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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1922
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  アンネ・フランクと旅する日記 《ネタバレ》 
『アンネの日記』――。それは第二次大戦中、ナチスによるユダヤ人迫害から逃れ、アムステルダムの小さな一軒家に家族と隠れ住んでいた一人の少女によって書き綴られた日記だ。作者であるアンネ・フランクという名の少女はその後、謎の密告者の裏切りによってアウシュビッツへと送られ、そこで15年という短い生涯を閉じることになる。彼女の死後に発見された日記はその後、出版。そのユーモアを交えた瑞々しい筆致や鋭い人間観察眼、思春期を迎えたばかりの少女の不安や戸惑い、暗い時代にあっても常に希望を失わない彼女の強さは多くの人々の感動を呼び、世界各国でベストセラーとなる。そして現代、ホロコーストの悲惨さを現代に伝える歴史的名著としてユネスコの世界記憶遺産に登録されるまでになった。本作は、その『アンネの日記』で彼女の架空の友達として呼びかけられるキティーが現代のアムステルダムによみがえったらという驚くべき着想で描かれたファンタジックなアニメーション。監督は、パレスチナ紛争を題材にした政治的主張の強い『戦場でワルツを』というアニメでデビューを飾ったアリ・フォルマン。『アンネの日記』は昔読んで、そのキラキラとした才能の塊のような文才に感銘を受けると同時に、もし生きてちゃんとした小説を書いていたらきっと世界的大作家となっていただろうと思うと改めて怒りと切なさに打ち震えるような感情を抱いた思い出の一冊。なので今回期待して鑑賞してみた。この監督らしい独自の画のタッチに最初は戸惑うものの、空想上の存在であるキティーが日記のインクから現実世界へと降り立つファンタジックな描写に惹き込まれる。その後、まるで中世ファンタジーに現れる悪の軍勢のようなナチスドイツや彼らに立ち向かってゆく英雄たちがアンネの愛した映画スターたちという発想はオリジナリティ抜群で、アニメ作家としてのこの監督の面目躍如といったところだろう。ただ、それに対してお話の方は僕は疑問に思わざるを得ないものだった。空想上の存在であるはずのキティーが現代によみがえって?作者であるアンネを捜すというこの設定がいまいち腑に落ちない。こういう荒唐無稽なお話こそより細部の設定を細かく詰めるべきなのに、本作はそこが非常に甘いのだ。なので全体的にフワフワとした捉えどころのない作品となってしまっている。また、アンネの足跡を追って遥か異国の地まで旅していたキティーが後半、何故か現代の難民を救うために尽力する展開となるのも強引さが否めない。もう少し脚本を練るべきだった。ホロコーストの悲惨さを現代に伝える歴史的アイコンとしてもはや象徴的存在となってしまったアンネ・フランクの、その人間的側面に脚光を当てようとする試みは好感が持てるだけに残念だ。余談だが、本作を観終わって本棚の奥に眠ったままだった『アンネの日記』を久々に手に取ってみた。まるで今もどこかでこの現代を見つめているかのような生き生きとした彼女の文章に改めて感動の念を抱いたことをここに記しておこう。
[DVD(字幕)] 5点(2023-07-31 08:09:48)
2.  ロスト・ドーター 《ネタバレ》 
風光明媚な海辺のリゾート地へとバカンスにやって来た、中年女性レダ。たった一人、レンタカーに質素な荷物だけを手にやって来た彼女は、さっそく浜辺に建つホテルへとチェックインする。昼は見渡す限りの海岸線を臨みながら海水浴を楽しみ、夜は現地のグルメとお酒に舌鼓を打つ。最高のバカンスになるはずだった。ところが彼女の表情は何処か浮かない。それは、同じ日にやって来た家族連れの旅行客のうちの一人、幼い娘を育てる若い母親を目にしてからますます酷くなってゆく。何故ならレダは過去、深刻な育児ノイローゼに陥り、2人の幼い娘に取り返しのつかない哀しい想いをさせてしまったから――。