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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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21.  火星人地球大襲撃 《ネタバレ》 
「原子人間」(1955)、「宇宙からの侵略生物」(1957)に続く、いわゆる“クォーターマス・シリーズ”の劇場版第3作である。前回から間が空いてしまったために今回はブライアン・ドンレヴィ氏が出ておらず、そのせいもあってかクエイタマス(クウェイタマス)教授がわりと普通の人のように見える。しかし原作・脚本は同じ人物であり、このシリーズらしい硬派でミステリー風の雰囲気は出ているものと思われる。  今回は邦題のとおり火星人の侵略を扱っているが、500万年前という設定のためそれほど荒唐無稽な印象はない。地質年代の過去を語る一方で歴史時代の記録も紐解く形にし、単なる大風呂敷でない堅実なスケール感を出している。人類の起源に関する説明の部分は普通にSF風だが、科学者は超常現象を信じないという割に透視力・念力・悪魔・ポルターガイスト・神話・呪術・魔女まで科学の領域に取り込もうとしていたのが貪欲な感じで、こういうところが主人公らしさということかも知れない。 しかし火星人の意図が何だったのかは正直よくわからなかった。自分らの品種改良の手法(優生学を背景にした民族浄化?)を地球生物にも適用して都合のいい種族を作ろうとしていたのかも知れないが、それが火星人にとってどういう役に立つのかがわからない。教授も人間なので徐々に考えを深めていく過程だったのだろうが、結局最後まで説明不足に終わっていた気もする。 また特殊撮影は明らかに貧弱だが、終盤で光る像が窓から見えているあたりは逃げ場がない感じで少し怖かった。ラストは物悲しい音楽が余韻を残す終幕だったが、これはもしかすると生涯の盟友になるかも知れなかった理解者を失った悲しみということかも知れない。全体としては力の入ったTVドラマという程度にも見えるが、こういう実直な作りのものは嫌いでない。  ちなみに問題のホッブズ通りというのが一体どの時代まで遡れるのかと思いながら見ていたが(東京なら江戸時代よりも前に遡れない)、1763年はともかく1341年の段階でも「ホッブズ通り」という言葉が出ており、その時代からすでに都市街路として存在していたことになっていた。ローマ時代の伝承も残っていたようで、最初からローマ都市ロンディニウムの城壁内だったのかも知れない。教授によれば「あの一帯は沼だった」とのことだが、そもそもロンディニウムという都市名自体が沼地に由来しているとのことである。
[DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 19:59:42)
22.  大海獣ビヒモス 《ネタバレ》 
放射能怪獣が大都市を襲うパターンは「原子怪獣現わる」(1953)と同じだが、前回からここまでの間に“放射能は怖い”という認識に至ったらしいのは著しい進歩である。食物連鎖をもとにした説明はゴジラにもなかった説得力があり、また怪獣の死体を「核廃棄物として安全に処理」する必要があると思っていたのもまともな感覚である(実際はそうでもなかったが)。最後はゴジラ並みに“最後の一匹だとは思えない”的な終わり方になっており、核の時代に警鐘を鳴らす形には一応なっていた。 またこの映画でも怪獣が出現するのは遅いが、その間のドラマ部分にあまり退屈しなかったのは大違いだった。積極派と慎重派の学者がある程度の緊張感を持ちながら、結構まともに見える検証を通じてともに怪獣の存在を確信するに至り、それを軍当局に通報したことで速やかに対策が始まるというのが理性的で、これはさすがイギリス人だとか思ってしまう。また放射能カレイ(日本なら放射能マグロ)が発見された時点で、慎重派の学者は市場に出ないよう関係機関に通報し、積極派の学者は原因究明に当たっていたのもそれぞれの個性を生かした分担で現実味があった。トロール船の船長と学者の会話もなかなか気の利いた感じで面白い。 ただし出て来た怪獣は基本が恐竜なので姿形に面白味がない。それでも何か武器を持たせなければならないと思ったのか電気ウナギからネタを借りたようだが、実際それで攻撃する際の効果音が極めて間抜けである。それでもやっとロンドンに上陸した後はそれなりの迫力があり、川岸からぬっと上がって迫って来るとか、お決まりの高電圧線の接触場面など面白く見せようとしているところもある。パニック描写としてはエキストラ然とした人々がとにかく走る場面が多かったが、街角で怪獣を見た老人が口をあけたまま固まってしまい、その後のポワポワ攻撃でやられてしまったのは気の毒だが笑ってしまった。 なお途中で出た古生物学者は低身長で威厳はないがユーモラスで、これから第三の中心人物として活躍するのかと思ったらすぐ退場してしまったのは残念だった。制作側としては、もし恐竜が生き残っていたらという子どもらしい夢を、この人物を通じて語らせようという思いがあったように思われる。日本のゴジラも出発点は恐竜ながら、その後は普通一般の生物を超越した存在になっていったのとは対照的である。
