1. シクロ
トラン・アン・ユン監督の作品は、『青いパパイヤの香り』『夏至』そして本作『シクロ』と、3つとも全て観ましたが、その映像美は素晴らしいの一言です。 特にその映像の持つ独特のみずみずしさは、唯一無二のものがあります。 監督はフランス・パリ在住のベトナム人というお人ですが、フランス的なセンスとアジアの美しさとが見事に融合した高いレベルの作品を撮る監督さんです。 特に本作『シクロ』と『夏至』は素晴らしい出来ですね。 監督の奥さんが3作とも出演しているんですが、いくつになっても美しい女優さんです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-29 01:26:17) |
2. 少年の君
《ネタバレ》 見ていて辛いシーンの連続だが、いじめの悲惨さを世に訴えるためには必要だったと思う。 いじめ撲滅という観点では良い映画になっている。 一方で、楽しめたかと言えばそうではない。 心が晴れる映画ではない。 今までのチョウ・ドンユイはかわいさで魅力を発揮していたが、本作では演技派としても女優の地位を確立した。 監督のデレク・ツァンもこれからの活躍がますます期待される。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-10-24 00:32:06) |
3. 秋菊の物語
《ネタバレ》 人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。 夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。 本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。 人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。 組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:01:54) |
4. 真心話
作品の冒頭でいきなり『恋する惑星』の映像が出てくる。 しかも『恋する惑星』の舞台になった重慶マンションが登場。 『恋する惑星』は大好きな作品なだけに、この引用は嬉しかった。 主人公の男は、金城武ほどのインパクトも貫禄もない。 単なる、香港の学生さんという面立ち。 対するヒロインの女性も、劇中で「美人」という設定になっていながら、ブサイクでないまでも、それほど強調するほどの美人とも思えず、やや不安がよぎる。 しかし、中盤以降から俄然面白くなり、不思議かな、この二人の男女に対しても最初に感じたほどのマイナスイメージは無くなっていった。 最後は色んな要素を組み合わせながら、卒なくまとめあげており、なかなか見事。 素直に楽しめるラブ・ストーリーだった。 『恋する惑星』同様、「猥雑な魅力を持つ香港の夜」を舞台にした本作は、“香港の夜が舞台”という、ただそれだけの理由で、とてもスタイリッシュ且つ倦怠な雰囲気を発散しまくっている。 これがどうにも大好きで、ベタなラブ・ストーリーであったとしても、十分楽しめてしまうのである。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-13 02:53:38) |
5. 少林寺武者房
ご都合主義的な剣アクション(どう考えても素手より強いハズだし、もっと深く切れるはず)や、勧善懲悪的なストーリーには、どうも馴染めなかった。 だが、それらはそもそも少林寺映画や西部劇などの根源的な問題点なので、本作で特別に指摘するつもりはない。 本作の最大の問題点は、伏線のまったくない強引なストーリー展開であろう。 特に最後は無理に終わらせすぎ。 衝撃のラストとも取れなくもないが、ちょっと無茶苦茶過ぎるかな。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-27 19:41:38) |
6. 少林寺三十六房
少林寺での修行が、その後の戦闘で実際に活かされる等、とても丁寧に作られている。 全体的に硬派な作りになっており、その辺も好感が持てる。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-17 20:51:52) |
7. 少林寺木人拳
これ、子供の頃にテレビでやっていて、ちょうど木人が出てくるシーンのところで、親から「夜更かししてないで早く寝なさい!」と言われ、最後まで観られず、次の日学校でこの映画の話題で盛り上がり、その話題についていけない哀しさを、今でもはっきりと記憶している。 そんなこんなで、大人になった今、満を持しての鑑賞! うーん、それほど面白くはなかったかな(笑)。 やっぱり、子供の時分に観たかった・・・ だけど、ジャッキーのオーソドックスなカンフーはかなりの迫力があった。 椅子などを使わずに、ひたすら素手でやりあうのが良い。 [DVD(字幕)] 5点(2010-08-15 15:50:03) |
8. 少林寺
小さい頃、あれほどまでにワクワクした少林寺映画の数々。 それが幼き頃の幻影だったと、気付かされた。 そんな悲しい瞬間。 少林寺映画は、基本的には強い男と単純なアクションに憧れる子供のための映画だったのだ。 それを目の当たりにした。 いや、された。 少林寺映画を無邪気に楽しんでいたあの時代は、過去のものとなったのだ・・・ という大げさなコメントを書くまでもなく、残念なレベルの本作。 ストーリーに深みもなければ、特別に面白くもない。 しかしながら、主人公のスピード感あふれる動きだけは素晴らしかった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-10-15 19:49:49) |
9. 上海グランド
アクション満載、スペクタル感ややあり、飽きさせない展開・・・ この手の映画は、ハリウッドに任せておけばいい。 アンディ・ラウの表面的なかっこよさも相変わらず好きになれない。 レスリー・チャン目当てで観たが、レスリーの繊細な魅力はいまいち発揮されていなかった。 ヒロインにも特別魅力を感じない。 いまだ『欲望の翼』のレスリーに勝るレスリーは観られずにいる。 憂いと色気の漂う彼の姿をこれからも探していきたい。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-07 01:12:25) |
10. 少林寺への道2
パート1に匹敵するチープな出来の少林寺映画。 しかもパート1と直接的にストーリーがつながっていないというオマケつき。 そして十八銅人との対決(修行)シーンは、更にショボくなり、スケールダウン。 これが石井輝男作品の様に、狙った面白さ、狙ったチープさなら良いのだが、普通にショボいので、フォローのしようがない。 少林寺映画の駄作! です(笑)。 [DVD(字幕)] 2点(2007-10-25 10:58:23) |
11. 少林寺への道
「十八銅人」とかタイトルにあったので、てっきり「少林寺三十六房」バリの傑作少林寺映画かと思ったら・・・ 見事、というより豪快に期待を裏切られました! 凄い駄作です! [DVD(字幕)] 2点(2007-10-25 10:55:32) |