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Cinecdockeさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 894
性別
自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  海を飛ぶ夢 《ネタバレ》 
尊厳死という重いテーマの割に軽快で爽やかな語り口。スペインの映画とは思えない、ハリウッド的な娯楽性が見易くさせている(とは言っても過剰ではない絶妙なバランス)。実話だがプライバシーの事情で大幅な脚色がされているが故に、窓から海へ飛び立つ幻想的なショットが活きてくる。もう戻れない自由への憧れが切なくも美しい。よく「生きているだけで素晴らしい」という言葉が感動的に描かれる風潮は、狭い世界に押し込められている人間にとって生の肯定ではない。価値観の強要であり、尊厳を剥奪する行為に過ぎない。介護だってラモンにとっても家族にとっても負担がかかり、本音ではそれぞれ諦めたものもあったはずだ。揺れる家族の葛藤に、同じく動かない神父が、マスコミが、スクリーンの前にいる我々が口を出して騒ぐ。それでもマヌエラはこう言うだろう。「あなたはやかましいわ」と。死を選んだラモン、病を受け入れ生きることを選んだロサ、そして新しい命。この三者三様の想いを乗せて海に還っていく。答えはないけれど、この"着地点"が深い。
[映画館(字幕)] 8点(2016-11-26 00:49:58)(良:1票)
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