[DVD(字幕)] 5点(2016-09-17 19:59:36)
23.  宇宙からの侵略生物 《ネタバレ》 
敵の秘密工場は、ロンドン近郊のテムズ川河口にあったシェルヘブン製油所(Shell Haven (Oil) Refinery)という場所で撮影したらしく、これで当時としては現実離れした未来的な風景だったのかも知れない。内容としても前作よりSFらしさが増しており、反撃のためにいきなり「原爆ロケット」(原子力推進のロケットを地表から発射するらしい)を飛ばし、敵星を破壊してしまうというのは豪快である。 またドラマ部分も適度にスケールが大きく、映画の開始時点ですでに政府機関の内部に敵勢力が浸透していて、国家予算を敵の計画に取られたために教授の月計画が頓挫したということだったらしい。劇中の下院議員が「公的資金を投入したばく大な損失の隠蔽」といった、それっぽいことを疑っていたのも結構まともな感じに見えている。 一方で、アンモニアで腐食されて死ぬ男が出るとか、パイプの中に人間を「つぶして詰め込んだ」とかいう話が出て来ていたのは、子どもの頃に見ていれば結構イヤな印象を残したのではないかと思われる。映像的には終盤までずっと地味で、どうせ最後までこの程度だろうと侮っていたところ、最後は一応のミニチュア特撮になっていたのは少し驚いた。 以上により、個人的には前作よりは退屈せず、それなりに見るものがあると思わせる映画だった。なお敵の秘密工場を襲った村人の集団が銃器の扱いに慣れていたのは大戦からあまり間がない時期であり、また戦後の兵役に従事した者もいたためではないかと想像される。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-03 18:56:15)
24.  原子人間 《ネタバレ》 
最初から好意的に見ようとはしていたのだが、残念ながらその好意を持続できなかった。いきなり冒頭の男女の行動からして呆れてしまい、夜間に屋外でライトをつけてまでやることかと問いたくなる。またロケット内部の造形が貧弱なのは仕方ないとしても、本体が頭から地表に突っ込んでいるのに内部は横倒しのように見えるのはさすがに変だと思われる。 一方でストーリー自体は堅実な感じだが、進行がのろいのでかったるい。問題の生物に関しては、中盤までは人型だったのに動物園以降はナメクジのようだったらしく(移動跡がそのように見える)、さらに最後は結局タコになっていたのはかなり唐突に思われた。いろいろ事情はあるにしても観客が変化の過程をイメージできないのは困ったことであり、映画ではそのために縮小版としてネズミ入りのケースを見せたということだろうが、それでも納得はしかねるものがあった。また映画自体のせいではないが、邦題も結果として意味不明に終わっている。 そういうことでSF的な見方からすればあまりほめるところはないが、劇中で微妙にユーモラスな場面があって、羽目を外さない範囲で笑わせていたのは趣味がいい。また教授の人物像についてはTVシリーズで確立していたのだろうが、人命の犠牲にも頓着なく科学の発展のため邁進する不屈の男、というキャラクターは斬新に思われる。
[DVD(字幕)] 4点(2014-05-03 18:56:12)
25.  蝿男の呪い 《ネタバレ》 
ハエ男シリーズの3作目である。1965年にもなってまだ白黒かと思うが、同年の「大怪獣ガメラ」も白黒だったので他人のことは言えない。 場所がケベック州モントリオール(の周辺)というのはこれまでと同じであり、Delambreというフランス風の名字も引き継がれている。今回は基本設定との関係もあって第1、2作の経過が忠実に踏襲されているわけではなく、家族の個人名も違っているが、しかし基本的には第1作を祖父の世代として今回は孫世代までが出ており、1作ごとに世代交代しているのが律儀である。その間次第に研究が進展している印象はあるが、さすがに3世代にわたってもまだ完成せず、依然として化物製造機にとどまっているとなると家系そのものが呪われた雰囲気も出て来る。加えて遺伝的性質が世代を超えて受け継がれていくという設定は、リメイク版の ”FUSION” を先取りしたもののように感じられる。 一方で転送機に関して特に新しいアイデアはないが、機械そのものが不備なこと(それでも人間で実験しないと気が済まない)、及び当初からのネタである物体の融合とか統合の失敗とかが材料として豊富に使われており、映像面はともかく内容の禍々しさはリメイク版にも匹敵している。またドラマ部分についても、新婚の夫婦それぞれに秘密があり、最初は妻の方が変かと見せておいて実はどっちが変だかわかったものでない、という展開は少し工夫が感じられる。 劇中ではハエ男はもちろん(第2作の写真のみ)ハエさえも出ず、新旧各2作の間に挟まって番外編的な印象もあるが、これはこれでハエ男シリーズのまともな一作として数えていい気がする(個人的利害に関係ないのでどうでもいいが)。  なおラストでは続編を匂わせるキャプションが出るが、呪いの家系は断たれてしまったので、これがどうすれば次回に続くのか想像もできず、さすがにこれはもう終わりだろうとしか思えない。
