1. 變臉~この櫂に手をそえて~
クーワーが可愛いというより、いじらしいのがとても良かった。女の子と分かっただけで捨てられてきた境遇が涙を誘う。女の子と分かっても、初めて人の優しさを教えてくれた変面王に忠義を尽くす姿が、芸を磨くことよりも惹きつけられた。映画とはいえ、冒頭から中国に悪いイメージを持ってしまったが、映画の主題は見ていくうちによく分かりました。血より濃い絆って、あるんだね。 [地上波(字幕)] 9点(2008-06-11 16:49:18) |
2. ザ・ミッション 非情の掟
すごいよ、すごいよこれ! たった81分間に裏社会の掟と男たちの友情が凝縮されてる! これは雰囲気に浸る映画なんだと思う。悪のボディガードであることもさながら、拳銃で人を始末するということがどういうことかを、一人、また一人殺すごとに、あぁ、そういうことなんだ、と伝わってくる。あの紙くずでのサッカー、北野武監督の映画の影響を受けてる印象はあるけど、言わんとすることは伝わってくる。あの無口で無愛想なフェイが、タクシーの中で何度も親分に弁解する練習をするシーン、5人の友情がどんな深い絆であるか伝わってくる。だからこそ、組織の中で生きることの掟の重さも冷酷なものであることを反芻する。こんな名作が埋もれていたなんて非常に驚き。 [DVD(吹替)] 9点(2006-08-02 20:47:50) |
3. インファナル・アフェア 終極無間
時間軸をずらした手法は、『パルプ・フィクション』などですでに有名です。でも、この映画の持つ、濃密な人物関係が、すでに前作で死んだ人物たちの登場を、時間を突然ずらすことで、各人の心理描写を上手く突いていると感服しました。思わず正座して観てしまいました。ホン・サムが組織の利益のために右腕のヤンを捨て駒に使うのを観て、(観ている僕らは1作目を知っているだけに)潜入捜査の中でこうして着々とサムの信頼を勝ち得ていくのだなぁ、と1作目がフラッシュ・バックする。観ているのは2時間の映画なのに、1作目と3作目を4時間分、同時に見ている錯覚に陥る。ラウの苦悩が時間を追うごとに、不眠症となって日増しに募らせていくという、立場は違えど、鏡で隣り合わせのヤンとラウの壮絶な生き様を魅せつけられました。『男たちの挽歌』以来のフィルムノワールに酔いしれました。3部作の結末としては合格点だと思います。最後に一言だけ。なぜこういう映画を現在の日本では作れないんでしょうか? [DVD(吹替)] 9点(2005-09-25 19:34:57) |
4. 香港国際警察/NEW POLICE STORY
《ネタバレ》 ここまで犯人に対して怒りと憎しみを覚え、しかし犯人を憐れむ映画も初めてでした。ド派手な銃撃と手に汗にぎるカンフーのバランスが上手く調和したアクションシーンの凄まじさは筆舌に尽くせないので、あえて省略します。あれこれ感想を書くよりも、実際に観てもらったほうが手っ取り早いです。むしろアクションよりも、過去の失敗から立ち直ろうとするチャン警部の苦悩がひしひし伝わってきて、人間ドラマとしての脚本の素晴らしさに惹き付けられました。警察官としてではなく、仲間を守れなかった後悔。新たなる悲劇。シウホンの叱咤がチャン警部を復活させていく。犯人グループの主犯格もまた…。”罪を憎んで人を憎まず”。この映画が警察官の映画であることを、最後の最後まで通してくれました。 [DVD(吹替)] 8点(2005-09-03 11:15:37) |
5. 男たちの挽歌II
《ネタバレ》 復讐が生きる糧の映画だった。出てくる英雄たちが、全員、人生をやり直そうとしている人たち。刺青から逃げずに頑張るサムさんも、一時は狂人になったルンさんも、ホー兄貴もキンさんも!狂人となったルンさんが”食べること”を懸命に思い出し、微笑むケンさんがもう最高!キットを病院へかつぎこむホー兄貴の形相も、とてつもなく強烈な印象を残してくれました。とにかく熱い!熱すぎるっ!くどいぐらいの銃撃シーンですが、いいんです!!これぞ香港ノワールの決定版!!! [DVD(吹替)] 9点(2005-08-11 21:13:51) |
6. 男たちの挽歌
《ネタバレ》 ホー兄貴、あんた最高だよぉ(つД`)・゚・ 弟のためにも、人生をやり直すために頑張ってるのに、苦難の道のり…。兄を受け入れないキットの憎しみが理解に変わるとき、胸にグッときてしまいました。タクシー会社社長のキンさんの制止がホー兄貴をまた盛り立ててくれる。3年前までは下っ端だったシンがいまや宿敵。マークの汚れ演技と2丁拳銃が華々しく舞う!これはアクション映画だけではない!兄と弟の絆、親友との友情、命を懸けて芯を貫く、男の中の男たちの物語だ!!!! [DVD(字幕)] 9点(2005-08-11 20:53:46) |
7. 少林サッカー
《ネタバレ》 少林拳とサッカー。この組み合わせなら見ないわけにはいきません。昔、『チャンピオン鷹』という映画で失敗しましたので、どうかな、と思いましたが、すごく面白かったです。主人公のシンひとりだけイケメンで、あとはダメおやじ、無職、証券マン、ハゲ頭、デブ、少林拳どころか人生の誇りを見失った面々が、サッカーを通じて誇りを取り戻していく少林チームの覚醒のシーンだけは、何度も何度もDVDで再生してみてしまいます。そのときのBGMも、ふつふつと胸に湧き上がるものがありますし。この映画自体は、おバカな映画なんだと思いますが、伝えたいテーマは、落ちこぼれでも、容姿に自信がなくても、誇りを取り戻せるのは自分自身しかいないということを言いたいんだと思います。笑えるバカ映画ですけど、何度観ても勇気づけられるサッカー映画です。 [DVD(吹替)] 10点(2005-05-25 16:27:57)(良:3票) |
8. 少林寺三十六房
《ネタバレ》 男の子の永遠の夢、カンフーですよ! 三節棍の由来が、この映画で明らかになります。実際は35房の修行シーン、全て映像では出ないです。てゆうか、三十六房とはそういう意味だったのか、と久しぶりに観て、分かりました。ぼくたち男の子っていう生き物は、食堂に行く前の、丸太渡り、水汲みとか、頭突きインターバル、鐘を鳴らすのとか見せられてしまうと、ついつい真似してしまうんです。リューチャーフィーが慢心することなく、師範代に負けても勝っても修行に精進する設定がまた良いです。ただ一つ残念なのは、いくら元師匠の復讐を誓う少林寺僧とはいえ、『坊さんが目の前の殺人を見て見ぬふりしていいのか?』という疑問が残ってしまうので、-2点です。 [DVD(吹替)] 8点(2005-05-25 12:56:55) |