1. SOSタイタニック 忘れえぬ夜
《ネタバレ》 模型のような船に発泡スチロールのような氷山が出てきた前半は時代とはいえこれは失敗作かと思いましたが、タイタニック号が沈没し始めてからは凄い。あまりの惨事に恐怖で息もつけません。ドキュメンタリータッチなので人物描写こそ希薄ですが、どうなるか分っているだけに小さい子を抱く老人が写るだけでバックグラウンドなどなくとも悲しい心持になってしまいます。そして、見える距離にいたカリフォルニア号には船員たちと共に何故気づかないんだと叫んでしまいたくなります。タイタニック号の悲劇を忘れてはならない出来事として深く記憶させてくれる良作です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-31 17:47:24)(良:2票) |
2. エンド・オブ・オール・ウォーズ
《ネタバレ》 カーライルに引かれてレンタルし戦争ものかと思って鑑賞すれど、それでもかなり重い作品でした。 人間らしさを失わなかったアーネスト・ゴードンたち。たとえ捕虜にされ自由を奪われたとしても心や頭の中にあるものは誰にも奪えないのだという事と同時に、人間にとってそれが最後の砦なのだと思います。そしてそれこそが人間の価値なのだと思います。 またキャンベル少佐とイトウ軍曹は結局のところ似た者同士だった訳です。強い信念を持ち自ら信じるルールを頑なに守っている彼ら。そんな彼らの性格が駒として利用されてしまう戦争という状況は悲劇です。こんな状況下で出会わなければ二人は友人になれたかもしれません。戦闘シーンなどなくとも戦争の残酷さがひしひしと伝わってくる作品です。それから日本人キャストは存じない方々ですが、皆、役の雰囲気に合っていて良かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-27 14:06:47) |
3. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 主人公が探偵で、フラッシュバックがあり、悪夢的で、暗い世界で夜の舗道が雨に濡れている…これはフィルム・ノワールなんだと思って見ていたら、最後にお茶目な格好のデ・ニーロが登場し、そんなオチかよっ!と思わずツッコみたくなるような結末ではあったのですが・・・最初からオカルトと知って見ていれば落胆することもなかったでしょう。というのも謎に向かって行く過程はなかなか巧みで面白くできています。何度も反復し出てくる格子の影や、ゆるやかに回転する換気扇のプロペラなどが不安感をこれでもかと煽っていますし、ミッキー・ロークは男の色気があり魅力的ですし、女たちもエロティック(わざわざ露出する必要はどこにもないと思いますが)でドキドキさせてくれます。 心臓オチと分かってみれば、鼓動音やミッキー・ロークがしばしば鏡を見るといった仕草も伏線として活きていますし、怪しげでスリルいっぱいの世界が確立されていると思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-04 18:07:10) |
4. エリックを探して
《ネタバレ》 郵便物の仕分け作業が遅くなった主人公の姿を皆が高い所から覗いている…。てっきりこの後、肩を叩かれて解雇通告されるのかと思いきや、そうはなりません。どうやら彼を救うことにしたらしく、いつものローチ作品とは違うようです。 昔、心の底から惚れた女性と復縁し、心酔しているヒーローと酒を酌み交わし、多くの友人に恵まれ、息子たちから尊敬され、悪党どもは叩きのめす…〝勇気を持って一歩踏み出せば大丈夫さ〟と男のロマン全開の甘美な物語なのですから厳しいローチ先生はどこへやら?という感じで、こうなるともうこれはファンタジーの世界で当然のようにカントナが登場してくるのですが、となればどうしても気になってしまうのがこのカントナの登場シーンです。 カントナは主人公の幻でオーディオプレーヤーのスイッチを魔法のように入れられることからも何でもアリの幽霊の如き存在で、他人には見えていないという面白い設定ですが、このカントナをどう見せたいのかがイマイチ良く分かりません(最初はわざと視線が交錯しないようにしているのかと思ったが、そうでもないようだ)。というのも彼は助言するだけの存在であり映画的な面白さがあまりうかがえず、上手く使っているとはいい難いからです。 “カントナ作戦”を決行する郵便配達人たちの過剰とも思えるパワフルな描写は凄いんですけどね。 [映画館(字幕)] 6点(2011-01-21 18:45:55)(良:1票) |
5. エラゴン/遺志を継ぐ者
《ネタバレ》 ありとあらゆる男の子の夢を完全網羅した素敵なファンタジーですが・・・如何せん少年の心を失ってしまった私には少々キツかったです。場面場面を切り繋げたような張りぼてチックな展開は薄っぺらで奥行というものがありません。マルコヴィッチは僅かの出演で印象に残らず、カーライルとアイアンズが二人で何とか映画を支えていますが脇役の彼らだけでは限界があります。で、こうなると心配なのは二人が退場してしまった続編でして、マルコヴィッチがよほどの奮闘を見せるか映画のクオリティ自体を改善しない限り、レンタル屋にわんさと並ぶ大作便乗作品に毛が生えた程度のレベルになりかねない危険性すら含んでいます。 [映画館(字幕)] 5点(2006-12-18 18:27:00) |