタ
初めて見てから約20年、何度見直したか分かりません。世界に誇る名作だと思っています。いつまでも素直な心でこの作品を楽しみたい。 10点(2004-07-27 20:38:53) |
6. 病院坂の首縊りの家
いや~、びっくり。市川金田一ものは大好きで本作品以外は全て見ていたのですが、今回DVDが出たのをきっかけに5作品続けて見ました。それでびっくり、自分にとって一番の傑作でした。佐清(すけきよ)のような強烈な登場人物もなく、手毬唄や俳句の見立てもなく、映画としての見せ場が全然ない物語で、横溝氏得意の因縁話のみでぐいぐい話を引っ張ります。そして忘れ得ぬ人力車のラストシーン。音楽も泣かせます。また、桜田淳子さんの妖しく哀しい演技も素晴らしい! 序盤の登場シーンの美しさと妖しさには心からどきっとしました。初期3作が傑作なのに女王蜂の評価が随分落ちたので本作も今まで見ずにいたのですが、今日後悔しました。 10点(2004-07-25 21:58:03) |