1. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 オフェーリアは、王国の姫君になれたのだろうか。 それとも、全ては彼女が厳しい現実から逃避するために作り上げた虚構の世界だったのだろうか。 それにしても、なんたる想像力。 オフェーリアもデルトロも、創り出す異形のキャラクターのなんと不愉快で忌まわしいことか。 あれが彼女の現実に対する認識なら、なんて悲しくて切ない物語。 そこに加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-02-17 21:27:01) |
2. 雲の中で散歩
《ネタバレ》 好青年を演じさせたら、キアヌ・リーヴスの右に出る者はいないのではないかと思わせるほどの爽やかぶり。 ちょっとズルいくらいに、いい奴でカッコいい。 ビクトリア役の女優さんも知的で品位があって好印象。 難点は、二人とも恋愛経験が乏しくて思い込みが激しいこと。 まあこれは多分に脚本に拠るところが大きいのだけども。 若過ぎる二人を取り巻くブドウ農園の人たちが素晴らしい配役。 特にヴィクトリアの母親と、すぐに泣いちゃうメイドが良い。 ロマンスもドキドキ感があるし、家族愛も織り込んで、なかなか欲張りな映画。 ただ、あんなシーンを観ると、年代物のワインは飲むのを遠慮したくなったかな(笑) [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-29 22:18:05) |
3. ドント・ヘルプ
《ネタバレ》 冒頭から呪文のような聖書の言葉が不気味に流れ、得体の知れない薄気味悪さを上手く演出している。 一晩の出来事にしたのも、テンポの良さにつながっていて悪くない。 そして悪魔が取り憑いたタマラ役の少女の演技が真に迫っており、悪魔に対する恐怖心を煽るのにも成功している。 難点は、テンポの良さにつながる一晩の設定のゆえに、少女の両親の苦悩が今ひとつ実感できないこと。 そして何より、エクソシスト役の神父が胡散臭い。 これはもう正直致命的で、品格も重厚さも感じられないので、とにかく頼りなくて限りなく胡散臭い。 映画としてはなかなか面白かったので、その点が残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-03-11 21:54:42) |
4. マイ・ボディガード(2004)
《ネタバレ》 過去に苦しみ、酒浸りの生活を送る男に一筋の光が差し込む。 寂しげだ、と男を見抜く少女と過ごすことで、少しずつ新たな人生の可能性を感じ始めた男。 デンゼル・ワシントンの演技は相変わらず見事で、ダコタ・ファニングの天真爛漫さも最高にキュート。 復讐に燃える男に完全に感情移入できる流れは、前半の輝いた一コマがあればこそ。 監督の手腕にまんまとやられた感じ。 男の最期のアートになったかどうかはわからないが、無事だった少女が男に抱きつくシーンはグッとくるものがあった。 レオン、よりは、アジョシに近い、自分の光を守ろうとする男の美しさに溢れた映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-08-12 15:07:12) |
5. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 吊るされた死体。山積みになった麻薬。 我々が異常と思う世界に住む彼らにも、息子とサッカーをする日常がある。 アレハンドロは単なる復讐者であって、メキシコの闇を救う救世主ではない。 ケイトもまた然り。 たった一人の暗殺者に怯えるようでは、正義を貫くことはできない。 やり切れなさが全編に漂う映画。 でも、これが世界の裏側の現実。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-08 23:59:36) |