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1.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 
 私の感じていたキングコングの大きな魅力は、二つある。一つは人間の女にひかれて、純粋にそれを欲する部分。もう一つは、自然の驚異であるこの巨猿が大都会で大暴れという部分。  本作ではそのうちの一つが無くなってしまった。   キングコングを見世物にしない、というか本作の状況ではそんなことは望むべくもないのだが、作中の倫理的には大正解だが、作品的には物足りない。怪獣ランドにいるゴジラみたい。  とはいえ、人間がそこに(しかもかなり暴力的に)入り込んでいるのだから、ほかの巨大生物とともにの戦いには手に汗握る。   もう一つの「美女と野獣成分」については、かろうじて。原作ではそれゆえに命を落としてしまうのだが、こちらは美女を救ってカッコよく去ってゆく。美女を守って命を落とすのもカッコよいが、今作の設定でコングが死んだらまずいものなあ。なにしろ、映画会社的にはこの後、ゴジラやモスラ・キングギドラと共演させるつもりのようだから。
[DVD(字幕)] 7点(2017-08-29 21:57:02)
2.  スーパーマン リターンズ 《ネタバレ》 
 最初に描かれる活躍の、ジャンボ機の鼻っ先を受け止めるシーンは、その機体の波打つ描写を含め、ワクワクしながら見た。  数年ぶりに邂逅した、心通わせた男女の飛行シーンにもウットリした。   だが、あの子供が悪漢にした事を見た途端に、とても嫌な気持ちになった。『マンハッタンの怪人』とその舞台作品『Love never dies』を思い出さずに入られなかった。  少なくとも私としては、スーパーマンにこういう展開を求めてはいないのだ。このストーリーが続かなかったのは、幸いである。
[DVD(字幕)] 4点(2014-05-02 13:13:46)
3.  イエスマン "YES"は人生のパスワード 《ネタバレ》 
 ラジオ番組での、赤江珠緒嬢のオススメ作品なので鑑賞。  何だか啓発サークルっぽいものに対する嫌悪感、と同時にポジティブ志向・ポジティブシンキングに関する胡散臭さ、というようなものが思い起こされて、そういうものをヨシとする「オレ、ポジティブだろ?」的な風潮に、辟易している自分には、ほうら見ろ、とも、うんざり、とも言える物語。  確かに、無理やりな「イエス」によって巻き起こる騒動には、笑わせられるけど、その出処に、先述の通り不満を持っているので、中々素直に笑えない。多分これは、そういう事を考えずに、「笑えればいい」というだけで観る、ライトなラブコメ、という種類の映画なんだろう。  で、最後の古着寄付の件で、やっと「ポジティブ派」への皮肉になるのだけど、そこまで辿ってきて、それをやるのは、カール、アンタ結構イヤなヤツかも。
[DVD(字幕)] 4点(2012-08-30 09:19:39)
4.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
幼い頃から、自分を主張できない立場。利き腕さえ矯正されるほどに。未だに愚かな王である兄を擁護してしまう性格に。それらの抑圧を解き放った「友人ライオネル」の献身と、彼との絆を断ちきらなかったバーディの友情。完全にではないが、徐々に症状が軽くなるのと共に、バーディ・ジョージ6世の表情が自然に豊かになってきている。そして当初、自信のない「恐る恐る」の顔だったバーティの顔が、ついに開戦スピーチの後に国民に手を振るカットでは、実に自信に満ちた顔になっている。 自分の気持ちを、話したい相手に話し終えた満足感が見て取れる、いいカットだった。実際にはこの後もまだ、ライオネルの指導は続いたようだが、ここで物語を終えて正解。この顔を見て、もう大丈夫、と思った。そう、思った時点でこの映画は成功したと言えるだろう。 非常に地味だが、変に難解さが無くて、そして演説研究の大家・ヒトラーを引き合いに出してはいるが、イデオロギーじみておらず、いい映画だと思う。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-25 17:59:21)(良:3票)
5.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 
監督が亡くなった機に、もう一度見てみようと思ったが、あいにく手元に映像がなく、仕方なくサウンドトラック盤を聴いてみた。 やっぱり、このメインテーマ、凄い。考えさせられるわ。 次第に、やっと聞こえてくる導入部。 途中から入る感じを思わせる旋律。 我々が体験し、思っている事は、連綿と続く過去からの続きであり、これからも延々と続くのではないかと思わせる、やるせなさ。この無常感。 だからこそなのかも知れない、その中で自分を貫く者の思い、他者と分かり合おうとする者の思い、そういうものをすべて押し流すような時。 おそるべし、映画。おそるべし、映画音楽。おそるべし大島渚。 合掌。
[DVD(邦画)] 9点(2011-07-06 04:45:29)
6.  マトリックス 《ネタバレ》 
まあ、些細な事かも知れないけれど、「心と体は一体」であるのなら、彼らがマトリックス世界の中で、派手に撃ち殺した仕事熱心な警備員たちは、「電池ホルダ」の中で実際に死んでるんだよね? いいのか?
[地上波(吹替)] 7点(2011-06-24 23:00:48)
7.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 
数々の謎の解明が、ちょっとショボイというか、ご都合過ぎる。突然燃え上がるトリックは、相手が銃を使うという前提が必要だし、復活のトリックも、誰もが思い浮かぶ様なものだし、死んだように見える薬って、ロミオとジュリエットかよ!あと、人を買収して共犯にしてトリックを仕掛けるって、ミステリのトリックとしては、とても情けないぞ。 VFXによる活劇主体のホームズっていうのは否定しないけど、ホームズのみごとな推理と、それに相応しいトリック(現実的な)、という部分は、シャーロック・ホームズの基本だから、外してほしくない。アクションの強いのと、頭のいいのは相反しないから。それと、こういうモノのお約束なのか、最後に「モリアーティの仕業」的な設定をすることが多いようだけど、それ要らないんじゃないのかなあ。   
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2011-04-12 20:34:27)(良:2票)
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