1. エイリアン:コヴェナント
《ネタバレ》 結論的に書けばリドリー・スコットの「エイリアン」はオリジナル1作目を持ってしてベストということだろう。 とはいうもののコレも決して悪い映画ではない、それは間違いない。 但し、この作品がオリジナルから約40年の隔たりを踏まえて、今、あえて世に出た意義は良く判らない。 その理由はジャガーノートとゼノモルフの存在に鍵を握るべきエンジニアが本作では雑魚キャラで、なんとも情けない存在であることだろう。 子が親に、被創造物が創造主を超える存在として在りたい欲望に駆られ、返り討ち的なアクションを取るという動機は解るし、つまりデイビッドとウオルターの物語なのだと踏まえればそれはそれで本作のモチーフとして必然を感じるが、しかし、それにしても『謎解き』という視点で見ると肝心のエンジニアが情けないくらいあっけ無く駆除され、そしてその集落もなんとも局地的すぎ、(前作で)ワザワザ他の惑星システムまで出張ってき生命創造を行うような文明性を持っている社会システムを有している種なのに、空中から撒かれたブラックマターで絶滅とは、かなりヲイヲオな『オチ』である。 つまりデイビッドが「nextゼノモルフ」に昇華したという解釈なのだろうか? と謂うことで本作はエイリアン・フランチャイズに深いご興味のある諸氏には「観ておくべき作品」であることは間違いないが、果たして一般受けはどうだろう???? [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-08-22 01:29:31) |
2. スノーデン
まだ本邦公開前なのでネタバレ無しで、全体の印象のみで…。 オリバーストーンは良作・不作の振幅が多い映画監督だが、今回は間違いなく“アタリ”。 ポリティカルスリラーとして成立させた脚本は秀逸だし、その演出にブレは全くない。 そしてジョセフ ゴードン・レビットの役造りがとても深い。 公開されたら観賞することを強くお勧めする作品である。 [インターネット(字幕)] 9点(2016-11-29 05:39:42) |
3. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 これ、ホントにリドリー・スコットなんだろうか?と疑問さえ持ってしまうくらい「普通」の冒険活劇でした。 いじょ! [インターネット(字幕)] 7点(2015-12-22 09:38:53) |
4. フューリー(2014)
東京都心から直線距離で2400キロ弱ほど南下すると、そこには太平洋戦争の激戦地、サイパン島がある。サイパン島の空港は島のほぼ南端に位置しており、そこから南を見ると潮の流れの向こう数キロには隣り合わせるテニアン島がある。 テニアン島の北部高台には比較的大きな平地があり、戦時中にエノラゲイを含む当時の長距離爆撃機が日本の各地にむけて飛び立った滑走路が4本、まさに兵どもの夢の跡として一部を草に覆われてそこに残っている。 東西に延びる不可思議な虚無空間に立つと、ここが南洋の青空の下であるにも関わらずすこし肌寒く感じる。 サイパンほど観光化が進まなかったこの島には、往時の生活を忍ばせる神社跡などに混じって戦時の遺物が徐々に自然に飲み込まれていっている。 ドイツ戦線の話でなく、ティーガー戦車の話ではなく、ブラッドピットを語らずに恐縮だ。 が、しかしもし貴方がこの映画を通じて戦争の狂気を感じたなら、人間性とは如何に不条理なのかを感じたなら、きっと私が荒れ地の滑走路廃墟に立ったときの「あの気持ち」と共感できたのではないかと思う。 [インターネット(字幕)] 8点(2014-12-12 08:17:39) |
5. インターステラー
《ネタバレ》 なんだよ!最後はラブストーリーなのかよ!? シャトルからの俯瞰撮影アングル変えろよ! ブラウ1589 = KIPP (マン博士のロボット) と言うことで7点、いや6点! やっぱし7点♪ [映画館(字幕)] 7点(2014-12-08 14:05:02) |
6. ラッシュ/プライドと友情
