2. 戦場のピアニスト
見飽きることのない、よく整った作品だと思います。、、、、、ただ、見終えて、何か素直に感動できないものが残るのです。、、、どうしてだろう。、、、、前半で最も印象的だったのは、集められた広場で父親がビスケットか何かを家族に切り分けるシーンです。それが家族にとって、いわば最後の晩餐であり、戦争と迫害で、何が失われてゆくのかを痛切に感じさせてくれました。、、、、、しかし、その家族について、その先は映像として触れられていません。シュピルマン氏が、家族をどのように思い、どう追悼したのかが描かれないと、どこか綺麗に話しが完結した感じがしないように感じられます、、、、、、。それとどうしてドイツ人将校が、ショパンを弾くユダヤ系ポーランド人を救おうという気になったのか、それもしっくりきませんでした。、、、、、ショパンといえばポーランドナショナリズムの象徴といっても良い存在です。あの緊張した場面で弾きはじめる嬰ハ短調ノクターンは、ポーランドの人達にとっては、国歌にもきこえるのではないでしょうか。、、、、それをどうしてドイツ人将校が許すのか。、、、ドイツ人将校の命乞いのシーンを重ねると、何か、ポーランドナショナリズムの勝利宣言にも受け取れてしまうのです。、、、、、、、、というか、監督や制作者に、ナチスとそれに荷担した人達を、絶対に許さない、という強い意志があり、その攻撃的な強い意志に、どこか同感できない部分が私にあるのかもしれません。 7点(2004-06-15 10:24:12) |