1. ネコのミヌース
子ども向けだけど、ストーリーはしっかりしてるし、大げさすぎる演出もないし、何より猫がいっぱいでそれだけで楽しい。魚が食べたくて挙動不審になってしまうミヌースちゃんもとてもチャーミングだった。画や色遣いも気が利いているし、本当は猫嫌いの悪者の車にジャガーのエンブレムなんて皮肉も存在。どんな年代の人にも勧められる楽しい映画。仔猫4匹にとろけたので+1点! [DVD(吹替)] 8点(2007-12-31 21:49:47) |
2. ブラックブック
《ネタバレ》 2時間超の長い時間を感じさせない、なかなか面白い映画だった。エンターテイメント性が強く、セリフのオランダ語を英語に変えて一人くらい名の知れた米国人俳優が出ていれば、「ハリウッド製ミステリーね」ときっと私は思い込んだだろう。冒頭からのたたみ込むような展開や、駅で列車を映すシーンのダイナミックさとか、はたまた誰が影の悪人なのかを推理するところ、所々にちゃんと仕掛けられていたトラップ、みんなすごく巧くて、見慣れた映画に近い気がした。その方法を持ってして「哀」や「憎」で進み行く主人公ラヘルをガッチリと描いていた。映画の出来はカリス・ファン・ハウテンの力量によるところが大きい。登場したところから、華があるというか目を惹く要素でいっぱいだった。個人的に印象が残ったのはロニーという女性。日和見主義、と言えば強過ぎかなあ、でも市井の人って案外あんな感じではないだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-02 03:34:38)(良:2票) |
3. ゴッホ
私は冒頭5分でティム・ロスに懐柔され、映画の世界に連れて行かれた。タイトルに名前を挙げておきながら弟テオの描き方が物足りない感じだったが、アルトマンの静かな演出、南仏の田舎の美しさ、静と狂気を手のひらを返すがごとく演じていくティムに感心しきりだった。現代、巨匠と言われて久しいゴッホとゴーギャン、黄色い家での痛々しい生活が芸術の世界の厳しさそのままに思えてならない。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-17 00:14:29) |
4. オルランド
《ネタバレ》 背景、衣装を含めた美術が豪華で、画の美しさは一級品。後で調べたら監督は女性だそうで、なるほど納得です。あの世界観の中にT・スウィントンがストンと治まり、妖精のような佇まいでさらに美しさが益しています。ストーリーもとても不思議ですが、起伏が無きに等しい。主人公は君主エリザベスに言われた命令には異常に執着するものの、人生にあまりにも起伏がないので面白い映画ではないのです。確かに実際400年も生きるとしたら、あれくらい淡泊でないとやっていけないでしょうが。TVドラマのほうが向いている話のような気がしました。魅惑のファルセット、ジミーの歌声は嬉しいオマケでした。 [映画館(吹替)] 6点(2006-02-05 22:22:03) |
5. エニグマ
《ネタバレ》 第二次大戦がテーマでも派手なドンパチはほぼ無いし、ヒロインたるケイト・ウィンスレットは体もメガネも丸々としているし、観る前の期待を裏切る地味さは否めません。しかし、劇中モールス傍受の女性兵士が言った「これって重要ですよね。」がテーマの底にあると思います。こんな地味な面も戦争の一部に違いない。暗号解読のプロセスなどは私のニブい頭では追いつけませんでしたが、サスペンスとして興味深い作品になっていると思います。終盤、主人公が急に勇敢かつ雄弁になったり、女スパイに翻弄されるヤローどもはちょっと情けないんですけど…。戦争がテーマなのにイギリスの美しい田園風景がたっぷり見られるなんて、珍しい映画ではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-21 16:43:56)(良:1票) |
6. 奇跡の海
《ネタバレ》 真っ白で純粋すぎる主人公の愛を、ひどく不快なプロットで浮き彫りにした映画。主人公以外の人間の罪、そしてその自意識の無さに私は憤慨しっぱなしだった。鐘の音、あれを聞いたのは亡骸になったベスではない。夫ヤンなのだ。罪人の心をあっさりと 救うラストを見届け、ビデオを速攻で返却しにいった覚えがある。大憤慨だった。 1点(2004-01-30 19:11:03)(良:2票) |