《ネタバレ》 いかにもロンハワードな映画、って言ったら偏見かもしれないけどラングドン博士モノを見ているときと同様な結末まで2時間で一気に持っていこうとする「前のめり感」はどうしてもぬぐえない。1976年のF1GPシリーズを舞台にしてハントとラウダというライバリーを人間ドラマとして描き出した脚本にも納得できるし、主人公二人のみならず出演者は「おお!」と思うくらい(映画が進むにつれてだけど)皆、本人に見えてくる。レガッゾーニやモンテゼーモロも似てるし、フェラーリ翁なんて一瞬の登場だけど、なるほどって感じ。さらに驚くことに長谷見と高原も一瞬の登場シーンがある。 実際、これは十二分に質の高い映画だし、鑑賞後にはそれなりの感動もある。 でも何故か、何か食い足りない気がするのはどうしてかなぁ…。 理由は何なんだろう? たぶんレースシーンのディティールへの拘りが足りないことなのか? 当時のグランプリサーカスの空気感は出ているような気もするけど、でも細部を観るとなんか違うなぁ。 ピットやパドックの雰囲気は映画的お約束で脚色があるのは仕方ないとしても、例えばFISCOがFIICOになっていたり、ヘルメットのスポンサー・スティッカーが実際と違っていたり、あの日のレースは映画ほど土砂降りではなかった…。 そんな細かなディティールへの拘り、というか映画的脚色に気持ちがのらないのか?? そもそもこの映画は往時のGPサーカスがテーマではあるが、レースのドキュメンタリー映画ではないのだから粗探しをしながら観る映画ではないことは判っている。けれども、今ひとつ「食い足りない」と感じるのは、材料も良い、調理も良い、なのに調味料が違う、みたいな…、刺身を中国の醤油で食べているような感覚、たぶんそれが理由。 折角、実車を使った(らしい)のだからレースシーンにもうちょっと拘って欲しかったなぁ。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2014-01-16 19:27:06)(良:1票) |
7. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 まず最初に配給会社にケチをつけます。ゼロ・グラビティじゃないだろ?あん?? そもそもクライマックスの肝はそこに浮かぶ地球が及ぼす重力落下と、そして最後にライアンが二本足立ち上がったときに「肉体の重さ」を感じるところにあるんだからさぁ!、カタカナ英語にするなら単純に「グラビティ」で良いだろうよ?ったくもう…。 と言うことで、なんとまぁゴージャスな映像、映像、そしてまた映像!。尺を90分に留めたことも映像美にくたびれる事無く、エンドロールまでゴージャスな映像は疾走しつづける。 Make Belief なのは判っている、でも90分間、映画館のシートに重力で縛り付けられた観客は、しかし肉体の重さを失い、浮遊感と落下感、そして遠近感を無くした世界に漂い続ける。ストーリーを語っても仕方ない、なんと言っても一直線でしか語れない「重力落下」の物語なのだから…。ライアンが宇宙空間からISSのエアロックにやっとたどり着いた安心感で「胎児の姿勢」を取るのも、母体の中に浮かぶ原初の包まれた記憶と、そして子宮内には重力が存在しないからなのか? まぁ何でもいい!兎に角この映画は映画館で見ること限定!それも前の方に陣取って思いっきり浮かんで、廻って、そして無機質空間を恐れてこそ…だ。 [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2013-11-05 17:31:07)(良:4票) |
8. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 長い… やっぱしこれ尺が長すぎるよ。あとハビエル君、顔でかい。でかすぎるよ。 ハビエル君の存在感で引っ張る引っ張る。捕まってから「ハンニバル状態」からのちょっと演出過剰はどーなのよ?しかも演技の傾向がダークナイトのヒースレジャーに被ってるし。で、主演のダニエル・クレイグ君、僕の中ではカウボーイVSエイリアンで大きく株下げて、もうヤダになったんだけど、ドラゴン刺青でちょっとまた株あげて、今度の「これ」で期待したんだけど脚本がアレだなぁ…。そもそもMI6が攻撃されるっても、それがもとで社会混乱が起きる訳ではないし、スカイフォールってヲイヲイ、ジェームスの生家って、なんだよそれ???。 脚本に戻る、で、物語の核心はMへの復讐なのに変な伏線(例えば地下鉄線路爆破)とか、ヲイヲイ、それいつ何の為に仕掛けたんだよ、ってくらい大がかりなのに最後はデンチおばさん(お婆さん)、死に方がシオシオのパーなのは、どうなのよ?エージェントを使い捨てにする鋼鐵の女、の筈がなんか、最後は只の小さい婆さんだし。つまりこの映画、なにが物語なんだ?う~ん… 6点。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2012-11-11 18:42:53) |
