1. アイアン・スカイ
評価の角度を変えるだけで0点にもなるし8点にもなる映画。いろいろ悩んだんですが最初のレビューなんで、一般人目線で点をつけました。ドイツのSFコメディを観た事のない方は避けておくのが無難でしょう。 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 4点(2012-10-02 01:54:17) |
2. かもめ食堂
鮭の切り身に塩をふって、焼き網の上に乗せる。熱源はガスのようだ。当然、油がポタポタ落ちてキッチンはベトベト、換気扇のないらしいキッチンは食堂内と仕切られてないので、店内は場末のホルモン屋のように煤と油が染みついて、そこにはマジックで書かれた「ホッピー」という張り紙が黄ばんで…ないんだな、コレが。 映画のマジックなワケだけど、何となくそこんとこのリアリティのなさだけが気になり、そして悲しかった。言ってみればこの店内、サチエの内面みたいなもんだ。スッキリと美しく、塵ひとつない空間。そこで魚を焼く事は、絶対できない場所。 じゃあキッチンは別の部屋になってた方がよかったのか…? もちろん画面的にはそんな事はないワケで、キッチン・食堂・表通りが素通しで見渡せる店の構造は、(ガラスへの映り込みも含めて)映画中でいろいろな画面の遊びに使用されていて、観飽きる事がない。オイラ的な結論としては、この店はコーヒーとオニギリ以外は出しちゃいけないんじゃないかって気がした。 あと、だれ一人困らずにワリバシを使いこなしてるフィンランド人たちってどうよ。 ま、ゴチャゴチャ突っ込む割に、きっとまた観に行くだろうけど…。 [映画館(邦画)] 6点(2007-03-21 19:06:08)(良:2票) |
3. 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
さてコッチの方は… 「結婚は10分で決める」5点:今回はコレを基準作にしました。 「ライフライン」10点:まさか10分の映画でボロ泣きするハメになるとは~! いつも通りの作風ですが、100分相当の作品として通用します(でも「あと10年は撮らないよ」なんて言わないで下さいね)。 「失われた一万年」4点:あいも変わらず密林ですか…しかも、まんまドキュメンタリーだから、彼独特の狂える迫力が出てない。10分で自分の世界を表現できないからって、投げちゃいけやせんぜ監督。 「女優のブレイクタイム」4点:ジャームッシュに浸るような心の余裕は、オイラにはない。 「トローナからの12マイル」8点:うぉー濃密~。これも、一作分の長編映画に展開できる作品ですなぁ。 「ゴアVSブッシュ」3点:この映画で初めて知りましたが、ゴア君はブッシュたんに向かって一度は敗北宣言したんじゃん。まあアメリカン人でないからどーでもいいですが…。 「夢幻百花」9点:イッセー尾形さん家の引越し(笑)。コレがラストを締めるとは意外でした(ヴェンダース作品の方がよかないか?)が、見応えありました。 そして結果はこのように…。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-03 22:00:51)(良:2票) |
4. 10ミニッツ・オールダー イデアの森
平均点方式で行きますか。願いましては…。 「水の寓話」3点:おいおいまた東洋趣味すか。 「時代×4」9点:4倍濃厚で最高。マイフェイバリットな引き込まれる映像。 「老優の一瞬」5点:本作を基準点としました。お手本的逸品。10分で終わる『ニューシネマ・パラダイス』ですな。 「10分後」8点:やるなサボー! あんたが長回しで来るとは思わなかったよ。 「~との対話」7点:正直よくわかんなかったんだけど、一番印象に残る。 「啓示されし者」4点:展開は面白いが、ナレーションは不要では? 「星に魅せられて」7点:正直面白くないんだけど、そのストレートっぷりでサービス点。 「時間の闇の中で」2点:こらこらこらこらこら! …しめて、この点になりました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-03 18:15:49) |
5. カラマリ・ユニオン
《ネタバレ》 「さーて10点にしようか9点にしようか」と考えてこのページを開いたら、何と皆さんの点数の思い切らない事。ま、癖のあるカウリスマキ節だからなあ。仕方ないよなあ。でも、強烈にカッコよかったっすよ。ラスト直前のスタンド・バイ・ミーを歌いだすとこなんか特にビリビリッと来たっすね。リュック・ベッソンなら『サブウェイ』だし、タランティーノなら『レザボア・ドッグス』に当たる「見せたい絵だけで繋げてみました」な作品。この先にはおそらく『タンポポ』『コヤニスカッティ』くらいしかないだろう。ストーリーの論理性をトコトン排除するとスタイルがクッキリ浮かび上がるという典型ですな(タランティーノもここまでイサギヨクやってくれれば評価上げてやるんだけどなー)。そして『ブルース・ブラザーズ』への強烈なリスペクトが見られる作品でもあります。これが後のレニグラシリーズへと繋がる要素なんだと思うけど、『カラマリ・ユニオン』の方が好きだな。転がって、転がって、どこまでも堕ちていくロックンロールライフのクールなカッコ良さ。4~5作分の映画のエッセンスが詰まった、濃密な転落光景のコラージュ。 9点(2004-09-06 01:49:12)(良:1票) |
6. レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う
冒頭の長い長い字幕が一大ドラマになってるんでまず絶句。で、メキシコからロシアまでの長い道のりをマジでロケしてるのにビックリ。相変わらずのメチャクチャさ(今度は聖書までネタかよ…)にはアゼン。メキシコ組はアワレ。天下に恥じる事のない堂々としたバカ映画でした(持ち上げすぎ?)。で最後に、自由の女神の鼻の意味がどーしてもわかんないんですけど、誰か教えてください。 6点(2004-05-24 03:23:20) |
7. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
《ネタバレ》 誰も指摘しないから言わせてもらうけど…カウリスマキは自分バージョンの『ブルース・ブラザーズ』を撮りたかったんじゃないかなあ(『カラマリ・ユニオン』の頃は意識してたかどうか知らないけど)。ラスト、メキシコでの夢幻的な結婚式は、脳裏に焼きついて離れない。ああ、幸せなラストだな…1年後、テキーラの魔手が忍び寄るまでの淡い幸福だが(笑)。 5点(2004-05-24 03:10:45) |