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1.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 
かりに私たちが北朝鮮に連行させられて贋札作りをさせられることになったとする。そのときに「死んでも正義を貫いてやる」という態度をとった自分の姿を想像してください。本当にバカらしいではないですか?これこそ犬死にだ。分かりますか?ディス・イズ・ザ・犬死になのです。ブルガーの偽善的な正義のために地獄の三丁目まで道連れにされてしまうと思っただけで腹が立つ。ブルガーは妻がアウシュヴィッツで殺されてしまったので、もう失うものはなかった。ゆえに仲間を道連れにしようと思った。こういう自分勝手な行動をする者は仲間に殺されても文句は言えないはずです。いやむしろ「ナチスに協力するのは死んでもイヤだ」とのたまうならば、自殺して他人に迷惑をかけなければいいではないか。こういうのを正義とは言わない。無理心中という。もしサリーが贋札を作らなければ、ブルガーは正義を語ることすらできずに腐った死体と変わり果てていた。贋札を作らなければ殺される。作り終えたら今度は用済みとして殺される。それを理解していながらサリーは「今日の銃殺より明日のガス室がいい」と開き直って、小便をかけられようが、1日にでも長く、または1時間でも長く生きようと考えていた。命より正義が大切だって?いいですか?そんな正義なんてクソ食らえです。サリーの「生」に対する執着心が仲間たちを救ったのです。ところで皮肉な言い方になるがヒトラーの映画界に対する貢献度は非常に大きい。ライフイズビューティフル、シンドラーのリスト、プライベートライアン、戦場のピアニストなど。たった1人の悪役がこれほどまでにネタにされ経済効果を生むというのはもちろん例がありません。いろいろな意味でヒトラーは死してなお人々にお金を作らせています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-06 23:02:00)(良:2票)
2.  隠された記憶 《ネタバレ》 
衝撃のラストシーンという言葉だけが1人歩きしたような作品ですが、ここのレビューを読んでいると犯人は子供だったという意見が多い。でも違うと思う。しかしそんなことは3流の推理小説と同じようにどうでもいいことなんだと思う。監督の伝えたいことと、キャッチコピーがまったくあっていないほうが私には衝撃でした。ちなみに自己顕示欲の強い監督がつくった映像は、まるで映画愛好会の素人がつくった映画と判別がつかない。わたしは冒頭のパフォーマンスが気に食わない。ああいう映像を撮って人に見せておいて「意味がワカラナイ」と文句をいうと、ちゃんと観ないキサマが悪いのだと逆ギレする素人がいますがそれと変わりません。それに私はウォーリー探しを楽しむために映画を観ているわけじゃありません。以上です。 
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-15 21:05:07)
3.  マーサの幸せレシピ
人は感情的な動物ですから、いくら有名な料理人がつくった食べ物でも、作った人が嫌いならば、どんな食べ物のあまり美味しいとは感じないでしょう。これがブラックジャックだったならば、医者の性格がひねくれていても、腕さえ良ければ患者は治るでしょうが、料理人の場合は腕だけでは人の舌を満足させることができないのだと思います。逆にまずい料理でも愛する人の作った食べ物はどんなものも美味しく感じられるものです。料理人のマーサは心の面を改善していくことで、人間として、そしてシェフとして成長していく様子がとても自然で共感がもてました。これは料理に名を借りたヒューマンドラマなんだと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2006-05-24 19:48:38)
4.  ヒトラー 最期の12日間 《ネタバレ》 
「怒る技術」という本を昔読んだことがあるのですが本当に腹がたつから怒っている人と、人身掌握のために巧妙に他人に対して怒りを表現している人がいるようです。ヒトラーは後者であり、その怒りはポーズだったと思う。ヒトラーは最後まで狂ってはいないしヒステリックだったわけでもない、最後の12日間における怒りは自分の身を守るための人為的な演技であり、彼はとうとう最後まで「怒る」という演技を貫き通したのだと私は思えてなりません。 ヒトラーとは何者なのか?我々は普段の生活でも「あいつはヒトラーのようなやつだ」ということを日常会話で使うことがありますが、ヒトラーは「独裁者」「悪魔」の代名詞に使われることが多い。しかしこの映画を観て、彼が「ふつうの人間」であったという事実に第3者の日本人は驚き、被害者のユダヤ人は「嘘だ!」と大声で叫び、当事者のドイツ人は「まずいことを言ってくれたな」と苦い顔をしたはずです。彼が悪魔ではなく人間であったという事実を提示しただけでこれだけ多くの人が心をかき乱す。ちなみに日本では東条英機を題材にした「プライド・運命の瞬間」という映画がありますが、これはA級戦犯を美化していると問題になった作品で日本人からさえも非難の嵐でもちろん中国からクレームがつきました。しかしあえて言わせていただきたいのは、加害者であるという立場を恐れず、また他国の誤解を恐れずに日本とドイツはこのような映画を作り続けて欲しい。 久しぶりに映画の「役割」について深く考えさせられました。 
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-26 17:17:04)(良:2票)
5.  ピアニスト
「8人の女たち」の中でユペールがとても存在感があったので、この映画を観た。 主人公の異常性癖ばかりが目に付くが、実際に同じような状況に立たされたら誰だってユペールのようになる可能性はあると思わんかな? 性を知らないで歳をとるということが生んだ悲劇やね。男性だって一度も女性と付き合ったことが無くて、セックスもしたことが無い状態で、AVビデオばかり見て欲求を解消していたとしたら、「性」に対してひどく偏見を持ってしまってもおかしくないやろ。 今まで抑圧されてきた欲望が一気に爆発したということやね。 彼女は性欲が異常だったというよりは、好奇心がとても豊富やったんだと思う。 久しぶりに目を背けたくなるような痛々しい映画でした。
7点(2004-05-01 21:50:46)
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