1. バベル
長丁場の重々しい雰囲気にも眠くなる事なく見る事ができた。銃撃を受ける夫妻が子供を置いて旅に出る理由や、他の登場人物達の背景もそれほど描かれておらず、唐突に始まって唐突に終わってしまう。奥の深いような、単純に難解なだけのような、「21グラム」を観たときのように、もやもやとした不可解さが最後まで糸を引く映画だった。‥‥‥分かり合えない人と人の悲しさをバベルに例えたということだが、描かれている人と人とのスレ違いは、理解し合えば解決するような問題ではなく、単純な悪い運命の連鎖である以上には感じられない。それとも、その悪い運命に抗うすべを持たない人間の悲しさこそが、「バベル」の言いたかったメッセージなのか。‥‥‥日本人の女子高生のあんまりアブノーマルな描き方には正直辟易した。東京の女子高生があんな売女ばかりだと思われても困る。彼女が孤独に悩む少女というより、単なる尻軽な女にしか見えなかったのは、私自身が愛情を持って育てられた証拠であるのかも知れない。 [映画館(字幕)] 6点(2007-05-25 01:25:53) |