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1.  エレンディラ
ヒロインは海に憧れ続け、ラストでやっと海のそばにテントを立てるが、また砂漠のほうに逃げていく。この青空が印象的で、海の青より空の青を選んだ、という感じ(青と言えば、初めて体売られたときカーテンを青い魚が過ぎていく。「百年の孤独」に、ずっと雨が降り続いて湿度が上がった室内を、魚が泳ぎ過ぎていくってイメージがあって、好きだった)。マルケスの小説って凄く映像的だと思ってたんだけど、やはりあれ文学なんだな。この映画で一番美しいイメージは祖母の夢語りなんだ。エイが空を飛んでいくような。その瑞々しさに比べると、ガラスの変色など、実際の映像で示されるとかえってイメージがしぼんでしまう。そこだけが特異点として浮き上がってしまう、日常の中の非日常として。全体が溶け合ったものになってくれない。さらに言えば、あの仕掛けはどうなってんのか、などとあらぬことを考えてしまう。これ映像の不利な点ですね。修道院から帰ってくるところがミソか。幸福と懐かしさで、彼女は懐かしさのほうを選んだってこと。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-30 09:57:34)
2.  PNDC-エル・パトレイロ
理想に燃えた警官が社会に出て汚れていく。ついに矛盾に耐え切れず職を辞し、妻にこきつかわれ、愛人には「養ってくれるわね」と釘を刺され、ああ、これが人生か(ちょっと「砂の女」を思い出した。男を待ち構えている女という落とし穴)。愛の理想も現実に汚染されていく。仕事の嫌な感じを丹念に積み重ねていくあたりに、手ごたえ。怪我をしたとこに父の幻影が現われるのなんか、中南米の匂い。そしてドン・キホーテのように最後の一花を咲かせようとするわけだ。やはり中南米って、どこかスペインの影を引きずっている。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-27 09:56:07)
3.  エル・トポ 《ネタバレ》 
前半はほとんど武者修行の道場破りといったオモムキ。ここらへん60年代が匂い立つ。精神性への憧れがあって、それがファッション的というか皮相的な感じが実にもって60年代末。物質主義に対する反発、というより、物質主義に対する反発を表現したかった時代・反発するとカッコよかった時代。このあと地下のフリークスと組むわけ、というか神になるのかな。ま、この話全体がある種の創世記神話で、ここから歴史を始めたい、なんて意志が感じられる。小人女と組んで大道芸。ここらへんはちょっと哀切。成人した息子が殺しに現われる(だと思うんだけど違うのかな)。解放のための穴をあけ、しかし彼らは街の人々に殺され、男は復讐して焼身自殺を遂げる、ここらへんの展開にはノセられました。いかにも頽廃を演じようとしてるんだけど、なにせ画面が乾いてるもんだから陰湿感がない。でもだからかえっていいのかな。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-10 11:59:27)(良:1票)
4.  エル(1952) 《ネタバレ》 
普通こういう話だったら、妻を主人公にするよね、スリラーとして。たしかに語りはおもに妻だけど、主人公としての焦点は狂ってく夫に絞られている。スリラーとしての楽しみもあるけど、それが精神病の症例記録ってリアリティも持ってて、なんとも得体の知れない手触りの映画になった。主人公は正義の人なんです、不正が許せない。祖父の代の土地問題を裁判していて、どうもかなり無理な訴訟らしいんだけど、自分が正しいという信念があって、正しいことが負けるはずがないと思い込んでいる(こういう訴訟を抱えている人は『昇天峠』にも登場した。ブニュエルの近辺に実在したのかな)。いいかげんに生きてる奴らへの軽蔑と憎悪が煮えたぎっている。ここに愛する人が登場し(というか愛する脚を所持する女性)、嫉妬の苦しみが生じる。自分の厳格で高貴な世界に彼女を囲い込みたい。嫉妬で荒れては、許しを求めてひざまずく、その繰り返し(落とした食器を拾おうとして妻の脚を見ると、許しを乞い出すの)。自信過剰と自己卑下の壮大な空中ブランコを眺めているような躍動感がある。教会の鐘楼に上って、いいかげんに生きている他人どもの世界を見下ろす、彼らに対する軽蔑だけならいいけれども、そういう他人どもとも生活していく上で接触しなければならない、そこで自分と妻の高潔が汚されるのが我慢ならないわけ、そりゃ追いつめられていきますわな。その果てに、階段で手すりの間を叩くシーンが来る。あそこは妻の立場に立って怖いのではなく、あくまで主人公が追い込まれている状況が怖い。そして街に飛び出すと、軽蔑して止まない他人たちが嘲笑を浴びせてくる…。狂おしいまでの愛の物語ってのは映画史上たくさんあるが、ここまで狂ってて、しかもそれを冷酷に観察してる作品ってのはあんまりないぞ。
[映画館(字幕)] 8点(2010-03-18 12:09:25)
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