1. 少年と自転車
これは泣く。シリル役の男の子の目の演技が凄い。怖い。 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-01 12:43:37) |
2. デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-
テーマは面白いが、やや盛り上がりに欠ける。 [映画館(字幕)] 6点(2012-06-30 14:40:48) |
3. 終わりなき叫び
カンヌで審査員賞受賞ということで期待していたが、かなり退屈な映画だった。登場人物のアップに頼る撮り方は出来の悪い日本映画に通じるものがある。内戦下のチャドで、とあるリゾートホテルのプールの監視員をしている老人(かつての水泳チャンピオン)とその息子の葛藤とその結末がこの映画の背骨だ。自らの仕事に誇りを持っている父は自分の息子にもプールの監視員の仕事を教えているのだが、ある日、人員整理のため彼は息子に職を譲って引退するように経営者から命じられる。これだけ聞くと、とても面白そうなテーマである。この父と子の緊張関係に何人か他の登場人物を登場させ、適当なドラマを生起させれば、いい所まで行きそうである。しかし、この作品からは圧倒的にエピソードが欠落している。 いくつか印象的なシーンはある。父と子がプールの周囲に夜間用のチェーンをかけていくシーンや自宅での母親を交えた夕食のシーン、息子のガールフレンドが歌い始めるシーンなどだ。でも、その背後にあるのは茫漠たる時間の延長だ。これらの良いシーンが出てくるまで、僕らはずっと砂を噛むようなシーンを前にして、ジリジリしながら待たなくてはならない。そして、作品を観ている間に待たせられるなど、せっかちな僕には我慢できない。 [映画館(字幕)] 3点(2011-12-13 09:50:01) |
4. ベルヴィル・ランデブー
《ネタバレ》 嫌いかと聞かれると嫌いじゃない。確かにキャラは軒並み可愛くないし、可愛くないならなぜアニメにするの?と聞かれてもよく分からない。でも、この作品のことは嫌いじゃない。犬の夢、電車にほえる犬、気味の悪い三人の婆、そして何よりもすさまじいデフォルメ。嫌いじゃない。積極的に大好きとは胸を張れないが、嫌いじゃない。いや、好きなのかも。最終的には。 [DVD(字幕)] 6点(2010-04-18 22:51:20)(良:1票) |
5. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 まさに風光明媚を絵に描いたようなイタリア南部の島の映像を背景に、そこで友情を育むマリオとネルーダの関係性が繊細なタッチで描かれている。マリオ役の人の演技は本当にうまいと思った。感情を出しにくい内気で無骨な男の心の動きを、抑制された演技で見事に表現している。また、「詩」という表現方法の魅力も存分に楽しめた。言葉とは本当に美しいものだ。これといった事件も起きない日常を切り取った温かい雰囲気の映画で、誰にでも勧めやすい内容になっている。 ただし、最後にマリオを殺すのは安易過ぎる。再会するも、インテリと労働者の気持ちのすれ違いみたいなものを感じるというような展開だったら、もっと切なくて興味深い内容になっていただろうに。泣けるのは確かなんだが、話に必然性が無く、そこが残念に感じざるを得ない。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-05 21:40:05) |
6. ブラックブック
《ネタバレ》 大傑作「スターシップトゥルーパーズ」で出会って以来、気になっていたバーホーベン監督。今回は、SF系ではなくて、歴史ドラマだそうで、でもどうせありがちなホロコースト映画にはならないんだろうなと期待して観ました。 結果は、「満足」の一言。SFのぶっ飛んだ感じはないが、映画のつくりとしてかっちり出来上がっていて、なおかつ監督のエログロ的要素も垣間見えるあたりのバランス感は絶妙です。「いい『映画』を観たなあ」と満足感に浸れる点は、作風はぜんぜん違うけれど、イーストウッド監督作品の感想とも共通します。バーホーベン監督の底力が見えた気がします。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-06 22:55:25) |