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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2061
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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【製作国 : 台湾 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  1秒先の彼女 《ネタバレ》 
これは、素敵な映画です。優しくてユーモアでくるまれていて観ていて心地よい。時間をいじるアイデアですが難解ではなく、ゆるーいファンタジー感覚。登場人物らもその空気にぴたりとハマりました。シャオチーが年齢相応の鬱屈を抱えている姿は「アラサー女子あるある」で微笑ましく、国の違いを忘れます。話の核となる変人グアタイ君、詐欺男、職場の面々とドラマに必須な群像を上手に配置し、さらにヒロインの過去と失踪した父親のエピソードを伏線とする脚本はお見事でした。 それに台湾の風景の美しいことにも目を見張りました。街並みはノスタルジックだし郊外の自然はのどか。海を両側に分けた道を往くバスの画などはアニメでしか見たことない、と思うほど。 生き急ぎ気味の彼女と、テンポが遅くて見てて歯がゆい彼。タイミングずれずれの二人のすれ違いを外野から見守る楽しさ。ようやく再会して二人してビービー泣いてるシーン、可愛らしくてほんと好き。仲良くしてってね! 韓国ドラマのようにキリキリ尖っていなくて、日本の量産型恋愛モノのようなやっつけでもなくて、丁寧でふんわりしている。素敵な映画一本でその国へ抱く印象が決まったりします。台湾がもっと好きになりました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-05-29 22:54:26)
2.  牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(236分版) 《ネタバレ》 
この映画には60年代の台湾の全てがある。市井の人々の暮らしと、政情、文化、天気までも。 クールなアングルが印象的な固定カメラと、夏の夜の匂いまで運んできそうな夜の闇。画が本当に格好いい。 何より、背景である20世紀半ばの台湾の暮らしの細部、特に日本統治の名残である日本家屋のノスタルジックなことは日本人である私の琴線をかき鳴らすこと半端なかった。この懐かしさ、祖父母の家かと思うほどにセットなどではない本物の生活感がある。低い天井、コンクリの流し台、使い込まれた机の木の黒光り具合。緑の羽根の背の低い扇風機、大きなラジオで知る合格者、型紙から縫い上げるワンピース。小物ひとつ取っても郷愁であふれる張一家の暮らしなのだった。 青春を生きる世代とその親の世代、二つを交互に描くことでその距離も浮かび上がる。本土から来て十二年も経つのに未だ生き辛い外省人の大人たちと安定しない社会に漂う漠然とした不安。徒党を組んで虚勢を張ることでアイデンティティを維持する男の子らはどの時代どの国でも見られる青春群像なんだね。 男子も女子も、見事にスクリーンの中で生きていて、これが演技であるということを途中忘れて観ていた。 役者が最後まで決まらなかったというヒロイン、魔性の少女小明。この娘がじわじわと凄い。ぱっと見絶世の美少女ではなくとも、話を追ううちに彼女の放つ毒にヤラれている自分がいた。ましてや常識的な家庭に育った我が小四にはアクが強すぎた。恋をしてはいけない娘だったのだ。清楚な佇まいとラインの綺麗な首、でも強すぎる眼の光。 彼女の薄幸な境遇を思えば、小明が「自身の心身を預けられる相手」を本能でキャッチするようになっていったのも無理からぬ気がする。私は彼女を責められないが、地域のボスまたは№2、バスケ部のエース、若い医者、司令官の息子、と指折り数えてあわわわ・・、と呆然となっちゃった。 そしてなだれ込む悲劇の夜。青春の視野狭窄と愚かさと純情が混じって暴走した末の、やり切れない結末。 この上なく苦い切なさが、もはや関係の無いラストのラジオからの合格者を告げる声と合わさっていつまでも消えなかった。 観た事を忘れない、半世紀前に生きた家族の比類の無い物語。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-09-05 16:39:18)
3.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 
人が神の存在を思うときってどんな時だろう。この映画を観て思った。自然が文明を圧倒している場に一人ぽん、と放り出されたら、生死の際にあったら。生きることは神との対話に他ならないだろう。19世紀初頭、人間が自然を克服しきれていない時代では生き死には創造主の意志次第という考え方は人間皆の根底にあったのかも。無神論者のフィッツジェラルドの父親でさえ、飢えの極限で食料となるリスに神を見たのだ。 「自然」、アメリカ北西部の晩秋の森、山河の厳しいことったら。葉が落ちているので木々の間はすかすかで、その空間からのぞく空の青の薄いこと。差す日の光もはかなく白っぽく、でもそれすら恩寵に感じる。生きるために死んだ獣の骨から髄液をすすり、絶命したての馬から内臓を抜き取って身体を収め、吹雪をしのぐ。 生と死がせめぎあう凄まじさを演出した北米の原始のままのようなロケーションが圧倒的。雄大で美しく、気が遠くなるくらいの孤独をもはらんで容赦ない。 先住民は常に生活を神に委ねている。劇中何度もグラスの妻の祈りが繰り返されるように。グラスもついに最後には「復讐は神の手に」任せた。 違う時代と国に生きるワタシにすら神の存在を考えせしめたこの映画の映像の力には感服した。撮影班はまったくオスカーにふさわしい。ディカプリオには「大変よく頑張りました」賞でいいと思うが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-06 18:51:37)
4.  ラスト、コーション
ちょっと・・、ノレなかったんですよ。何人かの方も言ってるけど、私もヒロインの造作が難ありだった。素朴が勝ちすぎて、色恋沙汰を濃い目にこなすのは厳しい顔立ち。劇団仲間の、もう一人の彼女、あっちの方がヒロインに良かったんじゃないですかね。私個人の好みか。 「想い」を描くのに定評のある監督の手腕はいかんなく発揮されているとは思うんですよ。トニー・レオンのラストシーンでの脱兎ぶりも涙目顔も良かったし。ああだから別の女優だったらなあ、この話もっと気持ち入ったのにな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-13 01:03:17)
5.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
終盤に「え?」と思わされ、その意味を一晩かけて考えさせられた久々の深遠なる作品だった。そうか虎はパイが生きるため、神と折り合うために創造した殺人と肉食の象徴だったのか。「リチャード・パーカーがいなかったら、生きられなかった」とトラの存在を全肯定しつつ、他方で神の出現に怯えるトラはつまり彼本来の菜食主義に反する現在の食事情や、人を殺めたことへの罰を怖れているということ。苛酷な試練に引き裂かれそうな心のあわいで、パイは叫ぶ。「神よ、なぜトラを怯えさせるのですか」サバイバルと信仰のはざまで、ぎりぎりのところにいた嵐の時のパイ。そこに現われたのが夜間食肉の浮島、神がパイに与えた恩寵。この島が“本当の話”では何に当たるのか、私の想像は及ばなくて残念だ。 予告を見たときは、自分も周囲も「トラと漂流?そんなばかな」程度のリアクションだった。浅瀬と思って踏み入れたら思いがけず深くてとても驚いた。 幻想的で優美な映像は息を呑むほどで、映画感のスクリーンで観なかったことがとても悔やまれる。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-07 00:06:21)(良:1票)
6.  グリーン・デスティニー
こういうのはワイヤー・アクションにノれないとどうしようもないので、こういう動きはアリなんだ、ハガレンみたいなもんなんだと自ら言い聞かせてついていったのにあの終わり方はないよな。怒ってばっかりのチャンにも魅力を感じない。竹林を白い人影がひらひら舞うシーンは綺麗。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-20 00:22:10)
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