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1.  台北の朝、僕は恋をする 《ネタバレ》 
夜の車道を縦移動で捉えるドライヴ感や、鮮やかな色彩感覚、椅子に拉致された男女のシチュエーションなどは、師の『カップルズ』へのオマージュといったところか。  ネオンを反射する濡れた街路の艶。夜市の賑わいや、地下鉄駅構内での追っかけのゲリラ撮影的な臨場感覚がいい。  カイ(ジャック・ヤオ)のトラブルに巻き込まれながら、次第に彼をリードしていくスージー(アンバー・クォ)。互いに淡い恋情を意識し始めながら、それを決して表出させないナイーヴな男女像を演じる二者が共に瑞々しい。  追われる側から、スクーターを駆って追う側へと転じるショット繋ぎの鮮やかさ。男を後部座席に乗せて運転する彼女がみせる凛々しい表情は本作の忘れ難いショットの一つだ。 彼を見送った後、一人朝方の部屋に戻り、逆光の窓辺でコップの水を飲む彼女の寂しげなシルエット。その引き気味の1ショットの情感もどことなくエドワード・ヤンの趣を淡く漂わす。  そしてエピローグの横移動がいい。自分を呼ぶ声に、流れる書架の合間から覗くアンバー・クォの固い横顔に次第に微笑が差していく。爽やかな再会のエンディングも『カップルズ』的だ。 
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-03 19:04:16)
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