1. 戦場のピアニスト
車椅子の人を窓から突き落としたり、逃げ惑う人や服従させた人を銃で撃ち殺したり、その壮絶な殺戮シーンには目を覆うばかり。しかし、これが現実に・・・いや、現実よりも生易しく描かれているだろうことを思えばその恐ろしさに驚愕せずにはいられない。主人公もそんな世の中翻弄されて生き延びた人間のひとり。そのすべては本当に運のみだと思う。確かにいろいろな人に助けてもらい、逃げ隠れするしか出来ない主人公。しかし、彼はピアニストと言うだけでただの弱い人間である。志を持って反乱を起こした人に比べたらなんとだらしのないことだろう。でもそうじゃなければ生き延びられないのも現実。必死に生きようとする姿には共感を覚える。そんなシュビルマンの弱さの中に、生きるという強さを見出せる映画だと思う。ただ、平和になったあとでさえ、ドイツ人将校への恩返しをする意思をほとんど見せなかったのを見ると、本当にただの自己中なのかと思えてしまう部分もありちょっとマイナス。現実ではもうちょっと探したのかもしれないけど。 9点(2003-11-02 23:50:23) |