物語は、そんな哀愁漂う中年女性の現代の旅行風景と彼女が若いころ、辛い子育てに追い詰められてゆく回想シーンを交互に描いてゆきます。そんな自責の念に苦しむ母親役には、『女王陛下のお気に入り』での怪演が記憶に新しいオリビア・コールマン。正直、ものすごく辛気臭いお話でしたね、これ。別に僕はそーゆー辛気臭いお話が嫌いと言う訳ではないのですが、この作品のそれはちょっと僕の好みとは合わなかったです。とにかくこの主人公の過去のことをいつまでも引きずり、ひたすらウジウジクヨクヨしている余りに後ろ向きな態度が全く好きになれません。いや、気持ちは分かるんだけど、もうちょっと前向きになろうとか新しい世界に踏み出そうとか今は疎遠になっている娘と真剣に向き合ってみようとか、そういう応援したくなる要素がこれっぽっちもないんですよね、彼女。ひたすら嫌味なおばはん。そのわりには、現地の若い男と食事に行ったり、エド・ハリス演じるホテルの管理人に気のあるそぶりを見せたりする。正直、自分はかなりお近づきになりたくないタイプの人でした。2人の幼い娘を捨てて違う男の元へ逃げたという過去の罪悪感に苦しむのも、「そりゃそーなるわ!!」って感じで全く同情できません。そう言うわけで自分はさっぱり嵌まれませんでした。オリビア・コールマンの哀愁漂う演技に+1点。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-01 07:06:53)
3.  テルアビブ・オン・ファイア 《ネタバレ》 
未だ民族対立の空気が色濃く残る中東、イスラエル。パレスチナ系のテレビ局で働くサラームはある日、ひょんなことから人気ドラマ『テルアビブ・オン・ファイア』の脚本家に抜擢される。それまで担当していた脚本家がテレビ局の方針に反発し、自ら降板したのだ。脚本など全く書いたこともなかったサラームは、突然の事態に戸惑うばかり。なんとかアイデアをひねり出そうと、彼は様々な人物から話を聴くことに。なかでも毎日通る検問所を管轄するイスラエル軍将校から聴いた話は、とても参考になるものだった。検問所を通るたびに彼の意見を聞き、順調に脚本を書き上げてゆくサラーム。だが、次第に将校はユダヤ人としての正義を通すようサラームに要求してくるのだった。当然、テレビ局はそんな彼の脚本にクレームをつけてくる。さらにそこへ主演女優やサラームの元恋人、番組のスポンサーなどがどんどんと意見を突き付けてきたからさあ大変。果たして人気ドラマ『テルアビブ・オン・ファイア』は無事に最終回を迎えることが出来るのか?根深い民族対立を抱えたユダヤ人とパレスチナ人が人気ドラマの脚本を巡り、時に協力し時に反発しあいながら右往左往する姿を描いた社会派コメディ。と、まあ内容としては昔からよくあるベタなスラップスティック・コメディなんですが、本作の特徴はパレスチナ問題を背景にしているところ。おかげでいつでも銃を突き付けてくるイスラエル軍やいざとなれば自爆テロも辞さないパレスチナなど、けっこう際どいネタをぶっこんできてます。それでもそこまで深刻にならず、最後までそこそこ笑えるコメディに仕上げたのは、素直に監督のセンスがなせる技なのでしょう。最後、ユダヤ人とヒロインが結婚するオチにしろと要求するイスラエル軍将校とヒロインが結婚式で自爆して民族の意地を通すべきだとするテレビ局の意向に振り回される主人公。にっちもさっちもいかなくなった彼が、最後になんとかひねり出したアイデアには思わず笑っちゃいました。とは言え、良くも悪くも全体的にこじんまりと纏まっちゃった感があるのは評価が分かれるところ。コメディとしてもう少し突き抜けてくれた方が個人的には良かったような気がしなくもないけど、そこは好みの問題なんでしょうね。まあこの地域は現実の方が突き抜けているので仕方ないのかな。作品としてはよく出来てるんでしょうけど、僕にはちょっと物足りない作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2021-04-27 01:00:25)
4.  エルサレム 《ネタバレ》 
