1. クライムダウン
《ネタバレ》 男3人女2人が山に行き危ない目にあうというシチエーションはこの映画の2年前にお隣フランスで作られたデッドクリフと同じなわけですが、映画の面白さで言えばこちらの方が断然上。 とはいえシナリオはこちらもかなり残念で、冷静に考えればかなりお粗末です。 まず(これは最後近くまで観ないとわからない事なんですが)そもそも主人公達が女の子を助けたのは間違いだったという事。 主人公達が女の子を助けなくても、あのお父さんですから十中八九女の子は助かっていたでしょうし、最悪の場合でも犠牲者は女の子1人で済んだはずで、そう考えると女の子を助けた事自体が間違い。 なにしろ女の子を助けた事で、主人公達一行に加え罪のない村人が大量に犠牲になっているわけですからバランスシートは大幅赤字です。 「少女を助ける」というお話の根本的な行動がそもそも間違ってるわけですから…そう考えると実にむなしい映画です。 細かく観ても問題は多く、例えば序盤ロープが足りないだの議論したあげく崖を降りるチームと二手に分かれるわけですが、山に慣れてない人が女の子つれてくのは危ないしそもそもロープ足りないならみんな一緒に山を下りろよ、と。 ここ明らかに作劇上の都合で二手に分かれたとしか思えないわけでさすがにどうかと思います。 それに何より後半です。後半でテイストが変わる事自体は必ずしも悪い事ではないと思います。 山で全部終わらせろよ、という意見もわかりますが、しかし後半でテイストが変わるのもうまくやるのであれば全然ありだと思うのです。 問題はそれがうまくいってない事で…そもそも交渉人用心棒チームが出てくるならそれが主人公達と共闘する…くらいでないとストーリー的に意味がないですよね。 あの用心棒とか最後まで主人公達と一切かかわらず、何のために出てきたのかわかりません。キャラとして出す意味がないのです。 というか「イギリスの傭兵は失敗しない」とかイキってた彼、視界の悪そうな豚の面かぶった犯人に瞬殺されてましたが…もうなんなのよ… あの豚お面も、途中で雑に村人ばんばん殺すし、あんたもはや目的忘れてますよ、と。 最後にしても犯人の処分は中途半端で描かれないし(いや殺されたんでしょうけど)、用心棒は微妙な顔でただ去っていくだけだし…で、あまりにもすっきりしない終わり方。 …とシナリオは穴だらけで特に後半は??って感じではあるのですが、でもまぁ最後までそれなりに緊張感をもって観る事ができたので前述のデッドクリフよりははるかにマシだと言えるでしょう。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-09-03 05:28:44) |