1. エクソダス:神と王
《ネタバレ》 海が割れない! 大波が襲ってくるのはもう予告編で見たから、その前段階の海の割れるシーンには、否が応でも期待するではないか!普段、タダのスペクタクルだけの映画には否定的でも、やはり出エジプト記の映画(十戒のリメイクという訳では無いんですね)と聞けば、そこは期待するではないか!神の御業の最もスゴイ、クライマックスのはずの場面を! エジプト人たちにえげつないくらいの厄災を与え、もうそろそろイヤな奴に見え始めてきた神の、人を救う方向の御業としての「海割り」は絶好のイメージアップのチャンスだったのに……。 まあ、しょうがないか。 さて、神と王の話だが間にモーセが入ってて、しかも途中モーセも嫌気が差している期間があったりして、そちら側の話がちょっと一筋縄ではない感じ。この神が、少なくともエジプトに罰を与えるところでも、ラムセスに直接話しをしないのは、所詮ユダヤにとっての神に過ぎないのだなあと思ったり。 と言うかホントに超常的な力を持つ者だったら、こうなる前にエジプト人に正しい道を示せよ、なんて考えてしまう。 そもそも、この話ではエジプト人は「悪役」なわけで、それと神の話ではなく神とモーセの話が主題と思うのが、一般的な捉え方だろう。 それをこのタイトルにしてまで王と神を描くというのなら、モーセはもっと脇役的で良かったし、神と自分を神と言い張る男の対峙を見せるくらいの大胆さがあってしかるべきだったのではなかろうか。 [映画館(字幕)] 6点(2015-02-02 21:55:45) |
2. 続・荒野の七人
《ネタバレ》 前より豪華になれとは言わないが、前に進んだ物語、ステップアップしていて欲しかった。なんで前とおんなじことやってるのか。 同じことと言うより、劣化してさえいる。例えば、クリスの無策ぶり。前回の戦で農民だって戦わなければ、多勢に無勢だって経験したはずなのに、今回は何の仕掛けもせずに7人で正面から迎え撃つだけ。 また、決定的に描写が足りないと思うのは、もう戦うのはやめると決断した農民たちが、再び戦闘に参加する気持ちの変化を描いていないことだ。 ところで、個人的には西部劇の戦いでダイナマイトを使うのは好きではない。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-12 08:35:39) |
3. 黄金の七人
《ネタバレ》 小学生の頃、TV放映されたのを観て、金塊を盗み取る鮮やかな手口にあっけに取られたのを覚えている。他の所は何にも覚えていないのに。 しかし、今見るといろいろな小道具や、金庫の描写などチャチクて荒唐無稽で、少々がっかり。そしてその後のゴタゴタも、感心するほどのモノでもない。伏線も弱いし。 そして一番謎なのは、教授は最後、彼らと和解しようとしていたのか?何か手があったのか?サイドブレーキ甘かったのか?わざとなのか?後から触ったヤツのせいなのか? 彼ら6人は、何故あんなにお人好しなのか?恐らく世界的な大犯罪であろう、あの手口が、次も通用すると本気で思っているのか? 一番と言いながら、たくさん疑問点が出てきてしまった。 かつて通った楽しい場所、しかし再び行ってはいけない、という古い言葉を思い出した。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-26 22:22:19) |
4. アレクサンドリア
《ネタバレ》 かつてエジプトに、世界一の図書館を持った街があったと、昔聞いた。その街を通るものは、”税”のように、所持している書物を提出し、それを写し取られて返されると。 「知識」を税として価値を認める優れた街なのだと思っていた。だから、この映画を知ったときには、非常に期待した。 物語は、その知識を重んずる価値観と、非論理で妄信的な信仰心の対立を描いている。基本的には史実だから、あまりドラマチックな展開にはならずに、最後、ヒュパティア先生の成し遂げた発見も、歴史の中に埋もれたまま、殺されてしまうのが悲しい。 彼女が惑星の楕円軌道に気づくシーン、曲線模型の見る角度を変えて、円から楕円に見せるシーンは実に巧い! ところで、キリスト教をこれ程、黒く描いた映画は珍しいと思う。我々がイメージするのとは正反対に、この映画の中のキリスト教徒のカラーは「黒」。ダースベイダーにみられるように、欧米では黒は、悪または異教徒のイメージ。知識への信仰をもったエジプト人を襲撃し、策略を弄してユダヤ人をも迫害する、完全な「悪役」。 でも、もうちょっと悪性を弱めて、その分先生たち「知識派」との対立と、奴隷くんのドラマを展開すると面白かったと思う。彼は、主人を裏切って、それでも愛していて、そして彼女を手にかけてしまう、とても劇的な役だから。 で、結果的には、自分の期待した雰囲気の物語ではなかったので、ちょっと点は低め。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-12 12:05:38) |
5. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 これに、軍隊の大軍が戦争している必要はあったのだろうか?軍が出てきて、大勢の戦闘がないほうが不自然という見方もあるかも知れぬが、私は西部劇に軍が出てくるのって、好きじゃない。理由は、西部劇というのは私にとって、一人一人の「男の生き方」の映画だと思っているのだが、軍隊って「組織の物語」だからだと思う。でも、そう考えると、今回彼らが橋を破壊したのは、「組織の理不尽」を個人が吹き飛ばした、という事なんだろうか。 そんな穿った見方は置いといて、物語の最後の三人決闘は、面白い展開で、しかも一人の弾を抜くことで、実にユニークな「作戦勝ち」になっている。そしてその優勢を保ったままでの、最後の意趣返しの展開は、お見事。 最後にクリント・イーストウッドが去っていく姿を見て、これ善玉かよ?って思った途端、最後のセリフ。まんまと敵の思うツボの反応をしてしまったようだ。掌で踊らされたみたいだ。でも、悪い気はしていない。けっこう面白く見れた。「卑怯者」が、所謂「憎めないヤツ」と言われるような愛嬌は無いにしても、殺されて是と言うほどの悪人には思えないからだと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-19 18:12:15) |
6. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 これほど高名なウエスタンだが、「ただのドンパチ」的なイメージがあって、今更だが初めて観た。 ファニングで正確に三人撃ち倒すとか、まあありえない事も起こるけど、そのへんは「男のファンタジー」と思って納得。 ただの凶暴なギャングと思っていたインディオに、なにやら重要な過去があり、さらにどうやらモーティマーと関連するらしい事になってから、物語りに引き込まれた。二人の賞金稼ぎは、「さらに幾らかのドルのために」最後にはどちらか一人だけ残るような話かと思ったら、意外と甘い結末だったのだけがガッカリ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-15 05:25:12) |