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1.  ナイロビの蜂
アフリカを舞台にした製薬会社の不正とそれを黙認するしかない国家機関.とても重いテーマの映画だけど,きちんと夫婦の愛情が描けていてよかったと思います.オスカー取ったレイチェル・ワイズの演技が最初は過剰かなーって感じましたが,観ているうちに違和感がなくなってきましたよ.旦那さん役のレイフ・ファインズの淡々とした演技も好感が持てました.音楽も良かった.アフリカの大地は最高でした.ただカメラワークで少し酔ってしまった.ブレがね.そういう効果を狙っているのかもしれないけど(?
[映画館(字幕)] 5点(2006-08-04 01:16:19)
2.  Vフォー・ヴェンデッタ
プロバガンダを否定するプロバガンダ映画と言ってしまったら安直かな。言論・思想統制をする近未来のイギリスに突如現れたモンスターちっくな仮面の男。こいつが強い強い。小気味良く悪の権化と化した政府を千切っては投げる。このような判り難くなりがちな題材を判り易く表現している作品は、絶対的な悪が必要なんでしょう。だから爽快感はある。これは『1984年』『未来世紀ブラジル』と対比はしやすいだろうが、世界情勢の流れからも冷戦構造の時代とは異なり、アメリカ一極支配 VS テロリズムの混沌時代を反映させ、ラストは爽快な仕上がりになっている。全世界に配給する映画がカルトなものを作っては(それを売りにする以外には)予算が付かない。それが既存の映画産業に批判的な「ミニシアターバンザイ・ハリウッドはクソでしょ主義」=「それっぽい映画ファン」をのさばらせることにつながる。その点ではカルトテイストの本作をメジャーで公開していることに意味があると思う。制作がウォシャウスキー兄弟となっている時点でカルト色が押し出される形にはなるが、それでも『マトリックス』よりはメッセージ色が強く、わかり難いようで善悪がハッキリと描かれているため実際は理解しやすい。また米独合作というところでなんとなく納得してしまうのである。と,まあよくわかんないことをくどくど書いたけど、ナタリー・ポートマンが美しかったのでよしとする(何。
[映画館(字幕)] 7点(2006-08-04 01:15:23)(良:1票)
3.  ジャーヘッド
ボタンひとつで都市が吹っ飛ぶ時代の狙撃兵の憂鬱をうまく表しています。戦争は勝っても負けても虚しさが残るものだと思うけど、自己完結できなければさらにその部分は増幅していくものですよ。   この作品はこれでもかというほどクライマックスは外されます。だんだん観客のフラストレーションも兵隊の下ネタやブラックジョークの頻度と共に高まっていきます。そして観客と兵隊の不満が頂点に達したとき…戦争の虚しさもまた感じることができるでしょう。兵隊はマスターベーションばっかりしているけれど、それがハイテク戦争時代の海兵隊斥候狙撃兵なんですね。実戦で使われない自分のライフル銃。戦争に行ったことのない観客をシンクロさせてしまう巧みさにはただ舌を巻くばかりです。   虚しいですよ戦争は。自慰行為を知っている人間なら誰でも共感できるんじゃないかな。ドンパチのないリアルなストーリー展開に不満を募らせていった、自分の残虐性も意図的な肩透かしのラストによって焙り出され、この映画の虚しさのリンクは完成されるのです。
[映画館(字幕)] 5点(2006-03-03 11:54:23)
4.  チャーリーとチョコレート工場
ティム・バートンは結婚して子供が生まれて、ある程度テーマというかその方向性が見えてきたような気がします。前作の『ビックフィッシュ』はモロに父親と息子の愛情(それを見守る家族愛)が主題でした。今回もやはりテーマは「家族愛」なんですが、そこにまたバートンならではのブラックジョークやニヒリズムがエッセンスとして加えられています。家族にはもちろん様々なかたちがあって、それぞれの家族がお互いを愛し合っています。しかしその愛情は時として周囲から見れば、滑稽なものであったり嘲笑の対象となるわけです。劇中ではそのような「おかしな家族愛」をちょっと観客が引くぐらいの勢いで軽快に叩き潰していました。バートンはもしかしたら自分が感動のさなかにあっても、そのコテコテの雰囲気に耐えられず「なんちゃって~」と言わずにはいられないお茶目な人なのかな…って感じましたよ。