1. ジェーン・ドウの解剖
《ネタバレ》 広げに広げた大風呂敷。嫌な予感はありましたが案の定といいますか、オカルトで畳むなら、そりゃ畳めるでしょうよというのが率直な感想。また生還要件が付されていないのも個人的にはマイナス査定でありました。最初からオカルトホラーと知っていれば、もう少し好意的な感想になった可能性はありますが。『ジェーン・ドゥ』の言葉の意味を知れたので、ひとつ勉強になりました。 [DVD(吹替)] 5点(2018-11-30 22:57:11)(良:1票) |
2. ジャッジ・ドレッド(2012)
《ネタバレ》 銃弾に撃ち抜かれ飛散する頬肉、地面に激突して崩れる顔面。スローモーションを存分に活用し人体破壊の過程を丁寧に見せてくれます。ゴアのレベルは、下手なスプラッターホラーより数段過激かと。ただし荒廃した世界とは裏腹に、描写そのものは“綺麗”なのです。それこそ医療ドラマを彷彿とさせるような。またドラマ性は薄く、怨恨無縁。登場人物に感情が乗らないので、ショッキングシーンでも淡々と流せてしまうのだと思います。この感覚は初めてかも。それにしても主人公が一切素顔を晒さなかった点には驚きました。あれなら、「HEY!たくちゃん」のアゴ芸でも務まりますものね(失礼)。相棒役の彼女のビジュアルがすこぶる上玉で、まるでアドベンチャーシューティングゲームから抜け出たような。見惚れました。オリヴィア・サルビーですか。名前覚えておきます。スタローン版とは別モノなので比較する必要が無くて助かりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-09 19:27:28) |
3. ジョニー・イングリッシュ
《ネタバレ》 イギリス名物といえば、『ビッグ・ベン』『クリケット』『レインコート』『マズいめし』。あと『ロビンマスク』に『英国ちょうちん』『英吉利に行ってきました饅頭』。学のない自分には、こんなところしか思い浮かびません。そうそう大事なのを忘れていました。『007』。スパイを忘れちゃいけません。本作はその本場のスパイコメディ。Mr.ビーンでお馴染のローワン・アトキンソンが、お間抜けエージェントを演じています。やはり女王陛下のいる国。下品だけれど、どことなく品がある。ケツ丸出しでもイヤらしくない。まるで沢尻エリカみたい。ただし、品がありすぎて物足りないです。ご指摘の方もおられるように「キミノムスメサンタチニ、チイサイチンチンガツイテイマスヨウニ」は紛れも無い名台詞。誰なのでしょう、こんな日本語を教えたのは?その人には10点差し上げたい。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-11 18:52:03) |
4. ジャイアント・ピーチ
《ネタバレ》 空飛ぶ巨大なピーチ、擬人化した虫たち、人形に変わった主人公。全て“魔法”で説明がつきます。機械の大魚も、ナイトメアのジャック登場にも違和感はありません。それは主人公の視点で物語が進んでいるから。実写→アニメへの移行は、世界が客観(現実)から主観(非現実)に移ったことも意味していると思います。主観の世界でなら、何が起こっても不思議ではありません。ニューヨークに到着して、主人公の魔法は解けます。実写に戻るのは、現実に戻るということ。アニメ世界の住人たちも、主人公同様に魔法が解けて、在るべき姿に戻るはず。蜘蛛女はクモに、天道虫おばさんはテントウムシに。それが暗黙のルールだと思っていました。しかしこの予想は外れます。擬人化した虫たちはそのまんま。意地悪おばさんに至っては、車で海底を走ってきたという。ということは、作品の世界全てが現実・非現実の区別のないファンタジーだったのか?いや、そうではありません。巨大な桃は見物料が取れるほど特別なものだった。虫たちもニュースになる存在。本作にも“非現実”の概念はあります。つまり、“非現実から現実に戻ること”よりも“非現実を現実に変えよう”。それが本作の主張です。アニメの世界を現実に変えよう。車は海底を走れないなんて誰が決めたの。“見方を変える”とは、こういうことだと思いました。もちろん不幸な境遇にだって当てはまります。前向きなメッセージだと思いました。なお、スタッフロール終了後、もうひとつ“見方を変える”サンプルがあります。少々悪趣味な遊び心が、ティム・バートンっぽいです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-07 17:52:45) |
5. 真珠の耳飾りの少女
まったく予備知識なしに観ました。中盤くらいまでは、「フランダースの犬」みたいな話かと思っていましたが、ラスト15分くらいでやっと分かりました。タイトルどおりの話だった訳ですね。そういえば美術の教科書で見たのを思い出しました。自分はいわゆる娯楽作品の方が性に合っているようなので、本作はちょっと刺激不足でした。それでも最後まで観られたのは、スカーレット・ヨハンソンの透明感に魅せられたからかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-04-29 00:57:53) |
6. シンプル・プラン
たまたま見つけた大量の現金。主人公は警察に届けることを主張するが、一緒に見つけた兄と友人はネコババしようという。始めは拒否していた主人公だが…。この作品は下手なホラーやオカルトより遥かに怖い。悪い方悪い方へ転がっていく様が実にリアルに描かれています。もし自分が主人公の立場だったらと考えると本当にぞっとします。誰の人生にもこのような落とし穴がぽっかり穴を開けて待っているかもしれません。観て楽しくなるような作品ではないので、鑑賞の際は精神的コンディションを整えてご覧になることをお勧めします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-22 02:02:30)(良:2票) |
7. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビ映画は数々あれど、本作ほど“ゾンビとは何?”という問いに明確に答えている映画は無いと思う。いや、おバカ映画ですよ。くだらないです。それは胸を張って言える。でも一周すると、いろんなものが見えてくる。それが何とも楽しい。例によって原因不明のまま、いつの間にかゾンビで溢れる世界。圧倒的に人間の能力のほうが上なのに、多数に圧倒されて食われてしまう。これって実生活でも経験している気がする。多数決で負けたり、世論に流されたり。理不尽なことも多い。人間は群れると、集団という別の生き物に変わります。大いなる意思に従い、盲目的に動かされる。まさにゾンビだと思う。それが、人間という生き物の本質だと言われているよう。結末も皮肉が効いています。でも本作では終始一貫、人間とゾンビを並列に扱っています。ゾンビも人間も否定していない。愛すべき存在として受け入れています。エドなんか、生前の生活とちっとも変わっていません。人に対する優しさがある。だから嫌味がない。屈託なく笑えるのだと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2006-04-16 19:52:32)(良:3票) |