地獄への入り口は三つある。一つは砂漠に、一つは海に。もう一つはエルサレムに――。イスラエルへと観光にやって来たアメリカ人女性サラとレイチェル。楽しいバカンスになるはずだった。そうその日、行き先をテルアビブから三つの宗教の聖地とされるエルサレムへと変更するまでは……。地獄への門が開くとされる贖罪日の夜、突如として異形の怪物たちが現れ、人々を見境なく襲い始めたのだ。さらにはイスラエル政府が軍隊を投入したことで、この歴史ある街は大混乱へと陥ってしまう。これは実際にその日、現地でこの災厄と遭遇したアメリカ人女性が撮影した映像を独自に再構築して公開された作品である。と、まあよくあるタイプのPOV作品なのだけど、目新しいところといえばこれまであまりホラー映画の舞台とされることのなかったエルサレムで撮影されているとこでしょうかね。地獄の門が開き、鬼や悪魔が人間界に襲い掛かってきたという荒唐無稽な設定に説得力(まああくまである一定の、ですけどね笑)を与えています。それに多少の観光気分が味わえるのもグッド。エルサレムという現実に渡航するのは勇気がいるけれど一度は行ってみたい聖地を実際に訪れたかのような気にさせてくれます。もう一つは、画面を記録するアイテムがそれまでの単純なビデオカメラなどではなく、スマートグラスという眼鏡型のウェアラブル端末であるという点。新しいキャラクターが画面に登場するたびに顔認証されてその人のフェイスブックが表示されたり、目的地までの地図が表示されたり、音楽が流れたりと、単調になりがちなPOV作品の弱点をそれなりに補っております。まあ主人公が男友達とエッチする前に、何故かその一部始終がばっちり見えるところにその眼鏡を置くのはご愛敬ですけど(笑)。と、評価できるのはその二点ぐらい。あとはこれまで何度となく制作されてきた凡庸なPOV作品と大して変わりありません。だいたい物語の肝となる、魔物たちの復活までが無駄に長すぎます。もっとテンポよく進めてくれないと。あと、最後のオチの肩透かし感も酷い。「はぁ?これで終わり?なにそれ?!」って感じでした。
[DVD(字幕)] 5点(2017-07-26 22:49:26)
5.  コングレス未来学会議 《ネタバレ》 
かつて類まれなる美貌でもって栄華を誇ったもののいまや落ちぶれ、障害のある息子と共に質素に暮らす中年女優、ロビン・ライト。ある日、そんな彼女に大手映画会社から特異なオファーが舞い込んでくる。「君には映画会社が自由に操れるCG女優となってもらいたい。君は映画の中で永遠の若さを得ることが出来るのだ。その代わり、現実の君は今後一切、公の場に出てきてはならない」――。当初は断ろうとしたロビンだったが、息子のために仕方なく契約書にサインすることに。永遠に年を取らない女優となって見る見るうちに人気を得ていく〝ロビン〟。だが、20年後、事態は意外な方向へと転がり込んでゆく……。実写とアニメを融合させた独創的な映像で知られるイスラエルの映像作家アリ・フォルマンの新作は、そんないかにも彼らしい前衛的な作品だった。前半、コンピューターでスキャンされCGとなった主人公を軸にハリウッドの内幕をシニカルに見つめたドラマになるのかと思いきや、後半から物語は予期せぬ展開を見せ始める。初老の域に達した主人公が「未来学会議」という謎の会合に出席するため全てアニメで構築されたアブラハマシティへと迷い込んでからは、この監督の面目躍如といった独自の世界観が開陳されていくのだ。現実世界は全て原色系のカラフルな世界へと変貌を遂げ、人々はユーモラスでありながら何処かグロテスクなアニメキャラとなって主人公を迎え入れる。やがて、この世界は革命を起こし何不自由ないユートピアとなるのだが、当然、そこには不都合な真実が隠されている…。離れ離れになった息子を求めて、何不自由ないアニメ世界から現実へと戻った主人公が目にする真実には大いに戦慄させられた。この監督の前作『戦場でワルツを』を髣髴させるこの反転構造はやはりこの監督独自のものだろう。素晴らしい。だが、本作には決定的な弱点が一つ。それはストーリーの要所要所に腑に落ちない部分が幾つも散見されるところだ。何故、CGとなったはずの主人公が迷い込むのはアニメ世界のみなのか?何故、主人公は新たなユートピアのシンボルへと祭り上げられたのか?そして何故、主人公は〝ロビン・ライト〟という実在の女優でなければならなかったのか?そこに明確な理由付けが感じられない。そこが本作のレベルを一段低いものにしてしまっている。この独創的な世界観は文句なしに素晴らしかっただけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2016-07-23 22:01:45)
6.  ゼロ タウン 始まりの地 《ネタバレ》 
1982年、レバノン。イスラエルとの国境に近いパレスチナ難民キャンプ。常に死と隣り合わせのそんな地で、鬱屈した思いを抱えながら必死に生きる少年ファヘッドは、いつか父親とともに生まれ故郷へと帰り、親子で大事に育てているオリーブの苗木を大地に根付かせることだけを夢見ていた。だがある日、イスラエル軍の空爆によって、そんな最愛の父親と親友の命が奪われてしまう。いつかきっとイスラエルに復讐してやる…。そう心に誓うファヘッドに、ゲリラ組織からある命令が下る。それは父親を殺したかもしれない、撃墜された飛行機から捕虜となったイスラエル軍パイロットの監視役だった。「故郷に帰りたいのか?だったら俺のことを逃がしてくれ、お前をイスラエルの生まれ故郷まで案内してやるよ」と提案する獄中の捕虜に、当然のように反発するファヘッド。しかし深い煩悶の末に、彼の逃走を手助けしたファヘッドは、二人で生まれ故郷である始まりの地を目指して戦時下の危険な世界を疾走してゆく。当然、彼の手にはオリーブの苗木が握られていた――。冒頭からとてもリアルに描かれる、乾いた砂漠の難民キャンプで懸命に生きる子供たちの無垢でエネルギッシュな描写にはなかなか惹き込まれました。ただ、その後にイスラエル人とパレスチナ人というもう永遠に仲良くなることは不可能なんじゃないかという主人公二人が、旅を通じて徐々に友情を育んでいくというあまりにもベタな展開にはちょっと「う~ん」って感じでしたね。それに、手堅い演出とかは及第点ではあるのだけど、もうちょっと魅力的なエピソードとかキャラクターとかも欲しかったですかね。あの偶然巻き込まれたタクシー運転手であるタコ親父がもっと活躍するのかと思いきや、残念ながら速攻でお金も貰えずに退場させられちゃうし。それでも、主人公の少年とスティーブン・ドーフ演じるイスラエル人とのとても自然な演技とかはなかなか良かったっす。極めてオーソドックスではあるけれど、シンプルなロード・ムービーとしてなかなかの佳品だったと思います、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2014-03-17 23:10:42)
7.  囚われのサーカス 《ネタバレ》 
1961年、テルアビブ郊外にあるユダヤ人専門の精神科病棟へアダムという男が帰ってくる。入所している様々な患者らと共に奇異な行動を取り続ける彼は、戦前、ドイツでサーカスの道化師として働いていたという過去があった。そこで当然のようにナチスによって家族もろとも収容所へと送り込まれたアダム。物語は、そんなアダムが精神を病むきっかけとなった収容所でのとある将校との屈辱的な遣り取りを織り交ぜながら進行してゆく。恐らく、デビット・リンチやテリー・ギリアムのようなシュールな世界を目指して製作されたのだろうけど、いかんせん両者に比べて余りにもセンスが不足している感が否めません。リンチのような一度観たら忘れられない悪夢のような映像美もなく、ギリアムのようないつまでも記憶に残る個性豊かなキャラクターも登場せず、最後までなんとも地味な映画となってしまってます。自分を犬と信じ込んでいる少年のエピソードも主人公の狂気とうまく絡んでこないし、やたらとアダムといちゃつく看護婦も意味不明だし。うーん、ゴールドブラム&デフォーのかなり濃ゆ~い顔面だけがいつまでも印象に残りそうなそれだけの作品でありました。ホロコーストという歴史の狂気を象徴的に映像化しようという試みは良かっただけに、残念っす!
[DVD(字幕)] 4点(2014-01-09 21:50:50)
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