9. インセプション
《ネタバレ》 イームス(トム・ハーディ)がイイ(^_-)-☆(笑) で…本篇の評価。ええ中1日おいて二回観ましたよ。だって監督の意地悪というかいたずらで、ビジュアルや意味深な台詞回しの迷路に嵌められて、まるで押井守の映画を観ているように観客を置いてきぼりにするが、「ミスター・チャールズ」辺りから一本道で相当に雄弁に現況を語る映画になる。で、気になったのがサイトーを救出するためにカブが海辺で目覚める4層目。導入部のシーンがきっとラストに繋がるだろうとこは初見の時でも薄々想像ができたが、2回目は「えーと?これってどっちの夢?」と…。「そろそろサイトーが落ちてくるはずだ」とカブの台詞から、あぁ、そーかそこってカブの夢?でも違う気がするし。あそこはサイトーのlimbo世界なのか?どちらなのか理解しようとしたがわからんかった。うーむ…。と言うことで良作は観客を「あちら側」に引き込むべしと持論に従い10点。 ちなみに、字幕では虚無としていたが、limboはちょっと違うんでねぇか?ということでご参考まで:《名-1》辺獄,未洗礼の人の死後の地,地獄の辺土,キリスト教において,洗礼を受けていない死者が行く場所,地獄と天国の中間的な場所,【参考】limbo infantum ; limbo patrum,《名-2》拘留所,刑務所,監獄,拘禁,《名-3》忘却,【@】リンボー,【分節】lim・bo [映画館(字幕)] 10点(2010-07-26 06:22:03) |
10. アバター(2009)
半廻り年上の異性の友人と行った。この数ヶ月で何本も一緒に映画を鑑賞した人だ。 普段は文芸作品を好み、ドンパチ物を好まないその人は、アバターの予告編を観て「怖そうだし…」と尻込みしていた、その人を連れて。 当然、3Dで鑑賞した。そして映画が終わったその帰り道、その人は言った。『もう一度、今度はIMAXで観たい』と。と…謂う訳で、こりゃー10点だ(笑) 【追加】で二度目を観た、約束通り、件の友人と川崎まで出かけてIMAXで。 座席の位置により大きなハンデキャップのある出来損ない109シアターの評価は別段に譲るとして・・・。鑑賞後、再びの興奮冷めやらぬ友人が曰く『ねぇ、あの俳優さん達ってどうやってあのナヴィの人たち一緒に演技できるのかしらね?』と。私の友人は再びファンタジーの世界を存分に楽しんだようだ。そう、色々なご意見はあるとおもうが、この映画は「あちら側」に行ける純真さひたむきを持ったお方向け。 そうね、確かにどっかの話に似てるのなんの、君らの蘊蓄を語ればそれもファンタジー(笑)。自分が何時までもファンタジーを楽しめる心の持ち主でありたい願いを込めて変わらず10点献上!❤ [映画館(字幕)] 10点(2010-01-03 16:23:06)(良:1票) |
11. ザ・ムーン
これが本当の「20世紀少年」なんではないでしょうか?(笑) いつものことだけど折角の意味深長な原題をなんで上手に表さないんだろう? 確かコリンズのモノローグにあった一節 "I was in the shadow of the moon..."と つまり地球を遠く離れて、地球を望むこともできない月の裏側を周回する時に、孤独、誇り、栄光、そして死の恐怖など、およそ人間が体験しうるすべての極限感情をもって淡々と人類の歴史にページを刻んだ「彼ら」をぼくは称賛する。 [映画館(字幕)] 8点(2009-02-07 11:39:16) |
12. 28日後...
《ネタバレ》 うむ・・・・ 21世紀の『オメガマン』なのね(納得) 5点(2004-05-07 08:22:44) |