1. 迷子の警察音楽隊
《ネタバレ》 導入部分に顕著な絶妙な「間」と、横並びを多用した構図、そして堅苦しい制服や重そうな楽器と荒涼とした風景のギャップだけで、コメディとしては完成しているわけです。あえて一足飛びに関係を発展させることなく、ぎこちなく礼儀正しく交わされる会話にも、何ともいえない味があります。その中でも、最低限の台詞で登場人物の心理の揺れを表し切っている脚本が、よく見ると凄く練られています。また、ユダヤとアラブの対立背景を全部削ぎ落とした潔さも、かえって作品世界に緊張感を与えています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-11 03:49:01)(良:1票) |
2. ジェリーフィッシュ(2007)
ごく普通の3組の人々の並行する道行きをじっと見続けるという視点は好みだし、ひっそりと息をひそめるかのように落ち着いた雰囲気も悪くないのですが・・・3組の話は交錯するようでしないし、そもそも全部が似たような描き方で似たようにうじうじ悩むキャラばかりが出てくるので、作品としての意味合いを削いでしまっている。結果、設定のための設定のようになってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-08 23:58:13) |
3. シリアの花嫁
《ネタバレ》 対象選定と設定の斬新さだけで5点。しかし、これだけぎりぎりのシビアな状況を描写しているはずでありながら、そもそも何で花嫁はこの人と結婚したいと思ったのか、というコアの部分の掘り下げが不足しているのが気になる。また、前半、未整理にたくさんの人々が次々に出てきたので、誰が何をしようとしているのかがよく分からなかった。最後のまっすぐに歩いていくシーンの単純な衝撃で大分得をしている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-04 02:51:21) |
4. 約束の旅路
《ネタバレ》 なかなか日本では目にする機会のない題材だけに、それだけで新鮮。普通の映画だったら、イスラエルに到達するまでの困難をあれこれと設定するところであるが、この作品は、移住自体はあっさりと済ませた上で、その後の主人公が人生において背負った十字架に焦点を当てているところに意味がある。前半は、じっと息をひそめるような少年の視点で描写が統一されており、地に足の着いた説得力ある描写となっている。後半が、別の映画になったかのようにあれよあれよの急展開になってしまったのがやや残念。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-30 23:25:54) |
5. 暴走機関車
《ネタバレ》 単純にはらはらして面白かったです。主人公と所長の無駄に熱い対立図式もよろしい。最後の強引な盛り上げ方にもびっくりしました。ただし、女車掌と脱獄囚が妙にあっさり仲良くなってしまうのは、どうみても変。それと、危機回避ネタの仕込み方については、「新幹線大爆破」の方がはるかに上ですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-19 01:28:00) |