1. シャイニング(1980)
僕のなかでは永遠のトラウマ映画なんです。とにかくね、もうただひたすらに怖いんです。ちゃんと最後まで観れたのは一回きりなんです。しかも中学生のとき。しかもなぜか授業中。しかもなぜか技術の時間。なんで?変わった先生だったんですねえ。のどかな学校だったんですねえ。今でも、長い廊下が怖いです。タイプライターが怖いです。双子の女の子が怖いです。鏡が怖いです。あの奥さんの引きつった顔がたまに夢に出ます。ニコルソンが嫌いです。キューブリックは好きです。僕の恐怖心を引き起こすトリガーのきっと大部分があの映画から来てると思います。大人になってから、一度だけ観直しましたが、最後までたどり着けませんでした。大人なのに・・・。というか、本当をいうと最後の方はよく覚えてません。ホラー好きに言わせると全然怖くないらしいですけど、僕はもうだめです。ゆっくりゆっくりニコルソンが狂っていく、というか、ホテルに取り込まれていくその一つ一つの細かい描写がいちいち僕のちっちゃな肝っ玉をがしがし責め立ててもうたまらないのです。三輪車!あのバーの居心地の良さそうな様子!廊下の血!やめて!お願いですから!ゆっくりズームインしないで!同ポジも切らないで!キューブリックの映画を見てていつも感じる、”あぁ、この人、人間がすごく嫌いなんだなぁ”という感じが最大限の不快な皮膚感覚で伝わってしまった映画です。まったくおんなじ感じが例えば『2001年』とか『フルメタルジャケット』とか『時計じかけ~』なんかではすごく入ってきたんですけどね。好きなんです。基本的に。キューブリック。人間嫌いなところが。でもこれはもう、ただただ嫌。怖いんです。でも、すごいと思う。これをもう一度ちゃんと観れるようになったら、僕は本当に成熟した大人になれるのかな、なんて思っちゃうんです。今はまだ、ただただ怖い。目をそむけていたい。 10点(2004-11-18 03:01:34)(良:1票) |