『ビックフィッシュ』があまりにも「感動作」であったためにそれに対するアンチテーゼを自分の中で作らざるを得なかった、と。もちろん何も気にせずに観れば序盤と最後の家族愛の前に、中盤のグロテスク(?)なかたちで間違った家族愛は吹っ飛ばされてしまいます。それでも観客の誰もが思うであろう「感動した!(…だけどちょっと中盤がやり過ぎって感じがしたよ)」がバートンの狙いであったのかな。見た目上はハッピーでコーティングして、少しずれてしまえば他の家族のように(傍から見れば)滑稽なかたちで叩き潰されてしまうんだよという、たぶん自分が想像し得なかったほどの順風な家族を作っちゃってるよ俺…的なバートン家族への自らの警鐘である、と。『マーズアタック!』などの作品を悪趣味という人はいるけれど、本作のブラックジョークは「家族愛」というコテコテのメッセージをアピールしたいがためのコントラストなのかもしれませんね。『コープスブライド』に続き、そのまた次回作も楽しみです。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-11 15:47:25)
5.  キングダム・オブ・ヘブン
 十字軍のお話です。時期的には第2回と第3回の間ですね(間違っていたらごめんなさい)。大まかな流れは史実にしっかりと沿った歴史スペクタクルなので、興味のない人は本当にサッパリわからなかったりするかもです。しかし、わからないといってもヨーロッパ・教会・キリスト社会が「十字軍」というエルサレム奪還の軍隊をイスラム社会に送り込んだという事実はいちどぐらいは聞いたことがあるでしょう。当然この歴史的事件により、キリスト教がマイナスのイメージをより強く、中東のみならず世界に植え付けていることは事実です。たとえヨハネパウロⅡ世の謝罪がなかったとしてもね。でも、そういう部分はできるだけカットされていました・・・。それだけで「やるな、リドリー・スコット」っていう感じです。    十字軍が悪か善かはあんまり意味をなさないのです。特にこの映画の中でそんな宗教的カタルシスを前面に押し出されても興ざめするだけですよ。だってそんなことは言わなくてもわかっているんだもの。映画を観ていると「何のための戦争?」とか「キリスト vs イスラム」の構図は殆ど見えなくなります。やっぱり双方とも「神」を連発しているんだけど、その濃度は限りなく薄まってくる。たぶんこれはわざとなんですよ。だって死ぬか生きるかの極限状態で自分たちの神さまがどうだとか、アイデンティティですら怪しいですよ。あるのは戦争で死なないように・戦争に勝つようにという本当に純粋な「神にすがる姿」だけ。    キリスト教徒やイスラム教徒の人がこの映画を観るとどう感じるのかな。非常に気になります。    さて、そんな『グラディエーター』なんですけど(違)、戦闘シーンが圧巻ですね。  特にエルサレム攻防戦での篭城。まんま『ロード・オブ・ザ・リング』のような気がしつつも、どこからどこがCGでどこからどこが実写か、その区別が殆どわからないほど臨場感たっぷり。それと、レゴラスじゃなかったバリアン役のオーランド・ブルームは主役なのに気配を消し気味だった(?)けど、サラディンとボードワンⅣ世の存在感が出まくりでうまくバランスがとれていたのかもしれません。いやー、それにしても本物のふたりはもっとオーラに満ち溢れていたと思うとビックリですね。「英雄は英雄を知る」具合がなんとも。それだけでも観る価値はアリですよ。    ベリーショートの王女も全然OKです(意味不明)。  
[映画館(字幕)] 6点(2005-07-06 21:27:42)(良:1票)
6.  ネバーランド
 俳優陣の演技はもちろん、脚本、演出すべてが良かったです。特にジョニーデップ、素晴らしかった。実在人物である劇作家ジェームズ・バリやピーター少年とは本当は違うのかもしれないけれど、そんなゴシップはどうでもいいです。映画を語る上では意味はない。   ネバーランドは御伽の国の話。それを誰もが子供の頃は信じているけれど、いつしか御伽の夢の世界を自分で排除しようと努めるようになる。でも、本当は現実に向き合っているようで、失望と慄きから目を背け、感情を押し殺し、それを「大人になった」と自己暗示で無理やり納得しようとしている。大人になった方が傷付かない? そんなことはないよ。遠ざければ遠ざけるほどリアルな世界はそこにあるんだ。   胸が痛い。「大切なのは信じる力だ」とジェームズ・バリは言う。少年に降りかかる悲劇はそれを体験したものでしかわかり得ない。どんな言葉も励ましにはならないけれど、それでも「信じる力」なんだ。説得力なんてないよ。でもそうなんだ。自分の弱さをどこまでも感じる。僕は大したことじゃなくてもすぐに信じることをやめる。でもそんなに大したことじゃないんだ。信じてみよう。信じよう。