[DVD(字幕)] 4点(2014-01-27 20:49:00)
26.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
この映画を見てまず驚くのは、台詞のある女優がほとんどいないことである。字幕に出るのは「もう無理 走れないわ」という老婦人だけであり、ヒロイン役のいない怪獣映画など存在しうるのかという疑問を生じる。お父さんサービスのお色気場面もないので児童映画としてまことに健全ではあるが、しかし余計な要素を削ぎ落したようないわば機能主義の怪獣映画よりも、自分としてはやはり万人の娯楽を目指した和製特撮の方に共感せざるを得ない。確かに当時の怪獣映画としてはいい出来だとは思うが、そのような理由で味気なく感じられるのが基本的な難点に思われた。  一方でこの映画を見て気づくのは、都市破壊場面で瓦礫の下敷きになる者が多いことである。これが結構真に迫っていて、思わず“わっ危ない”と言いたくなる場面が多い。第二次大戦の記憶が各国でどう違うのかよくわからないが、日本の「ゴジラ」などでは米軍の空襲で火の海になる東京がイメージされているのに対し、ロンドン市民にとっては爆撃やV2号の着弾などで堅牢な建物が倒壊するイメージの方が強かったのだとすれば興味深い。まあそれは火を吐かない怪獣だからという面もあるだろうが(火を吐くなら見世物にはできない)、何にせよ逃げ惑う群衆の描写に迫力を感じる映画だった。 また、同じ監督の別映画で最後に怪獣が死んだことに関し、監督の娘が「パパは良い怪獣を死なせた」と言って泣いていたのを教訓にして、この映画はハッピーエンドにしたという話は少々涙を誘うものがある。これが後に家族愛を謳う感動作「大巨獣ガッパ」(1967)の製作にもつながった?のであり、わが国怪獣映画の発展?にも貢献したという意味で大きな意義が認められなくもない。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-06 23:46:14)
27.  ゾンビ大陸 アフリカン 《ネタバレ》 
こういう映画を見ると場所がどこなのか気になって仕方ない。主人公の台詞に出る「西経20度」は大西洋上なので真に受けないとして、相棒役のアフリカ人が所属する「セヌフォ族」というのは実在の部族のようで、主にマリ、コートジボワールとブルキナファソ、及び一部がガーナに居住しているらしい。実際の撮影場所は主にガーナとブルキナファソだったようで、劇中車両にブルキナファソの国旗らしきマークがついている場面があった。  映像面ではアフリカの景観が印象的で、最初が海、あとはサバンナから半乾燥地帯までの明るく乾いた風景の中を登場人物が移動していく。その間、原題のThe Deadがそこら中を徘徊しているのが始終画面に映り、この連中もアフリカの風土の中にとけ込んでいるように感じられる。動きが遅いのはゆったりとした雰囲気もあるが、限られた時間内に何かしなければならないスリリングな感じを出すには効果的であり、また移動中はいいが停止すると包囲の輪が狭まって来て、夜も寝る間がないという状況設定が特徴的である。肉をかじり取る習性は野生動物を思わせるものがあるが、これは人類の天敵が出現したということか。 ほか登場人物のうち相棒役のアフリカ人が篤実そうで好印象なこともあり、個人的には良質の娯楽映画として見ることができた。  ところで終盤に出た村のリーダーが「この村で生まれ、死んでゆく」と言ったのは、別にここだけではなくどこにでもある感覚と思われる。部外者の立場としては危険なら逃げろというのが普通の考えだが、土地に根差して暮らしてきた住民には受入れがたい面もあり、これは日本の災害時にも表面化することがある。劇中世界に関していえば全世界が同じ状況だったようなので、共同体単位で守りを固めるのは結果的に正しい選択だったともいえる。 その一方で主人公と相棒が厳しいサバイバルを続けていたのは自分のためというより家族(子孫)のためであって、そのような目的意識も人類存続の要因になることを示したように見える。最後は2家族分をあわせて一つになってしまっていたが、絶望的なようでもわずかな希望を残す終幕だったのは悪くなかった。 (2024-03-23文章校正)
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-28 12:56:59)(良:1票)
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