1. イン・ザ・カット
中途半端な映画です。意味深でもったいぶったようなシーンが多い割には、全体はハリウッド・プログラム映画のルーティンなんだよね。客に媚びたような部分をすべて整理して、もっとわがままでインティメートな作りにすれば、もう少し良い映画になったと思う。とくに犯人がわかってからの解決までの展開は、「またか」というようなお決まりのB級パターンでしらけた。たとえば、犯人は最後までハッキリさせなくても良かったのではないか。(「殺人の追憶」みたいに)この映画のテーマは「犯人探し」、ではなくて、主人公の「内面探し」なのだから。それでは客が納得しない?そうは思わない。なにか意欲的なことをやろうとしていても、結局はマーケッティングありきでリスクを避けた保険を掛けてしまう。そういうハリウッド流映画作りではもはや韓国映画にも負けてしまうよ。 5点(2004-10-14 07:59:15) |