9点(2005-03-22 15:26:47)
7.  エイリアンVS. プレデター
 ・・・ビショッープ!!!(謎) いきなり感動しました。監督は『バイオハザード』の人だからなんでもありかもしれない。内容はほんとうにどうでもいい話なので省略(ただプレデターと主人公の女性がダッシュしたところは爆笑せずにはいられない)。   これってホラーなのかな。アクションホラー?違うよね。たしか『エイリアン』なんかは最初ホラーという位置づけだった気がするけど。  
2点(2005-03-22 15:11:20)
8.  五線譜のラブレター/De-Lovely
 ミュージカル映画だったんだけどミュージカル映画っぽくなかったなぁ。全体的に暗い感じがしたし。別に枠に当てはめるとかそういうわけじゃないけれど華やかなものを期待していたのでちょっとあてが外れたかも。それとみんなタバコ吸いすぎ。  
3点(2005-03-22 15:06:51)
9.  スイミング・プール
この映画、いろいろ解釈がありそうなラストはあまり重要ではないです。重要なのはリュディヴィーヌ・サニエの乳でしょう(断言)。しかしまぁ、なんというか彼女が脱がなかったらこの映画の魅力は半減以下ではないでしょうか(あ、別に僕が乳狂いなわけではないですよ)。僕の中ではフランスの女優は当たり前のように脱ぐ・・・って感じなんですけど、それが良い面と悪い面があると思うのです。じゃ、ここで女優が脱ぐ必要あるのか?と。多くの映画の中にはテレビの2時間ミステリーの濡れ場のようなものも、残念ながらあります。でも今年の映画では、このサニエの乳と先日観たナオミ・ワッツ(『21g』)の乳は作品を語る上で重要なものだと思うのです(『ジョゼと…』の池脇千鶴の乳は微妙ですが・・・)。女優さんは無駄な脱ぎ方はしては自分の価値を下げるだけだなーと感じます。なんかね「脱げば評価される」みたいな映画界の風潮もどうかと思うんですけどね。人間の生活の中ではセックスって当たり前のものであり、日常的なものであるわけじゃないですか。別に人間には繁殖期があるわけでもないし。でもそんな当たり前の生活の中に宗教(道徳観)が入り込んでセックスを隠してしまった。  それが良いか悪いかそういう話ではなくて、もちろん。またはエロか芸術か、なんてもう100年ぐらい論争してると思いますが、全く不毛なものであると思いますよ。悪影響を及ぼすようなところでは公開しない(この映画はR-15で良かったと思います)、それで万事オッケーじゃないのかな。自分の親と観たら確かに恥ずかしい映画でしょうけど。恋人同士で観れば映画館を出て、最後のラストをあーでもないと語る光景は目に浮かぶようですが、お互い結局残るのはサニエの乳なわけで(あれ?違う?)。恋人未満の関係だったら(僕は恋人未満の人とエロティックなシーンを観たことはないけれど)、とっても良い関係になれるのではないかと(含妄想)。わかりませんが。なんか、この映画と全然関係ない話になっちゃってますね。まあいいか。この作品は「エロい作品」と中学生のように感じることもできれば、大人ぶって「綺麗だ。芸術的だ」と言える作品でもあります。楽しみ方は人それぞれあっても良いのではないでしょうか(15歳以上であれば)。ちなみに僕はこれ、レイトショーをひとりで観に行きました。まわりは全員カップル。  
5点(2004-10-29 23:07:55)(良:1票)
10.  ラブ・アクチュアリー
オムニバスでもない話がいくつも交錯する作品は大好きです。いろんな愛の形があるのだと感じることができます。僕は、ずーっと片思いの女性の話が良かったです(ハッピーじゃないけど)。幸せを求める人にも求めない人にも観て欲しい映画でした。
7点(2004-03-23 14:18:19)
11.  めぐりあう時間たち
ものすごくよかった。キッドマンのオスカーは納得です。
9点(2003-05-19 23:08:48)
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