Menu
 > レビュワー
 > 港のリョーコ横浜横須賀 さんの口コミ一覧
港のリョーコ横浜横須賀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 118
性別 女性
年齢 41歳
自己紹介 前回アクセス(H30.11月)から2年ぶりに再びアクセス。
なかなか時間がないものの、地味〜に、たま〜に、映画は観ているのですが、、何故か映画鑑賞よりレビューを書く方が時間がかかる不思議…
簡潔に論理的にまとめる能力が欲しいです(泣)

<採点基準>
10  :生涯のベストムービー。理由は様々だが愛してる

9 ~8 :かなり大好き。純粋に面白い。好き!

7 ~6 :なかなか良い、悪くない。云わば平均!

5 ~4 :微妙、消化不良、苛々。あまり好きではない

3 ~2 :見たことをひたすら後悔、後悔、後悔

1 ~0 :滅多に出ないが出たら最後。永遠にさようなら

これからもよろしくお願いします!

令和2年10月10日

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : フィンランド 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ヤコブへの手紙 《ネタバレ》 
短時間の作品だが、内容は非常に濃い。 人が生きる意味や生死観と重い題材ではあるが、悲壮感はなく、静謐で温かい空気が流れている。フィンランドの田舎町の風景がそれを手伝っているのだろう。聖書の言葉が与える神秘的な優しさの影響も大きい。  物語は、殺人により終身刑に処されていたレイラが、恩赦によって出所する所から始まる。彼女は唯一の身内である姉の元には戻らず、刑務官に紹介されるまま、片田舎の教会の牧師・ヤコブの元に届く「手紙」を読む仕事に就く。ヤコブは盲目ゆえ、レイラに手紙の代読と返信の代筆を頼むのだ。  興味深かったのは、光と闇の使われ方。 陽の光に照らされて生い茂る木々や草花。 そんな外の風景とは対照的に、ヤコブの家の中は暗く、老朽化によって傷みきっている。 悩める子羊たちに優しい言葉と安らぎを与えるヤコブとは、まるで正反対の様相。これは単にヤコブが盲目であるからではなく、家が「彼の心の闇そのもの」なのだと思う。  彼は言う。「自分の役割は『神の教えを説くことだ…』と幼い頃から思っていた」と。 彼に救いを求める手(手紙)を優しく導くこと。それこそが彼の生き甲斐で、人生で、存在意義なのだ。 しかし、それはあまりにも脆い。  確かに隣人愛は素晴らしい。 しかし、人から必要とされる事が生きる目的と化したヤコブは、それらを失う不安や恐怖心に心を蝕まれていたのだろう。ヤコブの家の暗さに、そんな哀愁が漂っていてとても印象的だった。  レイラの心も、溢れる自然美(ヤコブの家の外)とは裏腹に暗闇に満ちている。 しかし、ヤコブと日々を共にすることで彼の心の闇に触れ(ヤコブの家の中)、彼女自身も心の扉を開いていく。彼女はヤコブの為に、彼女自身の「恥部」をさらけ出す決意をする。これは、キリスト教的には「自己犠牲」の一種ではないかと思う。  孤独を抱えていたレイラは、自己犠牲により新たな救いと希望を見出す。同時にヤコブも、「隣人愛」によって、彼自身の命を以ってレイラを救済し散ってゆく。レイラは「生への希望と活路」を、ヤコブは「使命と充足に満ちた死」を、互いに与え合ったのだろう。  人は人の心の闇に触れた時にこそ、本当に優しくなれるのかもしれない。たとえその闇が深くても、いつか必ず光は差しこむ。 誰かに必要とされたいと思うのは、人としての純粋な欲望である。だからこそ、私たちは愛し合えるのだと思いたい。
[DVD(字幕)] 8点(2011-11-17 00:40:06)(良:3票)
2.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
縁もゆかりも無い人々が、縁もゆかりも無い土地で出会い、そこで生じた小さな縁により、それぞれの人生や生活に影響を与えていく。鑑賞後は、なんとも言えない温かい感情に包まれました。 サチエさん、ミドリさん、マサコさんが『何故フィンランドを選んだか?』の明確な理由は、最後まで明かされません。きっと理由はさほど重要ではないのでしょう。明確な目的など無くても、自らの意志さえあれば、どんな旅でも希望が持てるのです。そんな人生も楽しそうだし、とても素敵ですよね。  印象的だったのは、マサコさんのトランクの中身が開かれたシーンでした。行方不明になったトランクの所在を繰り返し尋ねていたマサコさんに、サチエさんは言います。「大切なものが入っているでしょうから、早く見つかると良いですね」と。曖昧に返事をするマサコさんは、恐らく思い返したのでしょう。『無くして困るほどの物を、いったいどれほど持ってきたのだろうか?』と。 ようやく見つかった彼女のトランクを開いてみると、中にはあの森で拾ったような美しい落ち葉が溢れ返っています。たくさん拾ったのに何処かで落としてしまった、フィンランドの森の落ち葉。木漏れ日が射し込み静寂が佇む、まるでフィンランド人の穏やかさを象徴しているかのような美しい森で拾った、鮮やかなたくさんの落ち葉。きっとマサコさんが日本から持って来たトランクの中には、彼女が心から必要としているものは無かった、という意味なのでしょう。彼女が必要としているものは、ここフィンランドにあった。だからマサコさんはフィンランドに残ることを選んだ。  フィンランドという土地で素朴な日本の姿が徐々に受け入れられていく様や、言葉の壁を物ともせずハートとハートで人間関係が繋がっていく過程は、何とも言えない充足感や幸福感を与えてくれます。人と人との出会いは、ある意味「糸」のようなもので繋がっているのかもしれません。その「糸」は「縁」あって「絆」に変わっていくのでしょう。 彼女たちの「いらっしゃいませ」は、今日も新たな縁の糸となっていることでしょう
[DVD(吹替)] 8点(2009-01-08 23:13:47)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS