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1.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
この映画は監督の諧謔心を笑い飛ばせるかどうかで評価が異なる。タイトルは狙い過ぎのサムライ。日本では野球選手もサッカー選手もすべてサムライにさせられる。今の日本、弱いくせにサムライが多すぎる。また、ウルヴァリンが逃避行の女性と突然セックスするが、どうしても恋愛に見えない。やはり日本=女性は従軍慰安婦扱いにしたいのだろう。ラブホテル火星探検は、世界最高レベルの日本のアダルト産業を暗示させている。日本人がいかにイマジネーションに富んだ変態なのかハリウッドが証明してくれた。さらに日本は女性軽視の国だ。従軍慰安婦、痴漢映像、レイプ映像、アダルト漫画など、日本男性独特の「変態」に反感を持っている外国人は非常に多い。赤パンツの法務大臣は日本の政治家の象徴だ。こういう奴が国会で女性にヤジを飛ばし、世界に恥を晒すのだ。極めつけは世界から異質の目で見られているパチンコのシーンだ。ギャンブルは必ず負けるが、負けると分かって戦うのが日本人の美学らしい。殺されると分かっていながら、真田が不死身の主人公に睥睨しながら向かっていく切ない姿はその象徴だ。こうやって1つ1つのシーンを紐解いていくと、犀利な洞察力を持った監督の視点から見た日本観が見えてくる。褒めているのか貶しているのか微妙なところだ。それから日本で起きる殺人の5割以上が家族内殺人である。監督はその統計をちゃんと考慮している。ヒロインは父親から命を狙われ、ラスボスの祖父はヒロインに爽快に殺される。いずれにせよ、この映画では日本の男は全員人間のクズなので、死ぬ価値は充分ある。さらに原爆の投下後のシーン。アメリカ人が原爆を落とす→そのアメリカ人から日本人が助けられる→涙を流して感謝する日本人。アメリカンジョーク、ここに極まれり!そして助けてもらったのに、義理人情の欠片もなく裏切る極悪非道な日本男児─。出てくる日本男児は悪人と変態のオンパレード。しかし私は日本人に媚びない監督の日本観が気に入った。しかも肝心な点は日本の真実を捉えていた。
[DVD(吹替)] 7点(2014-07-28 20:37:17)
2.  別離(2011) 《ネタバレ》 
この映画のラストシーンは非常に良いですが、あのシーンは、娘の決定した答えを想像しなさい、と言っているのではなく、単純に娘の考えた結論は、この物語には必要がないからカットしたのでしょう。つまり、「別離」で言いたいことは、別離した後の結論ではない、そのことを強調するメッセージだと思います。親といえども、男女関係です。だからなぜ別離するの?という問いかけも意味を持ちません。テーマは別離だけではなく、裁判の行く末にも重点が置かれています。ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」のように泥沼系の裁判描写が延々と続くので、ドロドロ系好きの私にはたまりません。ただし、もちろん盗まれたお金はどうなった?ということを追求する目的ではありません。裁判というのは、アメリカや日本では、勝つか負けるかという戦略的な戦いの場です。しかし宗教に身を置く人々の一部では、かりに証拠不十分などで法律的な罰を免れても、神様から罰を受けると、本気で恐れている。てっきり私は流産した女性が、嘘をついて、慰謝料をふんだくる気でいるのかと思っていましたが、彼女は最後になって、嘘をついてお金を貰うと、神の罰が当たると恐れていました。日本人では「後ろめたい」という感情はあるかもしれませんが、見えない罰を真剣に怯える人は少ないでしょう。つまり性悪説の立場に立てば、宗教は犯罪防止の1つの抑止力になりえるのかもしれません。まあしかし、DV夫や、娘に嘘を連発する父親をみていると、信者のなかでも、神の罰を恐れるイラン人は一部しかいないのかもしれませんが─。「アルゴ」というイラン人を悪魔扱いしたハリウッド映画の後に観ましたのですごく良い映画に見えました(笑)「アメリカ人よ、これが映画だ」と言いたい気分です。  
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-06 16:03:43)
3.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
私は真面目すぎるのかもしれない。だが英国王がファック、チンポ、オッパイ、それはないだろうとおもった。それとも私の字幕が異常だったのか?仮にこれが真実に基づいたものであってもあまりに下品すぎる。日本の「テンノウ」で同じことをやってみせたらおそらくネトウヨは怒る。いや日本の全国民が激怒する。だからイギリスは寛容すぎるとおもった。吃音といえば日本人ならばやはり三島の小説「金閣寺」を連想します。吃音は自意識が過剰になる。自分が憐みの目で見られるのは吃音のせい、自分が好かれるのも吃音のせいで同情されているから。自意識の塊だった三島だからこそ生まれた奇跡の物語でした。しかしこの映画の吃音に対する心理描写は決して深くはなく、単にチンポと叫ぶ王様のキャラの一面として紹介しているだけでした。残念なことに私はその王様が好きになれませんでした。下品という理由だけではありません。彼は雇った平民に意見されたために激怒し、平民の父親の卑しい身分を持ち出して罵倒、その後、せっかく謝りにきた者にたいして、「王の謝罪を待つ者は長く待たなければならない」とあの腐ったセリフ。おまえ、何様だよ?もちろん王様だろう。オッパイと叫ぶクソ王様だ。聖人君子とは程遠い単なるバカ男だった。やるせない思いで映画を見終えたあと、私は冷静さを取り戻して静かに考えた─。今の不景気で暗い世の中において、誰が国民を勇気づけるメッセージを送れるか?国の王様か?テンノウか?それとも増税大魔王の野田首相か?または鈴木イチローか?なでしこか?自問自答による問題提起は2秒で結論が出た。やはり身分の高い人よりもスポーツ選手が国民に希望と誇りをもたらせてくれるとおもった。高貴な身分だけでは人は人を感動させることはできない。  
[CS・衛星(字幕)] 1点(2012-05-06 22:46:36)(笑:3票)
4.  オーストラリア(2008) 《ネタバレ》 
子役が悪い、子供に踊りをさせ、あざとく可愛く見せようとする演技指導は鼻につく。反対にニコールキッドマン。あなたは何歳になってもかわいい。今回のように瀟洒な身なりをしたお嬢さん役は、彼女の天性のはまり役だと言える。恋人の役のヒューはあいかわらずウルヴァリンよろしくワイルドな一匹オオカミだ。これまた彼のはまり役である。俳優としての格は、ニコールとヒューじゃ女王と足軽ほどの違いがあるが、2人の恋愛描写はじつにナチュラル。本気で仲が良いことが伝わってくる。ただし、甘すぎる恋愛は時として人を胸焼けさせることもある。その甘さを緩和させる役目として、預言者のおじさんが強烈なスパイスを与えてくれることを保証しよう。彼のあやしさはもはや変態の領域に突入している。そのせいか、小僧も魔法を使ったりするので、真面目に見ていたら肩透かしを食うことになる。B級ファンタジーとして観ることをおすすめする。ただし、意味も無く人が死にすぎる。子役の母親の溺死は唐突過ぎる。アル中男が死ぬのは予想していたが、その数分後にヒューとニコールが酔っ払ってキスをしている。よく考えれば夫も最近怪死したばかりじゃないか。不埒な未亡人だ。しかも2人のラブラブな様子をガキが盗み見して、最後にみんなが大笑い。命が軽すぎる。まさしくここにはBの雰囲気が漂っていた。歴史認識にクレームをつけたがる日本人もいるだろう。この件に関しては、私から言わせると目くじらをためる必要はないと思う。ハリウッドといえば反戦を建前に、ナチスドイツをネタにして、巨額の大金を稼いできた産業だ。もともと昔からこんなもの。日本人としては日本語の棒読みを笑い飛ばせる余裕が欲しいところ。私は笑い転げながら愉しめた。   
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-16 22:16:48)
5.  ブレイブ ワン 《ネタバレ》 
あなたは暴力を受けたことがありますか?という明確な問いかけがありました。激しい暴力を受けた経験がある人は、もし誰かが暴力を受けている場面に遭遇したらどのように感じるか分かるでしょうか?体が震えてきます。それは恐怖じゃない、怒りで震えてくる。暴力を受けている他人に自分自身を投影させ、暴力をふるわれても「ごめんなさい、やめてください」としか言えなかった屈辱的な自分を思い出すこともある。怒りや憎しみという感情は生まれもってのものではなく、悪意を持った他人から植えつけさせられるものだとおもう。ジョディが何度も危険な場面に偶然遭遇するのは不自然だという意見が多くみられますが、それは偶然ではなく必然なのです。法治国家は建前にすぎず、現実は力の強い者が、力の弱い者を打擲する世の中だ、警察はすべての暴力に対応できるわけではない、非力な弱者は恐怖で震えているだけはなく、怒りで震えている、主人公はいつしか恐怖を怒りに変え、そのためこんだ怒りを放出するために危険な地域をさ迷い歩いていたと考えます。ラストは素直に驚いた。たとえどんな理由があるにせよ、連続殺人を犯した主人公に残された道は、みなさんもご存知のとおり、大抵の場合は、敵と相打ちの末に死んでしまうケースが圧倒的に多く、その次に多いのが自殺です。(死刑はない)つまり法律的な罰ではなく、見えない力による罰(神の裁き)を受けるのが当然という意識が、作り手にも観客にも、心の底に根強く残っている。そして主人公が死ぬことによって、彼女の行動の是非は問わないことにする、つまり死んでしまったのだから今さら何を言っても仕方ないという、うやむやな展開にしてしまう。それがなんと主人公を生かしてしまった。だから観客は主人公の「罪」をうやむやにできなくしてしまった。あえて主人公を生かすことによって「あなたは許せますか?」というキャッチコピーがはじめて意味を持ちはじめる。  
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-12 19:33:27)(良:2票)
6.  バイオハザードIII
これはひどい。監督の頭がすでにゾンビ化している。ゾンビよりむしろ監督にアリスの血清が必要かもしれない。 ただしアリスが強くなるのは大賛成です。今後もどんどんスキルアップしてもらいたい。沈黙シリーズにでてくるおじさんのように無敵になってください。
[DVD(字幕)] 4点(2008-04-28 23:08:03)(笑:1票)
7.  プリシラ(1994)
砂漠は熱帯で生じた上昇気流が下降してくるため雲が発生しにくいので空はだいたい青いんですね、青い空にオカマという組み合わせは新鮮でした。シモネタも炸裂していました。おしりの穴からピンポン玉のようなものを飛ばすシーンはめまいがするほど下らないですが癖になりそうです。オカマたち3人の外見は決して美しくありません。むしろ化け物です。食事中に観たら吐くでしょう。なにせエージェント・スミスがオカマを演じているのだから本当に怖い。変な汗が出てきました。しかし3人が旅を通じて自分の本当の姿をさらけ出していく様子を眺めていると自然と共感が持てるようになってきます。化け物だと思っていたものが人間に見えてくる。ETを観ていたときを思い出しました。 人間は外見じゃなくて中身だというあたたかいメッセージに溢れています。心が清らかなぶんだけチャーリーズ・エンジェルの3人よりも美しいでしょう。 
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-13 22:31:37)(良:1票)
8.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 
イーストウッドの低俗さには、本当にあきれ果てました。 イーストウッドの誤っている点は、まず「法律なんて関係ねえ。やられたらやり返してやる。」というダーティーハリー式の発想です。 それはすべて勘違いです。このさいだから、この映画を記念して、ぜひ、ミステイク・イーストウッドと改名してもらいたい。 さて、イーストウッドさんに質問です。警察に密告された人が、復讐のために殺人を犯すことは良いことでしょうか? 勘違いをして人を殺しても、自分の心の中で反省していれば、刑務所に入らないで良いのでしょうか? 警察官のケビンは、殺人犯が誰か分かっていながら、放置していて良いのでしょうか? イラクを懲らしめるために、彼らを戦争で殺すことは良いのでしょうか? よく考えてみて欲しい。 弱者の視点なんて、まったくありません。 この映画はすべてが自分本位です。 さらに人を殺した夫をひきとめるショーンペーンの妻の台詞に、呆然とさせられます。「私たちは強いのよ。間違いなんて認めてはいけないわ。強い私たちは、自分たちの幸せのためだったら何もしても良いのよ。」 ・・・。 もしかしてそれはブッシュ大統領の演説でもパクッたのかっつーの! まさにアメリカの大バーゲンです。 そして最後のパレードの場面は、ティムロビンスの妻の弱さと、ショーンペーンの妻の強さが映し出されました。強いショーンペーンは、殺人者と言われずに、これからも生きていく。 しかし弱いティムロビンスの妻は、夫が死んだ後も、殺人者の家族のレッテルを貼られて生きていく。そして自分の夫を殺した強者のショーンペーンから、お金を送金してもらって、ひっそりと子供と生きていくのでしょう。 人間の弱さをさらけ出したショーンペーンの妻のような惨めな思いをしたくなければ「強く生きろ!やられたらやり返せ。でも自分の罪は認めるな!」という強烈なメッセージ。 これぞアメリカ、これぞイーストウッド。
0点(2005-03-21 02:04:06)(笑:1票) (良:4票)
9.  裸足の1500マイル
その当時の白人は黒人を人間として見ていなかったようです。 だから「黒人という非人間に育てられている白人の血をもった子供を救おう!」という差別発想からこのような悲劇が生まれた。 白人たちは親から子供を引き離しているなんて思っていない。 あくまでも「人間」を救おうとしているという思い込みが強烈です。 おそらく、動物から人間を取り戻すという感覚だったのでしょう。 それは現代の目から見ると理解しがたい差別だけど、これが現実。 これは誰が悪いかを問いかけている映画ではないと思う。 動かしがたい事実を伝えるための映画だと思う。 白人だけが悪いというのではなく、これが人間が過去に行ってきた真実。 信じがたい実話でした。
[DVD(字幕)] 9点(2004-09-20 11:04:34)
10.  マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 
あの無数の化け物のセンティネルが退却しただけで、ザイオンの生き残りの人間たちがガッツポーズをして喜ぶ姿に違和感を覚える。 「ネオが俺たちを救ってくれた」と感激するモーフィアスもわざとらしい。 これだけボロクソに殺されまくった人間たちが、なぜか勝利したかのような喜びだ。 機械も人が良い・・と言ったら変だがお人よしだ。 ネロに義理立てすることなくザイオンを滅ぼせば良いのだ。8人の人間だけ生かすならそうすれば良い。すべて機械の思い通りにできるではないか。 つまり人間は機械のお情けでこれからも生きていくのだ。 そして人間は機械の気が変わったらすぐ抹殺される立場なのは変わらない。 まさにつかの間の平和なのかもしれない。 スミスを倒したのも結局は機械だし、ザイオンの人間に情けをかけたのも機械である。 この映画の救世主はネロではなく機械だ。
5点(2003-11-26 01:09:28)
11.  ムーラン・ルージュ(2001)
なかなか楽しめた。 しかしストーリーは音楽の勢いで誤魔化している。 愛することと愛されることが何より幸せ、といいつつ、愛されることのみに執着しているユアン。もうちょっと人間をしっかり描いて欲しい、ユアンに共感できなかった。
7点(2003-11-07 02:29:32)
12.  ピアノ・レッスン
彼女と夫と、不倫相手の3人の人間の心理がしっかり描かれている。ピアノはたしかに彼女にとって重要なものだが、夫はそれに気がつかない、彼女を軽んじていたが、そのくせ自分の所有物が取られたからといって嫉妬に我を忘れるという罪深い人間だ。
7点(2003-10-15 04:05:20)
13.  シャイン
ドストエフスキーも白痴に人間の理想を求めたけど、映画でもしばしば自意識の無い純粋な白痴に人間の理想を求めることが多いなと思う。この映画は父親が印象に残ったな、彼は息子を愛していたのではなく、所有していたのだ。自分の分身とかそんな次元の話ではなかったはずだ。
9点(2003-10-15 02:31:43)
14.  マトリックス
格好いい!そうじゃない?私は純粋にそう思う。2はまだ見ていないが、いずれDVDで見るだろう
8点(2003-10-15 01:20:32)
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